特集

特集/政治劣化を助長する創価勢力の原罪

 

創価・公明の加速度的レゾンデートル崩壊示唆した3つの指標

乙骨正生

ジャーナリスト

 

森友問題・共謀罪そして核兵器禁止条約

 会則改変による本尊・教義の変更や、イラク特措法・特定秘密保護法・集団的自衛権行使容認・安保法制への賛成などなど、自公連立政権参画に伴う政治的スタンスの激変は、創価学会の宗教的・社会的レゾンデートル(存在理由)の崩壊を示唆していると、筆者は本誌で指摘してきたが、昨今、話題の国民注視の3つの問題が、その崩壊の度合いがさらに加速度的に進んでいることを示す指標となっている。

 3つの指標とは、いまや国民の一大関心事となった森友問題と共謀罪(テロ等準備罪)、そして法的拘束力をもつ国連の核兵器禁止条約決議ならびに会議への日本政府の反対と不参加表明に対する公明党そして創価学会の対応である。以下、それぞれの指標についての創価学会・公明党の対応を簡単に検証してみよう。まずは森友問題から。

 国民の財産である国有地を、教育勅語を園児に暗誦させる教育を施してきた森友学園にタダ同然で払い下げるという不透明かつ不自然な問題に端を発した森友問題は、3月23日、森友学園の籠池泰典理事長(当時)の国会証人喚問へと発展した。証人喚問に至る過程で、国会や大阪府議会では連日のように森友問題が取り上げられたが、公明党は森友問題に関する質問を行うどころか、自民党と一体になって籠池氏の参考人招致に反対。籠池氏が安倍首相夫妻からの寄付に言及するや、一転して首相への侮辱だとして、籠池氏を国会に証人喚問したが、野党が国有地の廉価での払い下げや異例続きの小学校認可問題、さらには首相夫妻や政治家の関与、行政当局の忖度(そんたく)を追及する中で、公明党は自民党と一体となって、安倍政権へのダメージを抑えるために、籠池氏の証言の信用性・信憑性に疑問を投げかける質問に終始した。

 創価学会もそうした公明党の姿勢を是認しているのだろう。証人喚問翌日の3月24日付「聖教新聞」は、「『森友』問題で籠池氏喚問 『訴追の恐れ』証言拒否 衆参予算委 公明・竹谷、富田両氏が追及」との見出しで、公明党議員の質問に特化した報道を行い、籠池証言の信憑性に疑問を投げかけている。例えば注目の安倍昭恵夫人からの寄付金100万円の有無については次のようにある。

「参院予算委で竹谷参院議員は、籠池氏が首相夫人から封筒に入った100万円の寄付を受け取ったとしたことについて、寄付金が入っていた封筒を残しているかと聞き、籠池氏は『残っていない』と答えた。竹谷参院議員は、『封筒も残していない。お礼状も出していない。私には100万円の寄付がなかったのではないかと思えてならない』と指摘した」

 本誌読者には周知のことかもしれないが、創価学会が政界に進出したのは昭和30年のこと。同年4月の統一地方選挙で東京都議会や東京特別区(23区)、横浜市議会など複数の地方議会に議席を獲得したのだが、その際、創価学会が政界進出の旗印として掲げたスローガンは、「公明選挙」「政界浄化」だった。翌317月の参院選で国会に議席を獲得した創価学会は、池田大作会長(当時)の提唱で、3611月に公明政治連盟を、3911月に公明党を結党したが、その綱領には「腐敗政治と断固戦い、公明なる議会制民主主義の確立」とあり、結党宣言でも「政界浄化」を掲げていた。

 

国有地不正追及は「公明党の独壇場」

 しかも結党50年を記念して公明党が出版した『大衆とともに――公明党50年の歩み』(公明党史編纂委員会 平成26年刊行)によれば、そもそも「公明」なる名称は、戸田城聖創価学会二代会長が、創価学会が参院に初めて議席を獲得した直後に、「学会の選挙運動は『公明選挙』だ。宴会政治のような、腐敗した政治を正すのが使命だからだ」と述べ、政治団体を作る場合には「公明」の名を冠するよう提案していたことを踏まえた池田会長の、「政治団体としての名称は『公明政治連盟』としてはどうだろうか」との提唱に基づいて名付けられたという。

 一連の事実は、「政界浄化」と「腐敗した政治を正す」ことが、宗教団体である創価学会の政界進出と、公明党という宗教政党結成の重要な動機と目的だったことを示している。

 それだけに公明党は、結党当初から「清潔の党」を自らのキャッチ・フレーズとし、国会ならびに地方議会で腐敗政治すなわち汚職や疑獄、政官業の癒着やもたれ合いの追及に力を入れた。前出の『大衆とともに――公明党50年の歩み』では、そうした公明党の“活躍”を、「『政界浄化の公明党』の真価発揮――国、地方で金権腐敗政治の一掃に総力」との見出しでアピール。「●“公明党の独壇場”参院決算委での追及」「●共和製糖事件追及。黒い霧解散の引き金に」「●都議会リコール解散主導。議長選汚職で」「●都議会公明党が『宴会政治追放』の口火切る」「●法案審議で“与野党ヤミ取引?”疑惑糾す」「●追及した不正浪費額・国の予算の12%分」などの“実績”をあげたと誇示している。

 このうち「公明党の独壇場」だったという参院決算委員会の追及とは、国有地などの払い下げをめぐる不正の追及。そこには公明党の活躍によって次のような不正や疑惑が暴かれたと書かれている。

「公明党が第3党になった参院では、特に決算委員会を舞台とした国有財産払い下げをめぐる不正追及は、“公明党の独壇場”といわれた。旧虎ノ門公園払い下げにからむ不正転売、旧陸軍経理学校跡地の不正転貸し、旧高輪御用邸跡の国有地払い下げに絡む疑惑、日本住宅公団が行った大阪・光明池の用地買収をめぐる疑惑・・・など次々糾弾し、そこに政治家や利権屋が暗躍している実態を浮き彫りにした」

 国有財産の払い下げをめぐる不正の追及で「独壇場」とまで言わしめた公明党と、今日、国有地の払い下げに端を発した森友問題で、沈黙するどころか疑惑に蓋をしようとする公明党の態度はまるで似て非なるもの。

 宗教的倫理観に基づく「政界浄化」を旗印に、政界に進出した創価学会と公明党の、宗教的・社会的レゾンデートルが崩壊していることは明らかだろう。

 

創価学会弾圧の根拠は「治安維持法」

 同様に共謀罪に公明党が賛成し、創価学会がこれを是認していることも、創価学会・公明党の宗教的・社会的レゾンデートルの崩壊を示唆している。

 創価学会の前身である創価教育学会は、戦前、治安維持法違反と神宮大麻に対する不敬罪で摘発され、牧口常三郎会長・戸田城外(後に城聖)理事長以下の幹部21人が検挙され、牧口会長は獄死、組織は壊滅した。

 こうした歴史的経緯から、創価学会ならびに池田名誉会長は、自らの平和活動や人権闘争の原点は戦前の軍国主義政府との闘争にあると強調。創価学会弾圧の根拠となった治安維持法を「稀代の悪法」と批判してきた。例えばブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁との対談集『二十一世紀の人権を語る』において池田氏は、「日本では、一九二五年、普通選挙法が成立した時、稀代の悪法である治安維持法が同時に成立しました。青年男子の参政権が認められた一方、表現・結社の自由、ついには思想・信条の自由さえ制限されることになってしまい、その結果、国家総動員法にいたる軍国主義日本への道となったのです」と、治安維持法を「稀代の悪法」と表現した上で、「私ども創価学会が第二次世界大戦当時に軍事政府から受けた迫害は、先ほど申し上げた『治安維持法』という思想統制の悪法にもとづいたものでした」と発言している。

 国民の強い反対によって過去3度にわたって廃案となった共謀罪については、「原則として結果犯を処罰するという我が国の刑事法の基本原則や法体系に反し、人権保障機能を危うくする」(新たな共謀罪法案の国会上程に反対する東京弁護士会会長声明・2017/1/11)ことや、「結社の自由、表現の自由はもとより、思想信条の自由という内心の自由をも侵害」(同)するおそれがあることから、日本弁護士連合会会長をはじめ、東京・大阪・愛知など全国各地の弁護士会会長が、相次いで反対声明を発表。今年2月には葛野尋之一橋大学教授、高山佳奈子京都大学教授らを呼びかけ人とする刑法学者137人も反対声明を出すなど、法律専門家を含む国民各層からの強い反対の声があがっている。

 だが公明党は、安保関連法制を「平和安全法制」と言い換えて成立を図ったように、共謀罪に関しても、676あった共謀罪政府原案の犯罪対象を277に絞り込んだと喧伝。「共謀罪は、国民を弾圧するための法律などではなく、組織犯罪集団の犯行から国民の権利を守るための法律」(漆原良夫公明党法務部会長)などと主張。安倍自民党ともに、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催のために共謀罪の成立は必要と強調している。そして創価学会ならびに池田氏もまた共謀罪に反対することはなく、共謀罪の成立を急ぐ自民・公明両党を批判することもない。

 創価教育学会を壊滅させ、初代会長を獄死させる根拠となった「稀代の悪法」の再来を黙認する創価学会と公明党の姿勢は、宗教団体としての自己否定にほかならず、「内心の自由」を侵害・抑圧する可能性のある共謀罪の導入に道を開くことは、宗教団体の存立基盤である「信教の自由」や「思想・信条の自由」を放擲する自殺行為ですらある。

 

核兵器禁止条約反対に沈黙

 そして法的拘束力をもつ核兵器禁止条約交渉に関する国連決議に日本政府が反対し、いままた交渉会議に不参加を表明したことを政権与党公明党が是認し、創価学会が抗議も批判もしていない事実も、創価学会・公明党の宗教的・社会的レゾンデートルの崩壊を物語っている。

 今年1月の「SGIの日」記念提言で池田氏は核兵器禁止条約に言及、交渉会議直前の3月1日には英字紙への寄稿文で、日本が核兵器禁止条約会議でイニシアチブを取ることを提唱しているが、日本政府が核兵器禁止条約交渉決議に反対したことや、交渉会議に不参加を表明したことを批判することはない。池田氏はつねづね、生命尊厳という宗教的理念と宗教的使命感に基づいての発言とする戸田二代会長の「原水爆禁止宣言」を、創価学会ならびに自らの平和運動の原点であると強調し、声高に核兵器の廃絶を訴えてきた経緯がある。

 そうした事実に基づくならば、アメリカ従属という政治的思惑から核兵器禁止条約に反対する日本政府を厳しく批判すべきは当然であり、自らが創立した公明党に政府と厳しく対峙し、もし聞き入れないならば連立離脱をも考慮すべきが至当のはず。だが共謀罪同様、核兵器禁止条約への反対・不参加にも池田氏ならび創価学会は沈黙を守り、唯々諾々と連立を維持する道を歩んでいる。

 こうした創価学会の現状を矢野絢也元公明党委員長は、著書『黒い手帖』に「私の見る限り、学会は明らかに宗教法人の枠組みを外れ、反社会的な集団への道を辿っている。このまま、進路を修正せずに進んでいけば、行き着く先は『忘』ではないか」と書いているが、それが単なる宗教団体の「忘」だけですむなら問題はない。というのも創価学会が首相官邸と直接、政治的パイプを結んでいること、さらには公明党を通じて日本の政界全体に少なからぬ影響力をもっている事実に鑑みる時、それは宗教団体だけの「忘」にとどまらず、日本社会全体の「忘」に繋がりかねない。その意味で3つの指標は、創価学会の崩壊と同時に、日本社会全体の危機を浮き彫りにしたともいえよう。

 

乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。

 

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

 

●欺瞞的な核兵器禁止条約をめぐる提言&活動

3月3日付「聖教新聞」「英字紙ジャパンタイムズに 池田先生が寄稿」「「今こそ核の脅威終わらせる条約を」

「池田先生が『今こそ核の脅威を終わらせる条約を』と題して、英字紙『ジャパンタイムズ』(1日付)に寄稿した。今月末からアメリカ・ニューヨークの国連本部で核兵器禁止条約の締結に向けた交渉が始まることを受けて、唯一の被爆国である日本が歴史的な使命と責任に基づき、交渉会議に自ら参加するとともに、核保有国や依存国へも参加を働きかけるべきと強調。またこの条約作りを“地球的な共同作業”とするためにも、市民社会の声を、民衆主導による国際法としていくべきと訴えている」

3月31日付「聖教新聞」「核兵器廃絶へ確かな前進を」「国連本部で宗教間の共同声明を発表」

「アメリカ・ニューヨークの国連本部で27日、核兵器禁止条約の制定に向けた交渉会議がスタートし、SGIの代表が市民社会の一員として参加している。28日には、条約内容の具体的な討議に先立つハイレベルセッションが行われ、SGIが参加する『核兵器を憂慮する宗教コミュニティ』が共同声明を発表した」

 

※法的拘束力のある核兵器禁止条約締結交渉を進めるための会議が、3月27日から国連で始まった。昨年10月、国連総会第1委員会が法的拘束力のある核兵器禁止条約交渉の推進を決議した祭、日本政府は米露などの核保有国とともに決議に反対。唯一の戦争被爆国の反対は、核兵器の廃絶を願う国内ばかりか世界の人々の失望と顰蹙を買った。だが、多年にわたって核兵器の廃絶を声高に主張してきた池田大作名誉会長は、日本政府すなわち安倍自公政権を批判することはなく沈黙。しかし交渉会議が始まるのを前にして、ジャパンタイムズ紙に、「唯一の被爆国である日本が歴史的な使命と責任に基づき、交渉会議に自ら参加するとともに、核保有国や依存国へも参加を働きかけるべきと強調」する一文を寄稿した。

 しかし核兵器禁止条約の交渉に日本政府は不参加を表明。あらためて核兵器の禁止・廃絶を進める世界の声に逆行。会議の場の無人の日本代表団の席には、国連NGOによって「あなたがここにいてほしい」との英文メッセージが書かれた“折り鶴”が置かれたが、交渉への参加を主張した池田氏の日本政府に対する批判的コメントはいっさいない。創価学会はいまや安倍自公政権最大の支持基盤であり、公明党は政権与党。池田氏や創価学会が行うべきは、ジャパンタイムズ紙への寄稿や「市民社会の一員」としての交渉会議への参加ではなく、日本政府に条約に賛成し、交渉会議に参加させることではないのか。核廃絶を自らを飾るアクセサリーとして利用し、核兵器条約交渉においてもアリバイ的工作と報道を続ける創価学会&池田氏。罪深き所業と言わざるを得ない。

 

●健在誇示も写真不掲載

3月4日付「聖教新聞」「池田先生ご夫妻――創価女子会館へ」「池田先生と香峯子夫人は3日午前、東京・信濃町の創価女子会館を訪れ、同会館の前で婦人部と女子部の最高幹部を激励した」

3月27日付「聖教新聞」「アメリカ広布の尊き母 来日した歴代婦人部長を池田先生ご夫妻が激励」

「池田先生と香峯子夫人は25日午前、東京・新宿区の戸田記念国際会館を訪れ、一行を激励した。池田先生は、純真な師弟の信心を貫き、後輩の育成に走り続ける母たちを賞賛。感謝と広布の決意を語る一行に『サンキュー!』『ありがとう』と応えるとともに、一人一人の健康・勝利、アメリカSGIの一層の大発展を心から念願した」

 

※小説「新・人間革命」の連載に、各種会合へのメッセージなど、旺盛な“執筆力”を誇示する池田大作氏だが、あいかわらず会員の前に姿を見せることはなく、肉声ビデオの発表もない。かてて加えて最近は「聖教新聞」への写真掲載もなくなり、わざわざアメリカから来日したというアメリカ創価学会の歴代婦人部長と面談したとの記事にも、婦人部・女子部との面談の記事にも写真はない。写真を撮ることすらままならない、あるいは写真でその姿を見せることもはばかられるほど老・病は進んでいるのだろうか。生・老・病その先にあるものは……。

 

●東京都議選に向けて繰り返される宗教的扇動

3月4日付「聖教新聞」「創価の団結と底力を示せ」「原田会長を中心に全国総県長会議」

「祈りと励ましと団結。この『法華経の兵法』で勝て!――広布全身の息吹みなぎる全国総県長会議が3日、東京新宿区の創価文化センター内の金舞会館で行われた。(中略)

 原田会長は、若き日の池田先生が陣頭指揮を執った『札幌・夏の陣』(1955年)と『大阪の戦い』(56年)に言及。その勝利の要諦として『最高の祈り』『最高の準備』を挙げ、全リーダーが異体同心の団結で、広布の名指揮をと望んだ。さらに学会の永遠性を確立する重要な『時』を迎えていることを改めて強調。全国の池田門下がわが使命と責任を果たし抜き、拡大につぐ拡大に一丸となって打って出て、創価の底力を示そうと訴えた」

3月15日付「聖教新聞」「全国で対話の春告げる座談会 原田会長は東京葛飾 永石婦人部長は足立へ」

3月19日付「聖教新聞」「東京調布 総区の日記念総会 原田会長、永石婦人部長とともに」

 

※7月の東京都議会議員選挙に向けて創価学会が力を入れている。全国総県長会議で池田氏が折伏と選挙闘争で勝利したとする「札幌・夏の陣」と「大阪の戦い」を例示して選挙勝利のための準備を指示。自らは都議選の激戦区や新人候補を擁立する東京の各組織に足を運んでいる。選挙の勝利を自らの宗教的正当性の根拠とする創価学会は、「創価の底力を示そう」と政教一体の選挙闘争を躍起になって繰り広げていることが判る。

 

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3月号

3月号目次

閻魔帳

創刊15周年に寄せて 自壊・自滅の道を歩む創価学会を定点観測したことの意味/乙骨正生

特集/共謀罪に手を貸す公明党&創価学会の自己否定

“御身大切”で共謀罪に賛成する創価・公明/溝口 敦

「究極の悪法」こと共謀罪創設法案の成立に手を貸す「公明党=創価学会」の大罪/古川利明

戦争をする国へ安倍政権の総仕上げ 対米「朝貢外交」と「共謀罪」のゴリ押し/川﨑泰資

トピックス

カルト報道の明暗 幸福の科学とワールドメイト/藤倉善郎

トピックス

統一教会(家庭連合)を放置し続けた行政機関への国賠訴訟、東京地裁は棄却の判断/鈴木エイト

連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

新・現代の眼(第回)

“森友学園”から見える大・小の問題菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情229

テロ対策にセクト警戒機関が関与する理由広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

 巻頭の「閻魔帳」でも触れましたが、少誌は、今号をもって創刊満15年を迎えました。創刊当初、連立政権に参画した創価学会・公明党は、国家権力をバックボーンに、自らに対する批判勢力・抵抗勢力に暴力的牙を剥き出しにし、熾烈な攻撃を繰り返していただけに、少誌や小誌発行人もその対象として、激しい誹謗中傷を浴びるとともに、名誉毀損に基づく民事・刑事での提訴・告訴や、創価学会関係者による携帯電話の通話記録の引き出しなどの被害にさらされました。

 しかし15年の歳月の過程で、「永遠の指導者」として組織に独裁的に君臨してきた池田大作名誉会長は、事実上の「生ける屍」となり、また矢野絢也元公明党委員長の造反や、本尊教義の変更と平和主義の放擲などの政治的主張の変遷などにより、宗教的・社会的レゾンデートルが崩壊し、いまや創価学会の組織勢力は下り坂。自壊・自滅に向けて坂道を転げ落ち始めているといっても過言ではありません。

 そうした組織実態を糊塗するために創価学会・公明党は、国政では自民党にすり寄り、軍国主義や国家主義に反対し、憲法9条の厳護を訴えていたにもかかわらず、改憲を掲げる安倍自民党に媚び諂い、牧口・戸田両会長を獄に繋いだ治安維持法の再来といわれる共謀罪にも賛成する体たらく。その一方で、東京都議会では小池都知事にすり寄り、来る都議選で現有23議席を確保すべく腐心するという無様な醜態をさらしています。

 残念ながら小誌は、創価学会という宗教的ファシズム勢力と自民党の右翼ファシズム勢力が連携し、議会制民主主義の危機を招く事態を防ぎたいという創刊の動機・目的を果たすことはできませんでしたが、創価・公明という異常な宗教政治集団が、日本社会にいかなる弊害をもたらしたかという事実を、後世に伝える定点観測者としての役割だけは果たせたものと自負しています。

 安倍自公政権が、「内心の自由」を侵害する共謀罪の成立を図ろうとするいま、小誌はもう少し「カナリヤの囀り」を続ける必要があるのかなと考えています。

 どうか今後とも、よろしくご支援ご協力のほど、お願いいたします。

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特集

特集/共謀罪に手を貸す公明党&創価学会の自己否定

“御身大切”で共謀罪に賛成する創価・公明

溝口 敦

ノンフィクション作家

危険性を承知で成立に寄与

 安倍政権は過去3度廃案になった「共謀罪」法案を「テロ等準備罪」と名を変え、310日にも閣議決定して上程、成立させようとしている。

 安倍首相は124日の衆院本会議で「これを共謀罪と呼ぶのは全く誤りであります」と強弁した。その理由として、今回のテロ等準備罪法案は対象を「組織的犯罪集団」に限っていること。また「犯罪の準備行為が行われたとき」と限定して、初めて処罰の対象となること──を挙げた。

 だが、これらは06年の共謀罪の修正案にすでに盛り込まれていたことが判明している。安倍首相のウソは簡単に露呈したし、だいたい共謀罪で逮捕されるのは「組織的犯罪集団」のメンバーに限らず、一般国民全てが法の対象にされる。安倍首相は二重三重にウソをつき、果ては「法案を整備しなければ東京オリンピックをできないと言っても過言ではない」とテキ屋の口上よろしくまくし立てた。

 だが、公明党はこの危険きわまる法案に賛成している。共謀罪の危険性は十分承知しているはずだが、安倍の寵を競う維新という競争相手が登場した以上、あえて反対を唱えて、安倍にソデにされたくはない。しかし、政党としての見てくれも顧慮せざるを得ず、苦肉の策として法案は「犯罪対象が多すぎる」と注文をつけた。政府はこれを受けて667罪を277罪に削って、5つに分類した。

 内訳は、①テロの実行に関する犯罪──組織的な殺人や現住建造物放火、ハイジャック、拳銃などの発射、サリンなどの発散、流通食品への毒物混入など110罪。

②薬物関連──覚せい剤やコカイン、大麻などの輸出入・譲渡など29罪。

③人身に関する搾取関連──人身売買や臓器売買、集団密航者の不法入国、強制労働など28罪。

④その他資金源関連──組織的詐欺など101罪。

⑤司法妨害関連──偽証や逃走援助、組織的犯罪の証拠隠滅など9罪。

 と、並べている。

 一見もっともらしい外見だが、227日、衆院予算委員会ですぐ共謀罪法案の化けの皮が剝がれた。金田勝年法務大臣が、もともとどのような性質の団体であっても、犯罪を目的とする団体に「一変」した場合には、適用対象の「組織的犯罪集団」になり得るとの見解を示したのだ。

 民進党の山尾志桜里代議士が宗教法人やNPO法人、草野球チーム、同窓会のメーリングリスト、「ライン」グループを例に挙げ、性質が一変したと見なされれば、「組織的犯罪集団」になるのかと質した。金田法相は「もとの団体の性質は関係なく、(犯罪目的の団体に)一変した場合ということでとらえる」、「一変したと判断するのは捜査機関だ」と認めた。

 また通信傍受法の対象に「ライン」やフェイスブックなどのSNS全般が含まれると答弁、たとえ絵文字であっても共謀の合意は成立し得る、手段は限定して考えないと認めた。

 テロ等準備罪は老若男女を問わず、全国民を対象とする。全国民が共謀罪に問われかねない危険性が日を追うごとに明確化している。

 よく知られたことだが、創価学会の初代・牧口常三郎、二代・戸田城聖は昭和187月、警察に逮捕され、8月牧口は巣鴨拘置所に移された。同年11月、治安維持法違反と神社に対する不敬罪で予審請求を東京地裁に出された。

 その折の検察調書は牧口の罪状に関し、次のように結論している。

「謗法の罪をまねがれんが為には、皇大神宮の大麻を始め、家庭に奉祀する一切の神符を廃棄する要ある旨強調指導し、同人等をして何れも皇大神宮の大麻を焼却するに至らしめ、以て神宮の尊厳を冒瀆し奉る所為をなしたる等、諸般の活動をなし、以て神宮の尊厳を冒瀆すべき事項を流布することを目的とする前記結社の指導者たる任務に従事したるとともに神宮に対して不敬の行為をなしたるものなり」

 牧口、戸田は戦争に反対したから、治安維持法に問われたのではない。単に伊勢神宮の神札を焼いたからにすぎない。それだけが、治安維持法第7条「国体を否定し又は神宮若は皇室の尊厳を冒瀆すべき事項を流布することを目的として結社を組織したる者又は結社の役員其の他指導者たる任務に従事したる者は無期又は4年以上の懲役に処し」、及び神社に対する不敬罪に相当する行為だったのだ。

自縄自縛となる可能性大

 現在の創価学会・公明党は政権に服従し、世の大勢に従うだろうから、現在の治安維持法である共謀罪に引っ掛けられることはないと彼らは安心しているかもしれない。しかし、山尾志桜里代議士の挙げた例に宗教法人が含まれているように、創価学会という組織やその幹部をかつてのオウム真理教に準ずる「組織的犯罪集団」、あるいはメンバーとみなして、共謀罪で罪に落とすことはきわめて簡単だ。

 教団施設内に第三者を入れない徹底した秘密主義、教団施設で選挙など政党活動を行っている政教一体ぶり、海外への目に余る組織展開、池田大作氏の名誉あさりを意図した海外送金など、創価学会を国際的テロ支援組織と疑うことは決して不可能ではない。

 まして公明党は7月の都議選では自民党との連携を離れ、小池百合子都知事にすり寄っている。安倍自民党が公明党を裏切りと離反のヌエと考え、いずれ罰を与えようと考えたとしても不思議はない。

 にもかかわらず創価学会・公明党は戦前に犯した愚を性懲りもなく、もう一度繰り返そうとしている。それも法の成立に積極的に関与する形でだ。

 山口那津男・公明党代表は215日、衛星放送で都議選について聞かれ、軽い調子を装って次のように答えた。

「公明党は本来、歴史的には地方議会から始まった。その要である首都東京、都議会公明党は公明党の魂、原点といってもいいくらい重要な位置を持っている。絶対に勝たないといけないと言い聞かせている。23人を公認しているので全員当選を目指したい。小池知事側と選挙調整をしているわけでは今ないと思う。小池さんがいったいどこにどれだけお立てになるのか分からないので。ただ、競合してまずい結果にならないように、それは必要に応じて考えたいと思う」

 山口党代表がいかに冷静を装おうとも、公明党が今重大な岐路に立っていることは間違いない。創価学会・公明党は単に「現有組織勢力」を守る、自分が今占める地位を守る──に徹しているのだが、たまたま共謀罪と小池都知事の登場で中央では安倍政権、東京都では小池知事という股裂き状態に陥った。

 彼らの眼中に一般国民の姿はない。たとえ共謀罪で引っ括られようと、それこそ「わが亡き後に洪水よ来たれ」で彼らの知ったことではない。自分だけが大事な自分党だから、力を持つ者におべっかも使うし、すり寄って鼻毛のチリも払う。たとえ池田大作名誉会長が健在であっても、この事情は変わるまい。池田氏自身が御身の安全と安泰を第一に考える自分党だからだ。

 彼らにはこれさえあればという強力な武器がある。判断を創価学会・公明党の幹部たちに預け、たとえ共謀罪の成立を加速させようと、おとなしく従い続ける学会員大衆という羊の群れが武器なのだ。羊は自分の判断力を持たないが、選挙で投票できる一票は持っている。よく言うことを聞くこの一票さえあれば、幹部たちは股裂き状態になっても、何とか凌ぎ切れる。落ち目になっても、自分たちを高く売ることが可能なのだ。

 人が頭の中で考えていることを罰するのが共謀罪だが、創価学会・公明党の幹部たちは会員が頭の中で考えていることを思いやる想像力さえ切り捨てている。学会員はもともとどの政党に投票するか、どの候補者に投票するか、自分で判断する習慣を持たないのだから、「内心の自由」など無用の長物と考えているのだろうか。人間性の荒廃が極まって「日本死ね!」という状態は改まりそうにない。

溝口 敦(みぞぐち・あつし)ノンフィクション作家。1942年生まれ。早稲田大学政経学部卒。出版社勤務などを経てフリーに。宗教関係をはじめ幅広く社会問題を扱う。『食肉の帝王』(講談社プラスα文庫)で第25回講談社ノンフィクション賞、日本ジャーナリスト会議賞、編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞の3賞同時受賞。『堕ちた庶民の神』(三一書房)『歌舞伎町・ヤバさの真相』(文春新書)『パチンコ「30兆円の闇」』『生贄の祀り』『あぶない食品』(小学館文庫)『武富士 サラ金の帝王』『池田大作「権力者」の構造』『中国「黒社会」の掟』『細木数子 魔女の履歴書』(講談社プラスα文庫)『暴力団』『続・暴力団』『薬物とセックス』(新潮新書)『抗争』(小学館新書)『やくざの経営戦略』(文春新書)など著書多数。

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●写真はなくとも元気??

1月1日付「聖教新聞」「世界広布新時代 青年拡大の年が開幕」

「新年の歌 池田大作」「勝ちにけり 師弟の大山 揺るぎなく 不動の信心は 万代までも」

同「新春あいさつ 婦人部長 永石貴美子」

●東京都議会議員選挙に突き進む創価学会

 ――選挙の勝利は「創価学会仏」の正当性の証明&「池田先生のご入信70周年」慶祝のため

1月9日付「聖教新聞」「先駆の黄金柱 北九州で壮年大会 原田会長が激励」

「総福岡・北九州総県で8日、壮年部の大会が盛大に開かれ、原田会長が出席した。(中略)原田会長は、限界の壁、困難の波浪に襲われた時に男の真価が問われると強調。逆境を飛躍のばねに変え、壮年の底力で、広宣勝利の旗を満天下に示そうと呼び掛けた」

1月10日付「聖教新聞」「大東京に栄光の凱歌を 原田会長は目黒 北へ 葛飾は総会」

「大東京が栄光の凱歌を轟かせながら、“青年拡大の年”を前進!原田会長は9日、目黒総区と北総区の集いへ。両会合で会長は、いざ勝負という時に人間の真価が問われると強調。『今まで生きて有りつるは此の事にあはん為なりけり』を拝読し、『断じてやり遂げるとの一念で、愛する地域を、共感の輪と人材の連帯が広がる寂光土に』と念願した」

1月13日付「聖教新聞」「世界広布新時代第23回本部幹部会から(要旨) 『決意』と『実行』こそ学会の伝統 原田稔会長」

「世界広布新時代第23回本部幹部会の開催、誠におめでとうございます。(中略)池田先生は会長就任5周年の本部総会で、5年間における学会の見事なる前進を振り返られました。小説『新・人間革命』第10巻『言論城』の章には、こうつづられています。

『この聖業を成し遂げた創価学会は、まさしく、仏の御金言通りの、信心を骨髄にし、慈悲を血管にした一大和合僧の、仏の生命体であります。そして、鉄壁の団結をもって、民衆救済に進む、この姿、この力こそ、世界最高の、平和の大不沈戦艦であり、これを私は、“異体同心丸”と名づけたいのであります』との大確信の宣言であります。すなわち『創価学会仏』の生命は、わが『異体同心の団結』の一念にこそ脈打つ――この一点を、私たちは深く銘記していきたい。そして、広宣流布大誓堂の完成5周年へ、ますます鉄壁の団結で、広布を阻まんとする嫉妬の魔性を打ち倒しながら、全世界の民衆救済という大海原へと船出していきたい。破竹のスタートダッシュで、まずは上半期、全ての戦いを完全勝利で飾り、『8・24』池田先生のご入信70周年を、門下一同、盛大にお祝いしていきましょう」

1月18日付「聖教新聞」「全国で躍進の一年誓う座談会 原田会長は東京・足立へ」

「創価家族が躍進の一年を誓う、学会伝統の座談会が、全国各地ではつらつと行われている。原田会長は17日、東京・足立総区千住池田区の春風地区の集いへ。(中略)原田会長は、世界の各界の識者が池田先生の思想と行動に深く共感を寄せている模様を紹介。師と共に広布の大道を歩む誇りを胸に、偉大な勝利の人生をと激励した」

1月20日付「聖教新聞」「座談会は勇気の泉 原田会長が東京豊島へ」

「勇気の心あふれる座談会が、各地で行われている。原田会長は19日、東京・豊島総区の千川支部高松地区へ。(中略)原田会長は、異体同心の団結こそ広布伸展の要諦であると訴え、心を合わせて地域広布にまい進しようと呼び掛けた」

1月22日付「聖教新聞」「“喜び多き”座談会 原田会長は東京・北総区へ」

「原田会長は21日、東京・北総区の東田端支部喜多地区へ。(中略)原田会長は、『建設は死闘』との師の指針を胸に刻み、広布と人生の勝利を目指し、獅子奮迅の勢いで前進をと呼び掛けた」

1月23日付「聖教新聞」「東京 中野が勇気の行進」

「『東京凱歌』の先駆を担う中野総区の総会が22日、原田会長が出席して東京戸田記念講堂で盛大に開かれた。(中略)原田会長は、『嵐に不動の信心』こそ学会精神の根幹であるとし、ほとばしる奔流のような勢いで、あらゆる困難を乗り越えて、『中野が勝てば東京が、全国が勝つ』という信仰勝利の実証を示そうと励ました」

※創価学会の本部幹部会での会長発言では、これまで「お元気な池田先生とともに」というフレーズが枕詞になっていた。だが、今年初めての本部幹部会での原田発言を報じる「聖教新聞」記事からは、この枕詞が消えていた。「聖教新聞」元日号や1月4日号に池田大作名誉会長の近影写真が掲載されなかったことを含めて、池田氏のXデーは確実に近づいているのかもしれない。

 その本部幹部会発言で原田会長は、小説『新・人間革命』第10巻の記述を引用し、「創価学会仏」は「異体同心の一念」に宿ると強調。その上で都議選に向けての「異体同心」での選挙闘争を呼びかけるとともに、「池田先生のご入信70周年を、門下一同、盛大にお祝い」するために「破竹のスタートダッシュで、まずは上半期、全ての戦いを完全勝利で飾」ろうと強調した。「全ての戦い」の中に8月の入信記念日直前の7月の都議選が含まれているのは当然である。

 その都議選の前哨戦と位置づける1月の北九州市議選、さらには大阪・茨木市議選、岡山・倉敷市議選、埼玉・戸田市議選で、創価学会は組織上げての選挙戦を展開した。原田会長が北九州や東京各地に率先して足を運び、都議選勝利に向けた「異体同心」での選挙闘争を煽るなどしたのだが、1月度本部幹部会の発言からは、その狙いが「創価学会仏」の正当性の証明と、池田氏の「入信70周年」を祝うためのものであることが読み取れる。

 かつて創価学会は、政界進出を「政界浄化」のためなどと強調、選挙闘争を「立正安国」のための法戦などと主張していたが、集団的自衛権の行使容認や安保法案への賛成、さらには稀代の悪法である「治安維持法の再来」とも批判される特定秘密保護法や共謀罪に賛成することで、従来の政治的主張を自壊させたことで、説得力を喪失した挙句、ついには選挙闘争のモチベーションとして、池田氏の「ご入信」を慶祝することを掲げるに至った。

 自分で物事を考えることを停止させる反知性主義の全体主義集団の帰結といえばそれまでだが、それが創価学会という教団内部の問題として自己完結するのではなく、選挙結果を通じて広く社会一般に悪影響を及ぼすだけに、看過できない。本誌が創価学会・公明党の政教一致・政教一体問題を、そして自公連立政権や地方議会における公明党の政治的影響力を問題視するゆえんである。

●前哨戦の結果に欣喜雀躍――だが組織力の低下は顕著

1月31日付「聖教新聞」「公明党北九州市議選に完勝」「過去最高の13議席を獲得歴史的な大勝利」

「2017年政治決戦の前哨戦として注目を集めた29日の北九州市議選(総定数57)で、公明党は13候補全員が当選。2議席増で過去最高の13議席を獲得した。同日行われた埼玉県戸田市議選も全員当選となり、22日の大阪府茨木市議選、岡山県倉敷市議選と合わせて本年初頭の四つの大型市議選で公明党は完全勝利を飾り、今夏の東京都議選へ、大きな弾みをつけた」

※上述したように、東京都議選の前哨戦と創価学会が位置づける北九州市議選・戸田市議選・茨木市議選・倉敷市議選で、公明党候補全員が当選したことに創価学会が欣喜雀躍している。とくに北九州市議選では、議員定数が削減されたにもかかわらず、現有議席を2議席増やしたことに大喜び。得票数も北九州市議選では、前回比3567票増の75365票で、得票率も過去最高だったと創価学会は「完全勝利」を誇示している。

 しかし前々回平成21年の北九州市議選での公明党の得票数は84600票で、前々回比では9235票のマイナス。そして戸田市議選は前回比835票増だったが、茨木市議選は473票減、倉敷市議選は267票減となっており、18歳選挙権が導入されても創価学会の勢力や活動能力は低下していることが浮かび上がる。結局、北九州市議選の投票率が39・2%と40%にも達していない事実が示すように、一連の市議選での勝利は、低投票率の中で創価学会の組織票が有効に作用したということであり、投票率が上がれば創価学会・公明党の選挙は苦しくなる。小池知事の登場で注目が集まる都議選は投票率が上昇するものと考えられる。それだけに苦戦必至の創価学会・公明党は躍起となっている。

●都議会公明党新春賀詞交歓会

1月7日付「聖教新聞」「公明党は地方政治の要 山口代表 都議選の大勝利を誓う 東京都本部賀詞交歓会」

「公明党東京都本部の新春賀詞交歓会が6日、東京・新宿区内で開催され、山口那津男代表、太田昭宏全国議員団会議議長らと共に、政界、経済界、労働界などから多数の来賓が出席した。

 高木陽介衆院議員(東京都本部代表)は本年の一大政治決戦となる夏の都議選について『予定候補23人の全員勝利へ、団結してまい進する』と力強く決意を語った。山口代表は『自公連立政権はこの4年余り、デフレ脱却を目指して着実な成果を挙げてきた。これかもしっかりと政権を支えていく』と力説。(中略)山口代表は『政治の安定を図るためには、地方政治がしっかりとした基盤を固めることが大事だ』と強調。その上で『改革と共に継続性が重要な都政において、長い間、安定を保つ要の役割を担ってきたのが都議会公明党である』と訴え、公明党が都議選で勝利し、都政改革を前に進めていくと力説した。

 一方、来賓の二階俊博自民党幹事長は『公明党と自民党が共に手を携えて協力してきた歴史が今の日本の政治の歩みだ。協力できるところは協力し、両党が責任を持ち対応したい』とあいさつ。小池百合子都知事は『これまでの信頼関係をベースにしながら、都民のための都政を確実なものにし、東京大改革を進めるため、共に歩んでいきたい』と語った」

※国政では自公連立政権を、都政では小池都知事との連携を模索する公明党&創価学会。山口代表の発言には、さながら(ぬえ)のような特異な宗教政治集団の本音がよく示されている。公明党東京都本部の新春賀詞交歓会での二階自民党幹事長、小池都知事の挨拶からは、この国の政治に創価学会という特異な宗教政治集団の政治的影響力が大きく影を落としていることが分かる。

 その創価学会を組織母体とする公明党は、候補者23人の全員当選を目指すが、中野区と北区で定数が1議席削減されるなど厳しい情勢であることから、都議選勝利のために早々に都議会自民党と袂を分かち、小池知事の提唱する「東京大改革」の先兵的役割を演じることで、「完全勝利」を目指している。見え透いた蝙蝠(こうもり)飛行だが、その臆面のなさには呆れるしかない。

●『新・人間革命』の血肉化強調する池田博正主任副会長

3月1日付「創価新報」「弟子の道 小説『新・人間革命』に学ぶ」「師と共に不二の道を歩み続ける」「インタビュー 池田博正主任副会長」「『精神の正史』ここに 弟子の実践で継承を」

「あの地この地で奮闘する友へ、先生は毎日、希望の指針を贈られています。2010年以降、先生が直接、会合に参加されないようになったことで、『新・人間革命』の意義は一層、大きくなりました。先生は小説で、創価学会の精神の正史と、自身の心境をつづられながら、『今』の読者に力強くメッセージを発信されているのです。

 時代が進めば、小説で描かれている当時のことを知る人は減っていきます。もちろん、その場に居合わせた人の証言は貴重ですが、『新・人間革命』がつづられることで、折々の広布史や学会精神が“先生の思いとともに”永続的に伝わっていく──ここが重要な点です。言い換えれば、『新・人間革命』は、後世の学会員の依処となる“文証”とも言えるでしょう。ゆえに、私たちが今しっかりと学んでいくことこそが、『学会の永遠性』の確立につながっていくのだと確信します」

「これからの時代は、完結に向かう『新・人間革命』を、弟子の立場でどう深め、実践していくかが鍵となります。いかに自分たちの血肉とし、後世に正しく伝えていくか。その意味で皆さんは、使命ある“新・人間革命世代”と言えるでしょう。

 また、新聞連載を読む上で、私は毎日の“切り抜き”も大事だと思います。前後のつながりを意識し、全体像を押さえていくことが大きな意味をなすからです。(中略)私は、いまだに『人間革命』第10巻の“切り抜き”を持っています。もう40年近く前のものですが、わが『青春の宝』です。

 きょうも小説『新・人間革命』が掲載された聖教新聞が届けられる。このかけがえのない一日一日を、池田先生と共に勝ち飾り、師弟共戦の金字塔を築いてまいりましょう」

※創価学会青年部の機関紙「創価新報」に池田大作氏の長男である池田博正主任副会長が登場。『新・人間革命』を学び、師匠である大作氏の意思を血肉化し継承することの重要性を強調している。

 父親である大作氏を「先生」と尊称する博正氏。子息である博正氏が、大作氏を「父」とは呼ばず「先生」と呼ぶことで、子息でさえ師弟の筋目・けじめをたてているとアピールしたいのだろう。が、それにしてもクサイ演出である。

 その冒頭で博正氏は、大作氏が2010年の5月以来、会合に出席しなくなったことから、『新・人間革命』の意義はさらに重要になったとし、大作氏が日々、全国各地で奮闘する会員に対して、「創価学会の精神の正史と、自身の心境をつづられながら、『今』の読者に力強くメッセージを発信」しているとアピールする。

 当然のことながら、この発言は『新・人間革命』を大作氏が日々執筆しているという前提に立っており、創価学会の首脳幹部である以上に、大作氏の子息である博正氏も大作氏が元気という「演出」、悪く言えば「虚構」を補強していることが分かる。

 それにしても「小説」すなわちフィクションだとしながら、『新・人間革命』は、「創価学会の精神の正史」であり、そこには大作氏の「心境がつづられ」ているとして熟読玩味、血肉化を図るために新聞の切り抜きまで推奨する博正氏。

 創価学会の次期会長は、谷川佳樹主任副会長が有力と見られているが、青年部に対して大作氏との「師弟の道」を説く博正氏が、お血筋もあることから、組織の安定と求心力の維持のために、案外、原田会長の次の会長、もしくはSGI会長に就任する日が近いのかもしれない。

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月号目次

閻魔帳

「テロ対策」に看板かけかえた新「共謀罪」の危険性/有田芳生

特集/都議会公明党とSGI提言に見る創価・公明の特異な属性

創価学会と公明党の属性を示した「SGIの日記念提言」と都知事スリ寄り/乙骨正生

小池都知事スリ寄りが示す深刻な組織力低下/森 功

大手メディアは「SGIの日記念提言」をどう報じたか/段 勲

トピックス

安倍・トランプ会談の仲介者は統一教会(家庭連合)と報じた「新潮45/鈴木エイト

トピックス

不祥事相次ぐ公明党地方議員の属性か 元副議長の東村山市議OGが老人クラブ会計から着服/本誌編集部

連載

短期集中連載[三笠宮の言葉](下)

歴史学者として広岡裕児

新・現代の眼(第回)

黒く塗りつぶせ菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情228

微小セクトの繁殖と大セクトの適応能力広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

 1月20日にアメリカの新大統領にドナルド・トランプ氏が就任。以後、次々と大統領令を発令し、難民や中東・アフリカのイスラム圏7カ国からの入国の一時禁止や、メキシコとの国境での壁の建設などを打ち出しています。これに対してアメリカ国内はもとより世界各国からも批判や非難の声があがっており、その中にはフランスやドイツ、カナダの政府首脳も含まれています。

 このうちフランスのオランド大統領は、トランプ大統領との電話会談において直接、難民の受け入れを一時的に停止したことや保護主義的政策を強く批判。地球温暖化政策に反するパリ協定からの離脱についても注文をつけました。同様にドイツのメルケル首相も、「テロとの戦いが必要不可欠なのは疑いようがない。しかし、イスラム教のような特定の信仰や出身国を理由に、全員に疑いをかけることは正当化できない」とし、「このような考えは、国際的に難民を支援・協力しようとする基本原則があるという私の解釈とは相容れません」と批判しています。

 これに対して我が日本国の安倍首相は、国会答弁で「コメントする立場にない」と繰り返すのみ。日本がアメリカの属国であることを自ら証明するかのような及び腰の発言に終始しています。日頃「戦後レジームからの脱却」だとか「世界の中心で輝く国」になるなど大言壮語し、「自由主義・民主主義・基本的人権」などを共有する「価値観外交」を展開するとしていながら、いざとなると何も言えない夜郎自大な姿には呆れるしかありません。

 まあ、A級戦犯容疑者だったにもかかわらず戦犯指定が解除され、総理大臣にまでのぼり詰めるお膳立てをしてもらい、日米安保条約の改定に尽力した祖父をもつ安倍首相とすれば、アメリカに物申すなどということは論外なのでしょう。

 アベノミクスの成長戦略の要と位置づけていたTPPからの離脱や、貿易不均衡発言に為替誘導批判と、安倍首相の政策と対峙するトランプ大統領との会談がけだし見ものです。

 そんな安倍首相、自公連立政権を支える創価学会の「永遠の師匠」が、今年も「SGIの日記念提言」を発表。その中で、大統領当選時に祝電を送ったトランプ大統領に、早期に核軍縮と緊張緩和のための米ロ首脳会談をするよう提唱しています。池田氏の求心力を維持することを目的にした不毛な提言。詳しくは特集記事を。

 いま創価学会は、「創価学会仏」の正当性を証明するために東京都議選に向けて組織あげての選挙闘争に突き進んでいますが、小誌は今後も宗教と政治に関する事実と真実を追究し続けます。

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特集都議会公明党とSGI提言に見る創価・公明の特異な属性

小池都知事スリ寄りが示す深刻な組織力低下

森 功

ノンフィクション作家

公明党“抱き込み作戦”

 7月22日の任期に伴う注目の東京都議会選挙が、6月23日告示、7月2日投開票に決まった。小池百合子が都知事になっておよそ1年、〝小池新党〟がどこまで勢力を伸ばすか。新聞やテレビは、ここぞとばかりに囃し立てている。

 彼女の率いる政治団体「都民ファーストの会」を運営する小池政治塾「希望の塾」では1月に入り、都議選に向けた候補者選定の試験を実施。昨年4000人が集まったと話題になった塾生のうち、1600人が受験。この先、300人の合格者を対象に「都議選対策講座」を開き、そこから3040人の候補者に絞り込んで都議選に出馬させるという。

 ちなみに新党結成については、中央政党なら5人以上の国会議員が必要などといった条件があるが、いわゆる地域政党は単なる政治団体と同じ扱いである。つまり政治団体「都民ファーストの会」は結成時から〝小池新党〟ともいえ、都議会の候補者はそこから出馬すればいいだけの話だ。

 言うまでもなく、これらは橋下徹の「維新政治塾」や「大阪維新の会」(現・日本維新の会)を真似たものだろうが、彼女はいずれ地方政党ではなく、中央の「新党」を結成するのではないか、とも囁かれる。その代表には元みんなの党の渡辺喜美が就くのではないか、という怪情報まで飛び交っている。

 くだんの「都民ファーストの会」では、すでに現職都議3人と豊島区議の計4人を第1次公認候補とすると発表。4人は先の知事選で小池支持に回った元自民党所属議員で、いずれも自民党から離れている。3人の都議は離党にあたり新会派「かがやけ Tokyo」を結成し、そこから除名処分を受けた豊島区議とともに改めて「都民ファーストの会」に合流した。

 4人は来る都議選において、小池新党から自民党幹部相手の刺客として送り込まれる。たとえば音喜多駿は「都民ファーストの会」の東京都議団幹事長として、都議会自民党幹事長の高木啓と北区でぶつかる、

「会派を代表して争う象徴的な選挙区になる」

 音喜多は記者会見でそう気勢をあげ、高木と定数3の議席を争う。その都議選で最も注目されているのは、やはり前自民党都連幹事長のドン・内田茂の千代田区に誰を刺客として送り込むか、だ。

「テレ朝の人気アナウンサーだった龍円愛梨が最有力」

「いやお笑い芸人のエド・はるみだ」

 といった調子で小池サイドはボルテージがあがる。

 いっときは引退が囁かれた内田自身も真っ向から受けて立つ構えで、こうした小池新党の挑発に対し、自民党幹事長の二階俊博もさすがにはらわたが煮えくり返っている様子だ。記者団の囲み取材に対し、「全面対決がお好みならば受けて立つ」と早くも臨戦態勢に入っている。

 そして、そんな都議選において、勝敗のカギを握るといわれているのが、公明党の動向である。小池百合子は自民党と敵対しながら、公明党に秋波を送り、その〝抱き込み作戦〟が成功しつつあるともいえる。

刺客に怖気づく公明党

 3人の造反議員が出たとはいえ、定数127の東京都議会における現在の最大会派は、いうまでもなく57議席を有する自民党である。22人(注・1月に現職一人死去)の都議を擁する第二会派「都議会公明党」を合わせれば、80議席となり、余裕で過半数を超える。

 ただし、公明が小池新党と連立するようになれば、過半数に近づく。万が一小池新党の候補者の40人が当選したら63議席という計算だ。

 実際、都議選の23人全員当選を目指す公明は、小池新党に刺客を立てられたら大変だ、とばかり小池にすり寄っている。昨年12月には、都議会自民党との連立解消を宣言。表向きの理由は、議員報酬の削減を巡る意見の対立とされるが、まさに前代未聞だ。来る都議選に向け、小池人気に怖気づき、刺客を送り込まれる事態を避けたかったからなのは疑いようがない。

 もっともそこには都議会だけでなく、永田町の思惑が絡むので、ことはそう単純にはいかない。中央政界での公明党は「下駄の雪」と皮肉られながら、安保やカジノなど政策の違いがあっても、決して自民から離れない。

 ところがそれが一転、都議会では都知事にすり寄り、〝決別〟を表明したのだから、とうぜんそこには仕掛け人がいる、とある公明党の関係者が裏事情を打ち明ける。

「都議会公明が小池都知事と手を組むように働きかけたのが、前公明党代表の太田昭宏さん。太田さんと小池さんは、池袋のある有力後援者のつながりで、親密な間柄です。もともとこの後援者は鳥取出身で、タニマチとして同郷の石破茂を応援してきた。石破さんが自民党総裁選に出馬したとき、小池さんが石破さんについたのもそこから。東京12区(北区)を地盤としてきた関係から、太田さんも彼と親しくなり、今回、小池さんを都議会公明と結びつけたのだといわれています」

 このタニマチ、実は昨年の週刊新潮で「闇金業者」と報じられたご仁だ。同誌では、小池が昨年8月ブラジルのリオ五輪閉会式に参加したとき、身に着けていた和服がタニマチの愛人のものだったと報じている。

 一方、太田は09年の衆院選で落選(比例復活)して党の代表を山口那津男に譲ったあと、自公政権が復活した1212月の第二次安倍政権で国土交通大臣に抜擢された。公明党内の運輸・建設族議員として地位を不動のものとし、国交省や東京都、さらにゼネコンに睨みを利かせてきた実力者だ。

 くだんのタニマチはその太田や石破をはじめ、とにかく自公に顔が広い。先の公明党関係者は次のような話までする。

「彼は福島第一原発事故のあとの除染事業にも首を突っ込んでいました。ゼネコンの下請けとして、ある会社が組合組織をつくって参入したのですが、それを後押ししたのが、このタニマチであり太田さんだといわれていました。そこには、自民党都連会長の下村博文(幹事長代行)の名前も取り沙汰されていた。タニマチを中心に、小池、太田、石破、下村という人脈が築かれていたのだと思います。それもあって小池さんは公明との関係づくりをうまく運べたのではないでしょうか」

 東京大改革なる旗を掲げ、清新なイメージを振りまいて新党ブームを仕掛ける小池百合子都知事。改革を標榜する割に、政策は目新しくもなく、さほど成果は上がっていない。が、豊洲市場や東京五輪に待ったをかけ、思うようにいかないと見るや、あの手この手を繰り出す。それが公明や民進党との連携だ。

自主投票の背景にあるもの

 その小池にとって、都議選に向けた最初の試金石が、2月の千代田区長選となる。

〈公明党は26日の中央幹事会で、東京都千代田区長選(29日告示、2月5日投開票)について、自主投票とすることを決めた〉

 1月27日の読売新聞ウェブ版にはこうある。公明党はこの数年、微妙な選挙になると、党としての態度を曖昧にする戦法をとってきた。千代田区長選でも本音は小池の応援する現職の石川雅己区長側につきたいところはやまやまだろう。だが、その反面、石川の対抗馬として出馬する与謝野信には自民党本部がついている。そこにも気遣う要があるので、自主投票といういかにも中途半端な形をとっている。

 これは大阪都構想の住民投票や大阪府知事と大阪市長のダブル選挙のときと同じやり方だ。衆院選で自ら公明党の刺客として出馬すると公言したおおさか維新の会(現日本維新の会)の橋下徹に恐れをなし、自主投票を決めた。実はそれを働きかけたのが、維新の会、公明党に気脈を通じる官房長官の菅義偉だった。

 しかし、今回の千代田区長選では、菅官房長官が与謝野を強力に応援し、小池と対峙する構えを見せている。石川優位が伝えられるなか、万が一にも与謝野が勝てば公明は立場がない。公明にとってはそこも怖い。

 小池人気がどこまで続くか、それが来る都議選の焦点なのは間違いない。が、その実、もともと彼女が選挙に強いか、といえばそうではない。

 圧勝に終わった1年前の都知事選を振り返ってみると、実はタナボタ勝利だ。舛添要一の失脚に慌てた自民党都連がタレントパパの擁立に失敗した挙句、地味な元総務官僚を担ぎ出すしかなかった。一方、チャンスだったはずの民進党は、出馬すれば当選間違いなしとされた現在の党首が渋り、代わりに野党共闘候補として有名ジャーナリストを立てたが、あまりの勉強不足で失速。その間隙をぬって旋風を巻き起こしたのが、小池都知事だ。

 したがって固い選挙基盤や支援母体があるわけでもない。浮動票頼みだから、常に話題づくりをし、人気を保たなければならない。そこに各党が振り回されているのだが、なかでも翻弄されているのが公明党である。区長選で勝敗のカギを握るといわれるものの、上層部のそんな中途半端な態度や迷走ぶりが支持母体の創価学会にも伝わり、組織が揺れている。

 従来、東京や大阪では創価学会の青年部や婦人部をフル活用して選挙戦を戦ってきたが、この数年、組織選挙の強みが揺らいでいる。それが顕著に表れたのが、今度の千代田区長選であり、来る都議会選挙である。(文中・敬称略)

森 功(もり・いさお)ノンフィクション作家。1961年生まれ。新聞、出版社勤務等を経て2001年、ノンフィクション作家に。『黒い看護婦』『ヤメ検』(ともに新潮文庫)『同和と銀行』(講談社+α文庫)『泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴』(文春文庫)など著書多数。最新刊は『総理の影 菅義偉の正体』(小学館)。

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1月号目次

 

 

閻魔帳

酉年に右顧左眄し延命を図る蝙蝠集団/乙骨正生

 

特集/博打解禁を許し都知事にスリ寄る宗教政党の欺瞞

カジノ法案に小池都政とコウモリ飛行をまた始めた「公明党=創価学会」を斬る/古川利明

平和を安保で捨て、福祉をカジノで捨て 創価学会が「仏」になって公明党はどこへ行く/川﨑泰資

小池知事に接近、自民と亀裂?? 都議会公明党の俗流「利 善 美」/柿田睦夫

大衆の党・公明党が「自主投票」を選択したカジノ法案/段 勲

 

トピックス

幸福の科学信者による祖父母殺害事件と幸福の科学学園問題/藤倉善郎

トピックス

『実名告発 創価学会』執筆者が記者会見/及川健二

 

連載

短期集中連載[三笠宮の言葉](中)

皇族・生き残った旧軍人としての責務広岡裕児

新・現代の眼(第回)

線路はつづくよどこまでも菅野 完

信濃町探偵団──創価学会最新動向

執筆者紹介  編集後記

 

 

 

編集後記から

 今年、平成29(2017)年の3月に、小誌は創刊満15年を迎えます。

 その創刊号(H14・3/1号)には、自公連立政権の発足による創価学会・公明党の政治的影響力の拡大により、民主主義と政教分離の危機が現実のものとなっているにもかかわらず、創価学会・公明党についての正確な情報の発信が困難となっていることから、創価学会問題を社会に広く発信するために小誌を刊行するとの、創刊の動機と理由が掲げられています。

 以来、今号で通巻252号にわたって創価学会問題を中核とする宗教と政治、宗教と社会の諸問題についての報道、情報発信を続けてきましたが、遺憾ながら自公連立政権はいまだに続いているばかりか、政治評論家の藤原弘達氏が、創価学会の言論出版妨害の対象となった著書『創価学会を斬る』の中で、創価学会という宗教的全体主義集団と、自民党内の右翼ファシズム勢力が結合した場合、日本の議会制民主主義は終わりとなると予見した、日本の不幸な未来図は、日本会議(日本青年協議会)という右翼・保守的勢力に支えられた安倍晋三首相と創価学会・公明党のタッグ・マッチの結果、現実のものとなろうとしています。

 もっとも創価学会は、「永遠の師匠」に祀りあげた池田大作氏の健康状態の悪化とともに、組織内部の矛盾や歪みが拡大し、「創価学会仏」宣言なる珍妙な宣言をしたものの、混迷と混乱は収まる気配はなく、その組織力は確実に低下を続けています。

 おそらく今年7月の都議選、そして近々に実施が予想される衆院総選挙では、厳しい現実が創価学会に突き付けられることでしょう。

 そのためには創価学会に関する正確な情報の発信が不可欠です。その意味で、小誌は今年も宗教と社会・宗教と政治に関する事実と真実を追究し続けます。15年にわたって刊行を続けてこられたのも、ひとえに読者の皆さまのご支援のたまものであり、ここにあらためて感謝を申し上げるとともに、もうひと踏ん張りすることをお誓い申し上げる次第です。

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特集/博打解禁を許し都知事にスリ寄る宗教政党の欺瞞

 

平和を安保で捨て、福祉をカジノで捨て 創価学会が「仏」になって公明党はどこへ行く

川﨑泰資

元・NHK記者

 

 

 都議会で公明党が議員報酬の引き下げ案を巡って自民党と対立、東村幹事長が「自公の信頼関係は崩れた」として自民党と決裂を表明した。今年の都議選を勝ち抜くためには小池知事の与党になる以外にないとはいえ、公明党の政治進出の原点ともいえる都議会での波乱は国政にも影響をするのか。

 国会では2015年、集団的自衛権の行使容認から安保法改正で、公明が創価学会の下部組織の婦人部などのはげしい批判を振り切って安倍政権に歩み寄った。しかし憲法学者が揃って「違憲」立法と言うこの「戦争法」への反対は根強く、創価大学、創価短期大学の職員が「法案に反対する有志の会」を立ち上げ、学会員が反対署名を集め、反対デモに加わるなど学会員の反乱が続いた。16年には臨時国会の終盤、突如自民党を中心に有志議員が提出したカジノ法案に公明党は賛否を表明できないまま自主投票に追い込まれ、山口代表、井上幹事長の党中枢が反対票を投じたものの、議員の多数は賛成に回った。例を見ない重要案件での分裂である。

 党の看板である「平和」を安保で捨て、「福祉」をカジノで捨てた事に他ならない。

 一体、公明党はどこへ行こうとしているのか。創価学会・公明党の政治路線はどうなるのか、国政での自公連立の実体を改めて問いなおすことが必要だ。

 

進むポスト「池田」の新体制

 創価学会・公明党の絶対的な指導者、池田大作が病に倒れ、10年5月以来、人前から姿を消し学会員を含めた大衆の前で言葉を発した事は確認されていない。学会は「池田は健在で執筆活動などに専心している」とあからさまな嘘をつき、それを大新聞社に流させるなど執拗な隠蔽工作を続けている。だが「集団指導体制」に移行している事を間接的には認めている。宣伝戦はともかく、池田が公けに姿を見せなくなって以来、池田の言葉や執筆物は全て幹部による「代作」であることは間違いない。既にポスト池田に向けての体制作りのただなかにある。

 15年の学会創立記念日を前に突如、発表された創価学会の新人事が「ポスト池田体制」の第一段であったことは明らかだ。原田会長の四選を決め、その原田が衆院小選挙区からの撤退と自公の全面的な選挙協力の見直しの「政治縮小路線」と言われた正木理事長を更迭し、逆に政治路線の強化を主張する谷川学会本部事務総長を事実上のナンバー2に据える新人事である。集団的自衛権の行使容認を柱とする安保法制を創価学会の反対や懸念を振り切って認めたのは、ポスト池田を巡る双璧とされた正木、谷川の選択で政治路線強化の谷川に軍配を上げた事を意味する。この結果、学会の婦人部などに信望の厚い正木は中枢から去り、学会・公明党の主流は政治重視路線に一本化された。安保で平和を捨てたと言われる由縁である。

 そして「ポスト池田」の第二弾が思いがけない「創価学会仏」という奇手である。16年の学会創立記念日を前に、今度は会則改正で会則の前文に「創価学会仏」という文言を付け加えた。何と創価学会という教団そのものが「仏様」になったというのだ。これでは学会員にすら何のことか分からない。あえて解釈すれば池田が本当に死去した時、カリスマ性の無い会長や執行部では会員の動揺が抑えきれないと見て、従来「生き仏」として機能してきた池田に代わって不動の「仏」を創価学会という教団そのものにするという苦肉の策ではないのか。こうすることによって学会が生みだす莫大な利権を散逸させずに済む。究極の組織防衛、自己保存体制の確立である。

 学会はポスト池田の二段階の措置によって池田死去後の体制を整えたと言える。

 

創価学会主導の政治路線

 政治報道では公明党の動静がまことしやかに伝えられるが,実態は創価学会という教団の言いなりに平和も福祉も自由に操られている。つまり言論出版妨害事件で反省し、捨てたはずの政教一致が今や完全に復活している。

 平和に関して公明党は、1992年自衛隊の初の海外派遣となったPKО協力法に賛成、03年自衛隊のイラク派遣への先導的役割、15年集団的自衛権行使容認に続く安保法改正に賛成と次第にエスカレートし、その延長に自衛隊の駆けつけ警護を認めるのでは最早「平和の党」とは言えない。福祉についてはそれなりの実績を残してきたものの、16年の臨時国会会期末でのカジノ法への賛成が公明党の半数を超えたことは、「大衆と共に生きる」池田の考えとも大幅に異なることは確かだ。反対の党議決定を出来ず、博打依存症の対策も無くカジノ法に多数が賛成したのは何故なのか。博打に賛成して福祉も無いものだ。カジノ法では、党の最高幹部の山口代表と井上幹事長が反対しているのに何故議員の多数が賛成したのか。ここに公明党の政治至上主義の落とし穴がある。

 公明党議員は衆院選での自公協力によって当選している議員が多い。特に衆院の北側副代表ら関西の小選挙区での候補者が、日本維新の会から対立候補が出るのを学会と自民党の裏取引で押さえてもらったなどの因縁もあり、自民党に逆らえない関係になっている.これに対して参院の山口代表や、衆院でも比例の井上幹事長は選挙そのものには自民党に関係がなく強気だ。

 

公明は自民と維新の会の連立を警戒

 公明党にとって今の国政上の最大の関心は「自公連立」から「自民・維新」の連立への切り替えの懸念だ。維新の会は参院選でも一定の力を発揮し、事実上自民党の補完勢力としてだけでなく政治姿勢としては自民党より右寄りの政党として機能し始めている。安倍首相は維新前代表の橋下とは極めて親密で、特に憲法改正ではリベラル寄りの色彩のある公明より親近感があると言われる。それだけに自公連立を脅かす存在として維新の会を意識しているものとみられ、大阪万博誘致をはかり、カジノも大阪にと意気込む維新の会との距離感を測らざるを得ない。それが関西を主軸とする創価学会・公明党のカジノ法への煮え切らない態度に現われた結果ともいえる。

 ともあれ、自民党議員とも闘い当選した公明党の参議院議員は、自民との選挙協力や官邸筋の仲介で密約を交わして当選してきた衆議院議員とは違って筋を通す人が多い。山口代表は「政策が全て一致しなければ連立を組めないものではない」と、安保問題でいち早く政権離脱はあり得ないと肝心な武器を捨ててしまったが、維新の会が台頭して公明の存在を脅かす段階に入った今、党のかじ取りの悩みは深い。

 

学会主導で「政教一致」深まる

 学会は、公式には政治の問題は公明党が責任を持つと言うが実態は異なる。肝心の問題になると常に創価学会の幹部が直接、首相官邸なり自民党幹部と裏で折衝し、公明党がそれを受け入れる完全な政教一致である。公明党側の主役は自公連立派と目される北側副代表や漆原元国対委員長らの衆議院議員で、魚住、荒木などの筋の通った発言をする議員が目立つのは参議院議員である。しかしそうはいってもそれは程度の差であって、実質的に公明党の政治を支配しているのは創価学会の幹部だ。

 公明党は消費税の引き上げに伴い軽減税率の適用を強硬に主張し、財務省と自民党が決めた還付金制度案を公明が一旦は呑んだものの、これが表面化すると学会側はこんな案では参院選は戦えないと選挙協力の見直しを自民党に突きつけた。結局、食料品の8%据え置きの複数税率となる公明案を受け入れたのは、創価学会の佐藤副会長が官邸の菅官房長官と話をつけたと言われ、安倍は自民党の重鎮、野田税制会長を更迭する強硬策までとった。何のことはない、自民党の幹部も公明党の幹部も全て飛ばして、学会の幹部と首相官邸の直接の取引で決着したのだ。集団的自衛権の行使容認から安保法では自民の言い分を認めたのだから今度は言い分を聞け、さもなければ選挙協力を止めるという脅しは、公明党では出来る筈もなく完全に学会の主導だ。官邸がこれに呼応する。創価学会がポスト池田の新体制で政治重視の谷川を中心に選んだ以上、自公連立は続ける意図と見られる。衆院の小選挙区から撤退し比例だけにして、参院を主力にする一昔前の体制に戻すことは困難のようだが、平和・福祉の二枚看板を捨てた公明党はどこへ行こうとしているのか。

 自民党政権の右傾化を防ぎ軍事強化路線に歯止めをかけてきたのは公明党だと言う論者もいるが、ここ数年は自民党にブレーキをかけるどころかアクセルを踏んで軍国化に拍車をかけているのは創価学会・公明党だとする見方の方が有力ではないのか。自民党より右の維新の会が憲法改正で自民党と組む意向を明確にしている時、創価学会・公明党はこれまで通りで良いのか。

「仏」となった創価学会に従う政党では最早、国民の信頼を得ることはできない。政教分離を完全に実施し、政治路線の縮小以外に公明党の生きる道はない。

 

川㟢泰資(かわさき・やすし)元NHK記者。1934年生まれ。東京大学文学部社会学科卒。NHK政治部、ボン支局長、放送文化研究所主任研究員、甲府放送局長、会長室審議委員、大谷女子短大教授、椙山女学園大学教授等を歴任し、現在同学園理事。NPO法人マスコミ市民フォーラム理事長も務めている。著書に『NHKと政治─蝕まれた公共放送』(朝日文庫)『組織ジャーナリズムの敗北─続・NHKと朝日新聞』(岩波書店)など。

 

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

 

 

●写真はなくとも元気??

1月1日付「聖教新聞」「世界広布新時代 青年拡大の年が開幕」

「新年の歌 池田大作」「勝ちにけり 師弟の大山 揺るぎなく 不動の信心は 万代までも」

同「新春あいさつ 婦人部長 永石貴美子」

「昨年11月、婦人部の皆さまを代表して、池田先生・奥さまと懇談させていただきました。元気なお姿に、“池田先生は、厳然と獅子のごとく学会を守ってくださっているのだ”と感謝と感動でいっぱいになりました。婦人部は、師への報恩の心を胸に自身の誓願を貫き、いかなる苦難も逆転勝利させゆく常勝の祈りで、本年も朗らかに、広布拡大に前進してまいりましょう」

1月5日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」

原田(会長)元日、そして池田先生のお誕生日である2日と、東京・信濃町の総本部は、諸天も寿ぐような素晴らしい日本晴れで、多くの方が来訪されました。そして、日本全国、全世界の同志が、新年勤行会から新しい年を勢いよく出発することができました。

 永石(婦人部長)お元気な池田先生・奥さまと共に、新たな年を迎えられたことに感謝と喜びでいっぱいです」

 

※平成22年5月以降、大衆の前に姿を見せない池田大作氏。年が明けたことでその期間はとうとう足掛け7年に入ることとなった。その池田氏の誕生日は1月2日。今年で満89歳を迎えたわけだが、どうしたわけか元日付「聖教新聞」や、年明け最初の1月4日付「聖教新聞」には、池田氏の近影が載っていない。昨年8月に「聖教新聞」は、池田氏の入信記念日を記念して、軽井沢でくつろいでいるという池田夫妻の写真を載せたが、その写真に写っている男性は顔の前にカメラを構えており、本当にこの人物が池田氏であるかどうかの確認は不可能だった。

 1月1日付、4日付「聖教新聞」掲載の新春あいさつや座談会記事で、永石婦人部長らは池田氏の健在を強調しているが、近影写真の掲載がないことは、池田氏の健康状態が記念写真を撮ることすらできないほど悪化しているとの推測を可能とする。すでに何度も書いていることだが、別に池田氏の健康状態が悪いとしても老病死は世の常である。世間一般の人はお大事にと思うだけのことである。それを隠さねばならないとは本当に気の毒な話としかいいようがない。来年で卒寿を迎えることとなった池田氏だが、無事に卒寿を迎えられるかどうか――。その保証はどこにもない。

 

●「創価学会仏」をさりげなくアピール

1月1日付「聖教新聞」「きょうの発心 理事長 長谷川重夫」

「戸田先生は、威音王仏を通して“未来の経典に『創価学会仏』の名が記される”と断言されました。学生部の頃、私の友人の『学会とは何でしょうか?』との質問に、池田先生は答えられました。『学会は仏様の世界で、創価学会仏なんだよ。だから学会を大事にすれば功徳、福運となるんだ』と――この時の感動は忘れられません。

 昨年11月、創価学会会則に『創価学会仏』と加わったことに、今再びの感激がこみ上げています」

 

※昨年11月に会則を変更し、前文に「創価学会仏」を添加した創価学会が、その主張の正当性アピールに腐心している。元日付「聖教新聞」掲載の「きょうの発心」では、御年77歳の長谷川理事長が、自らの学生時代に池田氏が「創価学会仏」に言及していたと強調。戸田・池田の両会長が、早くから創価学会を「仏」と位置づけていたとアピールしている。

 かつて創価学会は、「宗教批判の原理」なる宗教の正邪・善悪を判断する指標を掲げ、その中で、文献的証拠となる文証、その文献の記述に論理的整合性があるかどうかの理証、そして現実に功徳や利益などの効力・効用があるかどうかの現証の有無を主張した。

 この指標に則るならば、期日も場所も不明確な上に、文書的証拠もない戸田・池田両氏の「創価学会仏」発言は、文証・理証をクリアーできるのかどうか、甚だ疑問。だが選挙の勝利を宗教的勝利とする創価学会の理屈に基づくならば、東京都議選や衆院総選挙の勝利をもって、自らの宗教的正当性を強調し、宗教的正邪の証である現証は歴然などと(うそぶ)くことが予想される。

 

●箱根駅伝に創価大学出場を大喧伝

1月4日付「聖教新聞」「箱根駅伝 創価大学が大躍進」「創価大学未来へ希望の襷つなぐ」「チーム一丸で総合12位 往路9位の快走」

「新春恒例の第93回『東京箱根間往復大学駅伝競走』が2、3日に行われ、21チームが出場した。2年ぶり2度目の挑戦となった創価大学は往路9位、復路13位の総合12位。抜群のチームワークと執念のタスキリレーで、初出場から八つ順位を上げる大躍進を果たした」

同「寸鉄」「創大駅伝部が箱根路を見事に力走!日本一の団結光るドラマに感動の拍手」

1月5日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」

竹岡(青年部長)うれしいことに、2・3日には、創価大学の駅伝部が、新春の箱根駅伝で見事な快走を見せてくれました。

 永石 『青年拡大の年』を飾る大健闘に、全国、全世界の同志が深く感動しています。

 原田 初出場から2年にして、総合12位の大躍進。創価のタスキをつなぎ、力の限り走り抜いた選手をはじめ、スタッフや支えられた全ての関係者の方々に、心からの拍手と感謝を送りたいと思います。本当に、ありがとうございました」

同「新春恒例の第93回箱根駅伝 創価大学大激闘の軌跡」「最後まで光った負けじ魂」

「新春の風物詩である第93回箱根駅伝(2、3日)で、創価大学は往路9位、復路13位で総合12位に入った。初出場した2年前に比べると、総合タイムを11分3秒も縮めた。さらに、区間1桁順位の選手が5人も誕生し、躍進を遂げたのである。ここでは、中継所を中心に、選手たちの大激闘の軌跡を追った」

 

※創価大学が箱根駅伝に出場し、前回を上回る12位となったことに創価学会が大喜びしている。1月4日付「聖教新聞」掲載の座談会記事にあるように、創価学会は今年を「青年拡大の年」と位置づけている。それだけに創価大学の箱根駅伝出場と健闘は、永石婦人部長の発言に象徴されるように、「青年拡大の年」の幕開けを飾る快挙と喧伝され、その健闘や結果は、年初の政令市議選で都議選の前哨戦とされる北九州市議選や、都議選をはじめとする今年実施の各種選挙で勝利を勝ち取るための幹部・活動家の士気を鼓舞する材料として利用される。

 そもそも純粋であるべきスポーツの結果を、政治的・宗教的に利用する創価学会。その狡猾さに辟易する。

 

●聖教新聞新社屋「創価学会 世界聖教会館」を建設

1月1日付「聖教新聞」「創価学会総本部に世界広布新時代の言論城」「『聖教新聞』新社屋を建設 『創価学会世界聖教会館』と命名 本年7月着工、2019年1118日落成 礼拝室、配達員顕彰室、展示室などを設置」

「世界の同志が喜び集い、広布誓願を立てる東京・信濃町の創価学会総本部に、聖教新聞本社の新社屋として、『創価学会 世界聖教会館』が建設されることとなった。池田先生のもと、同時進行で躍動する世界広宣流布の進展を伝える発信地となる」

 

※創価学会が聖教新聞の新社屋を「創価学会 世界聖教会館」として建設するのだという。人口減や会員数の減少に伴い、聖教新聞の購読部数は減少の一途をたどっており、多くの末端活動家、会員は多部数購読を余儀なくされているのにいい気なものである。「聖教会館」には、「無冠の友」ともちあげられてほとんどタダ働き同然に使役されている配達員の顕彰室が設けられるようだが、末端組織での配達員不足は深刻の度を増しているようである。

 

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