Forum21

Read Article

2024年4月号平和の党・清潔の党を偽装する創価・公明の罪深さ

4月号目次

 

閻魔帳

大谷翔平と小村寿太郎そして日本人/乙骨正生

 

特集①/平和の党・清潔の党を偽装する創価・公明の罪深さ

「池田遺訓」と創価学会・公明党 兵器輸出を巡る「攻防」劇の実相/柿田睦夫

「歯止め」を振りかざして“平和支持”を演じ続ける「ペテンとしての公明党=創価学会」/古川利明

 

特集②/連続特集 総括! 池田創価学会とはなんだったのか③

私が見た池田大作・創価学会&公明党の正体(3)/有川靖夫

池田大作名誉会長の指導力(3)/我流双典

 

  • 連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

「日本の議会政治」を考える(第4回)

「議会開設運動」の始まり(4)/平野貞夫

ナニワの虫眼鏡(第58回)

維新は「野党」なのか 共闘の相手を間違えている立憲・野田氏/吉富有治

ヨーロッパ・カルト事情(308)

精神操作(マインド・コントロール)罪創設なるか/広岡裕児

執筆者紹介&バックナンバー紹介 編集後記

 

 

編集後記から

東京では開花の遅れていた桜が4月に入ってようやく満開を迎えました。例年は卒業式時分に満開となっていた東京の桜ですが、今年は入学式に花を添えました。

小誌発行の約1週間後の4月16日には、自民党の裏金問題などで議員が辞職した衆院4小選挙区で補欠選挙が告示され、28日に投開票日を迎えます。

衆院の解散総選挙をはじめとする今後の政治日程や政局に大きな影響を及ぼす補選だけに、目が離せませんが、ここにきて公明党の山口那津男代表が、解散総選挙の時期について「早期」と「来夏」を避けるべきとの認識を示しています。

その理由として山口代表は、「政治への信頼回復」を確認する必要性と、来夏は参院選と東京都議選が予定されており不都合だとの認識を示したということです。要は組織選挙を展開する公明党・創価学会にとって都合の悪い、来年夏の参院選と都議選に影響を及ぼす日程は避けて欲しいということでしょう。

それにしても「政治への信頼回復のトレンド」とは呆れた言い草としかいいようがありません。小誌今号の特集で詳細に報じていますが、国民の怒りが渦巻く自民党の裏金事件については、政倫審の再開や証人喚問に反対するとともに、「武器輸出三原則」の骨抜きに手を貸すなどして、国民の政治不信を助長してきたのは、公明党に他ならないからです。

この「武器輸出三原則」を骨抜きにする殺傷兵器である戦闘機の輸出解禁については、元経産官僚の評論家である古賀茂明氏が、3月12日付『アエラ・ドット』で、こう批判しています。

「公明党は『平和の党』であったはずだ。しかし、実際には、自民党と連立を組むことによって、集団的自衛権の行使容認という憲法違反の政策や武器輸出三原則という日本の平和主義の根幹をなす規範の破壊に協力してきた。公明党がいくら言い訳をしても、これまでの実績を見れば、同党は、今や日本が戦争大国への道を進むための原動力の一部になってしまったと言われても仕方ないだろう」

古賀氏は、「存在意義がなくなった政党の行く末は『消滅』でしかない」と断罪する一方で、「本当に「平和の党」だと言うなら、ひたすら戦争に向かい、軍事大国・武器輸出大国を目指す自民党との連立を解消し、堂々と平和主義の政策を国民に訴えたらどうか」とアドバイスしていますが、「犬に論語」ないしは「馬の耳に念仏」でしかないでしょう。

小誌は、宗教と社会の事実と真実を追究し、情報を発信し続けます。

特集①/平和の党・清潔の党を偽装する創価・公明の罪深さ

「池田遺訓」と創価学会・公明党 兵器輸出を巡る「攻防」劇の実相

柿田睦夫

ジャーナリスト

 

密室協議で国会の機能封殺

池田大作氏(創価学会名誉会長)は小説『新・人間革命』の中で「核兵器および一切の軍備を地球上から消滅させ、一切の戦争を廃絶する」と書いている。創価学会・公明党は池田氏亡きいま、「池田遺訓」にどう向き合おうとしているのか――。

自民党裏金事件の陰で、開会中の通常国会では「防衛装備移転三原則」を巡る重要な政策変更があった。日英伊が共同開発する次期戦闘機の第三国輸出解禁。国会決議抜きで、自公両党が密室協議で決めた。「兵器産業国家」への始動である。

ちなみに、「防衛装備」とは「武器」のことで、「移転」とは「輸出」のこと。安倍晋三自公政権がそう言い換えた。安倍氏が得意とした目眩ましの手法である。

かつてこの国には「武器輸出三原則」があり、武器の輸出は原則禁止だった。1981年には衆参両本会議で、平和国家として武器輸出をしないと全会一致で決議している。

安倍政権がこれを180度転換する。2013年に集団的自衛権行使容認を閣議決定し、翌年には安保関連法制(戦争法)を制定し「武器輸出三原則」を「防衛装備移転三原則」に変更。移転(輸出)先や品目を限定して原則輸出解禁へと転換した。ただし殺傷兵器の輸出は輸出対象にならなかった。

岸田文雄政権がこれに踏み込む。まず敵基地攻撃能力容認を閣議決定し、昨年12月には「三原則」の運用指針を変更してライセンス生産の武器輸出を解禁。殺傷兵器である地対空ミサイル「パトリオット」の対米輸出(移転)を決めた。ウクライナやイスラエルへの供与で米国内の在庫が枯渇したからだ。

――そして今回の、次期戦闘機の第三国輸出である。「池田遺訓」を党是とする公明党はどう対応したのか。時系列で見てみよう。

実は昨年(23年)7月の段階で自公の実務者間では大筋で合意に達していた。「平和の党」の演出が、ここから始まる。11月の池田氏死去がそれを後押しする。創価学会も公明党も、学会員の求心力を維持するためには池田氏の唱えた「平和」の理念継承をアピールしなければならないのだ。

年明けの1月16日、公明党の山口那津男代表が突然に苦言を呈した。会見で「殺傷能力を持つ兵器を輸出しないのがわが国の基本。なぜ変えるのか、説明がほとんどない」と述べたのだ。

以後約1カ月、日英伊共同開発の本格化に向けて早期決着を目指す自民党と「慎重姿勢」の公明党が「攻防」劇を演じる。自民党内では「連立にひびが入ってでも」の声も出る。

2月13日、岸田・山口の党首会談。山口氏が求めたのは「首相自身の言葉で国民が理解できるよう説明を」。これで一気に形勢が変わる。

3月13日の参院予算委員会で岸田首相が、公明党の質問に答える形で「厳格なプロセスを経ることで平和国家の基本理念を堅持する」と述べ、「三つの限定」と「二重の閣議決定」を提示。公明党がこれに飛び乗った。首相提案で「第三国移転に『歯止め』」がかかった(『公明新聞』3月16日付)と評価し、自公の政調会談で正式に合意する。政府は26日、「三原則」運用指針の変更を閣議決定。高度の殺傷能力を持つ次期戦闘機の第三国輸出がこうして「正式」に決まった。

メディアは「三つの限定」で自民党が譲歩したと伝えたが、それは間違っている。「三つの限定」とは①移転(輸出)の対象は次期戦闘機に限る、②移転(輸出)先は防衛装備移転協定の締結国に限る、③戦闘中の国は除外、の三項目だが、これは「譲歩」でも「歯止め」でもない。第1に、もともと今回の協議は次期戦闘機に「限って」のものだった。第2に現在15カ国と締結している「協定」は、国会の関与なしに政府の一存でいくらでも増やせるという代物だ。第3に日本が輸出したあとにその国が戦争を開始しても打つ手はない。事実、自民党の小野寺五典防衛部会長は、将来新たな兵器を輸出する場合も運用指針に追記すれば可能であり「それが今回の合意だ」と言明している(28日、BSフジ「プライムニュース」)。

「今度だけ」「これだけ」と言ってエスカレートさせるのが「自公協議」の実相。最初に高いハードルを唱え、それを下げる形で予定地に着地させる。これが常套手段なのだ。

首相が提示し公明党が飛び乗った「二重の閣議決定」はもっとおぞましい。新たに第三国輸出をする場合、まず運用指針の変更を閣議決定し、どの国に輸出するかは改めて閣議決定する――。同じ政府と与党が2回「決定」をしてなぜ「歯止め」になるのか。与党間の密室協議の繰り返しに過ぎないのだ。今後とも武器輸出については国会決議なしに自公だけで事を進めるということに他ならない。安倍政権以来、連綿と続く国会機能封殺路線なのである。

 

「弁解」と「沈黙」の公明・聖教

兵器輸出はもともと財界、それも軍需産業の強い要求だった。経団連が22年4月に「防衛計画大綱に向けた提言」をしている。その中で、企業が契約上のリスクを負うのは難しいから、政府が受注して企業が製品(兵器)を納入し、政府の責任で輸出する仕組み(日本版FMS=有償軍事援助)を求めている。リスクは国が負い、儲けは企業に。今回の自公合意はまさにその路線である。政府にこれを建議した日本最大の兵器産業である三菱重工の泉澤清次社長はいま、防衛政策を巡る政府有識者会議のメンバーである。

1981年に衆参両院が兵器輸出禁止の決議をした際の宮沢喜一首相(宏池会=解散前の岸田派)は「日本は武器を輸出して稼ぐほど落ちぶれていない」と語っている。日本は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」(憲法前文)の理念のもと、外交努力に注力し、兵器売買には手を染めずにきた。戦争によって他国民を殺すことも、日本の兵器で殺傷することもなく、それによって諸国民の信頼をかち得てきた。『新・人間革命』も「思想・信条の違いを乗り越えて、世界平和を願い、生命の尊厳を守り抜こうとする多くの人びとと友好の絆を強め、連帯して、その実現に向かって進む」と書いている。

では創価学会・公明党は今回の問題を、学会員たちにどう説明しているのか。注目すべきは公明新聞である。自公協議が大詰めを迎えた3月13日付から合意が成った17日付まで、実に5日連続してこれを1面トップで扱っている。

「厳格な手続きが必要」「案件ごとに閣議決定」「平和国家の姿勢明確に」「決定プロセスを厳格化」「厳格な歯止め」……と大見出しが連日続く。よく読むと武器輸出を止めるというブレーキ役ではなく、小出しにアクセルを踏み続けているのだが、読者にはそうは映らないだろう。すべて「防衛装備移転」の語を使い、一般紙でも使っている「次期戦闘機の輸出」という見出しは一切ない。要するに読者(大半は学会員)には「分からない」仕掛けである。それでも連日1面トップで扱わざるを得ないほど、「弁解」が必要だということだろう。

一方、これも驚くべきことだが、筆者の調べた限り、聖教新聞はこの問題をまったく記事にしていない(3月31日まで)。よくある弁解的な幹部座談会もない。通常のような第2社会面での通信社の配信記事もないのだ。だんまりを決め込むにしかず、ということだろうか。両紙の紙面から垣間見えるのは、この問題は学会・公明党にとってこの上もないほどのアキレス腱だということだろう。

創価学会・公明党にとってもう一つの「池田遺訓」がある。「政権癒着」である。

「やっぱり政権に就かなくちゃダメだな」。90年から92年にかけて国税局による大がかりな税務調査があった。これに恐れをなした池田氏が、調査終了後にそう語っている(矢野絢也『私が愛した池田大作』)。

権力から身を守る最良の策は自分が権力に入ることだ――。税務調査の恐怖から得た教訓だろう。創価学会と公明党は、各種議会でキャスティングボートを握るというそれまでの路線からの転身を開始する。池田氏の発言の翌年(93年)に細川護熙非自民連立政権入りを果たす。「そのうちデエジン(大臣)も何人か出るでしょう。……みんな、皆さん方の部下だから」という池田発言はこの時である。

その非自民連立政権が崩壊すると、一転して自民党に接近。自民党が政権に復帰するのを見届けて「自公連立」を組み、以降4半世紀にわたってこれを継続中だ。集団的自衛権行使容認や特定秘密保護法の時も消費税増税の時も、少なくない人々は公明党のブレーキ役に期待をかけ、その都度裏切られた。重要な政策課題のたびに自公連携は露骨になり、いまや「癒着構造」にまでなっている。

表向きは「自公」連立だが、実質は「自創」連立。兵器輸出解禁という事態になってもそれは変わらない。創価学会・公明党は、この「池田遺訓」だけは守り続けている。

 

柿田睦夫(かきた・むつお)フリージャーナリスト。1944年生まれ。業界紙記者などを経て1979年から「しんぶん赤旗」社会部記者。退職後「現代こころ模様」シリーズなどで「宗教と社会」の関わりを取材。葬儀や戦後遺族行政に関わるレポートも多い。『霊・超能力と自己啓発─手さぐりする青年たち』(新日本新書、共著)『統一協会─集団結婚の裏側』(かもがわ出版)『現代葬儀考─お葬式とお墓はだれのため?』(新日本出版社)『宗教のないお葬式』(文理閣、共著)『これからの「お墓」選び』(新日本出版社)『自己啓発セミナー─「こころの商品化」の最前線』(新日本新書)『現代こころ模様─エホバの証人、ヤマギシ会に見る』(新日本新書)、新刊に『創価学会の“変貌”』(新日本出版社)など著書多数。

 

信濃町探偵団──創価学会最新動向

  • 「清潔」と「平和」で誤魔化しを続ける創価&公明

・3月4日付『聖教新聞』「座談会 創立100周年へ新時代の暁鐘」「公明が政治改革のリードを」

「梁島(男子部長)自民党派閥の政治資金問題を受け、2月29日と3月1日に衆院政治倫理審査会が行われ、岸田首相ら6人が弁明しました。いかに信頼を回復し、再発防止のための法整備を進めるかが求められています。

岡本(関西壮年部長)公明党は他党に先駆け、1月に発表した『政治改革ビジョン』の中で、政治資金収支報告書に虚偽記載があった場合、会計責任者だけでなく、政治家も責任を負う『連座制』の強化を訴えています。これは2009年の民主党政権下から、公明党が主張してきたことであります。

飛山(北陸壮年部長)29日の政倫審で首相は、『公明党が指摘するように、悪質な事案では会計責任者のみならず、議員本人に責任を問うことは重要だ。参考になる考え方だ』と述べました。(中略)

原田(会長)2月のNHKの世論調査でも、連座制を『導入すべき』との回答は82%に上っています。公明党は毅然として改革をリードし、衆望に応えてもらいたい」

・3月25日付『聖教新聞』「東京・国立競技場で未来アクションフェス 核兵器の廃絶と気候危機の打開へ 7万人の青年イベント SGIユースが参画」

「今、ここから、持続可能な未来への行動を――核兵器や気候危機の問題解決を目指す、若者・市民団体の協働によるイベント『未来アクションフェス』が24日、東京・国立競技場で盛大に開催された。約7万人が来場し、ライブ配信では50万人が視聴。これには、創価学会青年部が『SGIユース』として参画した。(中略)各界の来賓と共に、原田会長、長谷川理事長が参観した」

・3月28日付『東京新聞』「公明党が自民党にここまで追従するのはなぜなのか 『戦闘機輸出』を容認、政倫審の再開催は拒否」

「自民党が派閥の政治資金パーティー裏金事件の実態解明に背を向ける中、連立を組む公明党が自民に追従する場面が目立っている。事件の捜査が本格化した昨年12月には『同じ穴のむじなに見られたくない』(山口那津男代表)と言っていたのに、衆院政治倫理審査会の再開催や安倍派幹部らの証人喚問は自民と一緒に拒否。政府・自民が求めた次期戦闘機の第三国輸出の解禁も短期間で容認に転じた。公明はなぜ、政権のブレーキ役を果たせなくなったのか」

 

※創価学会が、公明党を「結党以来政治腐敗と戦ってきた清潔な党」そして「本年を令和の政治改革元年に位置づける改革の党」だと、『聖教新聞』の首脳幹部座談会でしきりにアピールしている。

そうでもしなければ、腐臭にまみれた自民党と連立政権を組むとともに、衆参両院選挙をはじめとする各種選挙で、学会員に自民党候補を応援させたことの示しがつかないからだ。

創価学会の執行部としては、おそらくこれで上意下達の全体主義体質に染まり思考停止に陥っている学会員は誤魔化せると思っているのだろう。

もっとも創価学会・公明党にとって学会員は誤魔化せても、誤魔化し切れないのが一般有権者だ。3月28日付『東京新聞』記事「公明党が自民党にここまで追従するのはなぜなのか」が指摘するように、世間ではとうに公明党の「清潔」「平和」の化けの皮は剝がれている。当然のことだが、外部のF(フレンド)票の獲得にはこれまで以上に苦戦するようになるだろう。

そうした公明党の実態を『東京新聞』記事は、「自民が暴走したときのブレーキ役や、右傾化の歯止め役を自任してきた公明だが、連立維持が最優先となって、役割を十分に担えているとは言い難い。裏金事件の真相究明や再発防止の法改正を主導できず、8年前に施行された集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法など憲法の平和主義を損なう安保政策の転換を次々と容認している」と批判している。

そんな創価学会が力を入れていることがある。3月25日付『聖教新聞』報道に見られる若者・市民団体へのアプローチだ。「未来アクションフェス」には、「SGIユース」なる名目で創価学会青年部が実行委員として参画。青年部長が挨拶するなどしている。おそらく創価学会は、平和団体・環境団体のオブラートをまといながら外部・青年層への触手を伸ばし、新たな票と顧客(会員)の草刈り場を作ろうと考えているのだろう。

Return Top