12月号目次

12月号目次

閻魔帳

トランプ次期大統領にすり寄る安倍首相 無節操なパフォーマンスに批判の声/川﨑泰資

特集「創価学会仏」?? 教団を仏と定義した創価学会の意図と狙い

屋上屋を架す「創価学会仏=池田大作仏」を明記した会則変更を斬る/古川利明

会則改定 「創価学会仏」はポスト池田対策/段 勲

教団・組織の「仏神」化を企図する宗教コングロマリット/乙骨正生

トピックス

米大統領選、トランプ勝利に沸く文鮮明の息子たち 歴代米大統領と文鮮明の歪な関係/鈴木エイト

トピックス

経歴を隠蔽して当選したホメオパシー活動家=富山市議補選/藤倉善郎

連載

短期集中連載[三笠宮の言葉](上)

70年後の「有識者会議」への反論広岡裕児

新・現代の眼(第4回)

確証バイアスの罠菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情227

セクト(有害カルト)と共通するIS加入のメカニズム広岡裕児

信濃町探偵団──創価学会最新動向

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

 創価学会が創立記念日を前にした11月4日に会則を変更し、会則前文に「創価学会仏」なる文言を付加しました。創価学会の説明によれば、創価学会という教団そのもの、またその構成員が「仏の存在」という意味のようですが、すでに6年半にわたって大衆の前に姿を見せず、肉声すら伝えられない「生き仏」的存在の池田大作名誉会長のXデーを見据えて、教団そのものを「仏神」化して、創価学会という莫大な利権を生む組織の延命を図ろうとの腹積もりなのでしょう。

 もっとも創立記念日を前にした「聖教新聞」には、写真はありませんが「お元気」だという「池田先生」の動静が複数回掲載され、池田氏が広宣流布大誓堂で勤行し、原田会長以下の幹部を激励したとか、東京・八王子市の創価大学を視察するとともに、東京牧口記念会館で勤行したなどの記事が紙面を飾りました。

 その池田氏は、アメリカの大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選するや、早速に祝電を送りました。聖教報道(1112日付)によれば、池田氏はトランプ氏のリーダーシップのもと、「善の連帯が結集」されることに期待を表明したのだそうです。核廃絶論者の池田氏が、日本も核武装すべきと発言したトランプ氏に呼びかけた「善の連帯」とはいかなるものなのか。先に国連総会第一委員会が決議した法的拘束力のある核兵器禁止条約締結に向けての交渉。アメリカ政府は率先してこれに反対し、日本政府も追随しましたが、池田氏はこれに対してなにも発言していません。沈黙は核容認論者のトランプ氏に対する「連帯」の意志の表明だったのでしょうか。

「創価学会仏」となった創価学会は、いま「財務」という金集めに全力を傾注しています。来年は、夏の東京都議選に加えて場合によっては衆院総選挙も考えられます。「創価学会仏」の構成員は、来年も集票活動に勤しむことでしょう。その結果が、日本社会に悪影響を及ぼすことを憂うものです。

 今年もお世話になりました。来年、小誌は創刊15周年を迎えます。皆さまどうぞ良いお年を。

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特集

特集「創価学会仏」?? 教団を仏と定義した創価学会の意図と狙い

教団・組織の「仏神」化を企図する宗教コングロマリット

乙骨正生

ジャーナリスト

“お墨付き”を求めた執行部

 86回目の創立記念日を前にした11月4日、創価学会が3年連続で会則を変更。会則前文に「創価学会仏」という教団そのものを「仏の存在」と規定する文言を付加するとともに、牧口常三郎(初代)・戸田城聖(二代)・池田大作(三代)の「三代会長」の敬称を「先生」とすることを決めた。

 一昨年の本尊・教義の変更、昨年の「三代会長」を「永遠の師匠」に祀りあげ、朝夕の勤行において報恩感謝を捧げるとしたことに続く今回の変更を、原田稔会長は「創価学会の宗教的独自性を、さらに明確にいたしました」(11月5日付「聖教新聞」)と自画自賛しているが、たしかに教団ないしは組織そのものを仏と規定する「創価学会仏」は、きわめて特異な「宗教的独自性」ということができよう。

 おりしも今年は、日蓮正宗が創価学会を破門処分(創価学会は「魂の独立」と主張)にしてから四半世紀の節目の年にあたるが、創価学会の一昨年来の「宗教的独自性」確立に向けた動きはきわめて急進的である。おそらくその背景には、平成22年以来、大衆の前に姿を見せない池田氏の健康状態の悪化があるのだろう。

 本誌前号で特集した朝日新聞のインタビュー記事において原田会長は、池田氏の健在なかんずく池田氏が重要な判断を行うことが可能であることをアピールした。その狙いは、池田氏が健在である(と装える)間に、池田氏の権威を借りて、「宗教的独自性」をはじめとするポスト池田体制の整備を図るための布石だったのではないか。

 今回の会則変更を発表した原田発言からも、そうした意図を読み取ることができる。というのも会則前文に「創価学会仏」を付加した理由と根拠を、原田会長は次のように説明しているからだ。

「本年7月26日の全国最高協議会へのメッセージのなかで、池田先生は『御本仏の広大なる慈悲を体し、荒れ狂う娑婆世界で大法を弘通しているのは、学会しかない。戸田先生が「創価学会仏」と言い切られたゆえんである』とご指導してくださいました。大変に大事なご指導であり、創価学会の宗教的独自性を明確に宣言するものです。このご指導は、かつて戸田先生が、“大聖人に直結した広宣流布遂行の和合僧団である創価学会は、それ自体、仏そのものであり、未来の経典には『創価学会仏』の名が記されるであろう”と断言されたご指導を踏まえられたものであります。

 池田先生は、さらに、そのメッセージのなかで、“広宣流布を推進しゆく創価学会が仏の存在であり、創価学会なくして広宣流布はなく、学会を守ることが広宣流布を永遠ならしめることである”ともご指導くださいました。これは、会則の全体趣旨にも通じるものであり、会として未来にわたって踏まえるべき重要なものであることから、今回、『創価学会仏』というご指導を会則に加えた次第です」(同)

 本誌前号の特集記事「創価学会を舞台に進行中の壮大な詐欺 『生ける屍』隠すなれ合いインタビュー」の中で、ジャーナリストの溝口敦氏は、「池田氏は長らく創価学会統合の象徴だった。彼への個人崇拝から学会員は選挙で票を集め、聖教新聞を購読し、財務や広布基金を払ってきた。そういう池田氏の脳がいかれ、『生ける屍』と同じと学会員大衆に知られれば、創価学会・公明党は急速に組織力や資金力を低下させよう。それらを失いたくないために、原田会長以下学会幹部は池田氏の病状を押し隠し、まだ元気だと偽り、学会員を結集し続けようとしている。それが幹部生計の唯一の途でもあるからだ」と指摘しているが、今回の会則変更も、そうした組織の延命と自己保身のための手練手管の一環と見ることが可能だ。

 だが本尊・教義の変更をはじめとする一連の執行部の急進的な決定については、少なからぬ幹部・活動家からの反発があり、なかには池田氏の意思に反しているとの批判もある。こうした動きに対して執行部は、処分という強行かつ強圧的態度で臨んでいるが、混乱と動揺は収まっていない。そこで執行部は、今回の会則変更の発表に際しては、池田氏の“お墨付き”を用意した。池田氏がライフワークとする小説「新・人間革命」の中に「創価学会仏」という記述を書き込んだのである。それは11月5日付「聖教新聞」掲載の小説「新・人間革命」における次のような一文である。

「戸田は、学会を『創価学会仏』と表現した。そこには、濁世末法に出現し、現実の社会にあって、広宣流布即立正安国の戦いを勝ち開いていく学会の尊き大使命が示されている」

 小説「新・人間革命」の連載は、この日で5946回にもなる。まさにドンピシャのタイミングで「創価学会仏」というフレーズが登場したのが偶然であろうはずがない。

 しかも“お墨付き”はこれ一回ではなかった。創立記念日当日の1118日付「聖教新聞」1面にも、「我ら皆 創価の仏ぞ 勇み立て 地涌の大力 出(いだ)し勝ちきれ」との86回目の創立記念日を祝賀したという池田氏の「和歌」が大きく紙面を飾っていた。

 もともと池田氏の著作物は、一部の詩や俳句・短歌を除くほとんどすべてが、「大作の代作グループ」などと揶揄される特別書籍部の作成であることを、当の特別書籍部の責任者だった原島嵩元教学部長が明らかにしている。まして高齢化に加え健康状態の悪化が取り沙汰される今日、池田氏の著作物はすべてが代作スタッフによって作成されていると考えるのが自然である。しかも池田氏が著作物の内容を理解し、容喙(ようかい)するとは考えにくいから、池田氏の“金言”を作成することなどいまや朝飯前なのではないか。

 創価学会執行部にとって極めて都合のよい“お墨付き”が出される背景はそんなところだろう。そしておそらく創価学会は今後、池田氏の心臓が停止するまで、その権威を借りて組織の維持・延命、自己保身のための「宗教的独自性」や「永遠性」の構築に励むのだろう。

破門後に突然出現した「創価学会仏」

 ところで原田会長は、会則前文に「創価学会仏」を付加した根拠を、戸田会長・池田名誉会長の発言においている。そこで過去の両者の発言に「創価学会仏」に関するものがあるかどうか調べてみたが、少なくとも戸田会長の講演集や巻頭言・質問会集には見当たらない(昭和3040年代刊行本──あるいは見落としているのかもしれないが)。

 池田名誉会長の著作物には、原田会長が言及した今年7月26日のメッセージと、11月5日付小説「新・人間革命」、1118日付「和歌」を除いて、現在、分かっているだけで3回の「創価学会仏」への言及がある。時系列で並べると初出は平成5年刊行の小説『人間革命』第12巻「憂愁」の章、次が「大白蓮華」平成19年3月号掲載の「生死一大事血脈抄講義」、そして3番目が平成22年刊行の「御書と師弟Ⅰ」である。

 このうち小説『人間革命』の記述は、死を前にした最晩年の戸田城聖のモノローグ。そこにはこうある。

「日蓮大聖人は、御本尊を御図顕あそばされ、末法の衆生のために、御本仏の大生命をとどめ置かれた。創価学会は、その大法を末法の衆生に教え、流布するために、御本仏の御使いとして出現した。大聖人の御精神のままに、苦悩にあえぐ人々を救い、菩薩道を行じてきた唯一の団体である。

 それは未来永劫につづくであろう。学会の存在は、それ自体、創価学会仏というべきものであり、諸仏の集まりといえよう」

 平成3年に日蓮正宗から破門された創価学会は、日蓮正宗に対抗するために、自らが「日蓮大聖人」の法脈を継承する唯一正統な教団であると主張する必要があった。特に小説『人間革命』第12巻が刊行された平成5年は、自前の本尊の作成と販売を始めた時期にあたっており、創価学会に本尊を作成する宗教的資格があることを立証しアピールする必要に迫られていた。「創価学会仏」なる概念を創出し、自らを「御本仏の御使い」と強調し始めた動機は、案外、このあたりにあるのではないか。

 この「創価学会仏」という概念を、よりブラッシュアップした形で池田氏が表明したのは、平成19年3月号「大白蓮華」掲載の「生死一大事血脈抄講義」。その中で池田氏は、「創価学会仏」という項目を立て、次のような主張を展開している。

「三代の師弟によって示された広宣流布に戦う根本精神が異体同心の組織の中に脈動していくとき、創価学会は民衆救済する仏の大生命力を恒久的に持ち続けることになります。

 その力は民衆の苦悩の暗闇を破り、勇気と希望を与えてゆく『慈悲の大光』として輝きます。悪を打倒し、正義を叫び抜く『獅子吼』となって響きます。宿命を転換して、自他共の幸福を築く『大確信』が一人一人の胸中に開かれます。

 そして、そのような三障四魔の大難にも打ち勝つ『異体同心の和合僧』、『金剛不壊の師弟の大城』としてそびえ立つのが、創価学会の組織なのです。

 ゆえに戸田先生は、『未来の経典には「創価学会仏」の名が記される』と予見なされました。大聖人に直結した広宣流布遂行の和合僧団である創価学会は、それ自体が仏そのものなのである。これが戸田先生の大確信であられた。

 戸田先生は幾度も、『戸田の命よりも大切な学会の組織』と語られました。

 私も、何よりも大切な仏意仏勅の和合僧団を、戸田先生の命そのものとしてお預かりしてきました。そして『異体同心』を指針として、この創価学会を大発展させ広宣流布を進めてきました」

 本尊の作成と配布、さらには自公連立政権の成立と維持に自信をもった創価学会が、原田会長の言葉を借りるならば「独立教団」としての「宗教的独自性」を顕著にし始めていることが分かる。特に、「創価学会は、それ自体が仏そのもの」「戸田の命よりも大切な学会の組織」などの主張が端的に示すように、「制度の自己目的化─物神化─」(政治学者・丸山真男)という制度や組織の維持が自己目的化する傾向が顕著になっている。巨大宗教団体のマンパワーが生み出す莫大な利権を紐帯として、組織の拡大・発展・維持を図ってきた創価学会にとって、組織の「自己目的化─物神化─」は必然の途だったといえなくもない。

 そして平成22年4月刊行の『御書と師弟Ⅰ』では、戸田会長の「予見」なるものの具体的内容が次のように詳述されている。

「戸田先生はこう語られたことがあります。『法華経には、威音王仏という仏が登場する。二万億もの仏が、みな同じ威音王仏という名前で、長遠の歳月、衆生を救済してきたと説かれている。この威音王仏という名も、優れた仏の名であったかもしれないし、また、そういう教団があったとも考えることができる。同じように、“創価学会”という教団は、必ず未来の経典に金文字で記される。“一閻浮提広宣流布”という未来記を実現した創価学会仏として、永劫に仰がれゆく』」

「創価学会仏」の正当性を、所依の経典である「法華経」に基づいて正当化しようという試みである。ここではまさに組織の「物神化」ならぬ「仏神化」が企てられている。ちなみに池田氏が大衆の前に姿を見せなくなったのは、『御書と師弟Ⅰ』刊行からわずか1カ月半後のことである。

 池田氏という「生き仏」の終焉とともに、組織・制度の「物神化」ならぬ「仏神化」を図ることで延命を図ろうとしている創価学会。今回の会則変更はその端緒にすぎない。

乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●「創価学会仏」で「財務」を煽動

1111日付「聖教新聞」「世界広布新時代第21回本部幹部会 SGI総会から(要旨) 原田稔会長」

「初めに、今月下旬から財務の振り込みが始まります。財務は、世界広布の大願を成就しゆくための御本仏への御供養に通じ、これに勝る大善はありません。その真心の一念は、全て御本尊が御照覧であります。どうか無事故で、万代の幸を開く財務となりますよう、心からお願いいたします」

11月5日付「聖教新聞」「全国総県長会議での原田会長の指導(要旨)」

「いよいよ今月には広布部員会が行われ、財務の振込期間となります。広布部員の皆さま全員に功徳の花が咲き薫り、無事故で終了するよう、真剣に祈り、丁寧に推進していきたいと思います」

11月4日の総務会で会則を変更し、前文に「創価学会仏」を付加した創価学会。教団が「仏の存在」となったのだから、今後は、供養も大手を振って受けられるということか、原田会長が「財務」のハッパをかけている。いわく「御本仏への御供養」「これに勝る大善はありません」「万代の幸を開く」「功徳の花が咲き薫り」と、まるで香具師の口上のように、財務をすれば功徳=利益があるかのような美辞麗句を並び立てている。

 創価学会の活動の4本柱は、財務(寄付)に選挙(集票)、聖教新聞の勧誘(拡販)に折伏(会員勧誘)。さながら企業の営業活動そのものだが、これに文句を言うことは、「創価学会仏」に対する誹謗となる。かくして学会員は馬車馬のように駆り立てられる。なんと無慈悲な「創価学会仏」であることよ。

●鬼の居ぬ間に海外雄飛……原田会長南アジア訪問

1123日付「聖教新聞」「タイで代表者勤行会 プーミポン国王陛下の追悼の意義込め 原田会長が出席 王国の繁栄を祈念」

同「南アジア訪問団 タイ王宮で弔問記帳と献花 池田SGI会長の弔意文を記帳」

1124日付「聖教新聞」「南アジア訪問団 インドネシア ジャカルタへ」「原田会長 ムハジル教育文化大臣と会見」

1125日付「聖教新聞」「インドネシアが団結と躍進の総会」

1127日付「聖教新聞」「南アジア訪問団 原田会長 チャン・チュン・シン シンガポール首相府大臣と会見」

1128日付「聖教新聞」「SGIアジア文化教育センター 共生の国マレーシアに誕生 5カ国の代表が出席し開所式 原田会長と共に」

※原田稔会長が、「南アジア訪問団」として、タイ・インドネシア・シンガポール・マレーシアの各国を訪問し、政府関係者との会見や弔問、地元SGI組織の会合、施設の開所式などに臨んだ。先の会則変更で創価学会は、(初代)・戸田(二代)・池田(三代)の「三大会長」の敬称を「先生」とすることを決め、今後は池田氏に関する機関紙誌の表記においても、「名誉会長・SGI会長」は使わないこととした。事実上の役職からの棚上げである。

 その間隙を縫ってということでもないのだろうが、原田会長が海外に雄飛している。今年3月には韓国、8月末にはブラジルなど南米、そして今回は南アジアと八面六臂の活躍である。前任の秋谷栄之助会長は、在任中ほとんど海外に出ていない。原田会長の度重なる外遊は、日本国内ばかりでなく海外組織の実験を掌握しようとの意図か。いま確実に池田時代は終焉を迎えつつある。

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11月号目次

11月号目次

閻魔帳

被爆国が「核兵器禁止条約」交渉決議に反対 無視黙殺を決め込む核廃絶論者・池田大作の欺瞞/乙骨正生

特集原田稔創価学会会長インタビュー(「朝日新聞」)を斬る

創価学会を舞台に進行中の壮大な詐欺 「生ける屍」隠すなれ合いインタビュー/溝口 敦

「平和」を唱える原田インタビューに見る「創価学会=公明党」の欺瞞/古川利明

創価学会にみる言行不一致の事例/段 勲

トピックス

稲田防衛相の涙と「無知」 推薦する公明党の「無責任」/柿田睦夫

トピックス

政界工作を続ける統一教会(家庭連合)とそのダミー組織、自民党議員との関係がまた明らかに/鈴木エイト

連載

信濃町探偵団

──創価学会最新動向

新・現代の眼(第3回)

愚者の楽園菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情226

パリ市が企業へのセクト対策呼びかけ広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

「閻魔帳」でも詳述しているように、1027日、国連総会の軍縮を担当する第1委員会が、法的拘束力をもつ「核兵器禁止条約」の交渉開始を世界123カ国の賛成多数で決議しました。核兵器の禁止と廃絶に向けて法的拘束力をもつ条約の制定に向けて、ようやく一歩が踏み出されたことになりますが、この決議に世界で唯一の被爆国を称する日本が、核抑止力による安全保障を重視する米英などの核保有国に同調して反対しました。

 核兵器の使用禁止と廃絶を願う被爆者からは、政府に対して「裏切り行為」との激しい批判と怒りが寄せられていますが、決議に賛成した国々からも、広島・長崎をアピールして核廃絶を訴える一方で、決議に反対する日本の姿勢に「ダブルスタンダード」との不信と失望の声があがっています。なぜなら核保有国と非保有国との橋渡しをはかることこそが、被爆国である日本の役割として期待されていたからです。にもかかわらず被爆者の思いよりも核保有国の論理に軸足を置いて、決議に反対したのですから、批判され失望されるのも当然でしょう。

 そんな日本の政府を構成する自公連立政権を支える創価学会の池田大作名誉会長は、多年にわたって核兵器の廃絶を訴えており、たとえば昨2015(平成27)年1月のSGIの日記念提言では、「核兵器禁止条約」の締結に向けて日本政府が積極的役割を果たすよう主張しています。

 今回の日本政府の姿勢は、こうした池田氏の核廃絶提言に真っ向から抵触する行為にほかなりません。当然、池田氏や創価学会は、決議に反対した政府を厳しく批判すべきが筋ですが、池田氏は沈黙、創価学会も決議採択を歓迎する旨の談話を出しましたが、日本政府が決議に反対した事実には触れようともしません。

 小誌今号特集記事では、「朝日新聞」の原田稔会長インタビューを取り上げました。欺瞞と虚偽性に満ちた会長発言や、国連決議に反対した政府に対する創価学会の迎合的態度からは、延命にあがく特異な宗教政治集団の腐臭にまみれた醜悪な素顔が垣間見えます。

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特集

特集原田稔創価学会会長インタビュー(「朝日新聞」)を斬る

創価学会を舞台に進行中の壮大な詐欺 「生ける屍」隠すなれ合いインタビュー

溝口 敦

ノンフィクション作家

ミスリード誘う八百長インタビュー

 朝日新聞社の記者と編集委員が創価学会・原田稔会長にインタビューし、同紙の922日付で記事を掲載した。

「創価学会はどこへ」と題する記事の冒頭は次のやり取りで始まっている。

〈──池田大作名誉会長は88歳。最近は表立った活動を控えています。体調はいかがですか。

「元気にしておりますよ。執筆活動などに専念しています」

 ──最近はいつ会いましたか。

「ええ、この夏の研修で」

 ──重要な判断も可能なのですか。

「もちろんです。ただ、数年前からは、基本的に運営は執行部に託し、見守っています」

 ──いま、意思決定の過程はどうなっているのでしょう? 集団指導体制なのですか。

「そう理解して頂いていいんじゃないでしょうか。私をはじめとする執行部内で相談しつつ、大きな方向性を定めています。とはいっても重要な問題もありますから、執行部は名誉会長に報告すべきことは報告し、指導を受けています」〉

 朝日側は当然のことながら、池田氏が認知能力に障害を生じ、判断能力を維持しているのかと疑っている。実際の池田氏は幹部会員に会って話すどころではないだろう。有り体にいえば植物人間状態ではないか、と。そういう朝日側の疑念は彼らがした質問に込められているし、原田会長も朝日側のそうした疑念を察知している。しかしここで「実は名誉会長は生ける屍なんです」と、職責上、真実を話すわけにはいかない。一般学会員にウソを突き通している以上、新聞メディアにもウソを繰り返すのが原田会長のつとめだからだ。

 逆にいえば、このインタビューで原田会長はウソをつくよう、朝日側に強要されたと見ることもできる。この手のウソはミスリードといい、取材執筆する記者も、メディア慣れした取材の受け手も最も嫌うところだ。読者を事実とは違うあらぬ方向に導いたと、取材者も被取材者も責任を問われる。原田会長がついたウソは活字になって末代まで定着し、今後とも何かと引き合いに出される。

 インタビューする側には別のやり方もある。たとえば、「この夏の研修で池田氏にお会いになった? その夏の研修というのはいつ、どこで行われたんですか。池田氏は講師として参加したんですか。あなた以外に誰か池田氏に会った人はいますか。研修会は1日だけですか、それとも複数日にまたがって行われたのですか。何をテーマとする研修だったのですか。池田氏は研修にどう関わったのですか。池田氏に会って、話は交わしましたか。話したんなら何について話したんです? そのときの彼の表情や様子はどうでした?」など、質問を矢継ぎ早に繰り出す方法である。

 原田会長がウソをついていることは質疑のやり取りで明確に分かる。ふつう、ある人に関して「重要な判断も可能なのか」とは聞かない。問われた人が「ずいぶん失礼な質問をなさいますね。不愉快だ」と怒り出しかねないからだ。原田氏はこの質問を当然のごとく淡々と受け取り、「もちろんです」と答えている。受け答えに伴う感情を露呈させていないから、事情を知る者が見れば、容易にウソ答弁は見破られる。

 つまりこのインタビュー記事は取材側が受け手側の答えについて疑問点を放置し、追及していない点で、八百長といえる。取材の受け手側に「表面的な答えだけでいいですよ、深くは追及しませんから」とあらかじめ許可を出しているのと同じである。

「生ける屍」隠しに加担する大メディア

 創価学会は公明党を持ち、国政に影響を与えているとはいっても、宗教団体であることが基本性格である。宗教団体は信教の自由などの問題がうるさく、扱いに注意を要する。基本的に宗教は私事であり、宗教団体の首脳動向などは追及の対象にしにくい。

 しかし反面、植物人間池田氏の病状を会員の前から隠して、従来通り信者生活を続けさせることは、あたかも父親が死んだにもかかわらず、その死を隠して、親に支給されていた年金を子が受給し続ける行為と似ている。もらう資格がないにもかかわらず、もらい続けている点で明らかに詐欺である。

 池田氏は長らく創価学会統合の象徴だった。彼への個人崇拝から学会員は選挙で票を集め、聖教新聞を購読し、財務や広布基金を払ってきた。そういう池田氏の脳がいかれ、「生ける屍」と同じと学会員大衆に知られれば、創価学会・公明党は急速に組織力や資金力を低下させよう。それらを失いたくないために、原田会長以下学会幹部は池田氏の病状を押し隠し、まだ元気だと偽り、学会員を結集し続けようとしている。それが幹部生計への唯一の途でもあるからだ。組織が細ることで減給されるのも嫌だし、学会本部の職も失いたくない。公明党議員も同じである。今さら議席を失い、そこらのおっさんにはなりたくない。

 今、創価学会を舞台に壮大な詐欺が進行中なのだ。であるなら、メディア側は当然事実はどうか、しつこく追及すべきなのだが、広告出稿や聖教新聞の印刷請負への顧慮からか、大メディアが創価学会を追及することはない。たとえインタビューしても、通り一遍の質疑で終始し、なあなあで幕を引いている。

いつまでも通用しない「死せる孔明…」の詐術

 ジャーナリストの池上彰氏も710日の「参院選ライブ」の中で創価学会広報室長・岡部高弘氏にインタビューした。池上氏が最近、池田氏の活動がないように感じると言うと、岡部氏は執筆活動のほか、各地を回って会員を激励していると、ここでもウソをついている。

 池上氏も朝日と同じで、創価学会に言いっ放しにさせ、何を思ったか、次に学会の中で池田氏に対する「個人崇拝」が進んでいるのではないか、と見当違いの質問に切り替えた。岡部氏は「個人崇拝とみられる方もいるかもしれませんけど、むしろ我々にとっては敬愛する、慕う関係という感じだと思います。人生の師匠というか、生き方を学んでいく対象」などと余計なことまで答えさせている。

 目下の問題は池田氏が「生ける屍」だという事実であって、「池田氏への個人崇拝」が緊急のテーマではない。この時点で個人崇拝を問題にすれば、視聴者は、池田氏がまるで今なお健常者であるかのような錯覚をしよう。判断、決定ができる人への個人崇拝が問題なのであって、故人や「生ける屍」に対する個人崇拝はむしろ奥ゆかしい行為と見られかねない。もちろんその場合の前提は崇拝者がきちんと崇拝の対象が死んだ、生ける屍になったと認識していることである。故人に対してどのような感想を持とうと、どのような態度を持そうと、外部がとやかく言う筋ではないのだ。

 朝日新聞はインタビューの中でこうも質疑している。

〈──池田名誉会長は歴代首相と会っています。会長(原田氏のこと)は安倍晋三首相に会っていますか。

「いや、そういう機会はあんまりございません」

 ──少しは会っているということですか。

「政策や政局については、すべて党がやってますから。新年のレセプション等で会うことはありますよ」〉

 ここで原田氏ではなく、池田氏が安倍首相に再度、会っているか、となぜ聞かなかったのか。聞くまでもないと考えたからか。

 池田氏は069月、信濃町の創価学会関連施設で安倍首相に会い、その後小泉純一郎元首相にも会っている。池田氏が健康であるなら、自民党の時の首相や中国政府要人には会わずにいられない顕示欲を持つ。その後10年間、会わずにいたとしたら、彼の健康状態が許さなかったと考えるほかにない。安倍首相に会う、会わないも彼の病状についての有力な傍証になり得た。

 つまり朝日インタビュー、池上インタビューともに創価学会とのなれ合いインタビューだった。これらインタビューで明かされた創価学会、ないし池田氏に関する事実はないか、あったとしてもごく少数である。ただし創価学会がついたウソを、採取した昆虫を虫ピンで留めるように定着・表示した功績はある。後世、創価学会はこのようにして池田氏の病状を隠し、学会員信者を欺き続けた、ということの証明にはなるだろう。

  この意味で取材は両刃の剣である。取材受け手のついたウソが取材者にはね返ってくる。インタビュー上のウソは両者の合作だとして、取材者の事実追及の弱さを批判される。だが、事実は遠からず明らかにされ、学会員大衆が広く知ることになるだろう。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」はいつまでも通用する詐術ではないのだ。

溝口 敦(みぞぐち・あつし)ノンフィクション作家。1942年生まれ。早稲田大学政経学部卒。出版社勤務などを経てフリーに。宗教関係をはじめ幅広く社会問題を扱う。『食肉の帝王』(講談社プラスα文庫)で第25回講談社ノンフィクション賞、日本ジャーナリスト会議賞、編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞の3賞同時受賞。『堕ちた庶民の神』(三一書房)『歌舞伎町・ヤバさの真相』(文春新書)『パチンコ「30兆円の闇」』『生贄の祀り』『あぶない食品』(小学館文庫)『武富士 サラ金の帝王』『池田大作「権力者」の構造』『中国「黒社会」の掟』『細木数子 魔女の履歴書』(講談社プラスα文庫)『暴力団』『続・暴力団』(新潮新書)『抗争』(小学館新書)『やくざの経営戦略』(文春新書)など著書多数。

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●「核兵器禁止条約」交渉決議と創価学会の平和運動

10月6日付「聖教新聞」「ベルリンで軍縮めぐる世界会議」「SGIが3団体と共同開催」「平和のための宗教間フォーラム」「高まる軍事費を人道支援や環境保全へ」

「世界70カ国・300団体からなる平和組織『国際平和ビューロー(IPB)』主催の世界会議が、9月30日から10月3日の4日間にわたってドイツの首都ベルリンで開催され、SGI代表が出席した。『平和のために軍縮を!』をテーマにした同会議は、膨れ上がる世界の軍事費に焦点を当てたもの。年間で約185兆円(ストックホルム国際平和研究所)とされる世界全体の軍事費を、人道支援や気候変動対策、持続可能な開発などに用いるよう訴えている。(中略)河合SGI平和・人権部長は、核兵器廃絶の取り組みに言及。核兵器のない世界に向けた機運を高めるには、人間に本来備わっている共感の力を広げていくこと、人々の内発的な力を開花させていくこと、青年の関与に重点を置くことが重要であると指摘した。また池田SGI会長の『世界を分断し、破壊する象徴が核兵器であるならば、それに打ち勝つものは、希望を歴史創造の力へと鍛え上げる民衆の連帯しかない』との言葉を通して、今後も共生の未来を目指し、草の根の運動を進めていきたいと語った」

1020日付「聖教新聞」「核兵器禁止へ高まる国際社会の声」「SGIが参加する宗教コミュニティー」「人間性を議論の根幹に」「国連総会第1委員会で共同声明を発表」「人道軍縮フォーラムSGIの代表が登壇」

「米ニューヨーク市の国連本部で開かれている国連総会第1委員会で12日、SGIが参加する『核兵器の非人道性を憂慮する宗教コミュニティー』の共同声明が発表された。一方、1516の両日には同市内のペース大学で『人道軍縮フォーラム』が開催され、SGI代表が参加。人間性を議論の柱に据えた軍縮運動の重要性を訴えたほか、宗教の役割を巡る分科会の進行を担当した」

「毎年9月に開会する国連総会は、国連事務総長、総会議長、各国首脳による一般討論を経た後、議題ごとに六つの委員会に分かれて討論が始まる。そのうち、軍縮・国際安全保障問題を扱うのが第1委員会である。毎年、軍縮関連の決議が多く採択される第1委員会は、核軍縮・不拡散の動向を見極める上で大きな注目を集める。とりわけ本年は核兵器禁止条約の来年中の交渉開始を求める報告書が、8月に国連公開作業部会で採択され、提出された中での国連総会の幕開けとなった。それを受けた決議案が10月末に採決される見通しの中、第1委員会では各国代表や国際機関、市民社会による議論が連日、本格的に行われている。石渡SGI平和運動局長らSGI代表は12日、第1委員会の一環として行われた市民社会プレゼンテーションに参加。席上、SGIがWCC(世界教会協議会)、PAX(オランダの平和団体)などと共に参加する『核兵器の非人道性を憂慮する宗教コミュニティー』の共同声明が発表された。同コミュニティーによる共同声明は、ワシントンでSGIが主催した宗教間シンポジウム(2014年4月)で発表された声明を基盤に、ウィーンでの『核兵器の非人道性に関する国際会議』(同年12月)や国連本部でのNPT(核不拡散条約)再検討会議(15年4~5月)などでも発表されてきた。SGIは、この宗教間の取り組みで中心的な役割を担っている」

1029日付「聖教新聞」「核時代平和財団がSGIと主催 米で核兵器廃絶シンポジウム」

「核時代平和財団とSGIが主催するシンポジウム『喫緊の課題である核兵器廃絶』が2425の両日、アメリカ・カリフォルニア州サンタバーバラ市内で開催。核問題に携わる専門家らと共にSGIの代表が参加し、議論を交わした。これには池田SGI会長がメッセージを寄せ、平和を目指す民衆の連帯を共々に広げていきたいと強調した」

「国連総会第1委員会で27日、『核兵器禁止条約』制定の交渉開始を定めた決議案が、賛成多数で採択された。交渉が始まる明年は、戸田第2代会長の原水爆禁止宣言から60周年である。SGI会長はシンポジウムに寄せたメッセージの中で、同宣言はSGIの平和運動の原点であると述べた後、『平和への思いが結びつけるグローバルな民衆の連帯こそが、時代の閉塞状況を打ち破る、変革の力を湧き起こし、希望の未来への旭日を立ち上らせゆく』と強調。核兵器廃絶への挑戦は『生命軽視の思想との戦いであり、世界を人道的な方向に向け直す挑戦にほかならない』と述べ、人間の尊厳が永遠に守られる道を開き、核時代に終止符を打つべく、平和の民衆の連帯を一段と広げていきたいと訴えた」

同「核禁止条約、交渉開始へ」「日米露は反対国連総会委が決議」

「『ニューヨーク時事』国連総会第1委員会(軍縮)は27日、核兵器禁止条約など核兵器の法的禁止措置について交渉する国連会議をニューヨークで来年開くとした決議を123カ国の賛成を得て採択した。日本や核兵器保有国の米ロ英仏など38カ国が反対し、中国など16カ国が棄権した。核開発を進める北朝鮮は賛成した。決議はメキシコやオーストリアなどが主導し、55カ国以上が共同提案。年内に総会本会議で採択され正式な決議となる見通しだ。核兵器を法的に禁止する枠組みについて国連で初めて本格的な議論が行われることになる」

1030日付「聖教新聞」「核兵器禁止条約の交渉開始決議 国連総会第1委員会での採択に寄せて」「市民の連帯の拡大へさらに尽力 創価学会平和委員会 石渡議長」

「『核兵器禁止条約』の制定を目指す決議案が国連総会第1委員会で採択されたことを受けて、このほど創価学会平和委員会(石渡一夫議長)が談話を発表した」

「生命の尊厳と価値を最大に尊重する仏法の見地から、人間性を否定する兵器として核兵器の廃絶を求めてきた創価学会平和委員会は、今回の決議採択を歓迎するものです。これは核兵器廃絶に向けた具体的かつ歴史的な選択であるといえます。今後の交渉においては、今回、残念ながら反対あるいは棄権した国々を含む全ての国が、核兵器のない世界を目指す『地球的な共同作業』として、積極的かつ建設的な議論を行うことを私たちは強く期待するものです」

※軍縮を担当する国連総会の第1委員会が、法的拘束力をもつ「核兵器禁止条約」の制定を目指した交渉開始を求める決議案を、世界123カ国の賛成をもって1027日に採択した。これに日本政府は、核保有国の米英仏露や核の傘の下にあるドイツや韓国などとともに反対した。世界で唯一の被爆国と称する日本が、「核兵器禁止条約」の交渉開始に反対したことに対しては、被爆者はもとより決議案に賛成した国々からも、ダブルスタンダードだとの批判や不信の声があがっている。戸田城聖2代会長の「原水爆禁止宣言」を平和活動の原点だとする創価学会は、国連総会を前に積極的な核兵器廃絶運動を展開していることを「聖教新聞」でアピールしていた。そして国連総会第1委員会が1027日に「核兵器禁止条約」の交渉開始の決議を採択するや、交渉が始まる明年は、戸田会長の「原水爆禁止宣言」60周年の佳節にあたるなどとアピールし、あたかも創価学会が核廃絶運動をリードしているかのような報道を行っている。

 だが、決議案採択を報じる1029日付「聖教新聞」には、社会面に時事通信の「核禁止条約、交渉開始へ」「日米露は反対国連総会委が決議」なる記事は掲載しているものの、日本政府が決議案に反対した事実についての創価学会としての論評はない。1030日付「聖教新聞」には創価学会平和委員会議長の「談話」を掲載したが、日本政府が決議に反対した事実には一言も触れておらず、日本政府が反対したことへの論評も批判もない。もちろん多年にわたって核兵器の禁止と廃絶を声高に訴え、「核兵器禁止条約」の締結に向けて日本政府が積極的な役割を果たすよう強調していた池田大作名誉会長からも、今回の決議採択と日本政府の対応についての発言はない。

●「世界広布新時代 青年拡大の年」の狙いとは

1015日付「聖教新聞」「世界広布新時代第20回本部幹部会 四国総会から(要旨)」

「2017年のテーマ『世界広布新時代 青年拡大の年』開拓者の心で勢いよく前進 原田稔会長」

「明2017年(平成29年)は、池田先生の入信70周年、若き日の先生が拡大の突破口を開いた『2月闘争』65周年、戸田先生の願業『75万世帯』達成60周年、池田先生が第3代会長就任式で訴えた『300万世帯』達成55周年と、師弟の精神に貫かれた佳節を、幾重にも刻みます。(中略)そして学会は、さらに創立90周年、100周年を見据えつつ、広宣流布大誓堂の完成5周年となる2018年の『1118』へ、新たな前進を開始しております。(中略)学会の永遠性を確立する今この時、最重要の鍵は、『青年』です。そこで学会は、2017年のテーマを『世界広布新時代 青年拡大の年』と掲げたい。私たちは、青年を先頭に、皆で若々しく折伏・弘教に挑み、世界の平和と繁栄を実現しゆく創価学会を守り、永遠ならしめる後継者を、さらに勢いよく拡大・育成していきたい」

※創価学会が来年の活動テーマを「世界広布新時代 青年拡大の年」と発表した。来年は池田名誉会長の入信70周年をはじめとするさまざまな佳節が重なる年だとして、青年部の拡充を掲げている。すでに本欄でも指摘していることだが、現在、創価学会はポスト池田体制の確立を目指して、創価学会の永遠性の確立を声高に叫び、その当面の目標到達点を大誓堂建設5周年の2018年1118日に置くとしている。そのためにはあらゆる闘争に勝利するということで、今後、財務・新聞啓蒙(拡販)・折伏(会員獲得)と、選挙闘争に全力を傾注することとなる。だが、本尊・教義の変更と、集団的自衛権の行使容認・安保関連法案への賛成による平和主義の放擲によるダメージは少なくなく、創価学会の組織は水面下で大きく混乱と動揺を来たしている。特に原田会長を中心とする執行部は、執行部の方針に反対する幹部・活動家を処分するなど、強圧的かつ強権的な組織運営を繰り広げており、組織には不満と不信が渦巻いている。「青年拡大の年」とは、マインドコントロールしやすい青年部を中心に、強行突破を図ろうという執行部の思惑が透けて見えるテーマ設定といえる。

●箱根駅伝と大学野球&ドラフト

1016日付「聖教新聞」「創価大学 2年ぶり2度目の箱根駅伝へ」「予選会を合計タイム3位で通過 抜群のチームワークが結実」

「第93回『東京箱根間往復大学駅伝競争』(箱根駅伝=来年1月2、3日)の予選会が15日午前、東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地から国営昭和記念公園までの20㌔コースで行われた。創価大学は堂々の3位に入り、2年ぶり2度目の箱根駅伝本選への切符を手にした。(中略)創立者の池田名誉会長は、選手たちの大健闘をたたえ、『うれしい。本当におめでとう』との伝言を贈った」

1017日付「聖教新聞」「師弟勝利の旗高く 座談会」

永石(婦人部長)はじめに、創価大学から、嬉しいニュースが舞い込んできました。

 清水(女子部長)2年ぶり2回目の箱根駅伝本戦への出場決定ですね(一同拍手)。

 志賀(男子部長)全国の方々が、自分のことのように喜んでおられます。

 原田(会長)チームの団結力で、歴代のベストタイムを大幅に更新し、予選会を堂々の3位で突破した創大生たちが、新春の箱根路で躍進しゆくことを念願してやみません」

1021日付「聖教新聞」「創価大 田中ソフトバンク 池田楽天が交渉権」

「創価大のダブルエースが挑むプロの舞台はパ・リーグに――。プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)は20日、東京都内のホテルで開かれ、150㌔台中盤の速球を武器に即戦力として期待される創価大の田中正義投手は、広島、巨人、日本ハム、ソフトバンク、ロッテの5球団が1位指名で競合した末、ソフトバンクの工藤監督が抽選に勝って交渉権を獲得した。同じく創価大の池田隆英投手は楽天から2位指名された」

「今ドラフトの目玉だった創価大の田中投手は、5球団が1位指名で重複した。ソフトバンクの工藤監督が当たりくじを引き当てた瞬間、『なるべく表情を変えないように』していた田中投手に笑みがこぼれた。(中略)(投手に逸材の多かったドラフトで一番の注目を集めた田中投手は)『創価大野球部で学んだことは数え切れない。人生の指針になっているので、ぶれることなく努力していきたい』。母校への感謝の思いを胸に、自らの力を証明する挑戦が始まる」

1026日付「聖教新聞」「東京新大学野球秋季リーグ戦 創価大学が優勝」「我らは心で勝つ!」「ベストナインに4選手 田中・池田投手が最多勝利」

「東京新大学野球の秋季リーグ戦の閉会式が24日、埼玉・岩槻川通公園野球場で行われた。全大学から勝ち点を挙げる完全優勝を成し遂げた創価大学野球部。最優秀投手には田中正義投手、最多勝利に田中投手と池田隆英投手、最優秀防御率に池田投手、最多盗塁に伊藤嵩基選手が輝いた。(中略)(田中正義投手は)何より力を入れたのが、精神面の強化だ。創立者・池田名誉会長が野球部に贈った指針『心で勝て 次に技で勝て 故に 練習は実践 実践は練習』を心に、弱い自分と向き合い続けた。『真剣勝負の練習』と『課題を明確にした実践』の往復作業で、“負けない心”を培ってきた。20日の新人選手選択会議(ドラフト会議)では、5球団の競合の末、福岡ソフトバンクホークスから1位指名を。アマチュア球界ナンバーワンの評価を受けるまでに成長した。

 同じく東北楽天ゴールデンイーグルスから2位指名を受けた池田投手も、創価の『人間野球』で、実力が大きく開花した一人だ」

※創価大学陸上部が箱根駅伝予選会を3位で突破し、本選出場を決めたことに創価学会が欣喜雀躍。また、プロ野球ドラフト会議で、創価大学野球部の田中正義投手・池田隆英投手が、それぞれ福岡ソフトバンクホークスと東北楽天ゴールデンイーグルスに指名されたことを、「聖教新聞」が大きく報じている。

 特に創価大学が箱根駅伝予選会を突破したニュースは、1面トップでの大々的報道。教団傘下の大学が、いまや正月の風物詩となり、全国的人気を誇る箱根駅伝への出場を決めたことを喜ぶのは分からぬでもないが、1面トップで報道するとは、創価学会にはよほど明るい話題がないものと見える。

 ドラフト会議当日、会議の模様を放送したTBSは、ドラフト特別番組も放送。その中で創価大学の池田投手を取り上げ、お涙頂戴の感動ドラマに仕立てていたが、その番組提供は聖教新聞社。池田投手が頑張ったのはわかるが、あざとい番組構成に鼻白んだが、その内容とほとんど同じ内容が「聖教新聞」掲載されていたことには笑えた。

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10月号目次

10月号目次

閻魔帳

創価学会の機関紙になった朝日新聞 政教一致、自公連立の暗部や変節は素通り/川﨑泰資

特集/伏魔殿東京を支えた公明党&創価学会

“伏魔殿”を破壊したとPRする創価・公明“伏魔殿”の罪深さ/乙骨正生

「伏魔殿・都庁」の醸成に寄与する「公明党=創価学会」の大罪/古川利明

立党精神が消えて久しい公明党・山口代表5選の行方/段 勲

豊洲新市場、元凶は石原都政 移転推進した自・公の責任/柿田睦夫

トピックス

自由な退会を禁止するルールを設けた幸福の科学の異常性/藤倉善郎

トピックス

名称変更から1年、全国弁連集会で改めてその欺瞞性を指摘された統一教会(家庭連合)/鈴木エイト

連載

信濃町探偵団

──創価学会最新動向

新・現代の眼(第2回)

愛国を隠れ蓑にしたミソジニー集団菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情225

ニースの「道徳警察」広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

 ご報告が後先になりましたが、248号(H28・9)から『日本会議の研究』の著者である菅野完氏の連載「新・現代の眼」が始まりました。安倍晋三首相の思想的(といっていいのかどうかは疑問ですが)バックボーンとされる日本会議の実態を描き出した菅野氏。今後の健筆に期待したいものです。

 小誌今号の特集記事で執筆者の古川利明氏が記載しているように、小誌の常連執筆者のひとりである野田峯雄氏が7月29日に71歳で亡くなりました。小誌への執筆は今年5月発行の244号特集記事「パナマ文書発覚=日本のタックスヘイブンと創価学会」中の1本、「隠れた補助金=タックスヘイブン」が最後になりました。本人のご意向もあって公表してきませんでしたが、ここにあらためてご冥福をお祈りしたいと思います。

 その野田氏は、かつて『慎太郎よ! いいかげんにしろ、石原慎太郎』を執筆。石原元知事とゼネコンとの癒着に筆誅を加えています。その石原知事時代に決まった築地市場の豊洲移転問題。当初から東京ガス工場跡地という汚染土壌に生鮮食品を扱う築地市場を移転することの危険性に、多くの人々が反対していました。しかし公明党は、石原知事や自民党と連携してこれを推進。否、「公明新聞」記事によれば築地市場の豊洲移転を「着実に事業推進」したのは都議会公明党だというのです。

 いま小池百合子知事の登場により、築地市場の豊洲移転問題が大きく取りざたされていますが、来年夏の都議選を視野にいれて公明党がどう動くのか。またつい先日まで自民党総務会長や自公政権の防衛大臣などを歴任してきた小池知事がはたしてこの問題にどう折り合いをつけるのか。厳しく監視する必要があります。

 それにしても驚いたのは、「朝日新聞」(9・22付)の原田稔創価学会会長インタビュー。さながら「聖教新聞」のごとき垂れ流し記事。「閻魔帳」で取り上げましたが詳しくはまた次号で。

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特集

特集/伏魔殿東京を支えた公明党&創価学会

“伏魔殿”を破壊したとPRする創価・公明“伏魔殿”の罪深さ

乙骨正生

ジャーナリスト

都政の「ムダ」を撤廃??

「都議会公明党は、63(昭和38)年4月の統一地方選で改選前の3議席から一挙に17議席へと大躍進。議会での発言の機会と場を確保したことを機に、“伏魔殿”と呼ばれていた都政の大掃除に取り組んだ」

 これは、一昨年に結党50年を迎えた公明党の歴史を編纂した『大衆とともに──公明党50年の歩み』(公明党機関紙委員会)の一節。以下、都議会公明党は、「伏魔殿」東京都政を浄化するために、「●都議会リコール解散主導。議長選汚職で」「●都議会公明党が『宴会政治追放』の口火切る」「●身を挺し摘発の“隅田川し尿不法投棄”」などを通じて、議会や行政の不正や腐敗を追及してきたと強調。「伏魔殿」を浄化したのは公明党だとアピールしている。

 公明党の組織母体である創価学会も、東京都議会議員選挙のたびにここに書かれた公明党の実績をアピールしている。たとえば池田大作名誉会長が大衆の前に姿を見せなくなった平成22年の前年、平成21年7月の都議選を前にした「聖教新聞」掲載の「新時代を勝ち進め」と題する座談会記事には、「元副知事も公明党の都政改革を賞讚 “腐敗を一掃し東京都を改善”」(7月6日付)との大見出しで、公明党の実績をこう綴っている。

杉本(婦人部長)公明党は、首都・東京においても、ずっと『都政改革』を推進してきましたね。

 原田(会長)公明は、昭和38年4月の都議選で17人が当選。本格的に都政に進出した。だが、当時の都議会は『宴会政治』『金権汚職』が横行。『伏魔殿』と呼ばれるほど腐りきっていた。

 正木(理事長)この腐敗政治を一掃したのが、都議会公明だ。昭和40年、リコール運動を起こして、都議会を解散に追い込んだ。そして行われた『出直し選挙』で、公明党は『都政の刷新』を叫び、23議席に躍進。都民の期待に応えて、都政改革を断行したんだ。

 金沢(総東京長)元副知事の青山佾氏も高く評価しておられた(月刊誌『潮』7月号)。『公明党は創立当初から、「伏魔殿」を破壊し、改革を担ってほしいと都民に期待されていた。そして実際に、公明党は具体的な政策を提案し、東京都を全国に先駆けて改善してきた』と賞賛しておられた」

 同様に創価学会は、都政の「特権」と「ムダ」を改善してきたのも公明党だとアピールする。そのさわりを、都議選の告示を翌日にした同年7月2日付「聖教新聞」掲載の座談会記事から紹介しよう。

津田(総東京婦人部長)何といっても都議会公明党には『庶民の党』だからこそ実現できた、幾多の実績があります。都政の『特権』と『ムダ』を撤廃した『都政改革』も有名です。

 棚野(男子部長)まず、都の職員を削減した。(注・1978年当時223千人だった都職員を2009年時点で16万5千人まで削減したとする)―中略―

 正木 それにまた、公明党は『天下りの温床』と批判されてきた、都の外郭団体(監理団体)にも鋭いメスを入れた。1993年当時は『72』あった団体を、半分以下の『33』に削減。さらに役員の『報酬カット』『退職金廃止』も断行した。―中略―

 原田 『庶民の目線』に立って、粘り強く行政改革を実行する。まさに公明党の真骨頂だ。堂々たる実績じゃないか。都民は皆、拍手、喝采だよ」

 昭和40年代の議長選の汚職をめぐるリコールの主導や、宴会政治批判をもって「腐敗政治を一掃した」するとともに、人件費や天下り先を縮小することで、「都政の『特権』と『ムダ』を撤廃した『都政改革』」を推し進めてきたのは公明党と強調する創価学会。だが、小池百合子知事の登場によってあらためて焦点があたった築地市場の豊洲移転問題ひとつみても、都政の「特権」や「ムダ」は排除されておらず、政官業癒着の「伏魔殿」としかいいようがない腐敗した利権の構図が温存されていることは明白。

 だいたい築地市場の汚染地・豊洲への移転を決めたのをはじめ、都民の税金をドブに捨てることとなった新銀行東京問題、新銀行東京問題での司直の追及をかわすためとしか思えない2016年オリンピック誘致計画、尖閣買収問題、福祉切り捨て、繰り返された大名外遊、身内への利益供与、週2日しか登庁しない問題などなど、都政を混乱・紊乱させただけで知事職を放り出して国政に逃亡した石原慎太郎知事を、自民党とともに強力に支えたのは公明党である。

 さらには金絡みの不正や公私混同問題などで知事を辞職せざるをえなくなった猪瀬直樹、舛添要一両知事を自民党とともに支援して当選させたのも公明党であることは記憶の新しいところ。

 その意味では、都議会公明党が「腐敗政治を一掃」したとか、「都政の『特権』や『ムダ』を撤廃」したなどとはとうていいえず、むしろ「伏魔殿」を下支えする存在だったことは、明らか。そのことは築地市場の豊洲移転問題や新銀行東京問題をめぐる都議会公明党の政治姿勢からも読み取れる。

豊洲移転推進を自慢する公明党

 まずは築地市場の豊洲移転だが、都議会の会議録を参照すれば、共産党や生活者ネットなどが、食の安全の観点から、築地市場の豊洲移転に強く反対するなかで、公明党は一貫して豊洲移転を後押ししていたことがわかる。そうした公明党の政治姿勢を自認しているのが平成25年6月7日付「公明新聞」掲載の、「進む 中央卸売市場の豊洲移転」と題する記事である。

「東京の食を支える築地市場(中央区)の移転事業が進んでいる。2015年度には築地の多彩な役割を継承した新市場が豊洲(江東区)に完成予定だ。期待される豊洲市場の機能を解説する」との書き出しで始まる記事で、「都議会公明党が着実に事業推進」との小見出しをつけ、公明党が豊洲移転を積極的に進めてきたことをアピールしている。

「都議会公明党は豊洲への市場移転について、さまざまな角度から検証を重ねてきた。その上で、移転を求める声を都に伝えるなど着実に事業を推進してきた。

 建設予定地から検出された汚染物質問題では、無害化に向けて都が主体的に取り組むよう強く主張。汚染土壌の処理状況を入念に視察、進行具合を確認し、市場関係者や都民の懸念を一つ一つ取り除いてきた。この結果、開場に向けた汚染物質の除去作業は確実に前進、『人が一生涯この土地に住み続けても健康に影響が生じることがない』」(豊洲新市場ガイドブック)までになった」

 記事では、築地市場の危険性を強調する一方で、豊洲市場には民営の「千客万来施設」も設けられることから、大きなビジネスチャンスが生まれるとしている。しかし安全性を担保するための盛土がなされていなかったばかりか、地下空間が秘密裏に作られ、あまつさえ東京都が実施した地下水のモニタリング調査の結果、検出されてはならないはずのヒ素やベンゼンが検出された事実が明らかになった今日、この記事がいかに噴飯ものであるかは明々白々。仮に本当に「汚染土壌の処理状況を入念に視察、進行具合を確認し、市場関係者や都民の懸念を一つ一つ取り除いてきた」というのであれば、公明党の目は節穴だったという以外ない。

 汚染土壌である東京ガス工場の跡地を破格の高値で購入、しかも購入後に汚染が確認された場合は東京ガスに土壌汚染浄化の責任を負わせることが可能となる瑕疵担保責任まで放棄して購入。結果的に東京都に800億円もの土壌汚染対策を負わせることとなった豊洲移転。施設建設についての談合疑惑も指摘されるなどいわくつきの豊洲移転に一貫して賛成したばかりか、「都議会公明党が着実に事業推進」というのだから、開いた口がふさがらない。いったいこのどこが都政の「特権」と「ムダ」を排除したというのか。

口利き三昧の公明党議員

 こうした「伏魔殿」を破壊するどころか下支えする公明党の実態は、大失敗だった新銀行東京問題でも確認することが可能だ。石原知事のトップダウンで平成16年に設立された新銀行東京。都はこれに1000億円を出資したが、ずさんな融資や経営によって平成20年3月期決算で累積損失が1016億円に膨らみ、事実上破綻状態となったことから、都は損失を帳消しにするために855億円を棄損。その上で同年に400億円の追加支援を行ったが、結局、新銀行東京は、東京TYフィナンシャルグループと経営統合して整理縮小されることとなった。都は統合による株式交換で400億円の回収を見込んでいるが楽観はできない。結局、1000億円規模の損失を生み出すこととなった新銀行東京だが、その設立のための出資や追加支援など、一連の措置に賛成し後押しを続けたのが公明党だった。

 それもむべなるかな。新銀行東京に関しては、石原知事の長男である石原伸晃代議士の秘書をはじめとする国会議員や都議らの口利きの事実が明らかとなっているが、その多くを公明党議員や関係者が占めているからだ。同問題を追及した「週刊朝日」(平成20年9月12日増大号)の「公明党の『口利き案件』」と題する特集記事にはこうある。

「(新銀行東京の)内部データによれば、600件超ある“口利き”案件のうち、公明党関係者による件数は200件を超えている。実に3件に1件の割合なのだ」

 しかも「読売新聞」(同年9月4日付)によれば、公明党の現職都議と元都議が平成17年から18年にかけて破綻寸前の中小企業を新銀行東京に紹介して融資を受けさせ、その見返りとして政治資金などの報酬を受け取っていたという。2つの企業は融資を受けたあと事実上破綻し回収ができなくなったが、この破綻企業とは、聖教新聞販売店であるとも伝えられる。

「週刊朝日」が報じた公明党議員口利きリストには、閣僚経験のある公明党の現職国会議員から都議、元都議さらには公明党政調など、35人と1団体が口利きに関与していることが記載されており、中には「二十件以上」も口利きを行っている“猛者”までいる。

 当初から批判が強く、失敗が懸念されていた新銀行東京の設立と開業を積極的に支援したばかりか、口利きまで行っていた公明党。これでは公明党は「伏魔殿」を破壊どころか、「伏魔殿」の一角を構成していると批判されてもやむを得まい。

都議選必勝を決意表明

 もっともこうした公明党の負の側面を創価学会が批判することはない。「伏魔殿」や「特権」「ムダ」は今日的課題であるにもかかわらず、公明党そして創価学会は使い古しの証文のように、50年も前の「リコール主導」や「宴会政治批判」をもって、「伏魔殿」を破壊し、都政の「ムダ」を排除したのは公明党などと主張し、創価学会員を欺罔して来夏の都議選に突き進もうとしている。

 公明党は9月17日に全国大会を開催。山口那津男代表を無投票で5選したが、その山口代表は挨拶の中で、「公明党は連立与党として安倍内閣をしっかり支え、安倍政権の下、国内外に山積する課題解決に結束して立ち向かってまいります」と、「安倍政権をしっかり支え」ると公言するとともに、来夏に予定されている東京都議選に言及し、「党の総力を挙げて」必勝を目指すと次のように決意発表している。

「来年夏には最大の統一外地方選である東京都議選が行われます。2020年のオリンピック・パラリンピック開催を控え、課題山積の都政にあって、都議会公明党が都政の刷新・前進の要とならなければなりません。党の総力を挙げて、首都決戦の全員当選を勝ち取ってまいりましょう。年明けからは北九州市議選をはじめ大型の統一外地方選も相次ぎます。連続勝利で都議選を迎えていきたい。(中略)さあ、皆さん! 一人一人が獅子奮迅の力を奮い起こし、団結も固く、次の『勝利の峰』を共々に登攀しようではありませんか! 私自身、その先駆けとなって闘います。決意も新たに、圧倒的な勝利の歴史を築こうではありませんか! 皆さん、闘いましょう!」(「公明新聞」9月18日付)

 党大会後の9月28日、都内で講演した山口代表は、来年1月の通常国会冒頭の衆院解散説について、「ここから先は任期中、いつあってもおかしくない」「拒否するわけにはいかない。いつやるかは首相の判断次第」「常在戦場だと言っている」と発言。地元・山口でのロシアのプーチン大統領との会談後に解散を模索しているとされる安倍晋三首相の判断を尊重し、いつでも解散総選挙に応じるとの姿勢を示した。

 来夏に予定されている東京都議選、そしてその前に実施される可能性が高い衆院総選挙において創価学会・公明党は、「立正安国」を旗印にした熾烈な政教一致選挙を繰り広げることは間違いない。そしてその際、創価学会は、あたかも公明党が「伏魔殿」を破壊する都政の改革者であるかのごときプロパガンダを繰り返すだろう。──なんと罪深き創価・公明の“伏魔殿”。

乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●「朝日新聞」原田会長インタビュー記事掲載

9月22日付「朝日新聞」「創価学会はどこへ インタビュー 創価学会会長 原田稔さん」

※本誌今号の「閻魔帳」で取り上げているように、9月22日付「朝日新聞」朝刊が、原田稔創価学会会長のインタビュー記事を掲載した。15面のほぼ一面を使用しての大インタビュー。ここで原田会長は池田大作名誉会長の健康状態についてこう答えている。

「──池田大作名誉会長は88歳。最近は表立った活動を控えています。体調はいかがですか。

『元気にしておりますよ。執筆活動などに専念しています』

──最近はいつ会いましたか。

 『ええ、この夏の研修で』

──重要な判断も可能なのですか。

『もちろんです。ただ、数年前からは、基本的に運営は執行部に託し、見守っています』

──いま、意思決定の過程はどうなっているのでしょう? 集団指導体制なのですか。

『そう理解していただいていいんじゃないでしょうか。私をはじめとする執行部で相談しつつ、大きな方向性を定めています。とはいっても重要な問題もありますから、執行部は名誉会長に報告すべきことは報告し、指導を受けています』」

 これまで繰り返してきた「元気」で「執筆活動に専念」の回答。しかしそれが果たして本当なのかを追及するのがジャーナリズムの役目だが、朝日インタビューは原田会長の回答を垂れ流すのみ。これでは「聖教新聞」と大差ない。詳細は次号で。

●2018年1118日を強調

9月3日付「聖教新聞」「栄光輝く1118へ威風堂々の大前進を 全国総県長会議原田会長を中心に」

「総県長会議での原田会長指導(要旨) 折伏・弘教 聖教拡大 人材育成 広布の永遠の基盤を築きゆけ」

「私たちは、次なる目標を広宣流布大誓堂完成5周年の2018年『1118』と定めて出発を切りました。この間、明17年の8月24日には先生の入信70周年、18年の1月2日には先生の『卒寿』の誕生日を迎えます。そして、小説『新・人間革命』も第29巻の最終章『源流』の後、いよいよ第30巻を迎えることになります。

『学会を守ることが妙法を守ることだ。学会を永遠ならしめることこそ、慈折広布を永遠ならしめることなのである。学会の永遠性を確立するのは、まさに今この時だ。これが私の総仕上げの闘争である』

先生が示してくださったこの指導を生命に刻み、学会の永遠性を確立する今この時の重要さを日々の強き祈りの中で確認しながら、師弟共戦を貫きたい。(中略)

折伏・弘教、聖教拡大、任用試験、財務と、その全てがまさに学会の永遠の基盤を築く重要な戦いです」

※創価学会総本部の広宣流布大誓堂の完成5周年の2018年1118日を当面の目標とすると発表した創価学会。全国総県長会で原田会長は、創価学会の永遠性を確立するために、折伏・弘教、聖教拡大、財務などに挺身すべきことを強調している。

 本尊や教義の確定など、独立した宗教団体であるならば独自性やオリジナリティを確立することの方が先だと思うが、原田氏は金集めと新聞拡販、そして新たな顧客の獲得を優先するつもりのようだ。全国総県長会といういわば全国各地域の支店のトップを集めての営業会議で、金集めや新聞拡販、そして顧客の獲得を督励している事実は、創価学会という特異な宗教コングロマリットの本質を示すものとして興味深い。

●原水爆禁止宣言PR

9月8日付「聖教新聞」「市民社会の声を結集し核兵器なき世界を」「カザフスタンの首都アスタナで核軍縮国際会議」

「きょう9月8日は創価の平和運動原点の日である。1957年のこの日、戸田第2代会長は『原水爆禁止宣言』を発表し、仏法者の立場から人類の生存の権利を脅かす核兵器との決別を訴えた。同宣言の精神は池田SGI会長が継ぎ、その誓いに連なる各国のSGIメンバーによって今、『核兵器のない世界』を目指す民衆の連帯が大きく広がっている。8月29日には、SGI代表団が、『核実験に反対する国際デー』を記念して開催された核軍縮に関する国際会議に出席。国際社会が協力し、今こそ核兵器禁止のために具体的な行動を起こす時であると呼び掛けた」

※戸田城聖会長が、昭和32年9月8日に行ったいわゆる「原水爆禁止宣言」を、自らの平和運動の原点とする創価学会が平和活動をPRしている。ノルウェーのベルゲンで開かれた「国際会議」では、「今こそ核兵器禁止のための具体的な活動を起こす時」と呼び掛けたようだが、それならば自公政権の防衛大臣になった核武装論者の稲田朋美氏に、核武装論の放棄を、創価学会青年部が積極的に求めてはどうか。先般の衆院予算委員会で民進党の辻本清美氏が、稲田大臣に核武装論の放棄を求めたものの稲田大臣は応じなかった。自公政権を支える創価学会の言うことなら稲田大臣も聞くのではないか。それこそが「原水爆禁止宣言」を行った戸田会長の「青年よ、心して政治を監視せよ」との遺訓にも叶うと思うがいかがか。

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9月号目次

9月号目次

 

閻魔帳

安倍マリオが演じた「パンとサーカス」/乙骨正生

特集/生前退位表明が映し出す創価学会最大の欺瞞

自らの肉声で「生前退位」の意思を表明できない池田大作の悲喜劇/古川利明

池田大作名誉会長が「生前退位」できない3つの理由/段 勲

トピックス

天皇生前退位問題──エセ伝統主義者が怖れる「国体」破壊/広岡裕児

トピックス

「8・15」の言葉と憲法の原則 問われる政教分離の視点欠落/柿田睦夫

トピックス

幸福実現党本部への捜索で国家陰謀論に走る幸福の科学/藤倉善郎

トピックス

日蓮正宗妙観講講頭名誉毀損事件 創価学会幹部ライターの敗訴が確定/本誌編集部

連載

新連載/新・現代の眼(第1回)

たった40年で激変した日本の言論界菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情224

ブルキニ騒動広岡裕児

信濃町探偵団──創価学会最新動向

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

 天皇陛下が8月8日、ビデオ・メッセージで生前退位の意向を表明されました。2度にわたる外科手術や高齢化に伴う体力の低下など、自らの健康状態に率直に言及しつつ象徴天皇としての役割を果たせなくなることへの危惧を明らかにされた天皇陛下。一方、天皇陛下より5歳年長で米寿を迎えた創価学会の池田大作名誉会長は、平成22年以来、6年あまりにわたって一向に学会員の前に姿をみせず、天皇陛下のようにビデオ・メッセージで肉声を発表するわけでもないのに、「お元気」とのことです。

 天皇陛下と池田氏を比較するのはおこがましい限りですが、学会員にとって池田氏は「永遠の師匠」(会則)であり、天皇陛下以上の存在。「主・師・親」の三徳を具備した絶対的宗教指導者とも位置付けられているのですから、是非とも健康状態を心配する学会員の前に姿を見せて、姿を見せることができないのであれば、せめてビデオ・メッセージを発表して、慈愛の姿勢を示すべきだと思うのですが、そうした動きはありません。

 池田氏が一向に姿を見せないのとは裏腹に、昨年、任期を延長し、向こう4年間会長を務める原田稔氏は元気です。一昨年にはインドを、昨年はヨーロッパを訪問しましたが、今年は3月の韓国訪問に続いて、8月には南米を訪問。アルゼンチンからオリンピックが終わったばかりのブラジルのリオにまで足を運んでいます。日本の会長でありながら、海外に“雄飛”する原田会長。3期目の会長の任期が切れた後は、創価学会インタナショナル会長にでも就任するつもりなのでしょうか。

 その原田会長は、広宣流布大誓堂完成5周年の「2018年1118日」を目標にすることを発表しました。おそらく創価学会執行部は、この日を目標にポスト池田体制の構築を推し進める腹積もりなのでしょう。そのためには政治的安定が欠かせません。今後、創価学会そして公明党は、自公体制の強化にさらに腐心することでしょう。

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