月号目次

閻魔帳

安倍首相の暴走を許したメディアの責任川﨑泰資

特集/参議院選挙総括──罪深き宗教の政治容喙

徹底した「争点隠しによる低投票率」がもたらした「自公勝利」というトリック/古川利明

安倍政権を支える改憲集団「日本会議」 冷静な検証と実態解明が急務/菅野 完

参院選の前と後、安倍政権の改憲政策を支える統一教会二世組織/鈴木エイト

幸福実現党──「全員落選」でも得票は躍進という不気味さ/藤倉善郎

狡猾だった政権のメディア・改憲戦略 野党共闘にも「成果」と課題が/柿田睦夫

自民党に一票入れても「功徳」があると訴えた宗教政党/段 勲

宗教的呪縛と欺惘で選挙闘争を煽った創価学会/乙骨正生

●連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

ヨーロッパ・カルト事情223

フランスのイスラム教徒の市民宣言広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

 小誌の発行日は毎月10日です。第24回参院選の投開票日は7月10日にあたっているため、選挙結果についての分析・報告は、残念ながら今号には掲載できません。

 昨年来、安倍晋三首相は、今回の参院選で自公を中心とする改憲勢力で3分の2の議席を確保し、自らの自民党総裁の任期中に憲法改正を発議したいと公言してきただけに、選挙結果が気になります。すでに小誌がお手元に届く時点では、結果が出ているのですが、自公が3分の2ないしは過半数を獲得したのか、それとも改憲に反対し、立憲主義を取り戻すことを掲げ、安保法制の廃止を訴えた野党共闘が勝利したのか、日本の岐路となるだけに結果は重大です。

 それにしても憲法改正、憲法改正とあれだけ大騒ぎしていながら、争点隠しを図った安倍首相と自民・公明の両党。この一事をもってしても国民の負託に応えるだけの度量をもった政権・政党・政治家といえないことは明白ですが、政権・与党に擦り寄るだけのNHKをはじめとする大手マスコミは、有権者がまともな政治判断をするための正確な情報を発信するどころか、与党有利の世論調査結果を執拗に垂れ流して世論誘導を図る有様。いまさらながら日本のマスコミ、メディアの政権・与党との馴れ合いには呆れるしかありません。

 ところで小誌今号の特集でも触れているように、宗教法人・生長の家が、安倍自公政権を批判して、自民・公明の与党両党をはじめ、改憲勢力と安保法制に賛成した政党ならびに候補者を支持しないことを表明しました。安倍自公政権を、創価学会とともに支えるのが右派宗教団体によって構成される日本会議であることは、小誌でもたびたび報じているところですが、その日本会議の中核をなす日本青年協議会のメンバーは、もともと極端な皇国思想を鼓吹して、戦後も明治憲法の復元を唱えた生長の家の創始者・谷口雅春に傾倒した人々です。しかし谷口雅春の死去後、創始者の主張は「歴史的役割を終えた」として路線を修正した現在の生長の家は、今回の与党不支持声明において、創始者の思想を継承しているとする日本会議の中核メンバーは、「宗教運動は時代の制約下にある」ことを否定した時代錯誤の「原理主義」だと厳しく批判しています。

 生長の家は、安倍政権を支持しない理由として、立憲主義の軽視や古い歴史認識、反民主的体質や原発再稼働などを列挙し、安倍自公政権の政策や政治運営は、自らの信仰や信念と相容れないとしています。一方、平和や人権を掲げ、軍国主義や国家主義に反対して平和憲法を守るとしてきた創価学会は、従来の主張とは相容れない政治的立場の安倍首相と自民党を唯々諾々と下支えし、自公連立政権の維持を図っています。戦後、政治闘争に力を入れた両教団ですが、いまや両者の政治姿勢はあまりにも懸け離れています。

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特集

特集/参議院選挙総括──罪深き宗教の政治容喙

宗教的呪縛と欺惘で選挙闘争を煽った創価学会

乙骨正生

ジャーナリスト

選挙の勝利で正当性を証明

 7月10日投開票で実施された第24回参議院選挙。参院選は、原則的には議員の任期切れ前日から30日の間に実施するとなっており、第1回と第3回を除いては6月ないし7月の日曜日を投票日として、昭和61年の第14回以降は、7月の日曜日投票で行われている。

 その7月を創価学会は、「立正安国の月」「師弟の月」などと呼び、「末法の御本仏」(会則)と仰ぐ「日蓮大聖人」や、「永遠の師匠」(会則)に祀り上げた池田大作名誉会長との特別な意義をもつ重要な月、それも参院選との因縁浅からぬ重要な月と位置づけて、熾烈な選挙闘争を繰り返してきた歴史をもつ。

 今回の参院選でも、従来の参院選同様、否むしろ従来の参院選以上に創価学会は、そうした意義と因縁を強調して、幹部・活動家を選挙闘争に駆り立てるべく尻を叩いた。参院選を目前にした機関紙「聖教新聞」掲載の「師弟勝利の旗高く」と題する座談会記事には、そうした首脳幹部らの発言がてんこ盛り。その一部を紹介しよう。

原田(会長)いよいよ明日から7月。日蓮大聖人が諫暁の書『立正安国論』を提出され、創価三代の師弟が、権力の魔性と、不惜身命で戦い抜かれた月です」(6月30日付)

清水(女子部長)本年は、『大阪の戦い』から60年です。小説『人間革命』第10巻『険路』の章には、6月12日の朝の出陣の様子が綴られています。『この日から、山本伸一は、御本尊への祈りに、新たな一つの祈念を加えた。それは、大阪のいかなる人であれ、このたびの戦列に加わって、味方となることであった』と。(中略)

 原田 法華経の文に『魔民及び魔民有りと雖も皆仏法を護る』とあります。どんな人でも味方にしていく。敵を味方に変えていく――この祈りこそ、広布拡大の鉄則です。私たちは、師匠と心を合わせた祈りと戦いで、新たな広布の金字塔を、断固と朗らかに打ち立てていきたい。

 長谷川(理事長)師弟勝利の7月へ、一人一人が自身の壁を破り、過去最高の友好拡大を成し遂げ、世界広布新時代の“まさかが実現”を達成していきましょう」(6月23日付)

 ここに言う「立正安国論」とは、「日蓮大聖人」が、文応元(1260)年7月16日に鎌倉幕府(得宗・北条時頼)に国家諫暁の書を提出したことで、創価学会はこれを宗教者の政治活動の先蹤(せんしょう)と位置付け、自らの政治活動・選挙闘争の正当性の根拠としている。また「大阪の戦い」とは、創価学会が初めて国政選挙に挑んだ昭和31年の第4回参議院選挙(7月8日投票)での大阪地方区の選挙闘争のこと。同選挙で大阪地方区に創価学会は、白木義一郎大阪支部長を擁立。白木候補は泡沫扱いされていたが、池田大作参謀室長(当時)の指揮のもと、「まさかが実現」の奇跡の当選を果たしたとされる(同選挙では多数の学会員が選挙違反容疑で逮捕され、有罪となっているが、その事実に創価学会はいっさい言及しない)。

 今回の参院選で執行部は、こうした7月の意義を強調して、「世界広布新時代」すなわちポスト池田体制を視野に入れた現執行部体制において、「大阪の戦い」の再来である「まさかが実現」を果たそうと会員の尻を叩いたのである。

 執行部がこれほど躍起となった背景には、本誌で繰り返し指摘してきた宗教的・社会的レーゾンデートル崩壊の危機があるからにほかならない。本尊・教義を変更するとともに、従来の平和主義の主張に抵触する集団的自衛権の行使容認や安保関連法制の成立に手を貸した執行部に対しては、創価学会内部からも疑念や不信、批判の声があがっている。こうした批判に対して執行部は、原田会長を「私の信頼する直弟子」とする池田メッセージを「聖教新聞」に掲載するなど、「永遠の師匠」の権威を借りて自己正当化、保身を図ったが、一連の決定そのものの正当性を証明するためには、参院選の勝利を必要としたのである。

 なぜなら選挙の勝利を宗教的勝利と位置づける創価学会の理屈に従えば、参院選の勝利は、本尊・教義変更の正当性の証明となり、集団的自衛権の行使容認・安保関連法制への賛成も、社会的に支持されたと強弁することが可能となるからだ。

 それだけに改選議席を5議席上回るとともに、「広宣流布のバロメーター」(秋谷栄之助会長)である比例区票が、たとえ1万票だったとはいえ前回を上回ったことに、執行部は「完勝」「大勝利」と大喜びしているのである。7月14日付「聖教新聞」掲載の座談会記事にはこうある。

永石(婦人部長)選挙区と比例区を合わせると、改選議席から5議席も増やす大躍進で、計14人の当選は、公明党の参院選の結果として、過去最高に並ぶ大勝利です。

 清水(女子部長)非改選議席を加えると、参議院で25議席となり、現在の定数(242)になってからの過去最高であり、1割を占めることにもなります」

選挙闘争には「無量無辺」の大福運

 当然、執行部の意向に従って選挙闘争に挺身した学会員には、それなりの果報・利益を与えなくてはならない。上述の座談会記事で、原田会長はこう大盤振る舞いしている。もっとも単なる口舌でありその保証はないが。

広宣流布のため、立正安国のための大闘争の苦労は、全て無量無辺の大福運に変わります。奔走してくださった方々の人生に、『“まさか”が実現』の勝利の大果報が、厳然と現れてゆくことは、間違いありません」

 こうした宗教的呪縛とともに、今回の参院選で創価学会が繰り返したのが、政権与党と軌を一にした争点隠しと、虚偽を含む誇大宣伝。例えば6月22日の公示日に「聖教新聞」に載った「理事長談話」は、今回の参院選の最大の争点が改憲であることや、公明党が集団的自衛権の行使容認や安保関連法制に賛成したことには一言も触れていない。その一方で自公政権に経済再生や外交で大きな成果があったかのごとき宣伝だけは抜かりなくアピールしている。

 前出の「師弟勝利の旗高く」と題する座談会記事でも、「立正安国」や「大阪の戦い」を強調するとともに、公明党そして自公政権の成果を、「公明は豊富な実績を語りぬけ」「対話で平和外交進める公明党」「人間主義の公明党に期待の声」などの見出しで猛アピール。公明党を評価する識者の声を例示している。

「自民党との連立体制を長年にわたって続ける中、官僚集団の中に『公明党と一緒にやれば仕事ができる』という認識が根づいてきた」(御厨貴東大名誉教授・7月7日付)

「公明党が自民党のブレーキ役を果たしているのは確かだ」(大嶽秀夫京大名誉教授・同)

「『与党内野党』としての公明党がいるからこそ、日本の政治は安定が保たれている」(吉村作治早大名誉教授・同)

 オバマ大統領の広島訪問も、公明党・創価学会の功績だとするのは、昨今、すっかり創価学会の代言人化している佐藤優氏。

「公明党は平和を維持するために重要な役割を果たしています。オバマ大統領の広島訪問は、以前から核廃絶を訴えている公明党と支持母体の創価学会の主張に日本政府が感化されて実現したと見ています。現実的な平和を守る、こうした努力を今後も続けてほしいと思います」(6月30日付)

 もっとも執行部が「大勝利」と強調する今回の参院選の結果だが、選挙結果を仔細に分析すると、順当で手堅い結果ではあっても、「大勝利」などと大騒ぎするほどのものではなく、創価学会の集票力には翳りが出ていることが浮き彫りになってくる。

 まず選挙区7議席の獲得だが、これは従来から議席を獲得している東京・埼玉・神奈川・大阪の4選挙区に、一票の格差是正により定員増となった愛知・兵庫・福岡の3選挙区に再び候補を擁立したものであり、確実に当選する選挙区にしか候補を立てないという創価学会・公明党の選挙戦術からすれば7人当選は順当なところ。

 そして比例区だが、今回の参院選から選挙権年齢が18歳に引き下げられた。当然のことだが、公明党には創価学会の男子部・女子部・学生部・高等部の18歳・19歳の会員票が上積みされることとなる。また今回の参院選では、32ある一人区で野党共闘が成立し、統一候補が擁立されたため、自民党は以前にも増して公明党すなわち創価学会へ強力な支援を要請した。その見返りとして自民党や一人区に擁立された自民党候補は、比例区での公明党票の上積みに協力した。

 一昨年来の集団的自衛権の行使容認、安保関連法制への賛成によって、公明党に平和勢力としての役割を期待していたシンパやF票が目減りすることは避けられないとしても、18歳選挙権と自民党との強力な選挙協力によって、創価学会は悪くても700万票台は確保できると目論んでいただろう。700万票台を確保できれば、少なくとも6議席、順当であれば7議席の確保は固い。結果、獲得議席は1214となる。

 もっとも国政選挙比例区における公明党の最高得票は、平成17年の小泉郵政選挙(衆院選)における898万票。参院選の得票数では平成16年の第20回の862万票が最高で、以下、818万票(平成13)、776万票(平成19)、763万票(平成22)と減り続け、前回が756万票、そして今回が757万票だった。繰り返しになるが18歳選挙権と自民党との選挙協力があってなお1万票の増加しかなかったことは、組織の集票力に翳りがさしていることを物語っている。

 前号で筆者は、宗教法人・生長の家が、「宗教者の純粋性の表現」と「国の進む方向を誤らせないために」、安倍自公政権と改憲ならびに集団的自衛権の行使容認と安保関連法制に賛成した政党と候補者を支持しないとの声明を出したことを紹介した。戦後、ウルトラ右翼として自民党を支え続けてきた生長の家が、過去を総括して反省と責任を明示しつつ、自公両党をはじめとする改憲勢力への不支持を表明した姿勢と、宗教的呪縛と欺瞞的な宣伝で会員を欺惘して、公明党・自民党への投票を促し、結果的に改憲勢力3分の2に協力した創価学会の姿勢はまさに対照的。

 戦後社会で、政治運動に手を染めた宗教団体は数多あるが、その悪質さという点で創価学会に勝るものはないことが、今回の参院選からも明らかとなった。

乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。

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信濃町探偵団──創価学会最新動向

●政教一体の参院選闘争

7月6日付「創価新報」「新時代を生きる 青年部座談会──師弟の縁深き7月」「使命の舞台で勝利の劇を!」「日本の未来を決する熱戦」「立正安国の大闘争」

7月7日付「聖教新聞」「寸鉄」「常勝関西が総立ち。弾ける勢いで切り込み逆転へ。庶民の王者よ攻め勝て!」「関八州を制する者は日本を制す。大関東よ燃え立つ敢闘精神で完勝決せよ」「中国よ、四国よ、縦横無尽に駆け巡れ!圧巻の拡大で歴史回天の大勝利掴め」

7月9日付「寸鉄」「我々は庶民の味方。その人たちの為に戦うのだ──恩師。立正安国へ敢然と」「兵庫よ、もう一押だ!常勝とは不撓不屈の異名なり。関西に金字塔必ず」「大関東、埼玉が気迫の猛追。攻め抜き、競り勝て!一丸で勝利へ押し上げよ」

7月11日付「聖教新聞」「今週のことば」「異体同心の勝利、万歳! 金の汗光る宝友に 『心の財』は無量なり。 希望と信頼のスクラムをいやまし未来へ!」

7月14日付「聖教新聞」「座談会 師弟勝利の旗高く」「全同志の『信心』『団結』『執念が結実 広布の大闘争の福運は無量無辺』」

7月23日付「聖教新聞」「所願満足の人生を」「SGI会長がメッセージ 各部代表者会議」

「世界広布新時代第33回の各部代表者会議が22日、東京・新宿区の常勝会館で開催された。(中略)SGI会長は、この恩師の言葉(注・広布功労者には日蓮大聖人がすごいご褒美をくれるとの発言)を、『立正安国』のために戦い抜いてきた誉れの同志に、そのまま伝えたいと力説。尊き創価家族が、ますます健康で、長寿で、大福運に包まれて、所願満足の大勝利の人生を開いていけるよう、いよいよ強盛に祈り、大誠実をもって尽くしていきたいとの真情を述べた」

※本誌今号の特集は、今回の参院選における創価学会をはじめとする各種の宗教団体の動静を取り上げている。このうち創価学会は、今回の参院選を、平成2611月以降行ってきた本尊・教義の変更や、改憲を悲願とする安倍晋三首相に阿諛追従して、集団的自衛権の行使容認や安保関連法制に賛成したことの正当性を立証する選挙として、組織上げての選挙闘争を展開した。もっともその手法は、従来通りの宗教的呪縛にくわえ、政権与党が繰り広げた争点隠しを地で行くあくどいもの。

 そして選挙後は、宗教活動に名を借りた選挙闘争に従事した会員に、ご利益や功徳、福運があると池田名誉会長、原田会長が力説、裏書きのない手形を乱発している。

 創価学会は、会員の政党支持は自由とするが、それはあくまでも建前。選挙闘争に利益、功徳があるとする以上、活動しないものには罰があるということになる。こんな没義道な形で会員の政党支持や投票の自由を侵害し、あまつさえ改憲勢力で3分の2の議席を占める政治状況の招来に手を貸した創価学会の罪は深い。

●「創価学会仏」を強調し原田会長中心主義を唱える「永遠の師匠」

7月30日付「聖教新聞」「広宣拡大の歓喜の道を SGI会長がメッセージ贈る 原田会長を中心に全国最高協議会」

「全国最高協議会が26日から東京・信濃町の学会本部別館でスタート。これには、原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長が、全国の方面長、方面婦人部長、各部の代表の友と出席し、29日まで開催された。池田SGI会長はメッセージを贈り、全国の同志の奮闘を心から賞讚。(中略)ここでSGI会長は、仏意仏勅の創価学会の使命に言及。(中略)『釈尊、そして、御本仏の広大なる慈悲を体し、荒れ狂う娑婆世界で大法を弘通しているのは、学会しかない。戸田先生が「創価学会仏」と言い切られたゆえんである』と力を込めた。さらに、『学会が勝ち栄えなければ、広宣流布は断絶してしまう。学会を守ることが妙法を守ることだ。学会を永遠ならしめることこそ、慈折広布を永遠ならしめることなのである』と強調。学会の永遠性を確立するのは、まさに『今この時』であり、この『地涌の本懐』を宿縁深き同志と一緒に、断固と成し遂げていきたいと訴えた。(中略)最後に、原田会長を中心に、油断を排し、一切の魔を打ち破る祈りと『水魚の思』の団結で、常勝の大前進をと念願し、メッセージを結んだ」

※参院選後にはじめて開かれた創価学会の全国最高協議会に送ったメッセージで、池田名誉会長は、創価学会こそが末法の世における「仏」であり、創価学会が勝ち栄えなければ広宣流布や妙法は断絶するとして、創価学会を守ることの必要性を強調。学会の永遠性を確立するのは今であり、原田会長を中心に前進するよう訴えたという。まあ、池田氏は平成22年5月以来、大衆の前に姿を見せず、実質、死に体状態にあること、そもそも池田氏のメッセージをはじめとする著作物は、大作の代作グループが、その時点、時点での創価学会の方針や意思を盛り込んで作成するものであることが知られている。

 その意味では、今回の池田メッセージなるものも、参院選に勝利した執行部の意向を反映したものというより、執行部の意思を表示したものと見て間違いあるまい。

 要するに、現執行部を正当化し、現執行部の下に団結することを訴えるものであり、逆説的に見るなら現執行部に反する者は、「仏」や「永遠の師匠」である池田氏の指導に反する悪逆非道の徒になるということであろう。まあ、勝てば官軍ということ。創価学会内で反執行部の声をあげる幹部・活動家・会員はますます虐げられ、追い詰められていくことになる。

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7月号目次

月号目次

閻魔帳

憲法改正の攻防 安倍政権に「日本会議」の不気味な影川﨑泰資

特集/舛添問題&参院選=創価学会の責任と罪過

「参院」と「都知事」の時間差ダブル選で蠢く「公明党=創価学会」を斬る/古川利明

「臭いものにフタ」「強者に沈黙」 自民・公明党、メディアの大罪/柿田睦夫

「舛添都知事」辞任 自公の無責任を問う/段 勲

宗教法人・生長の家が参院選与党不支持を表明──際立つ創価学会との違い/乙骨正生

トピックス

テレビ東京「世界ナゼそこに?日本人」に統一教会日本人妻が多数出演、メディアの責任を問う/鈴木エイト

連載

信濃町探偵団・拡大版

──参院選に血眼の創価学会最新動向

ヨーロッパ・カルト事情222

政教一致の伊勢志摩サミット広岡裕児

執筆者紹介 バックナンバー一覧 編集後記

編集後記から

 小誌の発行日は毎月10日です。第24回参院選の投開票日は7月10日にあたっているため、選挙結果についての分析・報告は、残念ながら今号には掲載できません。

 昨年来、安倍晋三首相は、今回の参院選で自公を中心とする改憲勢力で3分の2の議席を確保し、自らの自民党総裁の任期中に憲法改正を発議したいと公言してきただけに、選挙結果が気になります。すでに小誌がお手元に届く時点では、結果が出ているのですが、自公が3分の2ないしは過半数を獲得したのか、それとも改憲に反対し、立憲主義を取り戻すことを掲げ、安保法制の廃止を訴えた野党共闘が勝利したのか、日本の岐路となるだけに結果は重大です。

 それにしても憲法改正、憲法改正とあれだけ大騒ぎしていながら、争点隠しを図った安倍首相と自民・公明の両党。この一事をもってしても国民の負託に応えるだけの度量をもった政権・政党・政治家といえないことは明白ですが、政権・与党に擦り寄るだけのNHKをはじめとする大手マスコミは、有権者がまともな政治判断をするための正確な情報を発信するどころか、与党有利の世論調査結果を執拗に垂れ流して世論誘導を図る有様。いまさらながら日本のマスコミ、メディアの政権・与党との馴れ合いには呆れるしかありません。

 ところで小誌今号の特集でも触れているように、宗教法人・生長の家が、安倍自公政権を批判して、自民・公明の与党両党をはじめ、改憲勢力と安保法制に賛成した政党ならびに候補者を支持しないことを表明しました。安倍自公政権を、創価学会とともに支えるのが右派宗教団体によって構成される日本会議であることは、小誌でもたびたび報じているところですが、その日本会議の中核をなす日本青年協議会のメンバーは、もともと極端な皇国思想を鼓吹して、戦後も明治憲法の復元を唱えた生長の家の創始者・谷口雅春に傾倒した人々です。しかし谷口雅春の死去後、創始者の主張は「歴史的役割を終えた」として路線を修正した現在の生長の家は、今回の与党不支持声明において、創始者の思想を継承しているとする日本会議の中核メンバーは、「宗教運動は時代の制約下にある」ことを否定した時代錯誤の「原理主義」だと厳しく批判しています。

 生長の家は、安倍政権を支持しない理由として、立憲主義の軽視や古い歴史認識、反民主的体質や原発再稼働などを列挙し、安倍自公政権の政策や政治運営は、自らの信仰や信念と相容れないとしています。一方、平和や人権を掲げ、軍国主義や国家主義に反対して平和憲法を守るとしてきた創価学会は、従来の主張とは相容れない政治的立場の安倍首相と自民党を唯々諾々と下支えし、自公連立政権の維持を図っています。戦後、政治闘争に力を入れた両教団ですが、いまや両者の政治姿勢はあまりにも懸け離れています。

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特集

特集/舛添問題&参院選=創価学会の責任と罪過

「参院」と「都知事」の時間差ダブル選で蠢く「公明党=創価学会」を斬る

古川利明

ジャーナリスト

連綿と続く都知事・都議の役得システム

 ゴールデンウィーク直前の4月27日発売の週刊文春(5月5・12日合併号)が、東京都知事・舛添要一の「公用車で湯河原の別荘通い」をスッパ抜いたことをきっかけに、公私混同を極めた舛添の「政治とカネ」の問題が次々と噴出したことで、舛添はギブアップし、都議会最終日の6月15日に辞職願を提出するに至った(辞職は同月21日付)。これにより、6月22日公示、7月10日投票の参院選に続く形で、7月14日告示、同31日投票の都知事選と、政局は「時間差ダブル選」へと突入することになった。

 この舛添と同様、「政治とカネ」の問題で辞職に追い込まれた前任者の猪瀬直樹もそうだが、そもそも擁立に動いたのは自公であり、2代続けて途中辞任を引き起こしたことに対する“製造者責任”が、安倍自民党とともに、公明党(=創価学会)にあるのは言うまでもない。

 ただ、今度の政治とカネにまつわる話は、舛添個人の責任もさることながら、「都知事であることの役得」という利権に(まみ)れた、「システム」というべきものが存在している。舛添は2年4ヵ月の知事在職中、都合9回の海外出張をし、随行の職員の分も含めて総額が2億4719万円にも達し、航空機はファーストクラス、宿泊先のホテルは豪華スイートルームであることに批判が集中していたが、こんなことは、前からそうだったのである。今から20年近く前だが、筆者が東京新聞のTOKYO発の記者だったとき、当時の都知事・青島幸男が、就任直後の都市博中止のお詫び行脚で宿泊したパリの最高級ホテル「クリヨン」の1泊約20万円のスイートルームを、パリ市を通じて契約することで3分の1まで値下げしてもらい、それで3泊分約40万円の裏金を捻出していたことを摑み、原稿にしたものの、そのカネで同僚の社会部の都庁担当記者が青島と一緒にセーヌ川のボートの上で飲食接待を受けていたため、ボツになったことがあった(もっとも、このネタは筆者が東京新聞退職後、フライデーの9711月7日号で記事化している)。

 ところが、こうした役得については、舛添を追及していた都議会も、じつは「同じ穴のムジナ」で、折しも、6月22日付の朝日と産経の朝刊が、この8月にリオで開催される夏季五輪に、都議会から4回に分け、共産と生活ネットを除く各7人ずつ計28人の都議を、大挙して「現地視察団」として送り込む計画があることを報じている。当初は計6200万円で見込んでいたものの、需要増による現地ホテル代の高騰や円高で、予算オーバーは避けられず、このままだと「1億円前後に達する可能性もある」というのである(ところが、この2日後に突如、視察中止を決定)。要は、こうした都議会の海外への“大名観光ツアー”も、20年前と全く変わっておらず、当時、東京新聞で筆者がこれを徹底的に暴いたことに神経を尖らせ、最も露骨に嫌な顔をしていたのが、じつは「都議会公明党」だった。その控え室に足を踏み入れると、中にいた議員の一人に「余計なことを書いてるのは、オマエか」という表情で、「何も言うことはない」とばかりに追い払われたのが、今でも忘れられない。

2つの悪法が治安立法のキモ

 今度の参院選では、民進、共産、生活、社民の野党は一致結束し、「戦争法制」としての安保関連法の廃止を訴えている。しかし、戦争の遂行にあたっては、何よりもまず、「国民監視」を徹底させることで、「物言えば唇寒し」という状況を作り出すことである。それゆえ、「世紀の悪法」である特定秘密保護法に加えて、「希代の悪法」である盗聴捜査の実質全面解禁に等しい、通信傍受法の改正案がこの通常国会で、共産、社民を除く与野党の賛成で成立させられた。もし、「本当に戦争を起こさない」のであれば、治安立法のキモにあるこの2つの悪法を廃止させないとだが、どこも言及していない。

 折しも、NSA(国家安全保障局)の上級サイバー工作員として、NSAのシステムを管理する権限を持たされることで、米国の最高機密の情報にアクセスできていたエドワード・スノーデンが、サンデー毎日(6月12日号)のインタビューで「NSAには100人前後の法律家がおり、各国の法律を調べ上げることで、NSAがどの程度までその国で諜報活動が許されるのかを分析している」としたうえで、「ちゃんとした秘密保護法を作らないことには、我々が獲得した機密情報を教えることはできない」と日本に伝えていた実態を暴露している。NSAについては、スノーデンの告発で、インターネット、メール、電話といった全世界の通信情報を無差別に収集していたことが明るみにされているが、要するに、最高刑・懲役10年を科せる特定秘密保護法も、盗聴捜査の実質全面解禁を実現させる通信傍受法改正と合わせて、「NSAが日本国内での盗聴活動をしやすくするために、実現に向けて圧力をかけた」とスノーデンは暗にほのめかしているのである。

 なお、筆者は、複数の内部関係者から「警察と自衛隊は、裁判所の令状に基づかない非合法盗聴を日常的に行っている」との証言を得ている。具体的にどこのセクションで、どのような方法で行われているかまでは詰めきれていないが、推測するに、専用のソフトウェア開発や機器の提供という形で、極秘に通信事業者に協力を求めているのではないかと思われる。今回の通信傍受法改正では、通信事業者の立会いを廃止し、警察の施設内で専用の端末を使って盗聴できるように変えているのだが、じつは現場では実態はずっと先行しており、おそらく、このような「後付け」の形で法律に書き込むことで、オモテに出してきた可能性を最も強く疑っている。

創価学会のカネと組織悪を監視せよ

 そこで、参院選公示前に発売された週刊ダイヤモンド(6月25日号)が、創価学会を総力取材した特集で、じつに興味深い記事を載せている。創価学会の保有する資産の総額について、全国にある主な会館施設はもとより、外郭である学校法人の創価大学や創価学園をはじめ、シナノ企画や日本図書輸送といった関連会社も含め、登記簿、官報、企業興信所の資料をかき集め、はじき出したところ、算出件数約830件で、総額で何と約1兆8387億円と推計されると明かしている。

 ただ、創価学会の資産は、ここでまだオモテに出ていない、会員からの御布施である財務に収益事業からのアガリと合わせて、年間4000億~4500億円、少なく見積もっても2000億円は下らないとみられている「カネの入り」がある。これらは任意団体である「SGI(創価学会インタナショナル)」の名義に変えられるなどして、株式や転換社債や国債、MMFといった投資にも回され、莫大な運用益を出している。さらには、そのもっと奥に潜り込ませる形で「池田大作名義の資産」もあり、これらもトータルしたら、総資産額は数兆円に上ることが見込まれるのではないだろうか。それで言うと、一説として巷間で取り沙汰されている「創価学会の総資産額は10兆円」というのも、あながち誇大だとは言い切れないところがある。

 週刊ダイヤモンドの特集では、これら「創価学会とカネ」の記事と合わせ一本で、「『創価王国』 内部崩壊への序章」のタイトルで、元学会本部職員の小平秀一ら3人が、折伏や選挙の集票で苛烈な成果主義に組織が走っている実態を公然と批判する一方で、「創価大学有志の会」を立ち上げた創価大OBの竹原弘樹が、安保関連法制廃止の署名を約2千筆も集めたことを紹介している。

 愛知県安城市で創価学会の副支部長を務めながらも、同様に安保法制廃止を訴えている天野達志もそうだが、彼らに共通しているのは、例えば「極悪に対して黙っていたら、こちらまで悪になってしまう」をはじめとする、「池田大作の言っていること」を、愚直に実行に移したがゆえに、組織に反旗を翻すことになった点である。その意味では「宗教者としての池田大作」を、そのまま素直に信じ込んでいる純粋さが決起の原点としてあり、余計なことかもしれないが、「そこ」に学会中枢も頭を抱え込んで、対応に苦慮しているであろうことが窺える。

 いずれにせよ、参院選の結果がどうあれ、「カルト」、すなわち、「宗教の仮面をかぶった全体主義結社」である創価学会が完全にコントロールする公明党が、わが国の政権中枢に強い影響力を行使する状況に、当面、変化はないので、我々心あるジャーナリズムは、この「公明党=創価学会」の動向を今後も厳しく監視していく必要がある。(文中・敬称略)

古川利明(ふるかわ・としあき)1965年生まれ。慶応義塾大学文学部卒。毎日新聞、東京新聞(中日新聞東京本社)記者を経て、フリージャーナリスト。『システムとしての創価学会=公明党』『シンジケートとしての創価学会=公明党』『カルトとしての創価学会=池田大作』『デジタル・ヘル サイバー化監視社会の闇』『日本の裏金(上、下)』『ウラ金 権力の味』『「自民党“公明派”」10年の功罪』『「自民党“公明派”」15年目の大罪』(いずれも第三書館刊)など著書多数。

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信濃町探偵団・拡大版

信濃町探偵団・拡大版──参院選に血眼の創価学会最新動向②

 7月10日投開票で実施された第24回参議院選挙。本誌の発行日は毎月10日であるため、選挙結果を取り上げることができない。したがって今号では、創価学会が参院選に向かって相変わらずの政教一体の選挙闘争を繰り広げた実態を、「聖教新聞」報道を検証しつつトレースしてみたい。

 その前提として、まずは創価学会が今回の参院選をどのように位置づけていたかだが、本誌で繰り返し報じているように、現在、創価学会は、一昨年と昨年の会則・教義条項の変更に伴う宗教的レーゾンデートル(存在価値)の崩壊と、集団的自衛権の行使容認から安保関連法制への賛成による社会的レーゾンデートル崩壊の危機に瀕している。

 その結果、創価学会の幹部や活動家、会員の間には、本尊・教義の変更を強行し、安倍政権への追随姿勢を強める原田稔会長・谷川佳樹主任副会長を中心とする執行部に対し、創価大学OB・OGの会員らが安保法制反対の署名活動を行ったように、反発や不信、疑念や不満が鬱積している。一連の執行部の措置に批判的な創価学会員のサイトによれば、こうした反発や不信に対して執行部は、除名や役職停止、会合への出席停止という強圧的姿勢で対処すると同時に、本誌既報のとおり、原田会長を「信頼する直弟子」とする池田大作名誉会長のメッセージによって自らの正当性を強調、求心力の維持を図っている。

 その執行部が、宗教的・社会的レーゾンデートル崩壊の危機を乗り切るための重要なツールと位置づけているのが今回の参院選。かつて秋谷栄之助前会長が、国政選挙における公明党の比例区票を「広宣流布のバロメーター」と表現したように、従来から創価学会は一貫して、世俗的な選挙の勝利を宗教的勝利と位置づけてきたが、宗教的・社会的レーゾンデートル崩壊の危機に瀕している執行部は、今回の参議院選挙での勝利を、宗教的勝利=宗教的正当性の根拠とすることで、本尊・教義変更の正当性の証明と主張するとともに、集団的自衛権の行使容認と安保関連法制への賛成によって地に堕ちた創価学会の社会的レーゾンデートルも、参院選の勝利=社会的支持と強弁することで、乗り切る腹積もりなのだ。当然のことだが、その背景には一連の措置を強行した自らの正当性の保証=保身が横たわっている。

 では、参院選勝利の目安とはなにか。具体的には、一票の格差是正に基づいて定数が変更された、愛知・兵庫・福岡の各選挙区に久々に立てた新人候補を含む7選挙区での勝利と、今回から選挙権年齢が18歳に引き下げられたことを奇貨として、学生部員や高等部員を動員して、比例区票で前回衆院選の得票数731万票、可能であれば前回参院選の得票数756万票(比例7議席)を超える得票を獲得。その結果としての改選9議席を大幅に上回る最大14議席の獲得による大勝利の演出を目論んでいる。

 そのために原田会長は、全国各地を精力的に駆け巡り、「強気の対話」「執念の大拡大」「断じて勝つのが学会精神」「新たな広布の金字塔を」「広宣流布の勝利の実証を」などと会員を煽りに煽っている。その意図は、前述の通り、今回の参院選の勝利を自己正当化、自己保身に繋げることにある。

 ちなみに創価学会は、7月を①宗祖と仰ぐ日蓮聖人が鎌倉幕府に「立正安国論」を提出した大義ある月、②昭和32年参議院大阪選挙区で池田大作参謀室長(現・名誉会長)が、泡沫候補扱いだった白木義一郎大阪支部長を当選させた、「不可能を可能にした大阪の戦い」を行った月、③昭和33年4月の参院大阪補選の選挙違反で、池田参謀室長が逮捕・投獄されるという、師匠が国家権力による弾圧を受けた月であることから、師匠の仇を討つことを誓い実行する「師弟誓願の月」であるとして、全会員に「立正安国」を実現する「法戦」に挺身するよう強調している。

 以下に紹介する機関紙報道からは、上記のような牽強付会な論理で、会員を宗教活動に名を借りた選挙闘争に駆り立てている創価学会の組織実態が浮き彫りとなる。それは政教一体の組織選挙以外のなにものでもなく、宗教的呪縛で会員の政党支持の自由、投票の自由を制約する重大な人権侵害にほかならない。また創価学会首脳幹部らが主張する公明党支援の理由は、政治的現実を糊塗した欺瞞的な情報操作にほかならず、税制上の優遇措置を受ける公益法人・宗教法人としての適格性に反する悪質なプロパガンダと指摘できよう。

 矢野絢也元公明党委員長は、創価学会が国税庁の税務調査を妨害した事実を詳細に暴露した著書『乱脈経理』の中で、「現在の(創価)学会は集票活動を中心とした政治団体であり、会員から寄付を募り、墓苑やさまざまな出版物を売りつける営利団体に他ならない」と喝破したうえで、池田名誉会長が保身と組織防衛のために、「やはり政権に入らないと駄目だ」と述懷していたことを紹介。自公連立政権成立の動機を、「我々は自公政権の功罪を論じる前に、そもそも連立政権誕生の動機が、税務調査逃れと国税交渉のトラウマにあったことを確認しておく必要がある」と指摘しているが、宗教的理念や信条をかなぐり捨てて、安倍自民党を支え、選挙の勝利を宗教的勝利と強弁する創価学会の動きは、矢野氏の指摘通り、創価学会が宗教に名を借りた「政治団体」であることを明示している。

 本誌の特集記事が詳報しているように、宗教法人・生長の家が、宗教的理念・信条から安倍政権を批判し、改憲と安保法制に賛成する与党勢力等を支持しないことを表明した。生長の家と創価学会は、戦後、多年にわたって政治に特化した活動を続けたことで知られるが、今日只今の政治に対する姿勢は大きく懸け離れている。興味深い事象といえよう。

●公明支援の理由と野党共闘批判

6月22日付「聖教新聞」「きょう参院選が公示 長谷川理事長が談話を発表」「無事故・無違反で正々堂々と支援を」

「参院選の公示を迎えました。3年半の自公連立政権の取り組みで、経済再生や外交、東日本大震災の復興加速など、着実に成果が表れ、国民の間にも希望が生まれてきています。その希望が隅々にまで行き渡るためにも、さらに政治を安定させ、政策を実行していくことが不可欠です。

 今夏の参院選は、政治に責任を持つ『安定の自公』か『混乱の野党勢力』か。日本の進路を選択する重大な選挙です。『大衆とともに』との立党精神を高らかに掲げ、庶民のため、社会のために尽くしゆく公明党を、私どもは力強く支援したいと思います」

6月23日付「聖教新聞」「座談会 師弟勝利の旗高く」「新たな広布拡大の金字塔へ――強き祈りで自身の壁を破れ!」「公明党は日本政治の羅針盤 識者」

竹岡(男子部長)さて、7月10日に投開票される参院選が公示されました。

 清水(女子部長)今回は、『安定の自公』か『混乱の野党勢力』かを問う選挙と言われています。

 長谷川(理事長)3年前の参院選で、自民・公明の与党が過半数を獲得して以来、安定の自公連立政権によって、経済再生やデフレ(物価下落が続く状態)脱却が進み、着実に成果が上がってきています。

 永石(婦人部長)それをいよいよ、地方、中小企業、家計などへ行き渡るようにしていく段階に入っていますね。

 竹岡 一方で、平和安全法制の廃止の一点で共闘する民進党と共産党は、『天皇制、自衛隊、日米安全保障条約などの政策を巡り、ほぼ対極にある政党との連携は「野合」との批判を免れまい』(読売新聞5月25日付)と指摘される通り、政策も、目指す社会像も全く違います。もし、こんな野党が政権を獲得したら、かつての民進党政権を上回る“混乱と停滞”を招くことは間違いありません。

 清水 本年は、公明党が、国政に初進出して60年。公明党にとって、絶対に負けられない戦いです」

※3年前の平成25年参院選挙の結果、自公が勝利し衆参のねじれが解消したことで、自民党なかんずく安倍首相は本性を丸出しにして、特定秘密保護法の強行採決に集団的自衛権の行使容認の閣議決定、そして安保関連法制の強行採決と、国民の反対を無視する立憲主義と議会制民主主義を蔑ろにする強権的な政治手法を繰り返してきた。

 安倍自公政権の政治手法や決定は、池田大作名誉会長が多年にわたって批判してきたものであるにもかかわらず、参院選公明党支援の「談話」において、創価学会の長谷川理事長は、そうした不都合な事実には全くふれず、自公政権の成果のみ強調。創価学会員に根強い反共意識を刺激すべく「安定の自公」か「混乱の野党共闘か」と強調し、公明党支援を呼びかけている。野党共闘を「野合」と批判する首脳座談会も同様である。

●政教一体の支援実態

5月30日付「聖教新聞」「広宣流布は九州男児の力で 福岡 博多 筑紫総県壮年部 原田会長と共に大会」

「九州の心臓部・福岡の黄金柱が勇み立つ!――福岡、博多、筑紫の各総県の壮年部大会が開催された。(中略)原田会長は、かつてSGI会長が壮年部の友に贈った『共に、男らしい戦いをやり抜こうではないか!』との言葉を紹介。『いよいよ・はりあげてせむべし』との御聖訓の通り、『強気』『執念』の祈りと行動で、栄光の勝利劇を飾ろうと呼び掛けた」

6月1日付「聖教新聞」「新たな常勝の金字塔へ 東神戸 北兵庫総県で集い」

「新たな『常勝の金字塔』へ!──東神戸総県と北兵庫総県の常勝長(ブロック長)・白ゆり長大会が5月31日、開催された。(中略)田村総県長、吉田同婦人部長が『わが地域の“まさかが実現”を成し遂げよう』と訴えた。原田会長は、『竹の節を一つ破ぬれば余の節亦破るるが如し』を拝し、一人の“壁を破る対話”から勝利の突破口は開かれると強調。友に勇気を与えながら正義の大拡大をと念願した。

 北兵庫の集いでは、(中略)小谷総県長、山本同婦人部長は『師恩に報いるときは今!兵庫の北の砦から圧倒的な拡大を』と力説。池田関西最高参与は信心根本に困難の壁を打ち破ってこそ、宿命を転換することができる。後代に語り継がれる歴史をと励ました」

同「埼玉広布の旗高く 区圏長会行う」

「獅子王の心で歓喜の前進!総埼玉の区圏長会が5月30日、埼玉文化会館で開かれた。(中略)中井総埼玉長は、強盛な祈りと執念の行動で自分史上最高の拡大を成し遂げようと強調。大高同婦人部長が、今こそ常勝の太陽の底力を発揮しようと呼び掛けた。坂口婦人部総主事に続き、長谷川理事長は、どんな試練も勝ち超える強気の信心をと念願した」

6月2日付「聖教新聞」「見よ!我ら民衆の底力を」「兵庫で勇躍の大会」

「兵庫の各総県で1日、意気軒昂の大会が開かれた。姫路総県の集いは姫路平和講堂で。平川総県長、菅原同婦人部長が『師と共に歩む喜びにあふれ、全員が総立ちとなり、常勝の“西の砦”から勝利の決定打を』と訴えた。原田会長は、『大風吹けば求羅は倍増するなり』を拝し、逆境の中でこそ闘志を湧き立たせ、断じて勝つのが学会精神であると強調。執念の大拡大で、『師弟の月』『関西の月』7月へ、新たな金字塔を打ち立てようと励ました。(中略)一方、東兵庫総県の集いは、同日、伊丹文化会館で。(中略)大野木総県長、村山同婦人部長が『報恩の誓いを果たすため、一日一日を悔いなく走り、勝利の太陽を“東”から昇らせていこう』と強く語った。池田関西最高参与は、今こそ民衆の力を満天下に示す絶好機であると強調。一人一人が人生の戦いと広布の戦いに挑み、常勝の空に歓喜の勝ちどきを響かせようと念願した。この日、池田最高参与は明石、西宮、尼崎の各総県の太陽会大会にも出席した」

6月3日付「聖教新聞」「誓願の北陸壮年部 原田会長と共に大会」

「北陸壮年部の大会が2日、富山市の戸山文化会館で開催された。(中略)原田会長は、師への報恩を胸に、創価の黄金柱・壮年部が立ち上がれば広布を阻む壁は破れると強調。立正安国の大理想へ、誓願の題目を根本に、強気の対話で信頼を築き、偉大な広宣流布の実証をと呼び掛けた」

6月6日付「聖教新聞」「正義の旗高く!静岡で勇躍の支部長会 原田会長が出席」

6月7日付「聖教新聞」「新潟で記念幹部会」

6月8日付「聖教新聞」「団結光る長野 原田会長と共に支部長会」

「団結固く、仏縁拡大に駆けゆく総長野の支部長会が7日、松本平和会館で意気高く行われた。(中略)原田会長は、創価三代の師弟に貫かれた金剛不壊の絆こそ、学会の永遠の根幹であり、魂であると強調。『師匠の限りない期待に断じて応えるべく、強き一念と執念の対話拡大で、今こそ創価の底力を満天下に示そう』と呼び掛けた」

6月10日付「聖教新聞」「栄光の峰へ高知が力走 原田会長と共に『県の日』記念総会」

620『高知の日』を記念する総県総会が9日、高知文化会館で開催された。(中略)秋山総県長、鍋島同婦人部長は、創価の底力を発揮し、今こそ対話の大旋風を起こそうと訴えた。原田会長は、確信の祈りと執念の行動が、一切の勝利を決する要諦であると強調。『師弟共戦の“力走”で、一人一人が自身の壁を打ち破る挑戦を』と呼び掛けた」

6月11日付「聖教新聞」「地涌の誇り高く 岡山で中国方面幹部会 原田会長が出席」

「地涌の誇りも高く躍動する中国方面の代表幹部会が10日、岡山文化会館で開催された。(中略)原田会長は、『日蓮其の身にあひあたりて大兵を・をこして二十余年なり、日蓮一度もしりぞく心なし』を拝し、果敢な挑戦と真剣な祈りが、勝利の突破口を開くと強調。『強き執念と電光石火の行動で、さらなる前進を開始しよう』と呼び掛けた」

6月12日付「聖教新聞」「熊本の底力を見よ 不屈の代表幹部会 SGI会長がメッセージ 原田会長、永石婦人部長と共に」「福岡 筑後壮年部が大会」

614日付「聖教新聞」「勇気の声で広布を開け 千葉で大会 福岡各地壮年が躍動」

「勇気の声で広布を開け!──拡大への心を燃やす躍進の集いが各地で開催されている。旭日の千葉は13日、総千葉本部長会を千葉文化会館で行った。(中略)高木総千葉長、今井同婦人部長は『限界突破の新たな拡大に挑み、「広布の勝利の凱歌」を轟かせよう』と力説した。原田会長は、地域広布の躍進は、一歩前進の目標を定めることから始まると強調。『権門をかっぱと破りかしこへ・おしかけ・ここへ・おしよせ』の御金言を拝しつつ、砦を鼓舞する大確信の祈りと行動で、栄光の旭日を勝ち昇らせようと激励した。

6月15日付「聖教新聞」「不屈のみちのく魂で進め 東北広布65周年宮城で幹部会 原田会長が出席」

「不屈のみちのく魂を発揮する時は今!東北広布65周年を記念する総宮城代表幹部会が14日、仙台市の青葉平和会館で意気高く行われた。(中略)今村総宮城長、菊池同婦人部長は、1951年(昭和26年)に池田SGI会長が初めて来県した7月15日を、『宮城 師弟原点の日』に決定したことを発表。“青葉の誓い”を胸に、かつてない拡大の金字塔を打ち立てようと力説した。坂口婦人部総主事のあいさつの後、原田会長は、リーダーが最前線を走った分だけ、広布の勢いは加速すると強調。師弟の月・7月へ、電光石火の行動と真心の励ましに徹し抜こうと訴えた」

6月23日付「聖教新聞」「兵庫よ燃え上がれ」「意気高く代表幹部会 原田会長が激励へ」

「燃え上がれ、兵庫の『負けじ魂』よ!総兵庫代表幹部会が23日、神戸市の兵庫池田文化会館で意気高く開催された。山内関西長は、それぞれが自身の課題に挑戦しながら、皆で心一つに一日一日を断じて勝ち抜こうと力説。(中略)池田関西最高参与は『世界の希望・兵庫の地から常勝の新時代を開こう』と呼び掛けた。原田会長は、限界の壁を破る全軍の勢いは『リーダーの真剣な祈り』『自らの率先垂範の行動』『全力で走り抜く執念』から生まれると強調。創価学会の法難の歴史に言及しつつ、初代・二代・三代の会長が庶民の幸福と人類の平和のために戦い抜かれた“正義の月”7月を、一人一人の広布と人生の勝利をもって荘厳しようと語った」

※全国を駆けずり回って参院選必勝を檄する原田会長。それにしても原田氏の動きは常軌を逸している。かつて池田氏が参院選挙大阪選挙区の勝利を梃子に三代会長に昇りつめたように、原田氏も、選挙の勝利を自らの権力基盤の強化、権威の強化に繋げたいのだろうが、逆説的に見れば、それだけ組織的危機が深刻ともとれる。はたして結果は吉と出るか、凶と出るか、けだし見ものである。

●写真掲載&メッセージ

6月1日付「聖教新聞」「婦人部が結成65周年 SGI会長夫妻が首都圏大会にメッセージ」

「戸田第2代会長の『広宣流布のため、立正安国のための私たちの一切の行動は、妙法と一体である。大聖人に直結している。何も無駄がない。それを誇りとして祈り、守り合い、励まし合っていけば、必ず勝つことができる』『師弟して魔に勝っていけば、そこに、次の学会の大福運が積まれる』との言葉を紹介。題目の獅子吼を轟かせ、全てを変毒為薬しながら、全国、全世界の同志と共に、新たな学会の『人材の門』『友情の門』そして『前進の門』『勝利の門』を晴れ晴れと勝ち広げようと呼び掛けた」

6月26日付「聖教新聞」「池田SGI会長夫妻──創価世界女性会館を訪問」

「池田SGI会長夫妻は25日、婦人部結成65周年を記念して、東京・信濃町の創価世界女性会館を訪問した。(中略)SGI会長夫妻は、明るく清新な館内で永石婦人部長と懇談。創価の女性の気高き奮闘を最大に讃えるとともに、同会館を支える『守る会』や『桜城グループ』への深き感謝を伝えた」

6月27日付「聖教新聞」「池田SGI会長夫妻 創価世界女性会館へ」

「創価女性会館を訪れ、永石婦人部長と語り合うSGI会長夫妻。希望の連帯を広げゆく婦人部・女子部に心から感謝を(25日、同会館内の白ゆり平和記念室にて)」

※創価学会の集票・集金の実働部隊は婦人部といわれている。その婦人部に対して参院選の選挙闘争への挺身を促す池田夫妻。婦人部結成65周年へのメッセージで「立正安国のための」行動と必勝を促しただけではあきたらず、参院選公示後の25日には、創価世界女性会館に足を運び、わざわざ婦人部長と懇談し、選挙闘争での奮闘を労った。27日付「聖教新聞」3面には、婦人部長ただ一人と相対する池田夫妻の写真が掲載されたが、香峯子夫人は笑っているものの、池田大作氏の表情には笑顔がなく無表情。健康状態は一進一退なのだろうが、わざわざ女性会館を訪れ、婦人部長と懇談したとするところに、婦人部の尻を叩こうとする創価学会の必死さが滲み出ている。それにしても、はたして池田夫妻は投票に行ったのだろうか。

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6月号

6月号目次

閻魔帳

改憲阻止へ共産党を含む野党共闘 自公政権は「平成の赤狩り」で対抗川﨑泰資

特集/迫る2016参院選―宗教と政治

政教一体で闘争煽る創価の欺瞞性

信教と思想の自由侵す創価学会選挙 政教分離原則違反の政治力行使/柿田睦夫

「参院での自公過半数回復」のこの3年で突き進んだ「戦争ができる国・ニッポン」/古川利明

宗教法人・創価学会の「選挙活動」奇々怪々‼

宗教団体と政党の打算と思惑

日本会議、創価学会、統一教会(家庭連合)…参院選に向け安倍政権を支える各団体の思惑/鈴木エイト

安倍自公政権の批判軸となりうるのか野党共闘/藤倉善郎

連載

信濃町探偵団・拡大版──参院選に血眼の創価学会最新動向

ヨーロッパ・カルト事情220

パリの総合的犯罪予防治安計画とセクト対策(2)広岡裕児

執筆者紹介 バックナンバー一覧 編集後記

編集後記から

 伊勢志摩サミットのため来日していたアメリカのオバマ大統領が、原爆を投下したアメリカの現職大統領として初めて広島を訪問。原爆資料館を訪れるとともに、原爆慰霊碑に献花。17分にわたるスピーチを発表しました。アメリカ国内では原爆投下正当化論が根強い中で、広島訪問を決断したオバマ大統領には敬意を表したいと思います。またスピーチの内容も、たぶんに理念的でしたが、原爆の記憶の風化を危惧し、歴史を直視する責任と、核兵器のない世界を追求する勇気をもたなければならないと訴えた上での、「広島と長崎は核戦争の夜明けとしてではなく、道徳的な目覚めの始まりとして知られるだろう」との結びの言葉には、胸を打つものがありました。

 今後、大統領の任期が切れた後も、唯一の核兵器使用国の大統領だった人物として、核廃絶に尽力していただきたいものです。

 その一方で、安倍首相の演説は鼻白むものでした。小誌前号ならびに前々号の「閻魔帳」でも指摘しているように、安倍首相は平和主義を掲げ、戦力不保持を謳う日本国憲法下でも核兵器の保有と使用は可能と発言してきたばかりか、閣議決定まで行っているにもかかわらず、核兵器のない世界を実現するための努力をすることが「今を生きる私たちの責任だ」とは、どの面さげて、としかいいようがありません。

 そもそもオバマ大統領の次に安倍首相が演説する必要などあったのでしょうか。伊勢志摩サミットとともに、オバマ大統領の広島訪問を、自らの政権浮揚と、選挙対策に利用したとしか思えない一幕でした。

 その安倍首相は、来る参院選で憲法改正にむけて、参議院でも3分の2の議席を獲得することを企図しています。そして安倍首相を支える創価学会・公明党も、参院選勝利にむけて組織上げての選挙闘争を繰り広げています。

 小誌今号では、文字通り日本の命運を左右するであろう参院選を前にしての、宗教と政治の現実と、宗教団体と政党の動静や思惑について特集を組みました。

 小誌発刊の動機は、創価学会という全体主義的体質を色濃く持つ特異な宗教政治集団と、自民党が融合し、自由で民主的な国家・社会を変容させてしまうことへの危惧感に基づいています。

 いま、まさに日本は立憲主義に基づいた民主主義国家でありつづけるのかどうかの岐路に立っています。国民有権者には、特に宗教者には賢明な判断で、参院選における政治選択をして欲しいものです。

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特集①

特集/迫る2016参院選―宗教と政治

政教一体で闘争煽る創価の欺瞞性

信教と思想の自由侵す創価学会選挙 政教分離原則違反の政治力行使

柿田睦夫

ジャーナリスト

詭弁とスリカエの論法で

 参議院選挙を前にして創価学会がまたぞろ、珍妙な宗教・政治・選挙論を展開している。会員(信者)を選挙活動に駆り出すことを合理化するためだろうが、たとえば青年部機関紙「創価新報」4月20日号の幹部座談会――。

「選挙が近づいてくると、政治と宗教の関係について、騒ぎ立てる勢力があるが、もう一度、ここで確認しておきたい」

「そもそも、『政治参加の権利』は、憲法で全国民に等しく認められている。基本的人権の柱です」

「憲法でうたわれる『政教分離』の原則にしても、国民の『信教の自由』を保障するためのものです」

「『政教分離』の原則について、その眼目は、あくまで『国家の宗教的中立性』という点にある」

「あくまで、『国家権力が宗教に介入しないこと』であり、『宗教団体が政治活動や選挙運動することを阻害するものではない』ということですね」

「国会の場において、内閣の『憲法の番人』ともいうべき歴代の内閣法制局長官が、何度も明言しています。たとえば、1999年7月、当時の大森政輔長官は『(政教分離の原則は)宗教団体が政治的活動をすることをも排除している趣旨ではない』と国会で答弁している」

 この座談会記事の論理構成は、2008年10月に掲載された「創価新報」特集のほぼ完璧な焼き直しである。法制局長官の国会答弁でその論を補強する手法も同じ。集団的自衛権行使と安保法制は憲法違反だという歴代長官の指摘は完全に無視する一方で、ここでは「憲法の番人」とまで持ち上げるのだから、唖然とせざるをえない。

 いつものことながら、この宗教・政治・選挙論は、詭弁とスリカエに満ち溢れている。たとえば「全国民に等しく認められている」政治参加の権利は、国民個人の自由な意思として認められているのであり、団体を対象にしているものではない。団体が個人の自由な意思を無視して政治参加を強制することなど、「等しく認められて」はいないのだ。

 大森長官の国会答弁もその点に配慮して「政治的活動」と述べているのであり、「選挙活動」とは言っていない。いずれも典型的なスリカエの論法である。

「創価新報」はもっぱら憲法の政教分離原則とのかかわりで論を構成しているが、これも間違っている(もちろん政教分離原則という点でも大いに問題だが)。この問題は第一義的には信教の自由(憲法20条1項前段)、思想・良心の自由(同19条)の視点から検討しなければならないことなのだ。

 宗教団体は共通の信仰を持つ者によって組織されたものであり、構成員(信者)の思想・良心、つまり政治参加の意志や政党支持の自由などが一切問われることはない。信仰の強制力によって信者個人の政治信条に介入することなど、あってはならないことなのだ。宗教団体の選挙活動には常にその危険が内在している。

「支持団体」が候補者選任

 創価学会の現実はどうか。創価学会が選挙活動を「広宣流布の戦い」と位置づけているのは公知の事実である。公明党の比例区票を「広宣流布のバロメーター」と呼んだのは秋谷栄之助前会長(現最高指導会議議長)だ。創価学会は「日蓮大聖人の御遺命である世界広宣流布を実現することを大願とする」(会則第2条)団体である。つまり根幹的な信仰活動と選挙活動の一体化が教団の組織原則であり、これは組織として憲法19条を侵すことにほかならない。

 より具体的な事実を見てみよう。2012年まで創価学会本部職員だった男性3人が実名で掲載する「元創価学会職員3名のブログ」が、こんな事実を伝えている。

「学会本部は夏の参議院選挙に向けて、公明支援のための組織体制作りに躍起になり、その影響は現場組織にまで及んでいる。“安保(法制)を推進する公明を支援できない”との思いを表明する地区部長を正役職から外し、『会合で政治の話はするな』と口封じする事態まで起こっている」

「今の創価では『公明党がおかしい』と言えば村八分にされてしまう」

 政党支持の自由を表明すれば教団の役職から追われ、村八分にまでされるというのだ。宗教団体の選挙活動はこのように、信者の思想・良心の自由だけでなく、信者としての権利、つまり信仰の自由まで侵す危険を孕んでいる。「創価新報」は一般的な「政治参加」ではなく、自らの選挙活動をこそ真摯に検証すべきなのだ。

 政教分離とのかかわりはどうか。池田大作氏は1970年5月、言論・出版妨害事件を「猛省」し、政教分離を表明して「学会は公明党の支持団体ということになります」と述べた。メディアもそれを受けて創価学会を公明党の支持母体と呼んでいるが、本当にそうなのか。

「公明党と創価学会の関係は一体不可分だ。候補者は学会組織から選ばれ、国会議員ともなれば谷川(佳樹・本部事務総長)や婦人部の重鎮、坂口幾代ら最高幹部の面接を経て決まる」(『文藝春秋』2015年10月号)

 公明党は7月の参院選で、3年前の4選挙区に3選挙区を加え、過去最多の7選挙区に候補を出すと決めた。

「この方針が事実上決まったのは、先述した(15年)7月の創価学会最高会議だった。学会で選挙対策を一手に仕切る副会長の佐藤浩が、愛知、福岡、兵庫の各県を抱える方面長たちに対し、選挙区で新たに候補者を擁立するつもりがあるかどうかを問い質し、いずれの方面長も『やります』と答えたことから方針が定まった」(『世界』15年8月号)

「支持団体」どころか候補者選任まで創価学会が行っているのだ。これが政教一致でなくて何だろうか。宗教団体ゆえに非課税の教団施設を事実上の選対本部にし、教団資金から組織、人材までフル投入する選挙の実態も同じである。

政策決定から立法権にまで

 憲法の政教分離を定める条文は、国家の宗教的活動の禁止(20条3項)、宗教への公金の支出の禁止(89条)ともうひとつ、20条1項後段に「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」とある。憲法は国と宗教の双方に政教分離を求めている。

 いくつかの事実を見る。まず昨年の大阪都構想をめぐる住民投票前後――。

「水面下で動いたのは、東京の創価学会本部の副会長(広宣局長)である佐藤浩だった。……最近では、公明党国会議員の頭ごしに政府・自民党幹部と接触することも多く、政局回しでも重要な役割を果たしている」(前出『世界』)

 消費税「軽減税率」をめぐっては――。

「重要法案では菅官房長官が佐藤副会長と『落としどころ』を探っているとも言われている。(軽減税率では)佐藤氏が菅官房長官と連絡を取り、次期参院選の選挙協力拒否をちらつかせながら“財務省案の撤回”を要求した。公明党内では当初、山口代表、北側副代表ともに、財務省案やむなしという方針だったが、公明党幹部も引けなくなった」(『アエラ』1月25日号)

 政党間協議ではない。宗教団体の創価学会と首相官邸が直接協議をして政策を決めているのだ。選挙協力も「自公」でなく「自創」なのである。

 矢野絢也元公明党委員長が明らかにしているように、創価学会本部を右翼の街宣活動から守るための静穏地帯法改定、1990年~92年の税務調査から創価学会を守るための「ウルトラC」だったPKO協力法賛成など、創価学会の都合による立法権の行使という例も少なくない。

 これらの事実は憲法20条1項後段に触れていないかどうか。創価学会が唱える「政治参加の自由」とは徹頭徹尾、憲法違反の疑いが濃厚なのである。

柿田睦夫(かきた・むつお)フリージャーナリスト。1944年生まれ。業界紙記者などを経て1979年から「しんぶん赤旗」社会部記者。退「現代こころ模様」シリーズなどで「宗教と社会」の関わりを取材。葬儀や戦後遺族行政に関わるレポートも多い。『霊・超能力と自己啓発手さぐりする青年たち』(新日本新書、共著)『統一協会─集団結婚の裏側』(かもがわ出版)『現代葬儀考お葬式とお墓はだれのため?』(新日本出版社)『宗教のないお葬式』(文理閣、共著)『これからの「お墓」選び』(新日本出版社)『自己啓発セミナー「こころの商品化」の最前線』(新日本新書)『現代こころ模様エホバの証人、ヤマギシ会に見る』(新日本新書)など著書多数。

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特集/迫る2016参院選―宗教と政治

宗教団体と政党の打算と思惑

日本会議、創価学会、統一教会(家庭連合)…参院選に向け安倍政権を支える各団体の思惑

鈴木エイト

ジャーナリスト

 7月の参院選を憲法改正のラストチャンスと捉え、ひた走る安倍政権。下支えする各団体の動向を追った。

『日本会議の研究』が明らかにした日本会議の正体

 改憲という目的の下で安倍政権と一体化してきたのが日本会議とそのフロント団体だ。

 全国の書店やAmazon4月末に発売後、即完売となったのが著述家・菅野完氏が記した書籍『日本会議の研究』(扶桑社新書)だ。同氏が2015年2月から扶桑社系のWebメディア/HARBOR BUSINESS Onlineで連載してきた『草の根保守の蠢動』をまとめたもので、安倍政権に強い影響力を持つ謎に満ちた組織:日本会議の成り立ちや理念、運動主体などその“正体”を的確に暴いている。同書はAmazonのベストセラーランキングで発売前から1位を更新し続け、現在も上位にランキングされている。扶桑社には、同書が発売されてすぐに日本会議の椛島有三・事務総長から出版停止を求める内容証明が届き、数日後には同書内で取り上げた「重要人物」の代理人から法的文書が届いているという。

 菅野氏は、日本会議を「生長の家原理主義という特殊な思想を奉じる市民運動体」と表現、「日本社会全体の右傾化」という“風潮”の背景には同団体の存在があると分析している。日本会議の萌芽は70年代初頭、右派の宗教団体・生長の家の学生信者による右翼学生運動に始まる。日本会議の中核を成すのが元右翼学生闘士の椛島有三〈日本会議事務総長/日本青年協議会〉と衛藤晟一(参議院議員/首相補佐官)であり、他にも集団的自衛権を合憲と主張する官邸御用達の憲法学者・百地章、安倍晋三の筆頭ブレーンである伊藤哲夫・日本政策研究センター所長、そして高橋史朗・明星大学教授という「一群の人々」が連なる。これら旧:生長の家関係者による「インナーサークル」は、今日の安倍政権に対する強い影響力を持つにまで至ったのだ。現に教育基本法改正などで、その提言を法制化してきた“実績”もある。菅野氏は、椛島有三の『日本青年協議会』と伊藤哲夫の『日本政策研究センター』そして教団グループによる『谷口雅春先生をしのぶ会』が、政権を陰で支える生長の家原理主義者による政治運動の3つのラインと見る。

 これら日本会議に連なる面々の悲願である憲法改正は、自分たちが育てた安倍晋三が総理在任中にこそ成し遂げ得るものだとして、参院選に向けラストスパートに入っている。菅野氏は、安倍晋三の総理総裁在任期間と憲法改正に必要な期間を計算、そのタイトな政治スケジュールから、安倍は今夏の参院選に合わせて衆議院を解散し衆参同日選挙にするのではないかと予想している。本原稿執筆時点(5月下旬)では、安倍総理は衆参同日選を見送る公算が高いとみられているが、菅野氏の分析は至極的を射ていると言えるであろう。

政権の小判鮫・公明党=創価学会

 公明党を携え一貫して安倍政権に追従する姿勢を崩していないのが創価学会だ。「平和の党」を自任する公明党だが、戦争法案と指摘され組織母体である創価学会の内部からも反対の声が上がった安全保障法制関連法案を押し通す自民党に追従するなど、その政権にぶら下がるだけの姿に世間の目は冷ややかだ。安倍政権の小判鮫と揶揄される創価学会=公明党は参院選でも婦人部を中心に“活躍”するであろう。憲法改正については慎重な姿勢も見せる公明党だが、参院選を睨んだポーズに過ぎないとの見方が大半だ。

政治家工作に励む家庭連合(旧:統一教会)

 関連団体である国際勝共連合・世界平和連合・世界平和女性などを駆使し、自民党議員に食い込んできたのが統一教会(昨年8月「家庭連合」に改称)だ。3年前の参院選では、安倍晋三の同郷の候補者・北村経夫(元産経新聞政治部長)を当選させるため、安倍が同教団の徳野英治会長との間に密約を交したとも噂された。密約の存在を裏付けるかのように、北村は菅官房長官の手配で選挙運動期間中、統一教会の地区教会2箇所を極秘に訪れ礼拝に参加し講演を行なった。統一教会は全国の信者に対し北村への期日前投票を指示、北村は統一教会信者の組織票約8万票の上積みを得て当選を果たしている。これは全国比例区候補の北村の得票数の半数を超える数だ。組織票での北村当選の見返りは、教団本部への家宅捜索を阻止させることだと信者は聞かされていた。もしそれが事実だとしたら、安倍晋三の総理在任中に同教団本部が摘発を受けることはなく、組織は安泰だ。

 統一教会の保守への傾倒は、教祖・文鮮明が北朝鮮に抑留されていたことへの個人的恨みが根底にある。その恨みが反共産主義に特化し国際勝共連合の結成に至ったのだ。同連合の設立には安倍晋三の祖父である岸信介が深く関わっており、その系譜は安倍晋太郎~安倍晋三へ連綿と繋がっている。統一教会=国際勝共連合の反共主義路線は多くの政治家を取り込んできた。しかしながら教団内に於いて、天皇役の幹部信者が教祖・文鮮明に傅く儀式があることを統一教会系新聞「世界日報」の元編集長長・副島嘉和らが暴露し、同教団や関連組織を反共の同志と思っていた保守界隈から総スカンを食らったこともある。

 永田町周辺に於いては、勝共連合の政治家対策の担当者が美人秘書を連れて衆参両議員会館を練り歩く姿が目撃されている。世界平和連合は地方議員の後援会を結成し、事務所スタッフとして入り込むことで政治家を擁立してきた、その流れで国会議員にまで登りつめた者も少なくない。政治家にしてみれば選挙時に運動員や選挙事務所スタッフ、そして秘書まで無償で派遣してくれる統一教会は有り難い存在だ。キブアンドテイク、これら政治家とカルト教団は、互いの利益のため利用し合っているという構図だ。

 昨年8月、文化庁が長年拒んできた統一教会の名称変更を認可した背景には、同庁を所管する文部科学省の下村博文大臣(当時/現在は党総裁補佐)からの圧力があったとされる。「世界日報」には2013年から2014年にかけて3回も下村のインタビューや対談記事が掲載されている。同教団の名称変更認可当時、文部科学政務官だった山本朋広代議士も国際勝共連合や世界平和連合との関係が指摘されており、昨年10月に幕張で開催された名称変更式典には、文部科学委員を務める自民党の工藤彰三代議士が来賓出席し祝辞を述べている。

 2010年に勝共連合による支援指示文書が流出した山谷えり子(国家公安委員会委員長/内閣府特命担当大臣)も、やはり夫婦別姓に反対する国会議員として2001年、「世界日報」にインタビュー記事が掲載された。他にも稲田朋美(政調会長)、衛藤晟一(首相補佐官)、萩生田光一(総裁特別補佐/内閣官房副長官)、中川雅治(政調副会長/参議院運営委員長)など、安倍晋三に近しい複数の政治家が教団や関連組織のイベントで講演や来賓挨拶をするなどしており、安倍晋三や菅官房長官と親しげに写真に納まる教団関係者の姿もSNS等で確認されている。

「世界日報」や国際勝共連合の「思想新聞」などで展開される「ジェンダーフリー」「夫婦別姓反対」などの論調は安倍政権・日本会議という右派の主張と全く同一だ。但し、統一教会によるこれら主張の根底には、純潔教育から合同結婚式という歪な宗教教化への道程が潜んでいることを忘れてはならない。

メディアへの介入・干渉を許すな

 右傾化という同じ大きな流れの源流を成すこれら諸団体にはそれぞれの思惑があり、現政権の暴走を抑えるためには、これら諸勢力の真の狙いを見極め的確に批判し追及していくことが必要だ。

 安倍晋三ら右派政治家によるNHKへの番組改変問題。更に昨今の高市早苗総務相による放送法を曲解した歪かつ違法なメディア介入発言や、自民党の若手衆院議員大西英男によるマスコミ懲らしめ発言など、安倍晋三の周辺ではメディアに対し高慢な態度を採る政治家が目立つ。これら権力のあからさまなメディアへの介入を許してはならない。有権者の投票判断に際し適切な情報が行き届くようメディア関係者は襟を正すべきである。              (文中・一部敬称略)

鈴木エイト(すずき・えいと)ジャーナリスト。ニュースブログ「やや日刊カルト新聞」主筆。2002年から街頭でカルト団体の勧誘阻止パトロール活動を行っている。

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5月号目次

月号目次

 

閻魔帳

原水爆禁止宣言などどこ吹く風  核兵器保有・使用可能閣議決定に合意した公明大臣乙骨正生

 

特集パナマ文書発覚=日本のタックスヘイブンと創価学会

 

「パナマ文書」には出てこない「創価学会=池田大作の税逃れ」を斬る/古川利明

パナマ文書と日本のタックスヘイブン/浦野広明

「おお!パナマ」と「創価学会」の奇妙な関係/段 勲

隠れた補助金=タックスヘイブン/野田峯雄

 

トピックス

天に唾する「野党共闘」批判 自公「野合」vs.市民運動/柿田睦夫

トピックス

地下鉄サリン事件から21年 改めてひかりの輪の問題を問う/藤倉善郎

 

連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

ヨーロッパ・カルト事情220

パリの総合的犯罪予防治安計画とセクト対策(1)広岡裕児

 

執筆者紹介 バックナンバー一覧 編集後記

 

 

 

編集後記から

 4月14日以来続く「平成28年熊本地震」。被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。震度7が2度起きるという前例のない地震。加藤清正が築城した名城・熊本城の瓦が落ち、石垣や櫓が崩れ落ちた無残な姿に、衝撃を受けた人も少なくないことでしょう。

「東日本大震災」から5年の節目を迎え、東北を中心に全国で追悼や復興の各種行事が行われたばかりであるにもかかわらず、またも生じた地震災害。日本列島は、各種のプレートと断層の上にあることはよく知られていますが、九州ことに熊本では今回のような大震災が生じるとの認識は薄かったようです。私たちは、地震災害はいつどこで起こってもおかしくないとの自覚と覚悟をもつ必要性があること、そして地震災害に備える必要性があることをあらためて痛感させられました。

 自民党そして公明党は、東日本大震災発生後の民主党政権の対応を激しく批判しましたが、今回の熊本地震に対する安倍自公政権の対応もはたして妥当なものであるかどうか。まだ継続中ではありますが、詳細な説明もなしに「異常なし」を繰り返す、まるで安全神話を復活させたかのような川内原発の安全宣言に、地震を奇貨としたとしか考えられないオスプレイの派遣、そして被災地支援に全力をあげるべき時だとの野党の要求を拒否してのTPP審議の続行と、安倍自公政権の対応はいただけるものではありません。

 そんな熊本地震の直前に被爆地・広島で開催されたG7外相会議。「広島宣言」に「核兵器は非人道的」という文言を入れることは叶いませんでしたが、各国外相が揃って原爆慰霊碑に献花し、原爆資料館を訪問するとともに、原爆ドームを見学したことは、核廃絶に向けての機運を高めるものとして期待されます。また、原爆を投下したアメリカの現職大統領が、初めて広島を訪問することが決まったとの報道も、とりあえずは原爆投下の正当化に固執してきたアメリカの堅い扉を開いたという点で評価・歓迎すべき事柄にほかなりません。

 その一方で、法理論上は日本国憲法下での核兵器の保有と使用が可能と閣議決定した安倍自公政権。もちろん公明党の大臣もこの閣議決定に合意しています。

 参院選が目前に迫っています。小誌は今後とも宗教と社会、宗教と政治に関する事実を追求し続けます。

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