5月号目次

月号目次

 

閻魔帳

原水爆禁止宣言などどこ吹く風  核兵器保有・使用可能閣議決定に合意した公明大臣乙骨正生

 

特集パナマ文書発覚=日本のタックスヘイブンと創価学会

 

「パナマ文書」には出てこない「創価学会=池田大作の税逃れ」を斬る/古川利明

パナマ文書と日本のタックスヘイブン/浦野広明

「おお!パナマ」と「創価学会」の奇妙な関係/段 勲

隠れた補助金=タックスヘイブン/野田峯雄

 

トピックス

天に唾する「野党共闘」批判 自公「野合」vs.市民運動/柿田睦夫

トピックス

地下鉄サリン事件から21年 改めてひかりの輪の問題を問う/藤倉善郎

 

連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

ヨーロッパ・カルト事情220

パリの総合的犯罪予防治安計画とセクト対策(1)広岡裕児

 

執筆者紹介 バックナンバー一覧 編集後記

 

 

 

編集後記から

 4月14日以来続く「平成28年熊本地震」。被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。震度7が2度起きるという前例のない地震。加藤清正が築城した名城・熊本城の瓦が落ち、石垣や櫓が崩れ落ちた無残な姿に、衝撃を受けた人も少なくないことでしょう。

「東日本大震災」から5年の節目を迎え、東北を中心に全国で追悼や復興の各種行事が行われたばかりであるにもかかわらず、またも生じた地震災害。日本列島は、各種のプレートと断層の上にあることはよく知られていますが、九州ことに熊本では今回のような大震災が生じるとの認識は薄かったようです。私たちは、地震災害はいつどこで起こってもおかしくないとの自覚と覚悟をもつ必要性があること、そして地震災害に備える必要性があることをあらためて痛感させられました。

 自民党そして公明党は、東日本大震災発生後の民主党政権の対応を激しく批判しましたが、今回の熊本地震に対する安倍自公政権の対応もはたして妥当なものであるかどうか。まだ継続中ではありますが、詳細な説明もなしに「異常なし」を繰り返す、まるで安全神話を復活させたかのような川内原発の安全宣言に、地震を奇貨としたとしか考えられないオスプレイの派遣、そして被災地支援に全力をあげるべき時だとの野党の要求を拒否してのTPP審議の続行と、安倍自公政権の対応はいただけるものではありません。

 そんな熊本地震の直前に被爆地・広島で開催されたG7外相会議。「広島宣言」に「核兵器は非人道的」という文言を入れることは叶いませんでしたが、各国外相が揃って原爆慰霊碑に献花し、原爆資料館を訪問するとともに、原爆ドームを見学したことは、核廃絶に向けての機運を高めるものとして期待されます。また、原爆を投下したアメリカの現職大統領が、初めて広島を訪問することが決まったとの報道も、とりあえずは原爆投下の正当化に固執してきたアメリカの堅い扉を開いたという点で評価・歓迎すべき事柄にほかなりません。

 その一方で、法理論上は日本国憲法下での核兵器の保有と使用が可能と閣議決定した安倍自公政権。もちろん公明党の大臣もこの閣議決定に合意しています。

 参院選が目前に迫っています。小誌は今後とも宗教と社会、宗教と政治に関する事実を追求し続けます。

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特集

特集パナマ文書発覚=日本のタックスヘイブンと創価学会

 

 

パナマ文書と日本のタックスヘイブン

浦野広明

立正大学法学部客員教授

 

 

「パナマ文書」は、中米パナマ共和国の首都であるパナマ市中心部あるモサック・フォンセカ法律事務所から漏れた機密文書である。この事務所は世界中にあるタックスヘイブンで、税逃れ法人の設立手助けをしていた。

 パナマ文書を入手した南ドイツ新聞と約80カ国以上の報道機関の記者が連携する「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)は、世界各地のタックスヘイブンに設立された法人約21万社に関する報道を始めた(2016年43日)。文書は1150万件という膨大なもので、世界の富裕層や政治家がおこなっている税逃れの実態を暴露している。アイスランドのグンロイグソン首相は、文書によって、タックスヘイブンを利用した資産隠し疑惑が浮上し、辞任を表明した(45日)。

 タックスヘイブン(tax haven)の日本語訳は「租税回避地」である。意図的に税を優遇(無税または極めて低い税率)して、企業や富裕層の資産を誘致している国や地域のことである。税逃れや資金洗浄(マネーロンダリング)の温床となっている。

 タックスヘイブンは、モナコ公国、サンマリノ共和国、英国領のマン島やジャージー島、カリブ海地域のバミューダ諸島、バハマ、バージン諸島、ケイマン諸島、ドバイ(アラブ首長国連邦)、バーレーン、香港、マカオ、シンガポールなどの国々でおこなわれている。タックスヘイブンの存在は近年、各国財政にも悪影響を与えており、情報開示や規制に向けた国際的な動きが強まっている。

 

 日本こそタックスヘイブン

 タックスヘイブンは他国のことではない。大企業や富裕層はタックスヘイブン日本において、白昼堂々と税逃れをしている。

 安倍首相は第183回国会における施政方針演説で、「世界で一番企業が活躍しやすい国を目指します」と述べた(2013年228日)。冗談はほどほどにしてほしい。目指すどころか、今でも日本の大企業や富裕層は手厚い租税特別措置(優遇税制)によって、税負担が著しく軽減、ないしは完全に免除されている。

 租税は国家が国民の財権を強制的に取り上げるものである(財産権の侵害)。財界は「自由」(新自由主義)を誇示し、資本の自由、市場の自由、貿易の自由を強調する。大企業や富裕層は、自由権法理(国家権力に干渉されない権利)を振りかざし、財産権の自由(課税逃れの恩恵)を手に入れる。この優遇税制は庶民の重税と生活の犠牲のうえに進められる。

 国民本位の税制は、税の支払い方と税の使い方において憲法の精神を生かすことによってのみ実現する。

 税の支払い方について日本国憲法(憲法)が考える原則は、応能負担原則(応能原則)である。応能原則は各人が経済的な負担能力に応じて税負担をするという憲法14条の平等原則の、税負担における考えである。応能原則は、憲法14条に加え、13条(個人の尊厳・幸福追求)、25条(生存権)、29条(財産権)などの理念を活かすことで、実現する。

 また、税金の使途原則は、憲法が平和と生存権を重視しているのであるから、「全税を福祉社会保障に使う」ことが求められる。

 

 大企業・富裕層の税逃れ

 安倍政権は国際的企業間競争に打ちかつために法人税の減税を進めるとしている。2016年度税制改定では、法人税の税率(現行:239%)を、2016年4月1日以後に開始する事業年度から234%に、18年4月1日以後に開始する事業年度から232%に引き下げた。

 現行の法人税率は、原則として、239%の一定税率(2015年41日以後開始事業年度から)を採用している。いくら所得があっても一定率の税負担であるから、所得の多い大企業は税負担が少なくなる。応能負担原則からすれば、法人税であっても累進税率を採用すべきであろう。アメリカの法人税は累進税率を採用している。わが国でも所得税における7段階の累進税率(5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%)が最低限必要となる。

 日本の大企業は、各種の租税特別措置(優遇税制)によって、実際の税負担率は低い。大企業優遇規定の主要なものとしては次に掲げるものがある。

①受取配当等の益金(収益)不算入、②損金(費用)算入を認める引当金・準備金、③特別償却・割増償却、④法人税額の特別控除、⑤株式払込剰余金(株式発行差金)の益金不算入、⑥連結納税制度、⑦法人税の比例税率、⑧欠損金の繰越控除、⑨タックスヘイブン利用の海外子会社益金不算入、⑩消費税の輸出還付税

 これらの優遇税制によって巨大商社が実際に支払った税負担は、法人実効税率が35%から40%であった2010年度から2014年度までの5年間において、三菱商事(79%)、伊藤忠商事(22%)、三井物産(マイナス07%)と「ただ」同然だった(税制評論家・税理士の菅隆徳氏調べ。『税制研究』№69)。

 また、個人の所得税負担率は、所得が1億円を超えると下がる。その要因は株の売却・配当益に対する税制である。2003年度税制改定によって、上場株式の配当や売却益所得については、いくら所得があっても、わずか10%(所得税:7%、地方税:3%)課税とした(証券優遇税制の採用)。この10%の税率は2013年12月末で適用期限が切れ、141月から、税率を20%(所得税:15%、地方税:5%)に戻した(その他に復興特別所得税が13年から25年間所得税額に21%が上乗せされる)。戻したと言っても20%税率(租税特別措置法37条の10)自体が金持ち優遇であることには変わりない。

 

 税逃れを助長する公示制度廃止

 税制問題でしばしば槍玉に上がるのは宗教法人である。宗教法人の課税問題は、小規模宗教法人(小規模の寺社教会)と巨大宗教法人とを区分して考えなければならない。

 小規模宗教法人は大半が収益事業とは無縁であり法人税等が課されない。これをもって税金がかからないかのように見られがちだがそれは誤りである。住職、神主、牧師などは宗教法人の宗教活動に伴う収入から、給与を得て生活をしている。給与には所得税や住民税などが課されている。また、寺社教会の支出する各種費用には消費税が課されている。さらに、日本の税務行政は、「強きを助け、弱きをくじく」傾向が強い。小規模法人の些細な収入を「現物給与」に認定し、源泉所得税の追徴をしている例が散見される。

 矢野絢也元公明党委員長はつぎのように述べている。「公私混同問題は、まだいくらでも残されていた。例えば美術品問題がある。池田氏はお眼鏡にかなった美術品を世界中から買い集めていたが、購入は学会の会計だった…管理も曖昧で高価な絵画が、いつのまにか池田氏宅に飾られていたというようなケースもあったようだ」(『私が愛した池田大作』講談社)。

 このように法人役員が宗教活動とは関係のない支出を宗教法人の費用としている例がみられる(豪華な私邸、絵画の購入、私的な遊興費など)。これらこそ現物給与として課税すべきである。

 宗教団体が宗教活動に使う資産には固定資産税・都市計画税がかからない。宗教法人の施設が恒常的に選挙活動や個人専用の用に供しているとしたら、それはもはや「宗教法人がもっぱら本来の用に供する」施設とはいいがたい。そうした場合には、非課税の適用はない。

 落合博実氏(元朝日新聞編集委員)は、税務署の公示によって知った創価学会の収益事業に係る申告所得金額を発表している。それによれば2002年=約143億2000万円、03年=約181億1000万円、04年=約163億5000万円となっている(『徴税権力 国税庁の研究』文藝春秋)。この数字は公示制度があればこそ知りえた所得である。

 申告書公示制度は、所得税、法人税、相続税の申告書が提出された場合、その申告書に書いてある税額、課税対象金額が一定額を超えるものについて、税務署がその納税者の住所・氏名、税額などを一定期間公示するものであった。この制度は1950年に導入したもので、公示によって第3者のチェックを受ける効果を期待したものであった。

 自公両党は公示制度を2006年度税制改正によって廃止した。廃止により、政治家や創価学会の収益事業に係る申告所得金額などはまったく知る手立てはなくなった。

 公示制度は、所得税は所得税額が1000万円超、相続税は課税価格2億円超、贈与税は課税価格4000万円超、法人税では所得の金額4000万円超、が基準となっていた。

 公示制度は「国民の知る権利」の保障である。自公は公示制度を廃止して高額所得者である政治家や巨大宗教法人の「税逃れ」を探知する術を葬り去った。タックスヘイブンを助長する公示制度の廃止は一刻も早くやめるべきである。

 タックスヘイブンは地球的規模での課税からの自由に他ならないが、この「自由」は世界の圧倒的多数の民衆の生存権と対立する。このような基本的矛盾が長く続く道理はない。

 道理のない体制の展望に未来はない。未来に展望があるのは、巨大企業体に支配、搾取されている民衆の運動とその運動を支える理論である。

 

浦野広明(うらの・ひろあき)立正大学法学部客員教授、税理士。1940年生まれ。中央大学経済学部卒。朝日新聞等の新聞・週刊誌などへの執筆をはじめ、税務・会計に関して、全国各地での講演、裁判での鑑定・証言、新聞・雑誌・TVでのコメントなど幅広く活躍。著書に『現代家庭の法律読本』(岩波・共著)『これでいいのか税務行政』(あゆみ出版・共著)『Q&A納税者のための税務相談』『納税者の権利と法』『新・税務調査とのたたかい』(共に新日本出版社)『争点相続税法』(勁草書房・共著)など。

 

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

 

 

●東京各地に出没――健在誇示し選挙闘争を煽る大将軍

4月2日付「聖教新聞」「SGI会長と共に 新時代を創る」「威風堂々と師弟の桜道を」

「爛漫と 師弟の勝ち鬨 桜かな わが師・戸田先生の祥月命日を前に、師弟原点の地・大田区の文化会館で、懇ろに報恩感謝の勤行を行った(3月30日)。―中略―記念の月間を勇み走る、ふるさと大田の同志をはじめ、わが友の健闘を讃え、福徳と人材の花よ、咲け!そう祈って、“桜の城”の会館で、ピアノを弾いた。『さくら』『森ケ崎海岸』、そして先生と幾たびとなく歌った“大楠公”……。師匠を思えば、力は無限に湧いてくるのだ」

4月4日付「聖教新聞」「SGI会長夫妻――恩師を偲び品川文化会館へ」

「戸田第2代会長の祥月命日である2日、池田SGI会長夫妻は東京・品川文化会館を車で視察した。同会館は、創価教育学会発祥の地・時習学館に近く、戸田会長の広宣流布の魂を永遠にとどめる『戸田城聖先生 法難頌徳之碑』が設置されている。(中略)『法難頌徳之碑』を包むように開花した桜を愛でつつ、SGI会長は“創価の源流”の地で恩師の遺徳を偲んだ」

4月7日付「聖教新聞」「創立者・池田名誉会長――桜花薫る創価大学を訪問」

「創立者の池田名誉会長夫妻は6日、今月2日に開学45周年の佳節を刻んだ創価大学(東京・八王子市)を訪問した。満開の桜花が舞い、レンギョウ、ユキヤナギなど百花が咲き誇るキャンパス。創立者は車で『創大門』から『中央教育棟』へ、創大の田代理事長、馬場学長、短大の石川学長と懇談し、全国・世界各地から向学の決意に燃えて集った宝の創大生・短大生・留学生の出発を祝福さらに、全学生・教職員の健康と勝利を念願した。

 その後、創立者は『文学の池』や『周桜』などを視察し、世界市民を育てゆく人間教育の最高学府の大発展を心から喜んだ」

同「座談会 師弟勝利の旗高く」「師と心合わせれば無限の力が」

清水(女子部長)池田先生と奥さまは3月30日、師弟原点の地である東京・大田の文化会館を訪問されました。

 原田(会長)4月2日付の『新時代を創る』には、その心境をこう綴られています。『わが友の健闘を讃え……師匠を思えば、力は無限に湧いてくるのだ』と。私たちも日々、師匠と心を合わせ、その期待に応える決意で前進してまいりたい。

 永石(婦人部長)全国の友は今、新たな広宣流布の勝利を目指し、『仏縁の拡大』と『仏縁を広げる人の拡大』に全力で挑戦しています」

 

※昨年末に大田文化会館、そして今年1月には埼玉文化会館などを訪れたという池田氏が、またぞろ出歩いていると「聖教新聞」が報じている。「恩師」と持ち上げる戸田城聖会長の命日を前に、大田文化会館を再訪。友の健闘を讃え、また恩師を偲んでピアノを弾き、「師匠を思えば、力が無限に湧いてくる」などと、学会員に力の限り戦えと檄を飛ばしている。本紙前号でも指摘したことだが、大田や埼玉に足を運び、ピアノを弾く元気があるならば、3月11日になぜ東北に足を運ばないのか。お為ごかしのメッセージを送るよりは、生身の体を被災地に運び、肉声をもって被災した学会員を激励すべきだろう。それが本当に弾いたのかどうかもわからない、仮に弾いたとしてもおよそ人に聴かせるレベルとは言い難い演奏をもって健闘を讃えたとは、人を馬鹿にするにも程があろう。

 にもかかわらず祥月命日の4月2日には、戸田会長の頌徳碑があるという品川文化会館を訪問。さらに4月6日には、開学45周年を迎えた創価大学を訪問したと報じている。いずれの訪問報道にも写真記事はない。したがって公衆の前に姿を見せたとは確認できないが、一連の記事からは、池田氏の健康状態が以前よりは回復しているものの、しかし、まだ十全ではないことが分かる。平成19年の参院選に際して原田会長は、池田氏を「広宣流布の大将軍」と形容。池田氏と心を合わせれば大勝利間違いないと、参院選の選挙闘争に挺身する学会員の士気を鼓舞した前例がある。今回、池田氏が東京や埼玉に出没し、「師匠を思えば、力は無限に湧いてくる」などと託宣しているのも、これと軌を一にする戦術・作戦にほかならない。だが、平成19年の参院選で創価学会は、「めざせ広布の一千万」を合言葉に公明党比例区1000万票の獲得をめざしたが、結果は776万票と惨敗した。この776万票という得票数は、直前の平成17年衆院選での898万票と比べると約120万票、前回平成16年参院選の862万票と比較しても約90万票のマイナスとなる。

「大将軍」池田氏と心を合せた選挙闘争の結果は無残である。東北にも熊本にも足を運ぼうとせず、冷暖房の効いた快適な空間に身を置きながら、「師匠を思えば、力は無限に湧いてくるのだ」などという世迷言を吐く「永遠の師匠」に、馬車馬のように使役される学会員が哀れとしかいいようがない。早く目を覚ますことだ。ちなみに池田氏が投票に行ったという話は寡聞にして聞いたことがないことを付記しておこう。

 

●創刊65周年を大喧伝……阿諛追従する印刷会社

4月20日付「聖教新聞」「きょう本紙創刊65周年」「師弟の大哲学を未来へ」

「きょう20日、聖教新聞は創刊65周年の節目を迎えた。(中略)池田SGI会長と恩師・戸田第2代会長の手で誕生した聖教新聞。1951年(昭和26年)4月20日の創刊号以来、65星霜を経て、今や1万9000号を突破した。聖教新聞の歩みは、そのまま、民衆勝利の証しであり、広宣流布の栄光の歴史である」

同「池田SGI会長 随筆 永遠なれ創価の大城」「民衆厳護の言論王」「創刊65周年 世界に希望と勇気の獅子吼を!聖教と共に前進!勝利の大叙事詩を綴れ」

「聖教新聞は『人間主義』の旗を掲げる新聞である。災害時などには逆境の中で輝く人間の真価を、尊厳なる生命の宝として宣揚し抜いてきた。聖教新聞は、『立正安国』の言論城である。徹して民衆の側に立ち、正義と人道の連帯を広げる力となってきた。

 法華経には、地涌の菩薩の英姿を、『志固くして怯弱無し』『難問答に巧みにして 其の心に畏るる所無く 忍辱の心は決定し』と記される。まさしく聖教新聞は、この地涌の力用をもった言論紙なのである。

『信念』の新聞であり、『勇気』の新聞である。『智慧』の新聞であり、『対話』の新聞である。『慈悲』の新聞であり、『堅忍不抜』の新聞である。その言論力で、広宣流布の大誓願を完遂していくのだ!(中略)

 三災七難に負けずに、民衆の安穏と社会の繁栄、そして地球の平和を実現する。この人類の悲願へ、我らは自行化他の妙法を朗々と唱え、立正安国の挑戦を貫いていくのだ。いかなる災害や危機にも、断固と立ち向かう希望の大城が創価であり、その揺るぎなき言論の柱、民衆厳護の言論王こそ、聖教新聞である」

同「創刊65周年に寄せて 東日印刷(株)代表取締役社長 高梨一夫氏」「家族の如く強い聖教との絆」

「聖教新聞が創刊65周年の佳節を迎えられたことを、心よりお祝い申し上げます。東日印刷が聖教新聞の印刷を受託してから、はや60余年。日本最大級の新聞印刷会社へと成長したわが社の歩みが、聖教新聞の発展と軌を一にしてきたことは、論をまちません。

 社内ではよく、『“生みの親”は毎日新聞。“育ての親”は聖教新聞』と語られます。感謝の気持ちを忘れずに日々、聖教新聞の“最初の読者”との誇りを持って、社員一同、真剣に印刷業に取り組んでいきます。(中略)

 そんな数多くの変化があっても、一貫して変わらないものがあります。それは聖教新聞と東日印刷との『絆』です。工場が変わっても、設備が変わっても、その信頼関係は揺るぎないものです。なぜか、それはひとえに、池田先生の心配りのたまものであると確信します。

 先生はこれまで、2度にわたってわが社を訪れ、一人一人にねぎらいの言葉を掛けてくださいました。毎年、社員に“串”団子の差し入れを頂いておりますが、印刷現場で働く人の手が、インクで汚れていることへの気遣いなのでしょう。折々のそうした、こまやかな配慮に、感謝の思いは尽きません。社長室に、大切に掲げている一首の和歌があります。

東日と 家族の如き 聖教は 共に栄えむ 歴史を築きて』

 かつて池田先生が詠んでくださった、わが社の宝です。これからも、この歌を心に刻み、『絆』をより強くしていきたいと思います」

 

※五代会長に六代会長(当時・副理事長)・理事長・副会長らが、日蓮正宗僧侶に対する名誉毀損で断罪されたのは「聖教新聞」の座談会記事。この事実に象徴されるように、「聖教新聞」は、これまで創価学会に批判的なあるいは対立する人物や団体に対する誹謗中傷・罵詈雑言を繰り返してきた。そんな人権無視の「聖教新聞」が「人間主義」の旗を掲げた「民衆厳護の言論王」とは……。まァ事実の歪曲と手前勝手な自己宣揚は「聖教新聞」なかんずく池田大作氏の常套手段。いまさら驚くにはあたらないが。

 事実、創刊65年を迎えたという「聖教新聞」の発刊についても創価学会は、「池田SGI会長と恩師・戸田第2代会長の手で誕生した聖教新聞」と、あたかも池田氏と戸田氏の二人で創刊したかのように喧伝しているが、昭和26年4月20日の創刊時の「聖教新聞」の編集主幹は、入信わずか5カ月(昭和2511月入信)の石田次男氏。当時、池田氏は、戸田氏が経営していた大蔵商事といういわばマチ金の営業部長として、取り立て業務、それも債務者の布団を剝がしていったなどの逸話を残すほどの辣腕な取り立てや、資金調達に従事しており、「聖教新聞」の発刊にはほとんど関わっていない。それを「池田SGI会長と恩師・戸田第2代会長」と、あたかも池田氏を中心に「聖教新聞」が創刊されたかのようにアピールするのは、事実の歪曲と手前勝手な自己宣揚の典型例。

 それにしても興味深いのは、「聖教新聞」の創刊65周年を慶祝する東日印刷社長の阿諛追従。金を貰う身の辛さは分からぬではないが、「“生みの親”は毎日新聞。“育ての親”は聖教新聞」と(へりくだ)るとともに、かつて池田氏が詠んだ「東日と 家族の如き 聖教は 共に栄えむ 歴史を築きて」という和歌を社長室に飾り、「わが社の宝です。これからも、この歌を心に刻み、『絆』をより強くしていきたいと思います」と決意表明では、身も蓋もない。また池田氏は毎年、東日印刷に串団子を差し入れるとのことだが、インクで手が汚れているからの気遣いに感謝とは、恐れ入るしかない。

 この東日印刷社長の祝辞は、「聖教新聞」をはじめとする創価学会の出版物、そして「公明新聞」などの公明党の出版物の印刷を受注している新聞社系列の印刷所の経営陣のマインドを象徴的に示している。

 4月20日、パリに本部を置く国際NGO「国境なき記者団」は、2016年の「報道の自由度ランキング」を発表したが、日本は対象180カ国中72位と前年より11位ランキングを下げた。その主な理由は、特定秘密保護法の施行などにより、言論の自由が脅かされており、日本のメディアが安倍政権に対する批判を自主規制するなどしているとし、「問題がある」と位置づけている。このメディアの萎縮要因の一つが、創価学会によるメディアの金縛りであることを忘れてはなるまい。

 

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月号目次

閻魔帳

“核武装”の含みもたせる安倍政権支える創価・公明乙骨正生

特集東日本大震災・原発事故5年─再稼働を支える公明党&創価

「3・11」から5年──安倍自民党の原発再稼動を後押しする「公明党=創価学会」の大罪/古川利明

3・1ビキニ事件と原発行政「原子の火」「第三文明」の相関図柿田睦夫 

トピックス

原田会長が訪韓……揺れる「韓国SGI」の現状/段 勲

トピックス

野々村元兵庫県議だけじゃない 政活費不正くり返す公明党地方議員/本誌編集部

トピックス

活発化するカルトの偽装勧誘 狡猾手口への対策は?/鈴木エイト

トピックス

幸福の科学学園裁判、勝訴確定でも残るもどかしさ/藤倉善郎

連載

ヨーロッパ・カルト事情219

逆風の中、頑張る市民団体広岡裕児

信濃町探偵団──創価学会最新動向

執筆者紹介 バックナンバー一覧 編集後記

編集後記から

 東日本大震災・原発事故から5年の節目となった3月11日から2日後の13日、自民党は党大会を開催しました。来賓として党大会に出席した山口那津男公明党代表は、民主党から政権を奪還してから3年間、自公政権は、アベノミクスをはじめとする諸政策で実績をあげてきたと自画自賛。その上で、今夏の参院選(衆参同日選の可能性も)は「政治の安定を目指す戦い」だとして、自公両党で一致協力しての勝利を呼び掛けています。

 その自公両党は、来る参院選に統一候補を擁立しようとする野党共闘を「野合」だとして激しい批判を浴びせています。例えば自民党が作成した広報ビラ。そこには「野党統一候補=民共合作候補」との見出しがつけられ、野党共闘は「『理念なき民主党』と『革命勢力・共産党』の打算、選挙談合以外の何ものでもありません」と書かれています。

 しかしかつて自民党は、創価学会・公明党の政権参画を厳しく批判し、「この国の政治を特定の宗教団体に握られていいのか」との激しい反創価・公明キャンペーンを展開。創価学会もまた池田大作名誉会長の国会証人喚問を求める自民党に激しい批判を浴びせ続けました。そもそも憲法9条の厳護を掲げる創価学会そして公明党が、9条の改変こそを主眼とする安倍首相と手を握り、選挙での勝利を目的に常軌を逸した選挙協力を繰り返していることこそ「野合」としかいいようがありません。

 安倍首相を支える日本会議や神道政治連盟は、今夏の参院選を改憲のための試金石と位置づけており、創価学会も「広宣流布・立正安国」の総仕上げの戦いと眦を決しています。宗教と政治についての正確な情報を発信する必要性が、ますます高まっていることを自覚して、小誌は今後とも宗教と政治・宗教と社会に関する事実と真実を追究し続けます。

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特集東日本大震災・原発事故5年─再稼働を支える公明党&創価

「3・11」から5年──安倍自民党の原発再稼動を後押しする「公明党=創価学会」の大罪

古川利明

ジャーナリスト

稼動中原発の運転を差し止める異例の仮処分

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災から、この3月11日でまる5年を迎えた。津波などで大勢の犠牲者が出た東北の真の復興は、まさにこれからだが、それに向けた最大の核と言うべきものは、「今後、次の世代にまでかかる廃炉作業」をも見据えた、東電・福島第一原発の爆発事故の後始末である。

 そうした折り、「3・11」の2日前の3月9日、大津地裁は、再稼動を始めたばかりの関電・高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止める仮処分決定を出した。稼動中の原発の運転停止を命じる司法判断がなされるのは異例のことだが、しかし、裏を返せば、福島第一原発事故の後始末が収束するメドもまったく立っていないなかで、安倍自公政権が、なし崩し的に原発の再稼動へ向けて邁進していることへの、国民の率直かつ、まっとうな疑念や不安に応えたものといえるだろう。

 大津地裁は、その仮処分決定の中で、13年7月から施行された原発再稼動にあたっての原子力規制委の新規制基準の甘さを厳しく批判している。端的に言えば、これは、そもそも「原発再稼動ありき」の基準であるがゆえ、首相の安倍晋三以下、政権首脳らが「世界最高水準」と自画自賛しているのとは裏腹に、実際には、その中身は「スカスカのザル」以外の何物でもない。で、その本質にあるものとは、このフクシマの原発事故をきっちりと捉え、それを厳しく反省、検証しようとしない怠惰であり、欺瞞である。

 例えば、この仮処分決定が出されるちょうど2週間前の2月24日、東電は「炉心溶融(メルトダウン)の判定基準」がマニュアルに記載されていたにもかかわらず、何と「事故発生から5年近く、それに気づかなかった」と謝罪している。マニュアルには「炉心損傷の割合が5%を超えていれば炉心溶融と判断する」との記載があり、爆発直後の段階で、その割合について、1号機55%、2号機35%、3号機30%であることを摑み、いずれも「炉心溶融」を引き起こしていたのだが、東電側はあくまでも「核燃料が傷付く状態を意味する『炉心損傷』でしかない」と言い張り、炉心溶融であると初めて公表したのは事故から2ヵ月後のことだった。この公表の遅れについて、当時、東電は「判断する根拠がなかった」と説明していたのである。しかし、マニュアルに記載があるのを見落としていたのはウソで、意図的にネグっていたというのが本当のところであろう。

隠蔽される「不都合な真実」

 このように、福島第一原発の事故においては、「事故の過小評価」というより、「事故実態の隠蔽」が至るところで行われているがゆえ、「イチエフの真実」というものが、国民の目にはなかなか見えてこないのである。

 大津地裁が出した高浜原発3、4号機の運転停止を命じた仮処分決定において、その「再稼動にあたっての新規制基準の甘さ」を指摘した中で、「使用済み燃料ピットの冷却設備も基本設計の安全性に関わる重要な施設として安全性審査の対象となるというべきだ」との文言が、さらりと入っている。

 じつは、事故を起こした福島第一原発の中で、最も損傷が激しかった3号機だが、建屋内にあった使用済み核燃料のプールでの爆発だった可能性が疑われている。原子炉内が空焚き状態になると、核燃料を包んでいるジルコニウムと水蒸気が反応して水素が発生し、水素爆発を起こすとされるが、「3号機のそれ」は、火山の噴火を彷彿とさせるような、垂直方向に300mも伸びる黒煙だったことを考えると、これは原子炉内で起こった水素爆発とは考えにくい(なぜなら、水素爆発では黒煙にならない)。つまり、プール内の水が減速材となり、使用済み核燃料が核分裂反応を起こし、臨界に達した結果、その高熱が水を気化させたことによる水蒸気爆発(=核爆発)の可能性を指摘している専門家もいるのである。

 それゆえ、大津地裁の仮処分決定で指摘しているように、「再稼動にあたっては、この使用済み核燃料プールの安全性審査」を絶対に外してはならないのだが、東電における事故原因の調査ではもちろん、それを受けて作成されているはずの原発再稼動の際の新規制基準からも、見事に抜け落ちているのである。要は「原爆と違い、原発の燃料である低濃縮ウランでも、自動制御による冷却が停止すると、例えば、使用済み核燃料プールのように、こんなにも簡単に大爆発を起こすという事実が明るみになってしまうと、長年培ってきた“原発の安全神話”が崩壊するため、何かと不都合である」ということであろう。

 さらには、現在、福島第一原発では、4基の原子炉を取り囲む形で、延べ1・5㎞、深さ約30mの凍土壁の建設が進められている。これは炉心溶融を起こした核燃料を冷やすため、毎日400tもの水を注入しなければならないことに加え、原発の地下30mほどのところには、地下水が流れており、これらが原発敷地内に入り込んできて、さらに海へと汚染水が流れていくのを阻止するためだとされている。

 しかし、この凍土壁はあくまで「ヨコ方向」の遮断だけで、「タテ方向」、つまり、「地下方向への汚染水の流入阻止」という発想がないのである。というのは、それぞれの原子炉の核燃料が、どういう状態になっているかを、正確に見極めようとしていないことから来ている。特に、圧力容器内にあった77tの核燃料すべてが格納容器に落下していると東電も推計している1号機については、こうした大量の核燃料が、鋼鉄製の格納容器の底をも突き破って、その下のコンクリート壁へと沈下し、チェルノブイリ事故における「象の足」と化していることも考えられるが、しかし、これについても、何ら想定しようとしないのである。

 ちなみに、福島第一原発のさらに下方の地下130メートル付近には、阿武隈山系を源流とし、太平洋の沖合5~10㎞付近で合流しているとみられる、かなり大きな地下水脈が存在しており、それを考えると、「タテ方向の汚染水対策」も急務なのだが、なぜかこれもまったく触れようとしないのである。

原発再稼動を黙認・後押しする「下駄の雪」

 さて、そこで、公明党、そして、創価学会である。

 この「3・11」に合わせて、公明党は「東日本大震災から5年──。寄り添い続けた軌跡」と題する『KOMEI(公明グラフ別冊)』を刊行しているが、そこでは「震災復興のために、公明党はここまでの奮闘努力を重ねています」という自己宣伝の集積で、震災復興の根幹にある「福島第一原発の事故の真実」を追及しようという姿勢は、皆無である。

 また、創価学会だが、3月12日付の聖教新聞には、池田大作のメッセージを載せているが、「妙とは蘇生の義なり」という日蓮の御書からの引用に続けて、「いよいよ東北魂を燃やし、凱歌の人生を勝ち開いていこうではありませんか!」と結んでおり、来たる夏の参院選に向け、学会員を鼓舞していると受け止められる内容に終始しており、こっちも脱原発への言及も含め、再稼動をはじめとする原発問題には、まったく触れていない。

 公明党は、「平和の党」「福祉の党」であるとともに、最近では「環境の党」としての看板を大きな謳い文句にしている。池田大作も、東日本大震災の翌年の12年1月のSGI提言でこそ、「原発に依存しないエネルギー政策への転換を早急に検討していくべきだ」と、脱原発をにじませる発言をしたが、しかし、それ以降は、さっぱりである。『KOMEI』の中で、公明党は原発事故発生直後の民主党政権の初動対応について、「遅い、鈍い、心がない」と指摘しているが、政権与党に返り咲いた今、その批判は、モロ、自分たちに突き刺さっていることを、しっかりと知るべきだろう。

 電力会社と財界の意向を酌む安倍自民党は、なりふり構わず、原発再稼動へと舵を切っているが、公明党(=創価学会)は、それにブレーキをかけるどころか、黙認し、後押ししている有り様である。

 一連の安保関連法案の成立に全面的に手を貸していることに象徴されるように、権力の座に居続けることが自己目的化し、今や「下駄の雪」として安倍自民党に追随するだけの存在に成り下がった彼らの欺瞞と大罪こそ、我々心あるジャーナリズムは、厳しく弾劾しなければならない。(文中・敬称略)

古川利明(ふるかわ・としあき)1965年生まれ。慶応義塾大学文学部卒。毎日新聞、東京新聞(中日新聞東京本社)記者を経て、フリージャーナリスト。『システムとしての創価学会=公明党』『シンジケートとしての創価学会=公明党』『カルトとしての創価学会=池田大作』『デジタル・ヘル サイバー化監視社会の闇』『日本の裏金(上、下)』『ウラ金 権力の味』『「自民党“公明派”」10年の功罪』『「自民党“公明派”」15年目の大罪』(いずれも第三書館刊)など著書多数。

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●東日本大震災・原発事故5年の節目・

 選挙闘争を煽る「永遠の師匠」

3月8日付「聖教新聞」「東日本大震災5年福光の未来を共に第1回東北青年音楽祭」「池田SGI会長がメッセージ贈る 生命尊厳の希望の明日を」「宮城 岩手 青森 秋田 山形 福島から7000人が集う」「村井宮城県知事らも鑑賞」

「第1回『東北青年音楽祭』が6日、宮城・利府町に立つグランディ・21のセキスイハイムスーパーアリーナで意気高く開催され、東北6県から7000人が集い合った。これには池田SGI会長がメッセージを贈り、心から祝福。東北の若人が『生命尊厳の文明』の旗頭として、勝利に晴れわたる希望の明日を、不撓不屈の東北魂で開きゆけと念願した。村井嘉浩宮城県知事ら多数の来賓も参加し、東北の復興を誓う青年たちのステージを鑑賞した」

同「SGI会長のメッセージ 東北に青春凱歌は轟けり」

「世界に希望の虹を懸けゆく東北青年音楽祭の開催、おめでとう!今、私の心も、わが誉れの若き皆さんと一緒にあります。(中略)大災害の打ち続く世に『立正安国』のために戦い抜かれた日蓮大聖人が、熱い涙を流されながら、皆さん一人一人の手を取り、労い、讃えておられるでありましょう。(中略)この5年間、尊き尊き東北の友は、一日一日、その無限の生命の光を発揮してきました。そして、いやまして、東北の若人が心の財を積みながら、人類が願ってやまない『生命尊厳の文明』の旗頭となって世界をリードしてくれる未来を、私は展望しております。いな、確信しております」

3月11日付「聖教新聞」「池田SGI会長 随筆 永遠なれ創価の大城」「輝け『福光』の凱歌」「『冬は必ず春』を我らが実証 東北の負けじ魂はいよいよ厳たり」

「三月六日の日曜日、宮城・利府町の大舞台に、東北六県の若人をはじめ七千人が集い、春を呼ぶが如く第一回『東北青年音楽祭』が行われた。青年部・未来部による福光の凱歌と希望の調べ──その歓喜と感動は、私のもとまで明るく晴れ晴れと轟いてきた。皆それぞれの使命の場所で奮闘し、そして日本一の希望の拡大を見事に果たしての祭典である(中略)あらゆる苦難を変毒為薬し、大東北は勝った!(中略)

 過酷なる運命の烈風に晒された一人が、人間革命の翼を広げる英姿が、地域に社会に、どんなに勇気を贈りゆくことか。一人の『生命の宝塔』の限りない尊厳性に、万人が眼を開く。そこに『立正安国』の出発点もある」

3月12日付「聖教新聞」「311東日本大震災から5年 全犠牲者の冥福と被災地復興を祈念」「東北40会場をはじめ全国で厳粛に福光勤行会」「池田名誉会長、原田会長は総本部で」

「東日本大震災から5年──全犠牲者の冥福と被災地の復興を祈念する『福光勤行会』が11日、東北40会場をはじめ全国で行われた。池田名誉会長は総本部の創価学会第2別館でねんごろに勤行・唱題を行い、東北の同志にメッセージを送った。原田会長は、広宣会館で各部の代表と勤行」

同「名誉会著のメッセージ 妙とは蘇生の義なり 世界一の幸福勝利の春よ、来れ!」

「広宣流布と立正安国の総仕上げを担い立つ『地涌の旗頭』として、自他共に笑顔と喜びと福徳満つる天地を、断固として築き、広げていただきたいのであります。みちのくの我らは、いかなる苦難が立ちはだかろうとも、『苦楽ともに思い合せて』題目を唱え、『負けでたまっか』と、いよいよ東北魂を燃やし、凱歌の人生を勝ち開いていこうではありませんか!」

※東日本大震災・福島第一原発事故から5年の節目となった3月11日。被災地・東北を中心に各種の追悼行事が催される中で、創価学会も3月11日前後に、犠牲者の冥福や東北の復興を祈る音楽祭や勤行会を開催した。その音楽祭や勤行会には、池田大作名誉会長がメッセージを寄せている。慰霊や激励の文言が散りばめられてはいるものの、池田氏のメッセージの底意は、震災・原発事故が発生した当日にあたる3月11日開催の「福光勤行会」宛てメッセージにおける次のような一文に明白である。

「広宣流布と立正安国の総仕上げを担い立つ『地涌の旗頭』として、自他共に笑顔と喜びと福徳満つる天地を、断固として築き、広げていただきたいのであります」

すなわち来る参院選(衆参同日選挙の可能性も)の選挙闘争に、被災地・東北をはじめとする全国の学会員を動員しようということである。

 それにしても、音楽祭に東北各県の青年部員が参加したことを、「大災害の打ち続く世に『立正安国』のために戦い抜かれた日蓮大聖人が、熱い涙を流されながら、皆さん一人一人の手を取り、労い、讃えておられるでありましょう」とは、さながら「講釈師見てきたような嘘をつき」の類であり、宗教的ステージでの激励とはいえ臭気が強すぎる。

 周知のように創価学会は、会則で「日蓮大聖人」を「末法の御本仏」と位置づけているが、たぶんに理念的であり、多くの学会員にとって真に尊崇・敬愛する宗教指導者は、同じく会則で「永遠の師匠」と規定されている池田大作名誉会長にほかならない。すでに700有余年前に物故している「日蓮大聖人」よりも、現実に存在し同時性を有する池田氏に親近感を覚えるのは当然だが、創価学会では「師弟不二」という得意な宗教的理屈で、学会員に池田氏への信服随順と敬慕の念を強要しているのだから、それも当然である。

 そうであるならば、大震災・原発事故の被害にもめげずに音楽祭に集った若人を、熱い涙を流しながら、一人一人の手を取って労い、讃えるべきは、「日蓮大聖人」ではなく、生きている「永遠の師匠」の役割ではないのか。

 だが、その池田氏は東日本大震災・原発事故発生以来、一度も東北に足を運んでいない。先日、今夏の参院選で公明党候補が立つ選挙区中、最激戦区となる埼玉には、夫人とともに足を運んでいるのだから、東北に赴くことも不可能ではないはず。だが5年の節目にあたっても池田氏は東北に足を向けなかった。おそらく池田氏にとっては、東北の人々を激励するよりも、目先の参院選での埼玉選挙区の勝利の方が重要なのだろう。

 同様に池田氏は、メッセージにおいて甚大な放射能被害をもたらした原発事故についても一切触れることはなく、無視黙殺を決め込んだ。原発事故翌年の平成24年1月に発表した「SGIの日記念提言」では、「原発に依存しないエネルギー政策への転換を早急に検討していくべきだ」と訴えていたにもかかわらず、今日に至るまで池田氏は、原発の再稼働と輸出に腐心する安倍自公政権を批判することはない。原発事故から5年となる今年の「SGIの日記念提言」でも、原発問題に触れることはなかったが、いまだに福島第一原発の事故は収束のメドすら立たず、平成28年1月現在、福島県が発表した原発事故による避難者数は約10万人に及んでいる。にもかかわらず池田氏は脳天気にも「あらゆる苦難を変毒為薬し、大東北は勝った!」と宣言。参院選への闘争を煽っている。つくづく罪深い人物としかいいようがない。

●原田会長が韓国訪問

3月6日付「聖教新聞「原田会長ら韓国訪問団がソウルで李寿成元首相と会見」「元首相 不戦と人間愛の世界へ 池田先生の精神に学びたい」

「原田会長をはじめとするSGI韓国訪問団が5日、首都ソウルの韓国SGI本部を訪問。同日午後3時から同本部で韓国元首相の李寿成博士と会見し、約1時間にわたり、和やかに語り合った」「(李博士は)9912月には、東京・八王子市内で、池田SGI会長と出会いを結んだ。会見では、原田会長が、SGI会長の伝言を紹介した。SGI会長は伝言の中で、99年の出会いを述懐。李博士との有意義な語らいは、永遠の心の思い出となっているとの真情を伝えた。李博士は厚情に感謝し、『池田先生は民衆を愛し、目の前の“一人”を愛する方です。今の指導者たちが、先生の対話の精神に学べば、不戦と人間愛の世界を築くことができるでしょう』と強調した。(中略)原田会長は、李博士の韓国SGIに対する深い理解に感謝しつつ、今後も韓国の方々と、これまで以上に交流と友好を深めながら、確かな平和建設の歩みを進めていきたいと述べた」

3月7日付「聖教新聞」「韓国人口1300万人最大の行政区域京畿道から池田SGI会長に名誉道民証」「知事 対話の力で世界平和に貢献」

「韓国最大の行政区域である京畿道から、池田SGI会長に『名誉道民証』が授与された。対話による世界平和の建設と、文化・芸術振興への多大な貢献を讃えたもの。授与式は6日、首都ソウルにある韓国SGIの池田記念講堂で盛大に挙行され、京畿道の南景弼知事から、訪韓中の原田会長に『名誉道民証』が代理授与された。式典には元駐日大使の権哲賢氏、京畿文化財団の趙昌煕代表理事が来賓として出席」

3月9日付「聖教新聞」「316『広宣流布記念の日』を祝賀」「韓国躍動の全国幹部会 原田会長ら訪韓団が出席 ソウルの池田記念講堂で」

316『広宣流布記念の日』を祝賀する韓国SGIの全国幹部会が6日午後首都ソウルの池田記念講堂で盛大に行われた。これには、原田会長、笠貫SGI女性部長ら韓国訪問団が出席。池田SGI会長がメッセージを寄せ、韓国広布の躍進を心から祝福した。会場には、全土から3400人の代表が集い、金仁洙理事長、金殷瀾婦人部長らとともに、学会創立100周年の2030年へ、誓い新たに出発した。会合の模様は、同国内192会場に同時中継され、約4万人の同志が参加した」

「SGI会長は、見事な大発展を遂げた韓国の友を心から励まし、『今や、全世界が模範と仰ぐ、SGIの希望のトップランナーであります』とたたえた。そして、戸田第2代会長が平和と安穏と幸福を願った韓国の地で、『我らこそ「世界平和の柱」なり。「人間教育の眼目」なり。「民衆文化の大船」なりとの誇りも高く、自らの国土の広布をさらに進めていってください』と念願した」

3月10日付「聖教新聞」「原田会長慶南大学朴総長と会見」

「原田会長らSGI韓国訪問団は7日午後、韓国・慶南大学の朴在圭総長と会見。ソウルにある、同総長が創立した北韓大学院大学で和やかに語り合った」

※創価学会の原田稔会長が、3月初旬、韓国を訪問し、韓国SGIの幹部会等に出席するとともに、李元首相などとも会談した。突然の韓国訪問だが、原田会長は、一昨年来、インド、ヨーロッパと世界各地に足を運び、SGI組織への梃入れを図っているだけに、SGIの中で最大の教勢を誇る韓国SGIへの訪問は不思議ではない。

 原田会長・谷川佳樹主任副会長を中心とする現・創価学会執行部は、一昨年来、会則を変更し、本尊・教義の改変に着手するなど、創価学会の体制変革に腐心しているが、そうした変革の一環として、現在、任意団体として各国の組織に一部、自主的な運営が許されているSGI組織の中央集権化も図られているという。

 特に韓国は、第一次・第二次の日蓮正宗と創価学会の対立・紛争の過程で、組織が四分五裂。また韓国SGI内部での権力闘争・内部抗争も日常茶飯と伝えられる。それだけに早急なテコ入れの必要性に迫られていたと見られている。突然の韓国訪問の裏にはなにがあるのか、詳しくは本誌今号のトピックスをご参照ください。

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3月号目次

月号目次

閻魔帳

高市総務相の「放送波停止」発言は無謀川﨑泰資

特集稀代のトンデモ本・佐藤優著『創価学会を語る』を裁く

「言論人としての死」に値する佐藤優の「創価学会=池田大作」へのゴマスリ/古川利明

「前提」つけた議論の展開 都合の悪い事実は隠蔽・改竄柿田睦夫

売れ筋著作『創価学会を語る』の読後感段 勲

フランス人もびっくりの佐藤優著・池田大作礼讃本/広岡裕児

「外務省のラスプーチン」に手玉にとられる創価学会/乙骨正生

信濃町探偵団──創価学会最新動向

トピックス

民主・社民は柴田未来氏(石川選挙区)への推薦を取り消すべき/藤倉善郎

執筆者紹介 バックナンバー一覧 編集後記

編集後記から

 平成14年3月1日号を創刊号とする小誌は、読者の皆様のおかげをもちまして今号をもって創刊満14年を迎えました。通巻号数は242号、あらためてご購読に感謝申し上げます。

 創刊号の奥付にもあるとおり、少誌発刊の動機は、創価学会を母体とする公明党が、平成1110月に自民党との連立政権に参画したことにあります。

 すでにたびたび紹介しているところですが、昭和44年から45年にかけて創価学会・公明党による言論出版妨害の対象となった『創価学会を斬る』の中で、著者の藤原弘達氏は、創価学会・公明党という宗教的ファッショと自民党の中の右翼ファシズム的要素が癒着・結合した場合、日本の議会制民主主義は終わりになると、その危険性に警鐘を鳴らしました。残念ながら今日の日本の政治状況は、まさに藤原氏の予測通りになってきています。

 一昨年から昨年にかけて、多くの国民の反対の声を無視して集団的自衛権の行使容認、安保関連法案の成立を図った安倍首相は、今夏の参院選で自公両党とおおさか維新の会などの改憲勢力で3分の2の議席を確保し、悲願の改憲に突き進もうとしています。そのために安倍政権は、自らにとって不都合な報道を規制するために、放送法を恣意的に解釈しての電波停止に言及。マス・メディアへの圧力を強めています。

 そして安倍政権を支える創価学会・公明党は、集団的自衛権の行使容認・安保関連法案への賛成や、本尊・教義の変更についての内外の批判をかわし、組織の求心力を高めるために、いま、元外務省の主任分析官で作家の佐藤優氏の著作物を教材にしての理論武装をはかり、レーゾンデートル崩壊の危機を乗り越えようと腐心しています。

「創価学会は日本発の初めての世界三大宗教になる」「創価学会は公明党首班政権をめざすべき」と、その内容は驚くべきものばかり。詳しくは特集記事をご参照ください。

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特集

特集稀代のトンデモ本・佐藤優著『創価学会を語る』を裁く

「前提」つけた議論の展開 都合の悪い事実は隠蔽・改竄

柿田睦夫

ジャーナリスト

すり替え、レッテル貼りの論法

 正木正明理事長(法人代表役員)を事実上失脚させて実権を掌握した創価学会執行部は昨年11月、創価学会会則の前文を大幅に変更した。

「池田先生は、仏教史上初めて世界広宣流布の大道を開かれた」

「創価学会の本地と使命を『日蓮世界宗創価学会』と揮毫されて、創価学会が日蓮大聖人の仏法を唯一世界に広宣流布しゆく仏意仏勅の教団であることを明示された」

「信濃町を『世界本部』とする壮大な構想を示され、その実現を代々の会長を中心とする世界の弟子に託された」

「託された」で前文を締めくくるのは、池田大作氏はすでに過去の人という扱いなのかと思ってしまうが、そんな池田氏と創価学会に最大級の賛辞を贈る人がいる。

「創価学会は、これから日本発の初めての世界宗教になっていきます。将来、世界の三大宗教はキリスト教、イスラム教、創価学会になるでしょう」

「池田先生が悟りを開いているのは、信仰を異にする私でさえわかります。客観的に見て、そうとしかいいようがない。これまで成し遂げたこと、これから成し遂げつつあること、立ち居振る舞いに至るまで、すべてが悟りの客観的証明です」

 佐藤優氏。同志社大学大学院神学研究科終了の元外務省職員。本書『創価学会を語る』の対談相手である創価大学出身の元日蓮正宗僧侶・松岡幹夫東日本国際大学教授によれば、「宗教的な視点で社会の動きをとらえることのできる、日本でただ一人の有識者」なのだそうだ。

 ともかく、本書を読み進めるうちに、不思議な錯覚にとらわれてきた。

「自分はいま、聖教新聞を読んでいるのではないか」

 池田氏をひたすら讃え、創価学会の過去と現在を正当化するということだけではない。その語り口や切り口、論理の組み立てと展開の方法が聖教新聞にそっくりなのだ。すり替え、レッテル貼り、事実と歴史の隠蔽・改竄……。そんな言葉がピッタリだからなのである。

「すべての思想信条も広義の宗教としてとらえた場合、どの宗教が社会を健全化し、どの宗教が社会をダメにするかは、おのずと明らかだ」

「その前提を認めている人々の間では、絶対に正しい」

 本書にはこのような論法が頻繁に出てくる。まず前提を設定し、そのうえで都合よく論を進める。この手法は、「マハーヤーナの立場にたった場合……」というオウム真理教教祖の説法によく似ている。

 都合のよい前提をつくれば、必然的に都合の悪い事実が隠蔽、改竄される。1969(昭和44)年に発覚した言論出版妨害事件(本書では「言論問題」)もこの手法で語られる。

 あれは「言論妨害」ではなく「要望」したにすぎなかった、と本書の対談者は語る。藤原弘達氏の『創価学会を斬る』は事実無根の中傷であり「選挙妨害目的の出版であることが明白だった」からだという。

「そもそも創価学会は民間団体であって国家機関ではないのですから、『言論弾圧』には当たらないでしょう。……自分たちに対する誹謗中傷を書き連ねた書物が刊行されると予告されたとき、『やめてくれ』と要望を伝えることは間違いでしょうか?」

 それが選挙妨害目的だという前提をつくる。そのうえで「組織的に圧力をかけた」ことが「仮にすべて事実だったとしても、非合法なことは何一つしていない」と論を展開する。あげくには「言論妨害」が「言論弾圧」にすり替わってしまう。

 あのときは、竹入義勝公明党委員長に頼まれて自民党の田中角栄幹事長が出版差し止めの工作に動いている。政権党のトップまで動いたという事実を「国家機関ではないのだから」にすり替えてはいけないのだ。

「天才的」な世間欺き戦術

 どういう手段で出版前に本の内容を知り得たのかも伏せられている。入手過程で「非合法」な手段はなかったかどうか、本の内容のどこがどういけないのかという具体的検証も本書にはない。すべて「誹謗中傷」という前提のうえで論じているのである。

 藤原氏の著書は著者名も出版社も明記し、正式な販売ルートにのったものだ。一方、2000(平成12)年の総選挙前には全国の7ブロックで民主党や共産党を攻撃する出所不明の文書(「東京フォーラム」「ディスカス」など)が大量に出回った。その後の調べで、すべて公明党元議員らが発行していたことが判明した。03(平成15)年の選挙前には創価学会の男子部幹部ライターがペンネームで書き、学会地域幹部が出版元となった『北朝鮮問題と日本共産党の罪』が、大規模に中吊り広告された。「誹謗中傷」とはこうしたものをいうのだ。

 言論出版妨害事件は池田氏の「お詫び講演」で終息に向かった。池田氏は70(昭和45)年5月3日の創価学会本部総会で「今後は、二度と、同じ轍を踏んではならぬと猛省したいのであります。……関係者をはじめ、国民の皆さんに多大のご迷惑をおかけしたことを率直におわび申し上げる」(聖教新聞同年5月4日付)と全面的に謝罪した。

 ところが本書の対談者(佐藤氏)はこれを「戦術的退却」だったと総括する。

「池田会長はあのとき謝罪せず(批判を)突っぱねることもできたでしょう。しかし、そうしなかった。学会批判の激しい嵐のなかでは、戦術的退却をせざるを得なかったのです。……そのあたりが、池田会長の組織運営の天才的なところですね」

 池田氏の「猛省」は世間を欺く天才的な戦術だったと讃えるのだ。語るに落ちるとはこのことだろう。

「天才的戦術的退却」の裏で、創価学会は密かに言論出版妨害事件を国会で厳しく批判した日本共産党の宮本顕治委員長宅の電話を盗聴していた(70年5月~7月)。本書の対談者はいっさいこれには触れていない。

 すべてを山崎正友元創価学会顧問弁護士らの個人的犯罪にして学会史から消し去るつもりかもしれない。だが東京高裁判決(88年4月)はこれを創価学会の組織的犯行だと認定している。

「本件電話盗聴を北条に諮ったうえ、北条の了解を得、資金提供を受けたとの山崎供述は、これを信用することができる」

 北条とは裁判当時の北條浩創価学会会長。犯行時には副会長で公明党参議院議員だった。この判決は被告側=創価学会側の上告取り下げにより確定判決となっている。そして何より、池田氏は盗聴責任者の山崎氏に「四面楚歌 君がおわせば王の道」の自筆色紙を贈っているのだ。

池田礼讃のあまり支離滅裂に

 都合のよい前提をつけ、都合の悪い事実は抹消するという論法はしかし、とんでもない落とし穴にはまることがある。

「池田大作氏に対して偏見を抱いてしまうと、創価学会を正しく理解することは不可能になってしまいます」

 池田・学会批判は「偏見」に基づくという前提のうえでこんな展開をする。

「(私=佐藤は)『創価学会の活動のすべてが池田大作という名前と結びついている』と書きました。つまり、池田会長のことを論じずして、学会は語れないのです」

 たとえば「さまざまな立場の学会員がどこでどんな行動をとっても、無意識のうちに平和の方向に進んでしまうようになっている」。それは「個々の学会員の平和主義は、三代会長の師弟関係に淵源を持っている」からだという。

 ここまでは本書の前半部分。ところが後半部分では新たな展開となる。昨年、安保関連法案に反対の声をあげた学会員についての部分である。

「学会員が、平和安全法制反対デモに参加するのも自由でしょう。しかし、その際に『池田先生のお心に反しているから反対だ』という言い方をしてしまうと(宗教的分派活動になりかねず)学会組織としては容認できないのは当然だと思います。『私は反対だ』というのは自由だけれど、『池田先生』を主語にして語るのはよくない」

 前段では池田氏の平和主義が学会員に浸透しているといい、後段では池田氏の教えを行動の理由にしてはいけないとなる。池田礼賛の前提に縛られたあげく、支離滅裂の議論に落ちてしまうのだ。

柿田睦夫(かきた・むつお)フリージャーナリスト。1944年生まれ。業界紙記者などを経て1979年から「しんぶん赤旗」社会部記者。退「現代こころ模様」シリーズなどで「宗教と社会」の関わりを取材。葬儀や戦後遺族行政に関わるレポートも多い。『霊・超能力と自己啓発─手さぐりする青年たち』(新日本新書、共著)『統一協会─集団結婚の裏側』(かもがわ出版)『現代葬儀考─お葬式とお墓はだれのため?』(新日本出版社)『宗教のないお葬式』(文理閣、共著)『これからの「お墓」選び』(新日本出版社)『自己啓発セミナー─「こころの商品化」の最前線』(新日本新書)『現代こころ模様─エホバの証人、ヤマギシ会に見る』(新日本新書)など著書多数。

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●選挙闘争煽る創価学会・公明党支持は銭勘定なのか

1月29日付「聖教新聞」「勇気凛々と勝ち進め」「原田会長とともに愛知が誓いの大会」

「原田会長は、御聖訓『異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉る処を生死一大事の血脈とは云うなり』を拝読し、目覚しい各国SGIの大発展の要諦も信心の団結にあると強調。全世界の同志と共に偉大な広宣流布の実証をと念願した」

2月4日付「聖教新聞」「池田SGI会長 随筆 永遠なれ 創価の大城」「勇気凛々 2月を先駆」

「東にあって『先駆』の気概に燃える天地が、関東であり、埼玉である。埼玉といえば、戸田先生の事業が最悪の状態にあった時、先生と訪れ、苦境の打開へ奔走した思い出がある。恩知らずの弟子が次々と去っていく中で一人、懸命に支え、お守りしていた時期だ。『必ず創価の春を勝ち開いてみせます!』。私は師に誓い、猛然と祈り抜き、阿修羅の如く戦い抜いた。先月、私は妻と共に、幾重にも懐かしき埼玉の文化会館を訪問した。埼玉そして関東の同志は今、三月の本部幹部会に向け、『わが地域の新時代を開こう』と、まさに先駆の心で『広布拡大』『対話拡大』に勇んで挑戦してくれている」

2月8日付「聖教新聞」「兵庫で新時代第8回全国男子部幹部会」「SGI会長がメッセージ 原田会長が代表と出席」

「SGI会長のメッセージ 『兵庫』とは、無敵の『法華経の兵法』の力みなぎる『人材の宝庫』です。君たち一人一人が、『正しい仏法が最後は必ず勝つ』という信念で、職場でも地域社会でも、堂々たる勝利者となってもらいたい。そして、あらゆる困難に打ち勝って、広宣流布のため、立正安国のために、正義のスクラムを、断じて広げていっていただきたいのであります」

2月10日付「聖教新聞」「対話の春呼ぶ座談会 原田会長は埼玉・川口へ」

2月11日付「聖教新聞」「大歓喜の座談会 原田会長は神奈川横浜へ」

2月27日付「聖教新聞」「総本部で中央社会協議会 参院選比例区公明党支持を決定」

「創価学会の『中央社会協議会』(原田光治主任副会長)が26日、信濃町の学会本部別館で開催された。ここでは、公明党から寄せられた今夏の第24回参院選比例区への支持依頼について検討・協議を行った。

 協議会では、公明党は、①政治を安定させる連立与党の要であり、『経済再生と中小企業や家計まで届く景気回復』『東日本大震災からの復興』『持続可能な社会保障制度』など日本が直面する諸課題を打開するために欠かせない存在である②『軽減税率の導入』『携帯電話料金の引き下げ』『高額療養費の負担軽減』『雇用や子育て支援といった青年政策』など、生活者目線に立ったきめ細かい政策を実現している③次期参院選に向け、『良識の府』である参議院にふさわしい、見識と人格を兼ね備えた、実力ある公認候補として擁立したことなど、党の基本姿勢と行動を評価。同党のさらなる努力に期待し、支持を決定した。同日、公明党の山口那津男代表に通知した」

同「聖教新聞」「心軽やかに仏縁を拡大」「原田会長を中心に全国総県長会議」

「全国総県長会議が26日午後、新宿区の金舞会館で開かれた。これには池田SGI会長が伝言を贈り、『彼等は野干のほうるなり日蓮が一門は獅子の吼るなり』の御文を拝読。獅子となって戦い、獅子となって走り、獅子となって吠え、獅子となって勝ちまくろうと力説した。(中略)原田会長は、幹部率先の迅速で誠実な行動こそが、拡大の要諦であると強調。満々たる生命力と確信の声で、対話を広げようと呼びかけた」

2月28日付「聖教新聞」「大晴天の埼玉文化会館で世界広布新時代第16回本部幹部会 全国壮年部幹部会」「対話の春へ!民衆勝利の歌声高く」「SGI会長が和歌とメッセージ」「『敢闘精神』で勝つ 埼玉 千葉 茨城 群馬 栃木の友」

「(SGI会長のメッセージ)この1月、幾重にも思いで深き埼玉文化会館を、妻と訪問できました。皆の真心で荘厳された創価の会館は、それぞれの国土を勝ち栄えさせてゆく、友情と和楽の城であり、哲学と文化の城です。安穏と福運の城であり、正義と人材の城です。本日は、『広布の旗』翻る、愛する埼玉の法城に、大関東をはじめ、日本全国と世界の異体同心の友が集い合いました。私と妻の心は、きょうも、ここ埼玉文化会館にあります。(中略)(戸田会長は語った)我らは、地涌の菩薩として、どこまでも共々に、娑婆世界で立正安国を推し進め、一閻浮提の広宣流布を成し遂げていくのだ、と──立正安国のために、勇気を出して『一人』と語り合う地道な対話が、どれほど深く幸福の仏縁を結ぶか」

2月29日付「聖教新聞」「共戦の神奈川 原田会長が本部長会へ」 

「師弟共戦の誓いに燃える神奈川の本部長会が28日、横浜市鶴見区の神奈川池田記念講堂で盛大に行われた。(中略)原田会長は、『“私の勝利が広宣流布を開く”との確信のままに、勇気の対話、真心の励ましで目の前の一人を味方に』と呼び掛けた」

※創価学会が、7月に実施される予定の参院選に向けての選挙闘争を煽りに煽っている。かつて原田稔会長が「大将軍」と形容した池田大作名誉会長は、1月20日に、公明党候補を擁立する選挙区の中で最激戦区と目されている埼玉にわざわざ足を運び、必勝を檄したが、その後、創価学会が本部幹部会を埼玉で開催したのも、埼玉選挙区へのテコ入れにほかならない。同様に全国男子部幹部会を兵庫で開催したのも、一票の格差是正で議席増となった兵庫に、今回、久かたぶりに候補を擁立するからである。

 ところで、2月26日に創価学会は、中央社会協議会を開催し、参院選で公明党の比例区候補を支持することを決定した。27日付「聖教新聞」はその理由を詳報しているが、今夏の参院選の最大の争点は、憲法改正問題であるにもかかわらず、創価学会は、この国の行く末を左右する改憲問題には触れることなく、軽減税率だの、携帯電話料金の引き下げなどを理由に、公明党候補の支持を決めたことが分かる。

 3月1日の衆院予算委員会で安倍首相は、集団的自衛権の行使を限定的なものではなく全面的なものとするために憲法を改正する意思を表明。参院選の勝利を経て具体的に改憲に着手する意向を示した。改憲発議に必要な衆参両院での3分の2の議席の員数には、当然、公明党も含まれている。だが、改憲に前のめりの安倍首相の姿勢に多くの国民が危惧しているにもかかわらず、創価学会は、言っちゃあ悪いが目先の銭勘定を毛鉤・撒き餌にして、会員を欺罔し、立正安国を旗印とした選挙闘争に駆り出す腹積もりのようだ。

 創価学会はつねづね、戸田城聖会長が「青年よ、心して政治を監視せよ」と語ったことを、創価学会の政治参画の重要な動機のひとつとだと喧伝している。額面どおりの政治を監視するまっとうな宗教団体であるなら、なにを差し置いても平和と人権尊重を高らかに謳う日本国憲法の改正問題を支持・不支持の要件とするだろう。なんとまあ破廉恥で罪深い宗教政治集団であることか。

●健在誇示と宣揚=池田父子をアピール

1月31日付「聖教新聞」「キューバ首都ハバナで国際会議」「池田SGI会長が連帯のメッセージ」「人間の尊厳を文明の指標に」

「キューバ共和国の国民的英雄ホセ・マルティの生誕163周年を記念する第2回国際会議『すべての人々とともに、すべての人々のために』が25日から28日まで、首都ハバナの国際会議場で盛大に開催された──28日に執り行なわれた閉会式には、池田博正SGI副会長を団長とするSGI中南米訪問団が列席した」

2月2日付「聖教新聞」「キューバ ホセ・マルティ文化協会からSGI会長に『美徳の有効性』賞」「平和と人権擁護の闘争讃え」

「キューバ共和国の『ホセ・マルティ文化協会』から、池田SGI会長に同協会の最高位の顕彰である『美徳の有効性』賞が贈られた。これは、世界平和の足跡とキューバ共和国の基本理念の推進・普及への多大な貢献を讃えたもの。代理の池田博正SGI副会長に証書が手渡された」

2月3日付「聖教新聞」「SGI中米訪問団 キューバ プリエート国家評議会議長補佐官と会見」

「SGI中米訪問団の池田博正SGI副会長一行が1月29日、キューバの元文科大臣であるアベル・プリエート国家評議会議長補佐官とハバナの国際会議場で会見した」

2月4日付「聖教新聞」「池田SGI会長 随筆 永遠なれ 創価の大城」「勇気凛々 2月を先駆」「創価の師弟は言論戦で勝ってきた。同志よ、共に獅子吼をとペンを執る(先月20日、埼玉文化会館で)

2月17日付「聖教新聞」「日蓮大聖人の御生誕日を慶祝」「池田SGI会長は創価学会第2別館、原田会長は広宣会館で」

「2月16日は『日蓮大聖人御生誕の日』。(中略)池田SGI会長は16日、創価学会第2別館(東京・新宿区)で各部の代表と勤行・唱題を。御本仏の末法御出現を寿ぎ、一切衆生を救済せんとする大慈悲と、不惜身命に尽くされた崇高なご生涯を偲んだ。また同日、首都圏の代表による勤行会が信濃町の広宣会館で開催された。原田会長は、広宣流布の大願に生き抜かれた大聖人の精神を厳然と世界に宣揚したのが、創価の三代会長であると強調。SGI会長のもと、あらゆる正義の闘争に勝ち抜き、世界広布新時代の拡大にまい進しようと呼び掛けた」

2月24日付「聖教新聞」「アラブ首長国連邦ドバイ政府 SGI会長に『平和詩人』称号」「現地で授与式 池田博正SGI副会長が代理受章」

「アラブ首長国連邦のドバイ首長国政府は22日、創作活動を通じて世界平和に貢献したとして、池田SGI会長に『平和詩人』称号を授与した。『平和詩人』称号は、ドバイ政府による『世界平和賞』の一環。今回創設され、SGI会長のほか、エジプト、インド、UAEの詩人3人に与えられた。現地で行われた授与式には、池田博正SGI副会長が代理で出席。記念の盾が贈られ、謝辞を代読した」

2月7日付「聖教新聞」「ドバイの文化保護団体池田SGI副会長が訪問」

「池田博正SGI副会長を中心とした訪問団は23日、アラブ首長国連邦・ドバイの『ジュマ・アール・マジッド遺産文化センター』を訪れ、同センター内の図書館や諸施設を視察した」

※2月27日に埼玉県で開催された創価学会の本部幹部会に寄せたメッセージで、池田名誉会長は、1月に夫妻で埼玉を訪問したことに言及した後、「私と妻の心は、きょうも、ここ埼玉文化会館にあります」と書いている。これに先立つ2月4日付「聖教新聞」掲載の「随筆」でも、池田氏は埼玉訪問に言及し、選挙闘争を煽っているが、その記事に添えられた池田夫妻の写真─埼玉文化会館で椅子に座り机に向かってペンを握っている池田氏と、横に立つ香峯子夫人の写真─には、「創価の師弟は言論戦で勝ってきた。同志よ、共に獅子吼をとペンを執る(先月20日、埼玉文化会館で)」とのキャプションがつけられていた。夫妻でわざわざ埼玉まで足を運び、机に向かってペンを執る元気があるのであれば、労力は同じなのだから、本部幹部会に顔を出せばいい。「私と妻の心」ではく、肉体を皆の前に見せるべきでは。

 そしてキューバにドバイにと、池田SGI会長の名代として、世界を駆け巡る池田博正SGI副会長。父親の権威を維持するためとはいえ、ご苦労なことだ。

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2月号目次

 

閻魔帳

創価学会「大特集」に欠落しているもの柿田睦夫

特集マンネリ「SGIの日記念提言」の厚顔無恥

相変わらず「目の前の喫緊の問題」から逃げ続ける池田SGI提言の欺瞞/古川利明

いつまで続く「SGI記念提言」段 勲

“二枚舌パンチ”のみ鮮やかで中身はスカスカの記念提言/野田峯雄

信濃町探偵団─新年拡大版/乙骨正生

トピックス

信者の元夫が勝訴! 統一教会(家庭連合)の組織的不法行為を司法が認定/鈴木エイト

トピックス

政局流動・国会冒頭から「挑戦」乱発の安倍首相、身内からも不満/植田龍一

連載

ヨーロッパ・カルト事情218

フランス政府の過激化予防対策広岡裕児

執筆者紹介 バックナンバー一覧 編集後記

編集後記から

 今年の1月2日に米寿を迎えた池田大作創価学会名誉会長が、1月2627の両日、「聖教新聞」に、恒例の「SGIの日記念提言」なる重厚長大な論文を発表しました。その内容については、小誌本号の各特集記事をご参照いただくとして、本欄では、過去の提言では、「日本のとるべき道として、原子力発電に依存しないエネルギー政策への転換を早急に検討していくべきです」(平成24年第37回)、「2030年までに世界の軍事費の半減を」(平成25年第38回)と主張していたことを指摘しておきましょう。

 来年度予算案での日本の防衛費=軍事費は5兆円を突破。安倍自公政権の下で、毎年、防衛費は着実に増大を続けています。また、安倍自公政権は、安定的なエネルギーの確保と世界でもっとも厳しい安全基準を名目に、次々と原発の再稼働を是認。同時に、世界に向けての原発輸出を推進していますが、公明党はこうした動きにまったくブレーキをかけていません。

 その自公政権を下支えする創価学会は、年初から今夏の参院選に向けた選挙態勢に突入。1月20日には池田氏が、公明党が選挙区に候補を擁立し、激戦が予想される埼玉選挙区内の創価学会の中心施設である埼玉文化会館に、わざわざ出向き、「大埼玉が立てば……日本が変わる」と、埼玉選挙区での必勝を檄しました。

 集団的自衛権の行使容認から安保関連法案の強行採決と、「平和の党」公明党の馬脚が露呈。同時に、創価学会の平和主義や反国家主義の欺瞞も露呈した今日、創価学会は組織防衛のために、自公連立政権にしがみつこうと、懸命に集票力の維持を図ろうとしているのです。

 健康状態に問題がある池田氏に、わざわざ埼玉まで足を運ばせたのは、池田氏の権威・カリスマを借りて会員を選挙逃走に駆り立てようとの必死の思いなのでしょう。しかし9年前の参院選では、「大将軍」池田氏が選挙闘争の陣頭指揮を執りましたが、結果は惨敗。当時の「聖教新聞」には、青年部が4代・5代・6代会長を悪し様に罵る記事が掲載されました。今回ははたしてどうなることやら。選挙結果が注目されます。

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