8月号目次

月号目次

 

閻魔帳

「加計ありき」疑惑、安倍に逃げ道なし/川﨑泰資

 

特集深刻化する宗教と政治の混迷と混乱

 

都議選結果から見える「安倍1弱」の出現と「コウモリ飛行」の再開/古川利明

都議選・幸福の科学と都民ファーストの“カルト問題”/藤倉善郎

また明らかとなった自民党と旧統一教会の関係 自民党は旧統一教会を支持母体として認めるのか/鈴木エイト

都議選総括─創価学会・公明党の「全員当選」がもたらしたもの/段 勲

選挙闘争の切り札は「陰徳陽報の大功徳」──勢力後退をごまかす姑息な選挙戦術/乙骨正生

 

トピックス

秒読み「政権崩壊」 依怙贔屓で行政を歪めた安倍内閣/森 功

連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

新・現代の眼(第12回)

忠義の末期

菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情233

医療におけるセクト(有害カルト)的逸脱広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

 

 

 

編集後記から

 小誌の発行日は毎月10日です。日本の文芸誌の代表である「文藝春秋」と同じ発行日であることはおこがましく、少々気恥ずかしいのですが、発行日を10日としたのは前月に発生した事件や事象を網羅することができるとの考えに基づいています。

 しかしそれゆえに毎号の締め切りは月末となり、月初に生じる事件や事象への対応は遅れることになります。今年最大の政治決戦と位置づけられた東京都議会議員選挙の投開票は7月2日。本来であれば7月号で対応したかったところですが、残念ながら1カ月遅れの特集記事となりました。もっとも時間的余裕は、多角的な検証を可能にしてくれます。一般紙誌とは一味違った特集記事を、是非、ご一読ください。

 7月18日、聖路加国際病院名誉院長である日野原重明氏が105歳で逝去されました。従来は成人病といわれていた各種の疾病を生活習慣病という呼称へと変えた人としても知られており、予防医学への貢献から2005年には文化勲章も受賞されています。

 その日野原氏は、30年前の1987年から全国各地の小学校を訪問し、子供たちに平和や命の大切さを訴える「いのちの授業」を100歳を超えるまで続けられており、戦後70年の節目の年に上梓した『戦争といのちと聖路加国際病院ものがたり』の出版会見では、「武器には武器、暴力には暴力で応じる悪循環を断ち切り、戦争ではなく話し合いで物事を解決する、根強い精神が必要」だと訴えられていました。

 その日野原氏と比較するのもおこがましいですが、日本には、世界各国の政治的指導者や識者と、世界平和に向けた「対話」を繰り返してきたことを自慢する核廃絶論者だという(よわい)89の老人がいます。

 もっともこの人物は、日野原氏とは異なり、7年もの間、人前にはいっさい姿を見せず、自分を「永遠の師匠」と崇め奉る宗教団体の機関紙にコメントやメッセージを載せるのみ。そしてこの人物が創立した政党は、いま政権与党の一角を占めていますが、日本政府が核兵器禁止条約交渉に反対し交渉会議を欠席しても、この人物は政府に抗議することも、政党を叱責することもありません。

 先日の都議選でこの人物が創立した政党は、宗教団体の熾烈な選挙闘争の結果、全員当選を果たしました。今後、一強だった安倍政権の支持率が低下する中で、この宗教団体の政治的影響力が拡大することも懸念されます。それだけに小誌は、今後とも厳しく宗教と政治、宗教と社会の諸問題に取り組んでいく所存です。

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特集深刻化する宗教と政治の混迷と混乱

 

選挙闘争の切り札は「陰徳陽報の大功徳」──勢力後退をごまかす姑息な選挙戦術

乙骨正生

ジャーナリスト

 

 

選挙結果に欣喜雀躍する創価学会

「立正安国の大連帯の構築」「創価学会の永遠性確立のための闘争」「池田大作先生の総仕上げの闘争」──創価学会が今夏の東京都議会議員選挙で、全国の会員を選挙闘争に駆り立てるために用いたフレーズである。

 東京都民が住民自治を実現するための選挙を、宗教団体の保身と延命に利用し、都民以外の会員を選挙闘争に駆り立てることは、地方自治と民主主義への冒瀆だが、馬耳東風の創価学会はそうした批判を一顧だにせず、冒頭紹介の宗教的フレーズをくり返し、なりふり構わぬ熾烈な選挙闘争を展開した。

 その結果、公明党は候補者23人が全員当選。また公明党と連携した都民ファーストの会が躍進する一方で、公明党が縁切りした自民党が惨敗したことは、選挙における創価学会の存在感を際立たせたことから、いま創価学会は都議選の結果に欣喜雀躍している。

 その一例として、投開票から6日後の7月8日開催の本部幹部会における原田稔会長発言を紹介しよう。ここで原田氏は、都議選の結果を「信心の凱歌」と形容。創価学会の宗教的勝利である旨、強調しつつ、全国の会員の献身的支援に次のように感謝の意を表した。

「東京都議選の大勝利、大変におめでとうございます。新党の突風が吹き荒れた今回の都議選で、公明党は、初挑戦や定数減の選挙区を抱え、候補の世代交代も重なり、極めて厳しい戦いを強いられました。

 しかも投票率が大幅に上昇する中、公明党候補は総得票数で前回を10万票近く上回り、実に7回連続となる、見事な全員当選の完勝を果たすことができました。これもひとえに、全国の同志による献身的な取り組みのたまものであり、『異体同心の団結』の結晶であります。そして何より『不二の師弟の凱歌』であり、『一人一人の信心の凱歌』であります。心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました」(7月14日付「聖教新聞」)

 その上で原田氏は、選挙結果により公明党の存在感が増すと強調。創価学会が政治的にも勝利したとアピールしている。

「都議会第2党を維持した公明党を、新聞各紙も『存在感が増すのは間違いない』などと論評。中央大学の佐々木信夫教授が『公明党は、都議会で中軸政党の役割を期待されることになる。つまり、単なるキャスティングボート(政策の決定権)ではなく、責任政党として真ん中に座る主軸の役割だ』と指摘する通り、公明党の役割は、一段と重要性を増しております。

 今回の勝利で、東京のみならず、日本の政治を支え、社会の安定を守り抜いているのは公明党であると、日本社会に広く証明することになりました」(同)

 たしかに今回の都議選において、公明党が選挙協力を結んだ小池百合子都知事率いる都民ファーストの会は、55議席(追加公認6)を獲得したものの、定数127の過半数64議席に届かなかったことから、公明党が都議会のキャスティングボートを握るのみならず、知事与党として都政に多大な影響力を持つこととなった。

 また自民党が57議席から23議席(選挙後1人が離脱し22議席に)へと歴史的惨敗を喫し、第3党へと転落したことも創価学会の政治的影響力と存在感を高めるものとなった。というのも、今年3月、安倍晋三首相は、都議会公明党が1979(昭和54)年以来、約40年にわたって連携し、都政・都議会を壟断してきた都議会自民党と手を切り、都民に人気がある小池知事にすり寄ったことを受けて、「公明党抜きの単独で勝利するいい機会だ」と発言。二階俊博自民党幹事長も「自民党の底力を見せ、今までにない選挙をやる。公明党がなくても勝ち抜く」と豪語していたにもかかわらず惨敗したからだ。

 これによって自民党は、創価学会の支援なくしては選挙に勝利することが難しいという政治的現実が再確認されただけに、今後、国政選挙をはじめとする各種選挙での自民党の創価学会依存度は、高まりこそすれ弱まることはないだろう。実際、安倍首相は8月3日の内閣改造を前に公明党の閣僚ポストを一つ増やすことを打診したと報じられている。

「週刊文春」7月20日号には、「創価学会中枢幹部が都議選大惨敗に『ざまあみろ』」との見出しで、創価学会の中枢幹部が都議選での自民党の惨敗を喜んでいるとの記事が載ったが、安倍一強体制下で“生命維持装置”である創価学会のありがたみに鈍感になっていた自民党に、あらためて“生命維持装置”の重要性を再確認させることができたという意味でも、今回の選挙結果は、創価学会にとって「大勝利」ということなのだろう。

 

「全員当選・完勝」の裏にある退潮の実態

 もっとも都議選における公明党の得票数を仔細に分析すると、政治的地歩を固めることはできたのかもしれないが、結果は原田会長が「公明党候補は総得票数で前回を10万票近く上回り、実に7回連続となる、見事な全員当選の完勝」と大言するほどのものではなく、後退・低下する組織力・活動力を、全国動員に象徴される熾烈な選挙闘争や、都議会自民党と手を切って、小池都知事にすり寄りイメージアップを図るなどの狡猾な選挙戦術によって、ようやく糊塗している実態が浮き彫りとなる。

 そもそも都議会における公明党の最大獲得議席数は1985(昭和60)年選挙の29議席であり、その後、262524議席と1議席ずつ減らし、2001(平成13)年選挙から今回に至る5回の選挙は、いずれも23議席の獲得にとどまっている。「完勝」などと威勢はいいが、実は公明党は29議席から後退を続けるばかりで、8回の選挙、実に32年にもわたって都議会では現有議席を1議席も増やすことができないのである。

 しかも今回、原田会長は前回比で「10万票近く」得票を伸ばしたと自画自賛しているが、周知のように今回の選挙は前回と異なり18歳選挙権が実施されている。公明党が候補を擁立した選挙区内での18歳・19歳の創価学会青年部員数は分からないが、前回比2513票増やした八王子選挙区を例にとれば、学生総数7447人(17年5月現在)を擁する創価大学の1年生だけで1861人となる。もちろんすべての学生が八王子市に居住しているわけではないが、仮に半数が居住していると想定すると得票増の37パーセントにあたる930票のプラスとなる。18歳・19歳の青年部員の得票数は全選挙区で一定程度の割合にのぼるであろうことは想像に難くない。

 前回まで候補者を二人擁立していたが、今回は一人にしぼった世田谷選挙区や、世田谷選挙区の現職が移動して立候補した北多摩3区を除く19選挙区における今回と前回2013(平成25)年選挙の得票数を比較すると、前回比マイナスだった選挙区は創価学会本部のある新宿選挙区と町田選挙区のみで、残り17選挙区はプラスとなっている。だが、前々回09(平成21)年選挙と比較すると、プラスは7選挙区でマイナスは13選挙区となる。さらに3回前の05(平成17)年選挙と比較するとプラスなのは北選挙区のみで、他の18選挙区は軒並みマイナスとなる。

 このうち創価学会本部のある新宿選挙区は、今回も前回比47票のマイナスだったが、前々回比では1676票、3回前との比較では3271票のマイナスとなっている。前回比で2513票のプラスだった八王子選挙区も、前々回比では3076票のマイナス、3回前比では5610票の大幅減。同様に町田選挙区では9823票のマイナス、練馬選挙区でも9199票のマイナスで、池田氏の出身地である大田選挙区は7642票減、墨田・板橋・江戸川の各選挙区でも軒並み5000票以上のマイナスとなっており、比較できない世田谷選挙区と北多摩3区をのぞく19選挙区の比較で合計67406票のマイナスとなっている。同様に前々回比では23531票のマイナス。前回比では約10万票のプラスかもしれないが、18歳選挙権があってなお、前々回、3回前の得票数には遠く及ばないのである。

 

12年前の古テープを放映した本部幹部会

 勢力の後退を受けて、いま創価学会が会員を選挙闘争に駆り立てるための切り札としているのが、選挙闘争に挺身した会員には、「陰徳陽報」の「大功徳」があるという“空手形”である。

 投開票から一夜明けた7月3日付「聖教新聞」掲載のコラム「今週のことば」。池田名誉会長のメッセージとされる同コラムにはこんな文言が並んでいた。

「ああ感激の同志、万歳!民衆の団結の大勝利だ。『陰徳陽報』は絶大なり。いよいよの信頼と福徳でみなが凱歌の人生を!」

 ここにある「陰徳陽報」とは、漢籍の淮南子「人間訓」にある「陰徳有る者は、必ず陽報有り。陰行有る者は、必ず昭名有り(人知れず徳を積む者には必ず誰の目にも明らかなよい報いがあり、隠れて善行をしている者には必ずはっきりとした名誉があるものだ)」(Web故事ことわざ辞典)に基づく故事成語で、創価学会が本仏と仰ぐ日蓮聖人が在家信徒への書状で引用していることから、学会員の間では「創価学会の信仰・活動を実践すれば、必ず功徳・利益がある」という意味合いでよく知られている言葉である。

 この池田メッセージの意味を解説していたのが7月6日付「聖教新聞」掲載の首脳幹部らによる座談会記事。「全国の『感激の同志』の奮闘に感謝──広布の戦いに陰徳陽報の大功徳」との見出しのついた記事中で永石婦人部長は、池田氏が「広宣流布のため、立正安国のため、感激の同志と、金の汗を流して積み上げた『心の宝』は無量無辺です。わが身をいとわず、奔走してくれた、誉れの創価家族の健康長寿、そして陰徳陽報の大功徳を、私は祈りに祈っていきます」と語ったと紹介している。選挙闘争に挺身した会員には、「永遠の師匠」(会則)である池田氏の「陰徳陽報」の「大功徳」の保障があるということなのだろう。

 都議選の勝利集会という意味合いもあった7月8日の本部幹部会で、創価学会は12年前の7月度本部幹部会での池田スピーチを放映した。12年前の7月にも都議選が行われており、この時も都議選の勝利集会の意味合いをもっていた。そのスピーチで池田氏は、選挙闘争に尽力した会員をこう激励している。

「晴れ晴れと、完全勝利、おめでとう!全国の皆さん、本当にありがとう!すべて、勇気ある同志の勝利である。婦人部の皆さん、家庭を守りながらの活動、本当にご苦労さま!芸術部の皆さんも、ありがとう!青年部も、よく頑張った!どうか、上手に体を休め、英気を養っていただきたい。そして愉快に、爽快に、ともどもに新たな前進を開始したい」(7月19日付「聖教新聞」)

 今回の本部幹部会で12年前のスピーチを放映したのは、池田氏が選挙闘争に挺身した会員を激励していると“錯覚”させるための印象操作にほかならない。姑息なごまかしにほかならないが、古テープを放映した事実は、今日ただいまの池田氏が、生身でのスピーチどころか肉声映像すら出せないことを意味している。

 都議選の結果、こうした姑息な手段で会員を選挙闘争に駆り立てている創価学会の政治的影響力や存在感が増したとすれば不幸なことである。日本の議会制民主主義の危機はいまだ深いと言わざるを得ない。

 

乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。

 

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信濃町探偵団──創価学会最新動向

 

●選挙に明け暮れる宗教政治集団東京都議選の次は沖縄那覇市議選

・7月6日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」「全国の『感激の同志』の奮闘に感謝──広布の戦いに陰徳陽報の大功徳」

永石(婦人部長)『世界広布新時代 青年拡大の年』の師弟の月・7月を目指し、全世界の同志が『異体同心の団結』で、懸命に広布拡大を果たしてくださいました。

 原田(会長)筆舌に尽くせぬ奮闘をしてくださった全ての方々に、あらためて心より、厚く感謝と御礼を申し上げます。誠にありがとうございます。

 長谷川(理事長) 世界各地に、『一人一人の信心の凱歌』『不二の師弟の凱歌』が轟いています。池田先生は、同志の一人一人と心の握手を交わす思いで『真金の 宝友の明日に 凱歌あれ』と讃えてくださっています。

 永石 さらに先生は、こう語られました。『広宣流布のため、立正安国のため、感激の同志と、金の汗を流して積み上げた「心の宝」は無量無辺です。わが身をいとわず、奔走してくれた、誉れの創価家族の健康長寿、そして陰徳陽報の大功徳を、私は祈りに祈っていきます』(中略)

 竹岡(青年部長)今、沖縄の那覇市議選が最終盤を迎え、投票日まで3日となりました。

 志賀(男子部長)かつてない大混戦に公明党の7候補が挑んでいます。公明候補は、当落線上で懸命の戦いを続けています。

 原田 公明党はこれまでも、沖縄の発展のために全力を挙げてきました。どうか油断することなく、支持者の期待に応え、今回の戦いを断じて勝ち抜いてもらいたい」

7月13日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」「那覇・奈良も完勝」

竹岡 先日、沖縄県の那覇市議選が行われ、私たちが支援する公明党は大混戦を制し、前回を上回る得票総数で、7人全員が当選を果たすことができました。また、奈良市議選においても、公明党は7人全員が当選。得票総数も過去最高を記録しました。

 原田 国政においても、地方政治においても、公明党の存在感は、ますます際立ってきています」

 

※東京都議会議員選挙で創価学会が支援した公明党は23候補全員が当選した。「完勝」と寿ぐ創価学会は、選挙闘争に尽力した会員には、「陰徳陽報」の「大功徳」があると喧伝している。詳しくは特集記事を参照いただきたいが、創価学会はとうとう選挙活動に宗教的利益があると、おおっぴらに言い始めたのである。これも「創価学会仏」となったことの副作用か。都議選終了後は、沖縄の那覇市議選に注力した創価学会。辺野古基地建設問題で混乱する沖縄で、公明党沖縄県本部は、自公連立政権の一員として辺野古基地を容認する党本部と一線を画して普天間基地県外移設を主張している。都議選では、多年にわたって連携して都政を壟断してきた自民党と手を切って、小池百合子知事にすり寄った公明党だが、選挙に勝つためにはなんでもありなのである。

 

●核兵器禁止条約交渉会議をめぐる欺瞞的態度

・7月10日付「聖教新聞」「戸田先生の原水爆禁止宣言60年の年に歴史的な一歩」「国連で核兵器禁止条約が採択 SGIが宗教コミュニテイの一員として共同声明」「アメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれていた核兵器禁止条約の交渉会議で7日午前、同条約が賛成多数で採択された。創価学会第2代会長の戸田城聖先生の『原水爆禁止宣言』(1957年)から60周年の節目の年に、歴史的な一歩が刻まれた。SGIは、市民社会の代表として交渉会議に参加するなど条約成立に貢献。採択を受けて、寺崎SGI平和運動総局長が談話を発表した」

・7月13日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」「戸田先生の原水爆禁止宣言から60年──国連で核兵器禁止条約が採択」

永石 本年は、戸田先生が核兵器を“絶対悪”と断じた『原水爆禁止宣言』の発表から60年という、意義深い節目です。(中略)

 長谷川 恩師・戸田先生の熱願を胸に、池田先生は毎年、『SGIの日』記念提言を発表し、各国の首脳、識者との対話を行うとともに、青年を軸にした草の根の運動や多角的な核兵器廃絶運動のリーダーシップを執ってこられました。

 原田 池田先生は、学会の平和運動や国連支援の取り組みは、『立正安国』の現代的な展開の一つであると語られています」

 

※国連で核兵器禁止条約が採択されたことを、創価学会の機関紙「聖教新聞」が大々的に報じている。もっとも見出しは「戸田先生の原水爆禁止宣言60年の年に歴史的な一歩」であり、記事では「SGIは、市民社会の代表として交渉会議に参加するなど条約成立に貢献」と、あたかもSGIが、条約の成立に寄与したかのような手前味噌の内容。13日付「聖教新聞」掲載の座談会記事でも、創価学会の平和運動や国連支援は「立正安国」の現代的展開だとする池田氏の発言を紹介し、あたかも今回の核兵器禁止条約採択の背景に池田氏の影響力が働いたかのような書きっぷりである。

 もし創価学会が本当に核兵器の廃絶に心を砕いているのであれば、最優先で取り組むべきは、核兵器禁止条約交渉に反対し、交渉会議を欠席した日本政府を厳しく叱責し、核兵器禁止条約のテーブルにつかせることだったのではないか。公明党ばかりか自民党を選挙で支援してきたのは、まさにこうした場面で影響力を発揮するためだろう。にもかかわらず日本政府を批判することもなく、アリバイ的記事を掲載して事足れりとしているのでは、その本気度が疑われる。

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7月号目次

閻魔帳

民主主義がアウトになる公明党の存在/段 勲

特集/共謀罪を強行した公明党&創価学会の無間地獄

地獄への“釜の蓋”開く創価・公明の罪深き所業/溝口 敦

許されぬ戦後最悪の治安立法 異常だった“共謀罪”の強行採決/有田芳生 

共謀罪法案強行採決で議会制民主主義を破壊する「公明党=創価学会」を斬る/古川利明

安倍首相は退陣せよ 口先だけの謝罪で「居直り」策す/川﨑泰資

自公共謀で成立した共謀罪法 公明・法務委員長が採決放棄/柿田睦夫

国際的信用失う右翼政権 右翼反動を糊塗する創価・公明/広岡裕児

連載

信濃町探偵団

──創価学会最新動向

新・現代の眼(第11回)

歩く敗因菅野 完

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

 注目の東京都議会議員選挙。結果は小池百合子都知事率いる都民ファーストの会が大勝し、自民党が惨敗しました。そして昨年の都知事選では小池候補の対抗馬を自民党とともに推薦・支持しながら、小池候補が当選するや豹変して都議会自民党と手を切り、小池知事に擦り寄った公明党は、小池旋風の追い風も受けて、候補23人が全員当選。ほとんどの選挙区で得票数も伸ばしています。

 小誌のコラム「信濃町探偵団」で毎号、詳報してきたように、創価学会は今回の都議選を創価学会の「永遠性の確立」と、池田大作名誉会長の「総仕上げの戦い」と位置づけて組織あげての熾烈な選挙闘争を展開しました。換言するならばそれは、生けるカリスマ・池田名誉会長のXデーを視野に入れての組織延命と保身の闘争、昨年11月に会則を変更して制定した池田カリスマの代替である「創価学会仏」という組織カリスマの正当性を証明するための闘争だったといえるでしょう。

 一応、都議選では全員当選を勝ち取りましたが、全国の活動家を動員しての無理に無理を重ねての選挙戦だっただけに、そのヒズミは着実に創価学会にダメージとして蓄積されるはずです。今後、政局の流動化は確実であり、衆議院の任期が明年末であることから、早晩、衆院選の実施も予想されており、ますます難しい舵取りを余儀なくされることでしょう。

 それにしても恐ろしいのは宗教的マインド・コントロールです。稀代の悪法といわれる治安維持法の現代版と批判される共謀罪の成立過程で、公明党はシドロモドロの答弁を繰り返した金田法相を「誠実」などと擁護し、衆院の強行採決に続いて参院では、公明党の法務委員長が、採決を省略して中間報告という奇策を用いて本会議採決に持ち込み成立させました。また森友問題・加計問題でも公明党は疑惑や不正を追及するどころか、政権の防波堤を務めています。

 今回の都議選でのマスコミによる出口調査では、多くの自民党員や支持者が都民ファーストの会に投票したことを明らかにしていますが、創価学会員は、牧口・戸田の両会長を獄に繋ぎ、牧口会長を獄死せしめた治安維持法の現代版を、唯々諾々と成立させた公明党のために選挙闘争に挺身したのですから、宗教的呪縛による選挙闘争がいかに危険なものであり、デモクラシーを破壊する阻害要因となっているかがわかります。詳しくは特集記事をご参照ください。

 都議会でのキャスティングボートを確実なものとし、国政では選挙協力を武器に都議選惨敗の自民党の創価・公明への依存度を高めさせる。創価・公明が政界のヘゲモニーを握る危険性はいまだ解消されていません。

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特集

特集共謀罪を強行した公明党&創価学会の無間地獄

地獄への“釜の蓋”開く創価・公明の罪深き所業

溝口 敦

ノンフィクション作家

ゾンビ的政治に奉仕する我利集団

 戦後72年経った今なお日本を戦前の軍国主義時代に戻し、再び海外で戦争できる国にしようというのは、まるでゾンビの発想である。歪んだ秘教的な妄想さえ感じさせる。

 今年53日の憲法記念日に安倍首相は2020年と期限を区切った上、「憲法91項、2項を維持しつつ、3項に自衛隊の存在を明記する」という加憲案を示したが、これは歴史修正主義的な極右団体「日本会議」のシナリオに乗った発言である。

「日本会議」系のシンクタンク「日本政策研究センター」はこの5月、「これがわれらの憲法改正提案だ」を刊行した。同書には9条加憲案について、おおよそ次のような理由づけが記されている。

〈憲法92項を削除し、自衛隊を世界の国々が保持している「普通の軍隊」として位置づけることが最もストレートな解決方法だが、70年間にわたって浸透してきた国民の「9条平和主義」は根強いから、2項はそのままにして、9条に新たに第3項を設け、第2項が保持しないと定める「戦力」は別のものであるとして、国際法に基づく自衛隊の存在を明記する〉

 安倍はこうしたシナリオに基づき、日本会議の改憲集会で右記のようなことを声明、提案した。安倍がゾンビ集団、日本会議の忠実なメンバーだからだ。現在、閣僚の4分の3が日本会議に所属しているというから、いかに日本会議が国政を動かしているか、恐ろしいほどである。

 対して公明党は創価学会・池田教に属している。使命とするところは政権与党に付着し、創価学会公明党のために利益をより多く確保することである。公明党の扱い商品は学会員票であり、選挙の度に自民党に売り捌いて来た。自民党は公明党を与党の一角として遇し、公明党にとっては上得意、もしくは大旦那といって過言ではない。

 公明党は大旦那の機嫌を損ねたくないから、安倍内閣が日本会議の教えを信奉していても、とやかくは言わない。戦前、創価教育学会の初代牧口常三郎、その幹部だった戸田城聖が治安維持法で獄につながれ、牧口は獄中死している。

 その現代版である共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)でも、自民党が委員会での強行採決時に混乱がテレビニュースに報じられないよう「中間報告」で行くことを提案すると、渡りに船とばかりに賛成した。創価学会のご先祖が戦前、法のため悲惨な目に遭おうと、今現在には関係ないとあえて目をつぶった。

 また池田先生そのものがいわばゾンビだから、共謀罪が成立しても、ご迷惑はお掛けしないと信じ切っている。それに目の前に都議選が迫っているから、共謀罪の強行採決で自民党の片棒を担いだことが学会員の前に目立たないことが何よりである。

 その都議選では豊洲市場への移転などで評判が悪すぎる自民党と一時的に別れ、小池百合子都知事の都民ファーストの会と手を結んだ。創価学会のお膝元、東京都の都議選で手痛い敗北を喫すると、公明党の衰弱した実勢が白日下に晒されてしまう。つまり公明党は都議選では、臨時的に学会員票の大旦那への専売を断り、都民ファーストの会に小売することにしたわけだ。

 が、公明党の一時凌ぎが成功するかは保証の限りではない。小池都知事も豊洲移転を打ち出す一方、築地市場の活用を図ると言い出すなど、政策が迷走し、しょせん本籍が自民党であることを語っている。都民の小池知事への信頼が長く続くとは考えられない。

 公明党が何より敵視しているのは共産党に対してである。公明党広報は620日付のツイッターで「3つのKでわかる共産党」と題する悪質なデマを飛ばした。私立高校授業料の実質無償化について、共産党は実績取りのハイエナ政党だ、共産党は「汚い!」「危険!」「北朝鮮!」とネトウヨまがいの悪罵を投げつけている。

 これに対し、共産党の小池晃書記局長は22日の記者会見で「事実無根なだけでなく、極めて下品で低レベルだ」と次のように反論した。

「事実と言うなら、私立高校授業料無償化、負担軽減の問題では、共産党都議団は4年間で17回都議会で質問している。一方、公明党は、父母の皆さんが一生懸命集めてこの4年間で4回提出した『授業料や入学金の支援と私立学校への助成の充実を求める請願』に3回反対し、否決した。今年2月になって、初めて賛成した。まずは、自分の胸によく手を当てて反省した方がいい」

 公明党は私立高校の授業料無償化などに真剣に取り組んでいないから、こうした早とちりや勇み足、挙げ句の果ては真逆の悪罵を投げつけて、自ら恥をかくことになる。日本在住の韓国人にヘイトスピーチをがなり立てる連中と気分は一緒である。

マフィア化した自公政権

 朝日新聞619日付は「身内かばい合い・外には恫喝的……安倍政権『マフィア化』」という記事を掲載した。長谷部恭男早大教授と杉田敦法政大教授の対談であり、対談中、二人は次のように語っている。

杉田 「1強」なのに余裕がない。これが現政権の特徴です。軽々に強硬手段に訴える。圧倒的な議席数を有しているのだから、国会会期を延長して、見かけだけでも整えればいいし、都合の悪い文書が出てきても「怪文書」などとせず、調査中と言えばいいのに、恫喝的な態度をとる。森友学園や加計学園をめぐる疑惑と重ね合わせて考えると、政治のあり方が、一種マフィア的になっているのでは。身内や仲間内でかばい合い、外部には恫喝的に対応する。……

 長谷部 公が私によって占領されている。濃密な人間関係で強く結ばれた集団が、官僚機構や一部マスコミも縄張りにおさめ、社会一般に対して説明責任を果たそうともしないで権力を行使するとき、公権力は私物化され、個人間の私的な絆をテコに政治が行われる。社会全体に何が利益かを丁寧に説明し、納得を得ることで権力は民主的な正当性を獲得しますが、現政権はそんなものは必要ない、反対するやつは切り捨てればいいと。まさにむき出しのマフィア政治です〉

 自公政権そのものがマフィア化している。つまり自公は共謀罪の対象である組織犯罪集団そのものである。たとえば奴を殺せと親分は命令、指示できないから、子分が敵のタマ取りを「忖度」し、ヒットマングループを組織した上、つけ狙い、その生命を奪う行為である。忖度は親分を殺人の教唆からガードするマフィアの手法でもあるのだ。

 公明党議員は若いころ創価学会の教学を履修しているはずだが、そんなものはマフィア化に対して何の抵抗にもならない。逆に池田教学によりマフィア化には早くから習熟している。

 早い話、公明党が説得したい相手は自ら票を投じ、また他人に票を投じさせる学会員たちだけに限られるから、話す言葉の一般的な真実性は問題にならない。学会員たちが一時的にでも信じてくれる限り、デマもウソも大いに結構、その場かぎりで有用ということだ。

 彼らはハナから社会正義の実現や公平性の確保などを目的にしない。議会制民主主義などもゴミ箱に捨てて顧みない。単に我利、つまり己の利益だけが大事なすれっからしだから、善導することなど、できるわけがない。

 よって学会員大衆の覚醒に期待せざるを得ないわけだが、その学会員大衆は実質的な教組である池田大作がゾンビであることにさえ気づこうとしない。先生からのお手紙である聖教新聞に注意深く目をさらせば、「池田先生がおかしい。ことによったら、私たちはゾンビをご本尊にして拝む邪宗になってるのかも」と気づくはずだが、気づきたくないから気づかない。気づけば自分の行動を見直し、改めなければならない。それが面倒だから、これまでの習慣を続ける。

 よって牧口、戸田先生の仇である共謀罪の強行採決で、公明党が自民党の片棒を担いでも何も思わない。学会員大衆は観察力も思考力も失い、半ばゾンビ化している。さらに本格的なゾンビに仕立てるべく安倍首相や日本会議が戦前型の強烈な軍国主義や警察社会化の型に押し込めようとしても、唯々諾々と、その行列に並ぶだけである。

 まことにこの世で自分なりに考えないことの罪は重く、深い。自分ばかりか他人まで地獄の道連れにするからだ。(文中・一部敬称略)

溝口 敦(みぞぐち・あつし)ノンフィクション作家。1942年生まれ。早稲田大学政経学部卒。出版社勤務などを経てフリーに。宗教関係をはじめ幅広く社会問題を扱う。『食肉の帝王』(講談社プラスα文庫)で第25回講談社ノンフィクション賞、日本ジャーナリスト会議賞、編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞の3賞同時受賞。『堕ちた庶民の神』(三一書房)『歌舞伎町・ヤバさの真相』(文春新書)『パチンコ「30兆円の闇」』『生贄の祀り』『あぶない食品』(小学館文庫)『武富士 サラ金の帝王』『池田大作「権力者」の構造』『中国「黒社会」の掟』『細木数子 魔女の履歴書』(講談社プラスα文庫)『暴力団』『続・暴力団』(新潮新書)『抗争』(小学館新書)『やくざの経営戦略』(文春新書)など著書多数。

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●東京都議選異常な創価学会の選挙闘争

※7月2日投開票で実施された注目の東京都議会議員選挙は、小池百合子知事率いる都民ファーストの圧勝、自民党の大惨敗となり、小池知事に擦り寄って候補23人の全員当選をめざした公明党も、創価学会のなりふり構わぬ選挙闘争と、小池ブームに後押しされて全員当選を果たした。

 都議選の結果分析は次号で詳報するが、とりあえず今号では、都議選を創価学会の「永遠性の確立」と、池田大作名誉会長の「総仕上げの闘争」と鼓吹して、組織あげての熾烈な選挙闘争を繰り広げた創価学会の動静を、機関紙報道に基づき検証してみたい。

 まずは告示を間近にした6月1カ月間の「聖教新聞」1面掲載の一言コラム「寸鉄」。「寸鉄」は一言コラムだけに、創価学会がその時点、時点で会員に強要したい活動目標・実践目標がアピールされている。6月は、告示日を除く全日、公明党が候補者を立てている選挙区の地域組織に激しい檄が飛ばされており、創価学会が都議選に血道をあげていたことが分かる。

6月1日付「東京・世田谷が一気呵成の猛攻。嵐に挑む勇気が友の誉れ。勝利の大旗を」

2日付「杉並よ好機は今!縦横無尽に動き、語り捲れ。東京凱歌の突破口を断固開け」

※ここに登場する「東京凱歌」とは、本誌前号の「信濃町探偵団」でも紹介したとおり、池田大作名誉会長がかつて東京のために揮毫した言葉だが、それを創価学会は、「凱歌とは、戦いに勝った時に歌う喜びの歌」(5月25日付「聖教新聞」長谷川重夫理事長)だと強調し、都議選勝利のスローガンとした。

3日付「練馬の同志が奮闘。東京の要の闘士よ。模範の団結で栄光の暁鐘鳴らせ!」

4日付「板橋が乾坤一擲の拡大。大東京の錦州城は不滅!断じて常勝の歴史つづれ」

5日付「東京・葛飾が『勝つしかない』を合言葉に猛進撃。勝利の峰へ勇敢に進め」

6日付「『すべてに第一』の江戸川が総立ち。信心の横綱よ東京凱歌へ猛然と進め!」

7日付「東京・八王子が力闘。勝ってこそ世界の本陣!誉れの人材城から決定打放て」

8日付「東京・荒川が猛追。ドラマはここから。断固怯まぬ拡大で感激の逆転勝利を」

9日付「東京・足立が猛撃。戦いは攻め抜いたほうが勝つ。庶民の王者よ見事凱旋を」

10日付「東京の調布・狛江の友が怒涛の行進。正義の電源地から勝利の先陣切れ」

11日付「東京・目黒よ限界突破の拡大を!栄冠は強気で攻めたところに。大逆転劇必ず」

13日付「東京・北区よ逆転勝利へ攻め上がれ。総力の拡大で喜び多き万歳を断じて」

14日付「東京・豊島が執念の猛追。ここからが正念場。正義の言論戦で栄光の扉開け」「太田が勇戦。破れぬ壁はない。今こそ爆発的拡大で東京凱歌の先陣を断固」

15日付「東京・中野が猛進撃。痛快に逆転を!徹底した攻めと粘りと団結で勝利掴め」「新宿よ強気で押しまくれ。常勝が本陣の使命なり。獅子となって勝ち進め」

16日付「東京・品川が急追。勇敢に語り断固攻め勝て!民衆の底力奮い起こし勝鬨を」「特区・町田が激闘。決戦の時は今。限界突破の拡大で栄光の峰へ突き進め!」

17日付「東京・江東よ、大逆転を!庶民の力は偉大なり。勇気と団結で栄冠をつかめ」「墨田が気迫の大攻勢!渾身の対話で混戦突破を。総立ちで勝利へ押し捲れ」

18日付「東京・荒川よ頑張れ。疾風怒涛の反転攻勢で勝利の旗立てよ。全国が大声援」「足立が総立ち。何ものをも勝ち越えるのが王者。獅子奮迅の大闘争今こそ」

19日付「調布・狛江よ強気でいけ。対話の大旋風で逆転を!新時代の東京凱歌を共に」「中野が力闘。破竹の勢いで反撃だ。激戦勝ち抜け。皆で勝利と歓喜の万歳を」

20日付「東京・北が猛追。燃え立つ民衆パワーで攻め捲れ!歴史開く大金星をつかめ」「豊島よ不屈の魂で進め!執念の拡大で追い上げよ。ついには感激の凱旋劇を」

21日付「東京・目黒が総反撃。大胆に攻め入り正義を語り抜け!勇将よ堂々の勝鬨を」「品川が猛追!真剣さと勢いで勝れ。言論の剣鋭く。皆で誉れの大勝旗掲げよ」

22日付「東村山・東大和・武蔵村山よ常勝軍の真価を!鉄の団結で新たな勝利史刻め」「町田が一瀉千里の力走。炎となって語りまくれ!東京凱歌の夜明けを断固」

※告示日の23日こそ地名表記はなかったものの、連日、繰り返された悲壮感漂う檄文。最終盤の26日からは一度に3選挙区にムチが入れられた。

24日付「東京・豊島が乾坤一擲の猛攻撃!獅子となり走れ。断じて勝利の鐘を鳴らせ」「品川よ爆発的な拡大で限界破れ!前進また前進。あっと言わせる逆転劇を」

25日付「中野が大激戦。総攻撃でせり上がり、堂々たる凱歌を。全国の同志が声援」「調布・狛江が果敢に追い上げ。ここから猛反撃だ。最後は感激の勝利の万歳」

26日付「北区の勝利が東京の勝利だ。執念の攻勢で大逆転を!全国の友が祈り声援」「荒川が怒涛の追い上げ!戦いは勢い。民衆パワー全開で見事な凱旋行進を」「足立よ負けじ魂の見せ所は今だ!気迫の拡大で押し捲れ。総力で栄冠掴め」

27日付「調布・狛江よ突き進め!最後に勝つのが我らの真骨頂。新たな常勝譜刻め」「中野が猛進撃。歴史的闘争だ。強気の反転攻勢で栄光の峰へ駆け上がれ!」「勇将・目黒が獅子奮迅。執念、団結、雄弁で壁破れ!痛快なる大逆転劇を」

28日付「勇気の豊島が奮戦。あと一歩、もう一押しと気迫で勝ち上がれ!凱歌轟け」「東京革命は江東から!民衆の力が時代を変える。逆転勝利で栄光の旗振れ」「品川よ激戦制せ!常勝不敗が我らの誉れ。必ず勝つと強く攻め抜き凱旋を」

29日付「調布・狛江から反転攻勢の火の手上げよ!正義は勝ってこそ。執念で進め」「北区が渾身の猛追。限界突破の拡大で逆転劇を!東京凱歌の決定打を必ず」「中野よ!正念場の今こそ開拓精神を燃やせ。気迫の闘争で勝利の夜明けを」

30日付「目黒がラストスパート。激戦制する猛攻今こそ。見事な逆転勝利の万歳を」「豊島よ断固、競り勝て。庶民の偉大な底力を満天下に!栄光の歴史断じて」「江東よあと一歩だ。圧倒的な勢いで勝ち上がれ!誉れの民衆城を皆で荘厳」

※連日、「寸鉄」には、選挙区名が登場するが、その頻度で選挙区の情勢分析が可能だ。すなわち複数回にわたって登場する選挙区は、激戦区ということである。「寸鉄」登場の頻度からは、荒川・足立・北・豊島・北多摩3区(調布・狛江)、中野・目黒・品川・町田の各選挙区が激戦区だと分かる。この9選挙区中7選挙区を公明党は最激戦区としていた。

 ところで今回の都議選でも、創価学会は都議会公明党の実績をくり返しアピールした。公明党は、多年にわたって都議会自民党と組んで都政を壟断していたが、そうした事実には全く触れず、公明党こそが「東京改革」の尖兵であるかのような主張を繰り返す創価学会。その典型例が告示前日の6月22日付「聖教新聞」掲載の座談会記事。そこでは公明党が「東京改革の原動力」だと次のようにアピールしている。

6月22日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」

志賀(男子部長)いよいよ明日、東京都議選の告示を迎えます。公明党は21選挙区で予定候補23人の全員当選に総力を挙げています。

 宮尾(総東京男子部長)今回の都議選は、小池都知事の『都政改革』の是非を問う選挙です。改革を進めるには、知事と議会が『車の両輪』となる必要があります。知事を支え、時には政策を競い合い、安定した都政運営を担うことができる政党・政治を選ぶのが、今回の選挙といえます。

 伊藤(女子部長)その小池知事が『都政の頭脳』として強い期待を寄せているのが都議会公明党ですね。確かな経験と抜群の実績が光っています。公明党こそ『東京改革』の要、原動力です」

※こうした一方で創価学会そして公明党は、当面の敵である共産党を激しく攻撃。ことに公明党は、共産党を「3つのKでわかる共産党ってどんな党?」との見出しで、「汚い! 実績横取りのハイエナ政党」「危険! オウムと同じ公安の調査対象」「北朝鮮! 『危険ない』と的外れな発言」と誹謗中傷する広報のツイートを「公明新聞」(6月20日付)に掲載した。このツイートならびに「公明新聞」記事に対しては、ネット上で「ヘイト並」「下品」などの批判が相次いだが、公明党広報は、ウェブサイトニュースの「BuzzFeed News」の取材に対して、共産党批判は毎度のことであり、言葉が強烈との批判についても、表現を訂正する気は「ないですね」と答えている。

 共産党を誹謗中傷し、批判されても開き直る公明党のメンタリティを支えているのは創価学会の激しい反共意識。裁判所が創価学会の組織的犯行と認定した共産党宮本委員長宅盗聴事件が象徴するように、創価学会は、選挙で競合する共産党を激しく憎悪してきたが、公明党を「東京改革の原動力」と強調した6月22日付「聖教新聞」掲載の座談会時期でも、公明党同様、共産党を実績を「横取り」する「道徳的に低劣な」政党だと激しい非難を加えている。

志賀 一方で、『私立高校授業料の実質無償化』をはじめ、公明党の実績を臆面もなく『横取り』しているのが共産党です。

 宮尾 共産党は『この4年間で5万人分の認可保育所を増やした』と喧伝していますが、これも全くの大ウソです。共産党は、この4年間、認可保育所を増やすための財源を含んだ予算に全て反対してきました。(中略)

 志賀 それにもかかわらず、反対し、批判してきた政策が実現すると、手のひらを返したように“実現した”と、まるで自分たちの手柄のごとく喧伝するのが共産党の手口です。

 宮尾 『実績横取り』『反対だけが実績』に加え、『反対しても実績』という卑劣なやり方に各地から怒りの声が上がっています。

 志賀 政治評論家の森田実氏は、『共産党は、政治的のみならず道徳的に見ても低劣な独善的政党』と指摘しています。

 宮尾 翻って、森田氏は公明党に対して、『倫理を遵守して地道に政治活動を展開されている』『こうした道徳的な政治家によって、平和な社会が構築されていくことを心から期待しています』と高く評価しています」

※公明党の誹謗に対して共産党の小池晃書記局長は、6月22日の記者会見で、「私立高校授業料無償化、負担軽減の問題では、共産党都議団は4年間で17回都議会で質問している。一方、公明党は、父母の皆さんが一生懸命集めてこの4年間で4回提出した『授業料や入学金の支援と私立学校への助成の充実を求める請願』に3回反対し、否決した。今年2月になって、初めて賛成した。まずは、自分の胸によく手を当てて反省した方がいい」と反論している。都合の悪い事実は隠蔽し、評論家の言まで借りて共産党を批判し、公明党を礼賛する創価学会。安倍首相の言を借りれば「印象操作」ということだろうが、厚顔無恥も甚だしい。もっともこうした手法を駆使して、会員の政党支持の自由や投票行動の自由を阻害するのは公明党の常套手段。

 同様に、そもそも都議選は、都民が地方自治の本旨に基づいて、自らの手で議会の代表を決める選挙。その都議選に、「全国の同志」「日本中の友」らが「声援」と書いている事実が示すように、創価学会は全国の学会員に指示して、都議選への応援を強要した。今回の都議選でも多くの地方組織の幹部・活動家が組織的指示で上京し、公明党支援の選挙活動を行ったが、これは地方自治の冒瀆にほかならない。許されるべき行為ではないだろう。

 宗教的呪縛と印象操作で会員を選挙闘争に駆り立てる創価学会。日本のデモクラシーにとって一大阻害要因であることは明らかだ。

●核兵器禁止条約交渉会議をめぐる欺瞞的動き

6月16日付「聖教新聞」「核兵器禁止条約採択へ 第2期交渉会議始まる SGIの作業文書国連ウエブサイトに掲載」

「核兵器禁止条約制定に向けた交渉会議の第2会期が15日、アメリカ・ニューヨークの国連本部で始まった。先月22日に発表された同条約の草案をもとに議論が行われ、最終日に条約文書が採択されることが期待されている。市民社会の一員としてSGIの代表も参加し、第1会期に引き続いて2度目の作業文書を提出。国連文書として国連のウェブサイトに掲載されている」

6月18日付「聖教新聞」「核禁止条約交渉ニューヨークの国連本部で開催 SGIが発言生命の権利に言及を」

「会議2日目の16日午後には、条約の前文に関し議論が進められた。市民社会の一員としてSGIに発言の機会が与えられ、河合SGI平和・人権部長が登壇した。

 草案前文には核兵器がもたらす壊滅的な人道上の結末に対する深い懸念が記された。核兵器は人権、とりわけ尊厳なる生命に対する最大の脅威といえる。ゆえにSGIは世界人権宣言などが掲げる『生命に対する権利』に言及するよう提案。また、核兵器は希望ある未来を想像することを不可能にし、国際人道法における主要な保護の対象の一つである『人間の尊厳』を脅かす存在であると明文化するよう求めた」

6月22日付「聖教新聞」「米ニューヨーク国連本部での核兵器禁止条約交渉会議 軍縮教育の 重要性を強調 SGI代表」

「4日目となる20日午前に始まった討議は、核兵器の使用や実験などにより影響を受けた人・地域への援助に関する議論が行われた。各国政府代表に続いて、市民社会に意見表明の機会が与えられ、SGI国連事務所ジュネーブ連絡所のヘイリー・ラムゼイ=ジョーンズ所長が発言した」

※国連本部で開催中の核兵器禁止条約交渉会議で、国連NGOのSGI代表が発言の機会を与えられていることを連日のように報じる聖教新聞。あたかもSGIが核兵器禁止条約の締結に尽力しているかのごとき報道だが、周知のように日本政府は唯一の戦時被爆国であるにもかかわらず、多くの被爆者の願いを無視して核兵器禁止条約交渉会議の設置に反対したばかりか、交渉会議への参加も見送った。だが公明党はこうした政府の態度を批判せず、核兵器廃絶を唱える創価学会も抗議することも批判することもない。

 創価学会そして公明党がまず取り組むべきは、日本政府をして核兵器禁止条約交渉会議に参加させることにあるのではないか。

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6月号目次

月号目次

閻魔帳

僭主独裁が政治的独裁に親近する理由/乙骨正生

特集民主主義の危機──改憲・共謀罪に加担する創価・公明

改憲に共謀罪法案とわが国の民主主義を破壊する「公明党=創価学会」の大罪/古川利明

“テロの温床”への視座欠くテロ等準備罪議論/広岡裕児

安倍独裁政権、官邸主導で暴走 無法国家へ改憲、共謀罪、森友・加計事件/川﨑泰資

「平和・人権」の看板を捨てた公明党/段 勲

トピックス

筆者寄稿記事に統一教会/家庭連合が激昂 主要全メディアに抗議のプレスリリース/鈴木エイト

連載

信濃町探偵団

──創価学会最新動向

新・現代の眼(第10回)

凡庸な悪菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情232

ジハード主義の精神操作(マインドコントロール)、セクト対策市民団体担当者に聞く広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

 共謀罪(テロ等準備罪)の審議が続く参議院。政府・与党は6月13日の成立を期すとも伝えられ、小誌発行時には緊迫の事態を迎えているものと思われます。内心の自由を脅かす恐れがあり、治安維持法の現代版とも批判される共謀罪の導入を、戦前の昭和軍国主義体制の下で、治安維持法違反容疑で逮捕・拘留され獄死した牧口常三郎創価教育学会会長を、「永遠の師匠」(会則)と仰ぐ創価学会を組織母体とする公明党が推進するとは、歴史の皮肉としかいいようがありません。

 牧口初代会長・戸田城聖2代会長とともに、創価学会の「永遠の師匠」とされ、公明党の創立者でもある池田大作名誉会長は、「私ども創価学会の人権闘争の原点は、国民から精神の自由を奪い、戦争に駆り立てようとした軍国主義ファシズムに、断固として戦い抜いた牧口初代会長と戸田城聖第2代会長の精神闘争にあります。両会長の精神を受け継いだ私も、創価学会の社会的使命の一つはそこにあると考え、行動を貫いてきました」(「教育提言」平成13年1月)と、自らと創価学会の平和主義や人権尊重の原点は、牧口・戸田両会長の戦時下の「抵抗」にあると表明。治安維持法を「稀代の悪法」と非難しています。

 しかし池田氏は、現代版治安維持法と批判される共謀罪の導入に反対の声をあげることはなく、「池田門下生」である創価学会の執行部や公明党議員も、これに反対することはありません。小誌は創価学会の社会的レーゾンデートルは崩壊していると指摘してきましたが、初代会長・2代会長の「闘争」に反して、「社会的使命」を放擲した創価学会に、社会的レーゾンデートルがないことはこの一事からも明白でしょう。

 ちなみに共謀罪審議が行われている参議院法務委員会の委員長ポストは、昭和40年に和泉覚公明党副委員長(創価学会理事長など歴任)が就任して以来、現在の秋野公造委員長にいたるまで4452年間にわたって公明党議員が独占しています。多くの刑法学者、各地の弁護士会、マスコミ、さらには国民各層から強い批判や反対の声があがっている共謀罪ですが、公明党はそうした声を歯牙にもかけず一瀉千里、共謀罪の成立に邁進しています。

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特集

特集民主主義の危機──改憲・共謀罪に加担する創価・公明

“テロの温床”への視座欠くテロ等準備罪議論

広岡裕児

国際ジャーナリスト パリ在住

 イタリアのG7が終わった。記念写真を見て思った。果たして日本の首相はここにいる資格があるのだろうか? 経済だけの先進国なのではないか。トランプ大統領も疑問符が付くが、アメリカという国そのものではしっかりと民主主義が機能している。

ファヴォリティズムに該当する公算大

 加計(かけ)学園問題について内閣府の最高レベルの意向を証明する文書が確かに存在すると文科省の前川前事務次官が名乗りを上げた。これに対して、「民間人が言ったことだから」信ぴょう性がないという発言が相次いでいる。カルト問題でもよく言われるが、元関係者でもいまは外部の人だからというのは理由にならない。それに、公務員の場合、現役の人間が言ったら、守秘義務違反になってしまうから内部からは絶対に出ない。だからこそ外の人間や情報源を絶対明かさないマスコミの役割が大切だ。

 先に終わったフランス大統領選挙で最有力候補とされていた共和党のフィヨン元首相の落選の原因となった家族の架空雇用疑惑もきっかけはマスコミの報道で、捜査当局が動いたのだった。サルコジ大統領のリビア・ゲートでもそうだし、アメリカのニクソンのウオーター・ゲート事件でもそうだった。

 情報源は命を狙われる危険さえあるから、是が非でも隠さなければならない。だから、当局はマスコミで情報源が公開されていなくても捜査に入るのだ。もちろん捜査でも守秘されることはいうまでもない。

 こういうとき、たとえ大統領、政府高官であろうとマスコミに「情報源を明かせ」などとは絶対言わない。そんなことを言えば、見識が疑われ支持率が落ちるだけだ。次の選挙でも不利になる。いや、場合によっては罷免されるかもしれない。

 フランスに「ファヴォリティズム」という罪がある。

依怙(えこ)贔屓(ひいき)」ということで、正確には「不当な優遇罪」という。役人や政治家などが、公共調達や公共事業の民間委託などで、ある特定の者を優遇することを罰するものである。贈収賄とは違って、金品の受け渡しは必要ない。ただ優遇をしたという事実だけで十分である。破毀院(最高裁)の判例によって建設やサービス運営だけではなく、あらゆる公共がかかわる市場取引に関係するとされている。

 加計学園のケースは、フランスであればこの罪に該当する公算が大である。もし該当しなくても、マスコミの集中砲火を浴びることは必至で、世論も動き、次の選挙に大きく影響することは間違いない。

 森友学園は、公開入札をしなかったこと自体で不当な優遇とみなされ、さらに、価格の疑惑まであるのだから、確実にひっかかる。最終的に起訴されるかどうかは別として、トップの逮捕も十分にありうる。また、このあからさまな異常を調査しなかった会計検査院も共犯になる。実際、7年前、パリから50㎞ほど離れたC市にある国有地払い下げについて、公開入札を行わず相場よりもかなり安く売却することを許可したということで大臣秘書が逮捕されたという例がある。

 ところで、森友学園や加計学園の問題について、さかんに「忖度(そんたく)」といわれるが、おかしい。忖度とは、他人の心を推しはかることである。だが、これらの事件では、検討案件の背後に何らかの大きな影が見えており、その無言の圧力に屈したのではないだろうか。「忖度」ではなく、「影響力の行使」ではないのか。「忖度」は権力者に都合のいい言葉である。「影響力」なら主語は影の権力者だが、「忖度」だと決定を下した当事者だ。だから役人の勝手な行為として、トカゲの尻尾切りで終わらせることができるのである。

「ファヴォリティズム」は、汚職の横行に対して従来の収賄罪では不十分なので90年代に作られた罪である。同じように、日本の共謀罪も従来の法律では十分な対策ができないからといって作られた。だが、その性格は正反対である。前者は権力者を束縛規制するのに対して、後者の対象は国民である。前者では権力は制限され、後者では拡大する。

詐術的主張繰り返す公明

 公明党のサイトにあるQ&A「テロ等準備罪」法案(「公明新聞」2017年4月28日付の転載)は、次のように言う。

〈テロ等準備罪を新設する理由は、テロなどの組織的犯罪を未然に防ぐためです。(…中略…)世界各地でテロ事件が頻発する中、対策は喫緊の課題です。

 テロの未然防止には、情報交換や捜査協力など国際社会との連携が必要です。このため政府は、すでに187カ国・地域が締結している国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の早期締結をめざしています。〉

 政府も国際組織犯罪防止条約に入るために改正すると繰り返しているが、じつは、条約加盟には共謀罪は必要不可欠ではない。ほかならぬ先のQ&A「テロ等準備罪」法案がいみじくも言っている。

〈条約は、重大な犯罪(死刑・無期および長期4年以上の懲役・禁錮刑の罪)を行う「合意」、または組織的な犯罪集団の活動への「参加」の少なくとも一方を犯罪とするよう求めています。

 しかし、国内には「重大な犯罪の合意罪」に当たる罪は一部の犯罪にしか規定がなく、「参加罪」は存在しません。〉

 条約の原資料をたどってみても双方もたなくても、どちらか一方だけでいいと明記されている。共謀罪は「重大な犯罪の合意罪」にあたる。参加罪とは〈組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、次の活動に積極的に参加する個人の行為 /a組織的な犯罪集団の犯罪活動 / b組織的な犯罪集団のその他の活動〉(外務省仮訳)である。共謀罪のように細かい例を出さなくても範囲は明確である。しかも「組織的な犯罪集団」とは、「金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため」重大な犯罪や本条約で定めた犯罪をおこなうことを目的として「一体として行動するもの」に制限されている(この制限は合意罪でも同じだが日本ではなぜか無視された)。

 公明党も共謀罪に慎重だったことから、これまでは廃案になっていた。もし、条約加盟が目的なら、濫用予防のしやすい参加罪にすればよい。しかも加計学園・森友学園への対応にみられるように、権力の濫用を阻止するセーフガードは全く機能していないのだからなおさらである。

 ところが、そういう努力はせず、このほどテロ防止ということで共謀罪賛成に回った。だからこそ強行採決ができた。この点についてもしかるべき説明があるべきだが、Q&Aは、先の引用の次にいきなり〈そこで、どうしても「テロ等準備罪」の新設が必要です。〉と論理が飛躍してしまう。

 じつは「テロ等準備罪」はテロには全く効果がない。

 やはり公明党のサイトで、漆原良夫党中央幹事会会長が、「テロ等準備罪」法案の意義について誇らしげに次のように述べている。

〈「テロ等準備罪」の場合、まず、犯罪の主体が「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」に限定されました。共謀罪の時は単なる「団体」でした。「組織的犯罪集団」とは存立の目的が重大犯罪を実行するための団体です。〉

 ただの「団体」であると、宗教団体も入ってしまう。その点が改良されたから公明党も賛成に回ることができたのだろう。日本では公認非公認をとわず宗教団体の存立の目的が重大犯罪の実行だなどということは想定されていない。フランスのように、信教の自由と切り離して、たとえ宗教を名乗っていても悪事を働くことについては罰するような制度にもなっていない。オウム真理教も地下鉄サリン事件を起こしたから問題になっているだけで、その前に重大犯罪を実行することを目的としているための組織だ、などと言ったら、信教の自由の侵害だと袋叩きにあった。現在でも状況はまったくかわっていない。テロリストは精神操作(マインドコントロール)を受けるが、まさに、宗教を名乗る団体がそれを行うことは明白な事実で、テロリストの温床になりうるが、まったく野放しである。そしてなにより、喫緊の課題になっているジハード主義・イスラム過激派はまさに全身全霊で宗教を主張しているのだ。

広岡裕児(ひろおか・ゆうじ)国際ジャーナリスト。1954年生まれ。大阪外国語大学フランス語科卒。パリ第3大学(ソルボンヌ・ヌーベル)留学後、フランス在住。パシフィカ総合研究所(PSK)主任研究員。著書に『プライベート・バンキング』(総合法令)『皇族』(読売新聞社)『エコノミストには絶対分からないEU危機』(文春新書)最新刊『EU騒乱』(新潮選書)など。

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信濃町探偵団

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●東京都議選…宗教活動に名を借りた選挙闘争の欺瞞性

※創価学会が、7月2日投開票で実施の東京都議会議員選挙に向けて、組織あげての熾烈な選挙闘争を展開している。創価学会は、選挙の勝利を宗教的勝利として宗教的正当性の根拠とする特異なイデオロギーをもつだけに、宗教活動に名を借りた選挙闘争を繰り広げるのは毎度のこと。

 もっとも今回の都議選は、昨年11月の会則変更で、「創価学会仏」という創価学会そのものを「仏」と位置づける、きわめて特異かつ独善的な教義を発表した後に行われる初の大型選挙だけに、「創価学会仏」の正当性を立証するための負けられない選挙となっている。

 それは同時に、「本尊」の変更や、「創価学会仏」を導入するとともに、従来の平和主義や人権尊重の主張と齟齬する集団的自衛権の行使容認や安保関連法制、さらには共謀罪の導入に賛成ないしは是認する政治姿勢をとる原田会長を中心とする創価学会の現執行部の正当性がかかった選挙であることを意味する。

 周知のように集団的自衛権の行使容認や安保関連法制に関しては、創価大学のOB・OGらが反対署名を行い、一部会員が国会前デモに創価学会の三色旗をもって参加した事実が示すように、創価学会内部からも反対の声や疑念や不信の声があがった。また執行部の本尊・教義変更に異を唱え、批判する会員も一部存在する。

 こうした会員に対し執行部は、各種の処分で対応し、組織の引き締めに躍起となっているが、処分者である執行部の正当性を立証するためには、なにがなんでも都議選に勝つ必要がある。

 そのため執行部は、各種会合や機関紙誌で都議選必勝の檄を飛ばし、創価学会が政治活動・選挙活動を行うことの正当性や必要性、さらには公明党の実績や評価、そして重点政策などを繰り返し強調。選挙闘争に会員を駆り立てるための刷り込みを図っている。また同時に公明党をして、都議選候補23人全員の当選を勝ち取るべく、国政で自民党と連立政権を組んでいるにもかかわらず、都民に不人気の都議会自民党とは手を切らせ、都民の支持が高い小池ゆり子東京都知事にスリ寄らせ、小池都知事の人気を利用して全員当選を果たそうとしている。

 以下、そうした選挙闘争の実態を示す機関紙の記事を紹介しよう。まずは都議選の選挙闘争に挺身する意義を強調した首脳による座談会記事。

5月25日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」「東京凱歌へ拡大の金字塔!強情な祈りと率先の行動を」

志賀(男子部長)『東京凱歌』――池田先生は1983年(昭和58年)の5月3日に寄せて、このように揮毫されました。東京会館(現在は東京牧口記念会館が建つ)の開館を記念したものです。

 長谷川(理事長)『凱歌』とは、戦いに勝った時に歌う喜びの歌のことです。本陣・東京の勝利は、広宣流布の新しい道を開いていくという意味だと思います。

 永石(婦人部長)この先生の思いを胸に、東京の同志は本年を『東京凱歌の年』にしようと大奮闘しています。

 伊藤(女子部長)聖教新聞で『東京凱歌の青年城』として連載していただいた通り、青年部も拡大に走っています。

 原田(会長)先生は、その様子を喜んで聞かれていました。さらに、4月26日に東京戸田記念講堂を訪問された際には、『全同志に勝利の鐘よ響け!大東京に凱歌よ轟け!』との思いで、『七つの鐘』のオブジェを強く、また強く打ち鳴らされました。(中略)

 長谷川 東京は日本の首都であり、政治、経済、文化の一大拠点です。日蓮大聖人が最晩年、『立正安国論』の講義をなされた地であり、学会発祥の場所でもあります。牧口先生、戸田先生が広宣流布の指揮を執られた東京は、学会の原点の地なのです。

 伊藤 池田先生が戸田先生と出会い、運命的な闘争を開始されたのも、東京でした。

 志賀 750年前、大聖人は政都・鎌倉で獅子奮迅の民衆救済の戦いをされました。それは、『時代と社会の焦点の地で叫びを上げてこそ、時代と社会を動かせる』との信念からの御行動であったのではないかと思います。

 原田 学会は、三代会長が、この大聖人の御精神のままに、庶民の中に飛び込み、世界広宣流布という未聞の歴史を築いてきました。池田先生は、その本陣である東京の使命と責任について、『東京は、獅子として立ち、獅子として進まねばならない。獅子は、勝たねばならない。永遠の大河の流れを築くには、その源はあくまで清らかで、獅子の咆哮のような勢いがなければならない』と指導されています。(中略)

 原田 特に、リーダーは、御本尊への絶対の確信に立った強盛な祈りが大切です。そして、組織の最前線の方々のところまで足を運び、徹して語り合うことです。何より自らが拡大の先頭に立ち、率先垂範の行動を貫くことです。『建設は死闘、破壊は一瞬』との指針を忘れることなく、『東京凱歌』の年に、拡大の金字塔を打ち立てていこうではありませんか」

同「東京凱歌へ意気高く 原田会長が出席し総区長会」

「感激の同志と共に『東京凱歌』へ勇躍の前進を期する総区長会が24日、信濃町の広宣会館で意気高く行われた。冒頭、原田会長は、全国・全世界の模範となり、誇りとなるべき総東京の深き使命を強調。断じてわが地域に広宣勝利の旗を、との強盛なる一念と行動を貫き、『未来までの・ものがたり』と語り継がれる歴史を築こうと望んだ」

※本誌前号の「信濃町探偵団」でも紹介したように、創価学会は、今回の都議選を「永遠の師匠」(会則)である「池田大作先生」の「総仕上げ」の戦いであるとして、会員の尻を叩くとともに、首都・東京での政治闘争に宗教的意義を付与するために、宗祖と仰ぐ日蓮聖人が、「立正安国論」を上程するなどの宗教活動を展開したのが、当時の首都である鎌倉であったなどと、日蓮聖人の宗教活動に結びつけて正当化。さらに5月25日付「聖教新聞」掲載の座談会記事では、遷化の地である池上(東京都大田区)で、死の床にあった日蓮聖人が最後に講義したのが「立正安国論」であったと強調することで、あたかも都議選の闘争が、「立正安国論」に叶う活動であるかのようにアピールしている。

 さらに東京は、創価学会発祥の地であるとともに、歴代会長が広宣流布の指揮を執った創価学会原点の地であると強調し、その東京が勝利することが広宣流布の勝利に結びつくと、都議選という世俗の政治活動の結果が、宗教的勝利の要因であると喧伝し、会員を宗教活動に名を借りた選挙闘争に駆り立てている。

 原田会長は発言の中で、池田大作会長(当時)が発表した長編詩「建設の譜」の「建設は死闘、破壊は一瞬」との一節を引用しているが、この引用に、教義的・政治的変更を積み重ねてきた執行部判断の正当性が、都議選の敗北で一瞬にして崩壊へと転じることの危険性を、原田氏が危惧していると読むのは穿ち過ぎか。池田氏の健康状態の悪化を受けて、「創価学会の永遠性の確立」、すなわちポスト池田体制の構築に腐心してきた原田会長だが、その強権的ともいえる手法で打ち出してきた施策が、すべて裏目となることへの不安や恐怖が思わず口をついて出たのではないか。人間の本音は思わぬところで露呈するものである。

 もっともそうであるがゆえに、原田会長らは公明党の実績を高く評価する学者等のコメントを引用してのアピールを続ける。当然のことだが、そこには石原知事と結託して進めた新銀行東京の大失敗や福祉の切り捨て、舛添知事を擁立した責任、汚染が明らかになった豊洲移転を推進したことへの言及はない。

5月15日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」「“都議会公明発”の実績が全国に」

永石(婦人部長)さて、東京都議会が注目されるなか、あらためて、都議会公明党が成し遂げた『3つの挑戦』への評価が高まっていますね。

 竹岡(青年部長)議員報酬の削減、私立高校授業料の実質無償化、街のバリアフリーの推進を短期間で実現し、都議会公明党のスピーディな『政策力実現』が発揮されました。(中略)

 原田(会長)公明党は、これからも徹して『一人の声』『大衆の声』に耳を傾け、現場に根差した地方議員・国会議員の比類なきネットワークで、庶民のための政治を貫いてもらいたい」

5月17日付「創価新報」「勇気の行動で一点突破、全面展開」「若き力が民衆勝利の歴史創る」

志賀(男子部長)さて、GWが過ぎ、新聞各紙においては、この夏に実施される東京都議会議員選挙の行方を論じる報道も、熱を帯びてきました。

 竹岡 同選挙は、これまでにないほど世論の注目の的となっています。都議選は都民のために真剣に働く議員を選ぶ大切な選挙です。是非とも、公明党には、全力を尽くしてもらいたい。

 角田(創価班委員長)公明党には、現場第一主義で生活者の声を吸い上げ、政策へと実現してきた。『政治を動かす力』があります。公明党に期待する声は年々、高まっている。(中略)

 前島(牙城会委員長)東京都議選の動向が注目される中、公明党がリードした改革も高く評価されています。公明党が提案した『身を切る改革』『教育負担の軽減』『人にやさしい街づくり』の『3つの挑戦』の政策の実現力に、各界から感嘆の声があがっています。

 志賀 なかでも、相次ぐ『政治とカネ』の問題で都政への不信が高まるなか、信頼回復のため、公明党が議員自ら襟を正そうと、昨年11月、『身を切る改革』として、他党に先駆けて提唱した議会改革案は、一字一句変わることなく、全会一致で成立しました。(中略)

 竹岡 公明党には長年、都政をリードしてきた実績がある。公明党には、『大衆とともに』との原点と実現してきた実績の数々を、力強く訴えていってもらいたい」

5月22日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」「東京改革へ公明が重点政策」

永石 先日、公明党東京都本部が『都民とともに「東京改革」』と掲げて、都議会議員選挙に臨む『重点政策』を発表しましたね。(公明新聞5月12日・14日付など掲載)

 竹岡 三つの柱で構成され、15分野53項目の制作が掲げられています。地域に根差す公明党のネットワークで集めた『現場の声』が反映されています。(中略)

 原田 『都政改革を、真に都民第一の方向へと形づけていける都議会公明党の役割は大きい』(淑徳大学・結城康広教授)など、公明党への期待は高い。『都民のため』の政治を貫き、『東京改革』をリードしていただきたい」

※地方自治の本旨に則り、住民自治を実現すべく実施される地方議会選挙。当然のことだが都議選も、都民が自らの意思を示すために実施される。それを宗教団体が自らの正当性をアピールするためのツールとすること、またそのために全国動員をかけて、東京都と関係のない地方在住の会員が、選挙の帰趨に影響を及ぼすような選挙活動を行うことは許されるものではない。だが、創価学会は都民の地方自治の選択に土足で踏み込む。それはまた会員の投票の自由のみならず、都民の投票の自由に容喙することにほかならない。宗教団体の選挙活動に一定の制限・制約を設ける必要があるのではないか。

●北朝鮮の脅威を煽り安保関連法制の整備を正当化

5月29日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」「責任ある政治こそ」

竹岡(青年部長)近年、北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を繰り返し、国際社会への威嚇を続けるなど、日本を取り巻く安全保障の環境は緊迫しています。日本、米国、韓国は関係諸国と連携し、北朝鮮に対して自制を促そうとしています。

 河西(総東京青年部長)現実に起きている脅威に対応し、国民の生命と財産、暮らしを守るため、整備されたのが平和安全法制です。今では『あの時、整備しておいてよかった』と、その必要性への理解が広がっています。

 竹岡 北朝鮮は、現体制以降、核実験を3回、50発に迫るミサイルを発射しています。平和安全法制の不要論を強調したいがために、日本共産党の志位委員長は『北朝鮮にリアルな危険はない』(2015年11月のテレビ番組)と発言しました。しかし、わずか2カ月後に、北朝鮮は水爆実験の実施を発表しています。

 河西 09年4月、北朝鮮がミサイルを発射した際、日本として『断じて容認できない』と強く抗議する国会決議を採択しました。しかし、無責任なことに、『「ミサイル発射」と断定すべきでない』と唯一反対したのが共産党でした。

 竹岡 政治には『リアリティ(現実感)』が必要です。今、現実に何が起き、何が求められているのかを受け止め、政治に反映することが重要です。公明党は、国民のために、未来のために、これからも『責任ある政治』を果たしてもらいたい」

※平成27年9月に、自民・公明両党らの強行採決によって成立した安保関連法制。その安保関連法制を公明党は平和安全法制と呼び、その制定・施行の正当性を強調し続けているが、創価学会もまた、東京都議選を前にした「聖教新聞」の座談会記事で、北朝鮮の脅威を引き合いに出して、「『あの時、整備しておいてよかった』と、その必要性への理解が広まっています」と、安保関連法制の制定・施行を評価。返す刀で、安保関連法制に反対した共産党を批判している。

 周知のように安保関連法制については、多くの国民が反対し、創価学会の中からも、創価大学OB・OGらが反対の署名活動を行ったように、反対の声があがった。北朝鮮の脅威を根拠に、安保関連法制の制定を評価する今回の記事は、同法の制定を推進した公明党と、これを容認した創価学会執行部の正当性をあらためてアピールする狙いがあると見られる。同時にその底流には、現在、多くの国民が反対する共謀罪(テロ等準備罪)法案を、公明党が自民党と一体となって推進していることへの予防線が敷かれている。すなわち「北朝鮮怖いでしょ、“平和安全”法制を制定しておいて正解だったじゃない、“テロ等準備罪”も同じよ」という論法である。

 都議選での当面の敵・共産党批判を展開するとともに、安保関連法制の正当性をアピール。同時に共謀罪を推進することへの不安と疑念の払拭を図り、選挙闘争に会員を駆り立てるためのレトリック記事。集団的自衛権や安保関連法制を創価学会が容認していることは、この記事からも明らかだ。

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5月号目次

月号目次

 

閻魔帳

安倍政権の深い闇──スルーされる加計学園問題/森 功

特集ファシズムの温床・洗脳教育──「教育勅語」と「人間革命」

 

「教育勅語」「新・人間革命」──自公ファシズムの本質にある洗脳用教材の使い回し/古川利明

核も部分も現代に通用せず─「森友」の日本会議的戦略/柿田睦夫

『新・人間革命』は「精神の正史」という誤魔化し/段 勲

神仏習合ならぬ「神の国」ファシズムと「仏の国」ファシズムの融合/乙骨正生

 

トピックス

桜田淳子復帰騒動でフジテレビ『バイキング』が被害者軽視の“無責任”放送/鈴木エイト

 

連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

新・現代の眼(第回)

「愛国」というファッション菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情231

ジハード主義の精神操作(マインドコントロール)、セクト対策市民団体担当者に聞く(1)広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

 

 

 

編集後記から

  稀代の悪法といわれた治安維持法の再来と批判される共謀罪(テロ等準備罪)の国会審議が始まりましたが、共謀罪の成立を図る自民・公明両党は、衆院法務委員会の審議冒頭で、野党の反対を押し切って政府参考人である法務省の刑事局長の出席を強行に採決するなど、異例づくめの審議が続いています。

 この共謀罪の審議と軌を一にするかのように政府は、治安維持法と並んで国家神道・昭和軍国体制の支柱となった教育勅語を、道徳教育の教材などに使うことを容認する閣議決定を行いました。

 周知のように、自公連立政権の一角を構成する公明党の組織母体である創価学会の前身・創価教育学会は、戦前、治安維持法と不敬罪違反容疑で摘発され、牧口常三郎会長は獄死しました。その牧口会長逮捕の要件のひとつは、教育勅語批判にありました。創価学会は、牧口・戸田城聖・池田大作の初代・二代・三代会長を「永遠の師匠」と規定していますが、その「永遠の師匠」を獄死させる要因となった教育勅語の教材使用につながる閣議決定に公明党閣僚は賛成。そして治安維持法の再来といわれる共謀罪については、公明党は反対どころか積極的に成立に加担しています。だが、こうした公明党の動きを創価学会は批判することなく、教育勅語の教材化と共謀罪の導入に反対しようともしません。詳しくは今号の特集記事をご参照ください。

 安倍自民党とともに共謀罪の成立に腐心する公明党は、コウモリ政党よろしく東京都議会では自民党と袂を分かって小池知事と手を組み、改革の旗手として「都民本位」の政策を実現するとアピールして、23人全員の当選を目指しています。原田会長をはじめとする幹部らは、そうした公明党を最大限礼賛。あわせて都議選の勝利は、創価学会の永遠性を確立するための法戦だと、会員の尻を叩いています。宗教的マインドを刺激して全国各地の学会員を都議選のための選挙闘争に駆り立てる創価学会。地方自治と民主政治を蔑ろにする創価学会の選挙活動を、是認することはできません。

 厳しい監視と批判、そしてなによりも創価学会・公明党に関する有権者への正確な情報提供の必要性を痛感します。異例ずくめ

 

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