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2023年5月号

5月号目次

 

閻魔帳

2023年春、潮目が変わった地方選/段 勲

 

特集/総括!統一地方選──問われた宗教と政治

 

創価学会の“地盤崩壊”を印象づけた統一地方選/乙骨正生

「全員当選神話」が完全に崩壊した「公明党=創価学会」の23年・統一地方選/古川利明

衆参補選・統一地方選とカルト問題の諸相/藤倉善郎

 

トピックス

総長不在の神社本庁で、またも不祥事/橋本征雄

 

  • 連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

「公明党と創価学会」を考える(第43回)

「平成の政治改革」と公明党・創価学会(12)/平野貞夫

ナニワの虫眼鏡(第47回)

吉村無双・維新無敵で終わった統一地方選 大阪の結果はいずれ全国へ//吉富有治

ヨーロッパ・カルト事情(297)

フランスの政府機関が指摘するエホバの証人もう一つの問題点/広岡裕児

執筆者紹介&バックナンバー一覧 編集後記

 

 

編集後記から

注目の統一地方選挙が終わりました。

「練馬ショック」─現職4人が落選したことで、創価学会・公明党には激震が走りました。というのも練馬区は現在進められている衆議院の「10増10減」の定数是正で、「東京9区(西部)」と「東京28区(東部)」に分割され、公明党は「28区」からの候補擁立を目指しているからです。

公明党の石井啓一幹事長は4月26日の記者会見で、4人落選は「(積極擁立の方針に)影響はない」(28日付『産経』)と強気ですが、党内からは「こんなに落選するとは衝撃だ。28区はもう無理かもしれない」(24日付『産経』)との声もあがっており、公明党の候補擁立に難色を示している自民党筋からは「公明の要望を断るいい理由ができた(都連関係者)」(同)とか、「自民幹部は、28区への公明進出を『無理筋だ』と一歩も譲るつもりはない」(26日付『朝日新聞デジタル』)と反発の声が強まっており、自公の軋轢が高まっています。

その背景には、今回の統一地方選で伸長した維新の会(大阪・日本)が、大阪市議会で単独過半数を確保したことがあります。これまで維新の会は、大阪都構想の住民投票や市議会運営で公明党に協力を仰ぐため、大阪・兵庫で公明党が候補を立てている衆院6小選挙区に、独自候補を擁立することを控えてきました。しかし大阪市議会で単独過半数を獲得した維新の会は、公明党に配慮する必要がなくなり、日本維新の会の馬場伸幸代表は、次の衆院総選挙では全小選挙区に候補を擁立する意向を明らかにしました。

大阪を中心とする関西圏で圧倒的な強さを見せる維新が公明党現職のいる大阪・兵庫の6小選挙区に候補を立てれば、公明党候補が全員落選することはほぼ確実。衆院小選挙区の公明党議席は9議席しかありませんので、そこから6議席が消え、「常勝関西」の神話は完全に潰えることになります。

その代替措置として衆院の定数是正で新たに設けられる小選挙区に割り込もうとする公明党。その一つが練馬区東部を選挙区とする「28区」なのです。

しかしその練馬区で大敗した公明党。創価・公明は強気の姿勢を崩していませんが、これが自公の軋轢を高め、伸長する維新と自民党との関係にどのような作用をもたらすか興味はつきません。

今号の特集記事で統一地方選における政治と宗教の関係を取り上げたように、今後とも小誌は宗教と政治・宗教と社会の問題を追及し続けます。

特集/総括!統一地方選──問われた宗教と政治

 

創価学会の“地盤崩壊”を印象づけた統一地方選

乙骨正生

ジャーナリスト

 

練馬区議選で現職4人が落選

第20回統一地方選挙の選挙結果は、「広宣流布のバロメーター」(秋谷栄之助5代会長)である国政選挙の公明党比例区票の大幅な減少、女性会員減少に伴う婦人部・女子部の統合(女性部)、聖教新聞配達員減少による配達の一般紙販売店への委託などに次ぐ、創価学会の勢力衰退をあらためて印象づける指標となった。

今回の統一地方選で公明党は、1555人の候補を立て、このうち1543人が当選した。当選率は99・2%。一般の政党なら大勝利といえそうだが、「全員当選」「完勝」を目標とする創価学会ならびに公明党にとって、12人の落選は予想外の敗北。それだけに公明党内には「『考えられない状況だ』(党都本部関係者)と動揺が広がっている」(4月24日付『東京新聞』)という。

それも当然だろう。創価学会ならびに公明党は、厳密な票割りと候補者調整により「全員当選」「完勝」を達成することで、強固な組織力を内外に誇示するとともに、「全員当選」「完勝」を自らの宗教的正当性の根拠であるかのようにアピールし続けてきた経緯があるからだ。それだけに2011年の第17回統一地方選で2人を落選させ、「全員当選」「完勝」が止まった後も、創価学会・公明党は常に「全員当選」を目指して学会員の尻を叩き続け、15年(18回)統一地方戦での落選者は4人、19年(19回)でも2人と、落選者を一桁台それも5人以下に抑えることで政界における影響力を維持してきただけに、12人もの落選はまさに想定外だったといえよう。

そこであらためて今回の統一地方選の選挙結果をつぶさに見ると、前半の道府県議選・政令市議選に公明党は342人の候補を擁立、愛知県議選(春日井選挙区)・大阪市議選(都島選挙区)で各候補1人を落選させたものの340人を当選させた。前回は340人立てて338人の当選であり、落選数はともに2人だが、今回は候補を2人増やしていることから2議席増ということになる。

これに対して統一地方選後半の一般市議選ならびに東京特別区議選の選挙結果は極めて厳しいものとなった。特に東京特別区議選では、練馬区で現職4人が落選するなど候補152人中8人が落選したからだ。

その内訳は練馬区議会議員選挙で11候補者中4人が落選。当選した7人中3人も最下位・ブービー・下から3番目という結果であり、最低当選ラインの2947票をはさんで2991票から2878票までの113票の間に7人の公明候補が並ぶという異常な事態だった。

練馬区議選の投票率は前回比1・55%のプラスで投票数も12000票ほど増えている。これに対して公明党候補の総得票数は前回比で5282票減っている。前回の練馬区議選での公明党候補の得票数はいずれも3000票を超えており、当選ラインは2700票だったことから、おそらく今回も当選ラインは2700票程度と想定していたのだろうが、投票率が上がり当選ラインが2950票まで上がったことから4人が落選した。

公明党の山口那津男代表は、24日の記者会見で東京特別区等の落選について、「党全体の戦略、戦術として、統一選の全体的な動きに対して機敏に対応しきれなかった。また、特に日本維新の会が積極的に新人を擁立し、大量に得票した。全体として投票率が上がらない中、その分、既存の勢力が割を食った面がある」(4月25日付『公明新聞』)、「短い選挙戦の中、多数の候補者と差別化することができなかった。公明党の候補者間で得票のバランスは取れたが、結果が追い付かなかったところもある」(同)と分析している。

たしかに当選ラインの票読みの甘さや新興政党の勢いに押されたことも事実だろう。だが、その根底には、「統一選後半戦で行われた21区議選を、平成31年の前回選挙と比較すると、公明候補の合計得票は21区全てで減少。文京区など一部は微減だったものの、おおむね1~2割、票数で1千~5千票ほど落ち込んだ。今回の区議選得票状況を見ると、もう1つ、同党の課題が見えてくる。それは、創価学会の会員高齢化に伴う組織力低下」(『産経新聞』4月26日配信)があることは明白だ。

この他、東京特別区議選では、池田大作名誉会長の出身地である大田区で1人が落選。得票数も前回比4340票減で10%のマイナスとなった。同様に杉並区でも前回比2150票を減らして1人が落選。得票数の減少率は10・5%にのぼった。さらに06年に公明党区議団全員が政務調査費の不正使用で議員辞職した目黒区でも1人が落選。そして原田稔会長の子息である原田星一郎教学部長が総区長を務めていた港区でも、前回比12・9%も得票を減らして1人が落選した。

また一般市議選では兵庫県西宮市と香川県高松市で候補各1人を落としている。

 

「大勝利」を喧伝する聖教報道

こうした落選=敗北を避けるために創価学会・公明党は、候補者の削減などによる「全員当選」の演出を施すことを常套手段としている。その典型的事例は1980(昭和60)年に29議席を獲得したものの、以後23議席まで減少したにも関わらず「全員当選」「完勝」を鼓吹する東京都議会議員選挙だが、今回の統一地方選でもそうした姑息な事例があった。創価学会本部がある本陣中の本陣である新宿区議選での公明党候補の1人削減である。新宿区議選で公明党は前回9人の候補を立てて全員を当選させたが、今回は9人全員の当選が厳しいと見たのか候補者数を8人に絞った。その結果、8候補全員が当選したが、客観的に見れば1議席の減。そして得票数も前回比マイナス11・2%の2012票の減少だった。だが、建て前はあくまでも「全員当選」「完勝」なのだ。創価学会本部のある「本陣」で負けるわけにはいかないからである。

新宿区同様、東京牧口記念館や創価大学・東京富士美術館など、創価学会ならびに外郭法人の重要施設がある東京都八王子市議選では、10候補全員が当選したが、得票数は前回比で4677票のマイナス、減少率は10・4%に及んでいる。

一連の事実は、宗教的呪縛と扇動に基づく強固な組織票を背景に、狡猾ともいえる巧みな選挙戦術で「全員当選」「完勝」を誇示してきた創価学会の地盤が崩れ始めていることを示唆している。

だが創価学会はそうした事実を認めようとはしない。むしろ敗北の糊塗に腐心していることは、機関紙報道からも明らかだ。例えば4月25日付『聖教新聞』では、統一地方選挙の結果を「公明党 統一選に大勝利」との大見出しで報道。「8回連続市議選で『第1党』」「7市町村で議席増を果たす」とアピールする一方で、落選や議席減・得票減には一切触れていない。

4月27日付『聖教新聞』掲載の首脳幹部座談会記事「広宣流布大誓堂完成10周年 創価の凱歌を轟かせ」でも、「7市町が議席を増やし、公明党は、一般市議選の政党別の当選者数が8回連続の『第1党』となりました。政党別の女性の当選者数も、4回連続の『トップ』です」などと、あたかも勝利したかのような事実だけが強調され、敗北をイメージさせる落選・議席減・得票減の用語はいっさいない。落選の事実を匂わすのは、原田会長の「残念ながら、捲土重来を期すことになった所もありましたが」との一言のみである。

戦前の軍部による「大本営発表」に象徴される、不都合な事実を公表せずに隠蔽・誤魔化し、言葉の言い換えやすり替えによって現状を糊塗しようとする姿勢は、「日本の病理」ともいえる悪しき体質だが、一連の記事からは創価学会もこの体質にどっぷり浸かっていることが分かる。

筆者は本誌の2011年3月号(182号)の特集記事「創価学会における統一地方選挙の意味――総県長会議資料から」で、03年(第15回)の統一地方選挙における創価学会の内部資料を紹介し、徹底した政教一体選挙で「完全勝利」を目指すのが創価学会の統一地方選であることを指摘しているが、この03年以降の統一地方選の結果からも、創価学会の組織的衰退が顕著になっていることを看取し得る。

まず03年統一地方選の意義を、秋谷会長(当時)は、03年1月9日開催の創価学会全国総県長会議で次のように強調している。

「地方統一選については、前半は告示まで85日、投票日まで94日。いよいよ、三カ月を切るところにきた。それぞれが重点区、超重点区を抱えながらの戦いを進めているところもある。(池田大作)先生のご指導に明快だが、昨日の本部幹部会でも『絶対の確信に勝る力はない』、そして『団結するものは強い』とあった。私どもはこの2点を根幹として、また『法華経に勝る兵法なし』という信心での戦いを根本にしながら、断固、完全勝利を勝ち取って参りたい」

こうした政教一体選挙の結果、公明党は03年の統一地方選で2121人の候補全員を当選させた。国政選挙比例区票で公明党が過去最高の898万票を獲得したのはこの2年後の05年衆院選だった。

だがこれ以後公明党は、07年の参院選・09年衆院選で惨敗し、10年参院選でも議席数・得票数とも改選時を下回る敗北を喫した。それだけに創価学会・公明党は、11年の第17回統一地方選を、公明党を「再建」し反転攻勢するための「重要な戦い」と位置づけ、「創価完勝」を掲げて学会員を煽り立てた。

その際、原田会長は、「地方議会こそ『大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく』との立党精神を持つ公明党の原点だ」(11年1月31日付『聖教新聞』)と位置づけ、「異体同心の団結で、愛する地域に創価完勝の旗を打ち立てよう」(2月5日付『聖教新聞』)、「師弟の道に徹し、師子王の大言論戦で、全てに勝利を」(2月9日付『聖教新聞』)、「広宣流布の拡大は『一対一』の対話と励ましから始まる。幹部が先頭に立ち、痛快な勝利の劇を」(2月22日付『聖教新聞』)などと幹部・活動家の尻を叩いた。

だが結果は2人が落選し「完全勝利」が潰えた。そして当選者数も03年の2121人を大きく下回る1590人にすぎなかった。もっとも04年以来、地方自治体は平成の大合併によって大幅に減っており、11年の市町村数は3132市町村だった03年に比べて1400余り少ない1730市町村となっていた。そこで1793市町村にまで減っていた07年の第16回統一地方選の当選者数1722人と、11年統一地方選の当選者を比較すると、それでも132人の減少となる。

11年の統一地方選同様、22年の参院選で比例区618万票と「広宣流布のバロメーター」を大幅に後退させた中で迎えた今回の統一地方選。創価学会は本誌の23年2月号(325号)「信濃町探偵団」で詳報したように、政教一体の度合いを深めていた。

今年1月の全国総県長会議で原田会長が、「学会の支援活動の原点は1955年(昭和30年)の統一地方選です。27歳の池田先生が、大田と鶴見で指揮を執られ、見事、どちらもトップ当選。その初陣こそ、まさに民衆の幸福と平和を目指す運動のスタートでありました」(1月7日付『聖教新聞』)と、統一地方選を「公明党の原点」とした11年1月の発言よりもさらに踏み込み、「創価学会の支援活動の原点」と位置づけるとともに、「池田先生の指揮」と結びつけることで、その宗教的意義を強調していたからだ。

その上で、勝利の要諦は「信心根本に戦い抜く」(同)ことだとして、「今こそ、信心で奮い立ち、広宣流布というものへの広い視野と、深い自覚に立って、自主的に総立ちすることです」「妙法の使命を胸に秘めて立候補した同志を応援する――この使命を同じくする人の団結程強く、また尊いものはありません。この実践活動が、立正安国を一歩一歩、進めているんです。やろうじゃないですか」との小説『人間革命』に描かれた55年の統一地方選挙における池田氏の選挙闘争に関する指導を強調。「さあ、私たちは『強き信心』で勝つ!『強き団結で勝つ』と学会員の士気を鼓舞している。

だが結果は、12人が落選し、当選者数も1543人と11年の1590人をさらに47人下回った。国政選挙における公明党比例区票が約20年で898万票(05年)から618万票(22年)へと大幅に減ったのと同様、公明党の地方議員数も、平成の大合併という不確定要素はあったものの、20年の間に2121人から1543人へと578人も減っている。大合併という要素を排除し、07年の1722人との比較でも、1543人と地方議員数を179人も減らしているのが、創価学会・公明党の偽らざる現状である。

 

帰還不能点を越えた創価学会

本誌前号の「閻魔帳」で筆者は、創価学会の学術部門の中核に位置し、対外的な理論構築や工作に従事していた中野毅創価大名誉教授が、今年1月に出版した『緊急出版 政治と宗教の歪んだ関係をいまこそ問い直す』(岩波新書)における「自公連立政権と創価学会」において、近年の公明党の議席減・得票減の要因として、「創価学会員の高齢化、それに伴う組織力の低下と言われることが多いが、支持者の不満や意欲の低下も大きな要因ではないかと考える」として、「公明党支持層」すなわち創価学会員が、「価値意識との矛盾を考慮することなく」自公政権支持を強要されていることによって、「公明党支持層の公明離れ」が生まれていると指摘。いまや創価学会は「衆院小選挙区からの撤退」を検討すべき時期にさしかかっていると指摘するとともに、健全な宗教団体として社会に受容されるためには、「ある国家の統治や財の再配分に担う政治や権力とは距離を置き、基本的人権を擁護し、弱者に寄り添い、それらを抑圧する権力に異議を申し立てる行動」を展開していくことが重要だと主張していることを紹介した。

中野氏は論考の中で会員の政党支持の自由や宗教活動と政治活動の分離、「翻訳不能な真理的言語」すなわち宗教用語で会員を政治活動に駆り立てることの不条理さなどを指摘しているが、すでに創価学会は帰還不能点を越えている。

国政選挙票の大幅な減少とともに、その足腰でもある地方議会選挙でも地盤崩壊が進む創価学会。今回の統一地方選の選挙結果は、この世界が生成・消滅する過程を「成・住・壊・空」の四段階に区分した仏教の世界観である「四劫」の、崩壊過程を示す「壊劫」段階に、創価学会が入っていることを示していると言えよう。

 

乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。

信濃町探偵団──創価学会最新動向

  • 練馬区議選の現職4人落選など統一地方選敗北を「大勝利」と粉飾・糊塗する創価学会

・4月25日付『聖教新聞』「公明党 統一選に大勝利」「8回連続市議選で『第1党』7市町が議席増を果たす」

「第20回統一地方選は24日、全ての開票作業が終了し、後半戦の全議席が確定した。公明党は後半戦で、一般市議選の287選挙区に893人、東京特別区議選の21選挙区に152人、町村議選の140選挙区に168人の計1213人を擁立し、1203人が当選を果たした(うち50人が無投票当選)。前半戦と合計で1534人が当選し、統一地方選全体として大勝利の結果を収めた。中でも一般市議選は、政党別の当選者数で8回連続の『第1党』に、東京特別区議選でも『第2党』を堅持した。また、前回2019年の選挙と比べて7市町で議席を増やした」

・4月24日付『聖教新聞』「寸鉄」「列島に轟く正義の勝ち鬨 立正安国の奮闘に諸天も大喝采。さあ『5・3』へ」

・4月27日付『聖教新聞』「座談会 広宣流布大誓堂完成10周年 創価の凱歌を轟かせ」「陰徳陽報の友に無量の福徳」「不屈の心で人間革命の勝ち鬨を!」「公明は『安心』『希望』の未来を」

「沼倉(女性部書記長)23日、統一地方選の後半戦である一般市・東京特別区議選、町村議選の投票が行われました。

長谷川(理事長)私たちが支援してきた公明党は、『1票』を巡る激戦区が数多くありましたが、執念の拡大によって、1203人が、当選を果たすことができました。

西方(青年部長)7市町が議席を増やし、公明党は、一般市議選の政党別の当選者数が、8回連続の『第1党』となりました。政党別の女性の当選者も、4回連続の『トップ』です。

永石(女性部長)また、東京特別区議選でも『第2党』を堅持しました。公明党は、後半戦の全当選者の約4割が女性です。女性の声を政治に届ける大切な役割が、ますます期待されています。

原田(会長)全国すべての地域で、同志の方々は、最後まで、全力で支援に当たってくださいました。残念ながら、捲土重来を期すことになった所もありましたが、皆様の大奮闘に、心から感謝申し上げます」

 

※第20回統一地方選挙が、4月9日(前半)・23日(後半)の日程で実施された。公明党は前半の道府県議会議員選挙・政令市議会議員選挙に342人の候補を立てたが獲得議席は2人落選の340議席。後半の一般市町村議会議員選挙ならびに東京特別区議会議員選挙でも1213人を立てたが10人が落選する厳しい結果となった。

周知のように創価学会・公明党は、「全員当選」を目標に厳密な組織割と候補者調整を行なうことから、統一・統一外ともに地方議会選挙はほとんど取りこぼすことはなく、07年は全員当選、11年は落選者2人、15年は4人、19年は2人と落選者は極めて少なかった。

ところが今回の統一地方選では12人が落選、これは公明党が現行体制になった1998年以来最悪の結果。しかも東京特別区では11人の候補を立てた練馬区で現職4人が落選。7人の当選者中3人も最下位・ブービー・下から3番目と、当落線上に公明党候補7人が並ぶという異例の結果となった。

同様に区議選では池田大作名誉会長の出身地である大田区、そして杉並区や05年に公明党区議団全員が政務調査費の不正使用で議員辞職した目黒区、さらには港区でも1人が落選した。

また学会本部のある新宿区では、前回9人当選しているにもかかわらず今回は候補者を8人に絞っており、全員当選しても1議席減。さらには4人が落選した練馬区では得票数が前回比で5282票のマイナスだったように、ほとんどの市区町村で得票数を減らしている。

にもかかわらず創価学会は、4月25日付『聖教新聞』に「公明党 統一選に大勝利」との大見出しと、「7市町が議席増を果たす」との見出しを打ち、記事中でも6市が過去最高得票だったと報じている。

同様に4月27日付『聖教』掲載の首脳幹部らによる座談会記事でも、一般市議選での政党別当選者数が8回連続「第1党」であることや、8議席減の東京特別区議選でも「第2党を堅持」などと、あたかも統一地方選で公明党が「大勝利」したかのように粉飾。統一地方選関連記事には落選・敗北という用語はひとこともなく、唯一ゴチックで引用した原田会長の「残念ながら、捲土重来を期すことになった所もありました」というオブラートに包んだような一言のみが、落選に関する言及であった。

その上で創価学会は懲りもせずに、5月21日投開票で実施の足立区議選に向けて、原田会長出席の下、同区の支部長・支部女性部長会を開催し、「王者の底力を今こそ」「草創期から学会をけん引してきたのが王者・足立の誇りである」(4・27付聖教)などと、足立区議選の勝利に向けて学会員を選挙闘争に煽り立てている。

公明党もまた「公明、1203人が当選」「市議選8連続『第1党』「7市町で議席増やす」(4・25付『公明新聞』)と、創価学会・『聖教新聞』と類似する報道を行っているが、さすがに政党助成金を受けている公的団体であることから落選について無視黙殺することは許されず、24日午後の記者会見で山口那津男代表が多数の落選者を出したことについて、次のような見解を表明した。

「一、(一部選挙で公明党の候補が落選したことについて)党全体の戦略、戦術として、統一選の全体的な動きに対して機敏に対応しきれなかった。また、特に日本維新の会が積極的に新人を擁立し、大量に得票した。全体として投票率が上がらない中、その分、既存の勢力が割を食った面がある。全員当選を果たせなかったのは、私自身の力の及ばなかったところだと厳しく自分自身に問い掛けなければならない。

一、地方選で公明党は、地道な実績の積み重ねを訴えたり、候補者を中心とする人脈を生かした取り組みをする。しかし、短い選挙戦の中、多数の候補者と差別化することができなかった。公明党の候補者間で得票のバランスは取れたが、結果が追い付かなかったところもある。そうした教訓を今後、生かしていきたい」(4・25付『公明新聞』)

05年の郵政解散に伴う衆院選比例区票で898万票を獲得した創価学会・公明党だが、昨年の参院選での比例区票は618万票と激減。山口代表は今回の敗北を教訓としたいというが、その足元はすでに音を立てて崩れ始めている。今回の党一地方選の選挙結果は、創立100周年を目指す創価学会が崩壊過程に入っていることを、あらためて示したということが可能だ。

 

  • オワコン・池田大作氏がG7サミットへの提言を発表

・4月26日付「時事通信」「核使用防止『広島から発信を』=サミット前に池田名誉会長―創価学会」

「創価学会の池田大作名誉会長は、来月に広島市で開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、核兵器の使用防止などに向けた提言をまとめた。27日に発表する。

池田氏は、昨年11月の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、核保有国を含む各国が『核兵器の使用・威嚇は許されない』との認識を宣言で明記した意義は大きいと指摘。『G7サミットでもこのメッセージを広島から力強く発信すべきだ』と訴えた」

・4月27日付『聖教新聞』「危機を打開する“希望への処方箋”を」「G7広島サミットへの提言 創価学会インタナショナル会長 池田大作」

「5月に広島市で開催されるG7サミット(主要7カ国首脳会議)に寄せて、SGI会長である池田大作先生が『危機を打開する“希望への処方箋”を』と題する提言を発表した。

冷戦終結への流れを後押しする一翼を担った、核戦争防止国際医師会議の共同創設者であるバーナード・ラウン博士の信念などに言及しながら、ウクライナを巡る危機の早期終結を図るための方途を探るとともに、核兵器の威嚇と使用を防止する上で必要となる措置について、G7サミットへの提言を行っている。

具体的には、2月の国連総会での決議に盛り込まれた“重要インフラや民間施設への攻撃の即時停止”を実現した上で、先頭の全面停止に向けた交渉を市民社会の代表がオブザーバー参加する形で行うことを提唱。核問題に関しては、広島で被爆の実相を見つめ直す機会を通じて、G7の主導で『核兵器の先制不使用』の誓約に関する協議を進めることを呼びかけている」

 

※今年1月に「創価学会インタナショナル会長 池田大作」名義で、「ウクライナ危機と核問題に関する緊急提言」を発表した創価学会が、5月のG7サミット開催を前にした4月27日、同じく池田SGI会長名義で、「G7広島サミットへの提言」を『聖教新聞』紙上に発表した。提言内容は、聖教報道のリード文の通りだが、その骨子は1月の「緊急提言」の焼き直しと言っても過言ではない。

統一地方選で厳しい審判を受けた創価学会・公明党。求心力が急速に失われる中で、頼るのはカリスマ・池田大作だけということなのだろう。すでに13年にわたって大衆の前に姿を見せないオワコンを、広島サミット前に担ぎ出す茶番。いつまでも通用するマジックではない。

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