8月号目次
閻魔帳
「五輪マークが黒い輪に見える/段 勲
特集/政権選択の衆院選に向け本音を剝き出しにする創価学会
古色蒼然たる世界観に固執・拘泥し沈みゆく創価学会/溝口 敦
都議選から衆院選に向けて“民共合作”に神経を尖らせる「公明党=創価学会」/古川利明
奇妙なすり替えと「読み違え」で展開する学会流政教分離論/柿田睦夫
“仏”と“魔”の陣取り合戦──政教一致の選挙闘争の正当性を強調した本部幹部会/乙骨正生
- 連載
信濃町探偵団──創価学会最新動向
「公明党と創価学会」を考える(第22回)
公明党の自立路線時代(8)/平野貞夫
ナニワの虫眼鏡(第26回)
「責任」を軽んじる日本の政治家たち 空気よりも軽くなった言葉の重み/吉富有治
ヨーロッパ・カルト事情(279)
コロナが炙り出した“自由”の範疇/広岡裕児
執筆者紹介 バックナンバー 編集後記
編集後記から
予想されていたこととはいえ、東京都では新型コロナウイルスの感染者数が、1日4000人を超え、さらに猖獗(しょうけつ)を極めるとの予想すら出されています。
そんな中で、多くの国民世論の中止や延期をもとめる声を無視して、根拠なき「安全・安心」を繰り返す菅義偉首相らによって、東京オリンピックが強行開催されました。
オリンピックを政権浮揚に活用したい自公と、翼賛するメディア。政府与党関係者は、オリンピックが始まり、日本選手が金メダルを2つか3つ取れば、国民は喝采すると、タカをくくっていたようですが、猛暑そして無観客という異常な状態の中、奮闘してメダルを獲得したアスリートの頑張りによって、政治責任が相殺されるものではありません。
閉会後、オリンピックを強行開催したことの政治責任や、莫大な赤字となって国民にツケまわされる大会経費の問題と責任をゆるがせにすることはできません。
しかし大赤字となった長野オリンピックでは、大会経費に関する書類が破棄されており、検証が妨害された前例があります。自公政権は、モリ・カケ・桜に限っても、悪質な公文書の改ざん・破棄・非開示を繰り返してきただけに、すんなりといくとは到底思えません。
オリンピックをはじめ、後手後手にまわったコロナ対策の責任を明らかにし、政府・東京都・組織委員会などの当事者・関係者にきちんと責任を取らせるためには、政権交代が不可欠ですが、政権の一角を占める公明党の組織母体の創価学会は、東京都議選後に開いた本部幹部会で、選挙は「仏」と「魔」との陣取り合戦だとして、政教一致の選挙闘争を正当化。なんとしても自公政権を守るとして、野党共闘そしてその軸となる共産党攻撃を強めています。詳しくは小誌の今号各特集記事をご参照ください。
小誌創刊のきっかけは、独善的で排他的な体質を持ち、特異な宗教的政治的イデオロギーを掲げる創価学会・公明党が政権に参画することの危険性を情報発信することでした。
表向き政教分離を唱える創価学会が、露骨に政教一致の選挙闘争の正当化を図って遮二無二選挙に突っ込もうとする今日、創価学会の危険性を情報発信する必要性がますます高まっていることを自覚し、小誌は今後も宗教と政治・宗教と社会の事実と真実を追究する所存です。
特集/政権選択の衆院選に向け本音を剝き出しにする創価学会
“仏”と“魔”の陣取り合戦──政教一致の選挙闘争の正当性を強調した本部幹部会
乙骨正生
ジャーナリスト
独善的宗教イデオロギーを前面に
東京都議会議員選挙から3日経った7月7日、創価学会は東京・巣鴨の戸田記念講堂で本部幹部会兼青年部総会を開催した。低投票率のおかげとはいえ首都圏の組織をフル稼働させて公明党候補23人全員を当選させた直後の開催だけに、都議選勝利の昂揚感に包まれた本部幹部会で創価学会は、今秋の衆議院総選挙の勝利に向けて本音丸出しの赤裸々な政教一致の実態を曝け出した。
公明党の組織母体である創価学会は、自公連立政権の強力な支持基盤。それだけに政権選択選挙である衆院選に向けた政教一致丸出しの発言と、それに基づく創価学会の動静は、衆院選の結果を左右し、国民生活にダイレクトに影響を及ぼしかねない。
そこで対外的には政教分離と学会員の政党支持の自由を公言しながら、その実、宗教的イデオロギーで会員を呪縛し、熾烈な選挙闘争に駆り立てている創価学会の欺瞞的な実態をあきらかにすべく、本部幹部会での原田稔会長や西方光雄男子部長らの発言を紹介する。ゴチックで表示した部分は、『聖教新聞』では伏せられた発言である。
まずは原田会長発言だが、冒頭、原田会長は、コロナ禍でお得意の全国動員ができなかったことから、多くの一般紙は公明党の苦戦を予想していたが、「地涌の使命に立つ私たちは、一人一人の執念の祈りと行動、そして全同志の異体同心の団結によって、下馬評を完膚なきまでに覆し、痛快なる大逆転勝利を収めることができました」(7月14日付『聖教新聞』)と勝利宣言。
その上で都議選の「大逆転勝利」を、池田大作参謀室長(当時)が指揮をとった1956(昭和31)年参院選大阪選挙区での、当初は泡沫候補扱いだった白木義一郎創価学会大阪支部長が、大方の予想を裏切って当選し「まさかが実現」(朝日新聞)と報じられた奇跡的逆転勝利に比肩する壮挙だと、こう宣言した。
「まさに私たちは、池田門下の『“まさか”が実現』を成し遂げることができた!こう高らかに宣言したいと思いますが、いかがでございましょうか」
この56年参院選大阪選挙区における池田氏の選挙指揮と、翌57年大阪選挙区参院補選での選挙違反による池田氏の逮捕を、創価学会は「大阪の戦い」「大阪事件」と称して、池田氏の宗教的・政治的正当性を担保するカリスマの原点としており、58年4月に死去する戸田城聖2代会長から、池田3代会長への実質的なバトンタッチ、すなわち戸田時代から池田時代へのエポックメーキングと位置付けている。
今回の本部幹部会における「池田門下の『“まさか”が実現』」宣言は、健康状態の悪化が取り沙汰され、すでに11年にわたって大衆の前に姿を見せることのできない池田氏の時代が終焉し、ポスト池田時代への転換を示唆したものと言える。おそらく原田会長らは、都議選の勝利と、これに続く衆院選の勝利をもって、池田時代からポスト池田時代へのエポックメーキングとする腹積もりなのだろう。
そのことは本部幹部会における次のような原田発言からも窺うことができる。
「次なるは10月に任期満了を迎える衆議院の総選挙が目前に迫っています。学会創立100周年への『勝負の10年』。私たちは池田先生のもと、『学会の永遠性』ひいては『広布の永遠性』を確立しゆくため、断じて、連戦連勝を果たしてまいろうではありませんか」
この発言からは、創価学会が都議選そして衆院選を、「学会の永遠性」「広宣流布の永遠性」を確立するための最重要の戦いと位置付けていることが分かる。2017年に制定した教団の憲法とも言うべき「会憲」で創価学会は、創価学会の組織を「創価学会仏」と規定したが、都議選そして衆院選は、この「仏」と位置付けた創価学会の組織を「永遠」に維持するための極めて重要な宗教闘争だというのである。その意義を原田会長は次のように説明している。
まず原田会長は、創価学会の選挙闘争そのものが「広宣流布」だと、こう定義する。
「広宣流布とは、単に学会員の拡大を意味するだけでありません。社会的腐敗をただし、民衆が主役の時代を開くために、政治、教育、芸術など、あらゆる分野に進出し、妙法の人間主義を開花させてゆく、その“流れ”それ自体が、『広宣流布』であります」
その上で「広宣流布」とは、「仏と魔との熾烈な攻防戦」であるとして、創価学会の選挙闘争は仏が魔を挫いて「仏国土」を建設のための宗教活動だという、次のような驚くべき主張を展開している。
「魔は『魔の国土』を広げようと必死に策を弄し、我ら仏の軍勢は『仏の国土』を築こうと懸命に戦っている。このせめぎ合いが『立正安国』の言論戦です。
すなわち、私たちの推進する支援活動は、『仏法の慈悲を根底にした人間主義の政治』を実現するための、宗教運動の一環(である)」
この原田発言に基づくならば、東京都議選や衆院選は「仏の国土を築こうと懸命に戦う」仏の軍勢である創価学会と、「魔の国土を広げよう」とする魔との「熾烈な攻防戦」「立正安国の言論戦」だということになる。当然、公明党以外の政治勢力や、公明党以外の政党を支持する有権者は、「魔」やその眷属ということになる。
先述のように創価学会は、政教分離宣言において、学会員の政党支持の自由の保障を社会に約束している。さらには95年12月4日の参議院宗教法人等特別委員会に参考人として出席した秋谷栄之助会長(当時)は、創価学会の政治活動なかんずく選挙の支援活動は、「宗教団体の政治へのかかわりは、宗教法人の主たる目的が宗教活動であるという前提を踏まえるのは当然」であることから、創価学会の「選挙の支援活動は限られた期間での部分的活動にすぎないことを申し上げておきます」と発言していたが、今回の本部幹部会における原田発言は、卓袱台返しよろしくそれらの建前を翻して、政教一致の選挙闘争の正当性を宣言するもので、まさに創価学会の地金・本音を剝き出しにした発言として注目される。
こうした独善的で排他的かつ偏狭な宗教的イデオロギーに、内外から批判の声があがることは確実だが、創価学会はこれに対する予防線として、内部的には執行部を批判する者の排除、外部的には衆院選を視野に政教一致批判の中核となるであろう野党なかんずく共産党に対する攻撃の強化を企図している。
反逆者&共産攻撃を激化
このうちまず執行部批判者の排除だが、本部幹部会で原田会長は、池田名誉会長の言説を引用する形で「異体同心の団結」と「退転・反逆者の方程式」を強調。「これから私たちは、かつてない剣難の峰を目指す以上、そこに、かつてない魔の烈風が待ち受けるのは必定であります。だからこそ今、私たちは、勝利のため、また、自分自身の一生成仏のために、改めて『団結』の重要性を確認し合っていきたい」として、「金剛不壊の異体同心の団結」を強調するとともに、小説『新・人間革命』にある「退転・反逆者の方程式」を引用、執行部の宗教的・政治的決定に反する「反逆者」を排除する姿勢を闡明化した。少々長いが、原田会長を中心とする創価学会執行部の本音を端的に表しているので、以下、引用してみたい。
「(池田)先生は、退転・反逆の方程式を、こう喝破されています。『自分中心になると、御書や学会指導に立ち返ることも、異体同心を第一にすることもなくなってしまう。つまり、本来、仏法者の基本である、自身を見つめ、内省するという姿勢が失われていく。また、自分の心が“師”となってしまうから、自身を制御できず、その結果、我欲に翻弄され、名聞名利に走ったり、自分勝手なことをしたりする。そして、皆に迷惑をかけ、さまざまな不祥事を引き起こす。だから、誰からも信用されなくなり、清浄な学会にいられなくなる――これが退転・反逆していく共通の構図といえます』という大事なご指導であります。
さらに、近年の反逆者らがさらす醜態を見れば、そうした『自分中心』の者は、組織運営上の方法論や諸課題、あるいは公明党の政策などへの賛否などを大義名分に利用して、己の後ろめたさを覆い隠し、自己正当化を図ろうとするのが常套手段であることも、皆さま、ご存知の通りであります」
ここで特に注目すべきは、「近年の反逆者らがさらす醜態」として、「組織運営上の方法論や諸課題、あるいは公明党の政策などへの賛否などを大義名分に利用」して「自己正当化」を図るとある部分だろう。本誌でもたびたび指摘しているように、近年の創価学会においては、「世界宗教をめざす独立教団」だとして執行部が推し進めた本尊・教義の変更などの宗教的決定、そして集団的自衛権の行使容認や安保法制への賛成などの政治的姿勢に、多くの幹部・活動家が批判の声をあげている。
これまでも執行部はそうした人々を役職停止や除名などの処分対象としてきたが、今後は執行部の決定に反する幹部・活動家を「広宣流布」を破壊する「反逆者」と決めつけ、徹底して排除した上で、「勝負の10年」の決戦である衆院選に突入するものと見える。
そして内部統制と同時に、政教一致の選挙闘争を展開する上で、もっとも厳しい批判を行うと予想される共産党に対する戦闘準備を整えている。本部幹部会では、西方男子部長が、激しい共産党攻撃を繰り広げた。以下、『聖教新聞』では発言どおり掲載すると政教一致批判の火に油を注ぐことになると思ったか、掲載されなかったナマの西方発言を紹介しよう。
「一方で野党はどうか。日本共産党の票欲しさに共闘した立憲民主党は28人が立候補し当選したのは半分の15人。6日付の読売新聞では“立民は国政の野党第1党としては物足りない結果”“無党派層の支持に広がりがないのは深刻”と分析し、『衆院選での野党共闘につなげる狙いがあるが、支持団体の連合は反発』と報じています。さらには“政権選択選挙である衆院選で(共産党と)連携するのなら、憲法や外交・安全保障など基本政策の違いをおざなりにしてはなるまい”と鋭く指摘しています。
共産党は今、自衛隊や日米安保などについて立憲民主党と意見が食い違うことへの弁明に躍起となっていますが、実は昨年1月の党大会において『野党連合政権』は次の段階として『民主主義革命と民主連合政府の樹立をめざし、さらには資本主義の矛盾を乗り越え社会主義・共産主義社会へとすすむ』ことが決議されています。
こうした共産党の本音と体質がこれからさらに問われていくことは間違いありません。12年前の2009年、私たちは旧・民主党による政権交代という“悪夢”を目の当たりにしました。あの時と今との一番の違いは何か。それは野党共闘の中軸に共産党がいるという極めて危険な構図です。万が一でも共産党がいる『野党連合政権』など実現すれば、2009年に発足した“悪夢の民主党政権”の比ではありません。このコロナ禍で日本は確実に崩壊し、二度と蘇生できなくなります。
私たち男子部は共産党の悪質な実績横取りや、ウソ・デマの実態を鋭く見抜き、引き続き正義の言論で糾弾してまいりたい。来る衆院選は政権選択の重要な選挙です。公明党こそコロナ禍という未曽有の国難を乗り越えるための『羅針盤」であり、与野党の中で群を抜く『実績第一の党』であることを強く訴え抜こうではありませんか」
「異体同心」という宗教的イデオロギーを掲げることで、創価学会組織内での政治的・政策的意見の表明を封じるとともに、一方的に自公連立政権の政敵となる共産党や立憲民主党、ことに政教一致批判の急先鋒である共産党に対する憎悪と敵意を煽り立てる創価学会。
多様性を尊重する相対的価値観に基づいて調整を図る政治の場に、絶対的価値観に基づく宗教的イデオロギーを持ち込むことの愚かさと危険性を、本部幹部会の原田・西方発言は象徴的に示している。
そして内部に向けて共産党への敵意と憎悪を煽り立てるのと軌を一にして、いまや創価学会最大の応援者であるとともに、支援者と化した作家の佐藤優氏や、先の都議選では公明党の重点区に応援弁士として入り街頭演説にも立った政治評論家の森田実氏が、創価・公明擁護、共産批判を繰り広げている。
例えば森田氏は、6月24日付『公明新聞』に、「コロナ禍で不安につけ込む 日本共産党は国民の敵」と題する一文を寄せ、暴力革命を否定しない共産党は「国民の敵」であり、「立憲民主党との共闘は有権者へのごまかし」だと激しく共産党を批判。その一方で自民党と政策協定を結び連立を組む公明党は「正しい選択」だと評価している。
同様に森田氏が主宰する「世界研究室通信」なるブログには、「争いを好む日本共産党は、わが国の一大『害毒』である」(6月24日)など、公明党礼賛、共産党批判の記述が溢れている。
また創価学会がいずれ「世界三大宗教」となると評価する佐藤氏は、7月13日付『産経新聞』掲載のコラム「世界裏舞台」で「日本共産党 危険な宗教観」と題して、共産党の機関紙『赤旗』が、創価学会と公明党の関係について「公明党とその支持母体である創価学会の“一体ぶり”が深刻です」と書いた記事を批判し、「創価学会が自らの宗教的価値観に基づいて公明党を支持することは憲法に違反しない」と、創価学会流の政教分離解釈を敷衍。また雑誌『正論』(21年7月号)掲載の「特集 日本共産党に騙されるな」での公安調査庁次長との対談においても、共産党が公明党ではなく創価学会の政教一致の姿勢を批判していることを非難している。これらの言説が、政界やマスコミそして世論の政教一致批判を牽制する役割を果たしていることは明らかである。
こうして内堀と外堀を埋めた上で、来る衆院選を「創価学会仏」の「永遠性」を確立するための決戦、「魔は『魔の国土』を広げようと必死に策を弄し、我ら仏の軍勢は『仏の国土』を築こうと懸命に戦っている。このせめぎ合いが『立正安国』の言論戦です」として、熾烈な選挙闘争に突入しようとしている創価学会。
創価学会が「末法の御本仏」と仰ぐ「日蓮大聖人」の遺文には、「日蓮を用いるとも悪しく敬わば国滅ぶべし」(種種御振舞御書)とある。コロナ禍、亡国の淵に立つ日本で、「立正安国」「仏国土建設」を掲げて政教一致の選挙闘争に突入しようとしている創価学会の危険性に、改めて警鐘を鳴らしておきたい。
乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。
信濃町探偵団──創価学会最新動向
- 衆院総選挙に向けて陣頭指揮する80歳‼
・7月13日付『聖教新聞』「北海道から凱歌の大行進を」「原田会長、永石女性部長が出席 大空知 旭川の集い」
「原田会長は、師弟直結の三代城・北海道の勇者が総立ちになれば、破れない壁などないと強調。『信心のこころ全ければ平等大慧の智水乾く事なし』と仰せの通りに、拡大への無尽蔵な智慧を湧かせゆく大確信の信心に立って、社会に安穏をもたらす立正安国の大闘争に挑もうと呼び掛けた」
・7月14日付『聖教新聞』「常勝不敗の錦州城を 原田会長が出席し 大阪代表幹部会」
「常勝不敗の原点『7・17』を記念する大阪代表幹部会が13日、大阪市の関西池田記念講堂と各会場を中継で結び力強く行われた。
『7・17』――この日を迎えるたび、関西そして大阪の友の闘魂は熱く燃え上がる。1957年(昭和32年)7月3日、無実の選挙違反容疑で不当逮捕された池田先生は、2週間に及ぶ勾留を経て17日に出獄。直後に開かれた『大阪大会』で“最後は、信心しきったものが勝つ”と大宣言した。
この4年半後、先生は『大阪事件』の無罪判決を勝ち取り、創価の正義を満天下に示した。『7・17』の獅子吼は、全同志の胸中に深く刻まれ、逆境を越えて勝ち抜く『関西魂』として、今も脈々と受け継がれている。(中略)原田会長は、広布史に輝く65年前の『大阪の戦い』の勝利は、池田先生の師弟不二の祈りと行動によって成し遂げられたと強調。使命の天地に題目の大音声を轟かせ、世界が仰ぎ見る不滅の錦州城を築こうと呼び掛けた」
・7月15日付『聖教新聞』「勝利劇を威風堂々と 兵庫代表幹部会 原田会長と共に」
「常勝関西の電源地・総兵庫の代表幹部会が14日、神戸市中央区の兵庫池田文化会館と各会場を中継で結び意気高く開催された。(中略)立正安国の凱歌の秋を勝ち開く誓いに満ちた集いでは、山内関西長のあいさつに続き、天野総兵庫青年部長が正義の言論戦の先頭に立つ決意を披歴。(中略)原田会長は『関西という師弟有縁の“広布の主戦場”で戦う同志の使命は、限りなく深く、大きい』と強調。『法華経の将軍学』を実践し、不可能を可能にした若き日の池田先生の激闘に学び、“断じて勝つ”との必勝の一念で、師恩に報いる弟子の勝利劇をつづりゆこうと訴えた」
・7月20日付『聖教新聞』「広島広布65周年 中国方面が新時代開拓期間 原田会長と共に出発の総会」
「世界広布新時代の開拓は中国から!その出発となる『中国総会』が18日、広島池田平和記念会館と広島、岡山、山口、鳥取、島根の各会館を中継で結び、勢いよく開催された。(中略)原田会長は、若き日の池田先生の闘争を通し、“断じて勝つ”との決定した祈りと、『まいをも・まいぬべし』との歓喜踊躍の生命こそ広布拡大の原動力であると強調。師弟不二の精神を燃やし、異体同心の団結も固く、圧倒的な情熱で対話に挑み、大中国の底力を満天下に示す偉大な歴史を残してほしいと望んだ」
※東京都議選で公明党候補23人を全員当選させた創価学会。7月7日の本部幹部会の席上、原田稔会長は「次なるは10月に任期満了を迎える衆議院の総選挙が目前に迫っています。……『学会の永遠性』ひいては『広布の永遠性』を確立しゆくため、断じて、連戦連勝を果たしてまいろうではありませんか」と訴えた。
その陣頭指揮に立つべく、今年齢80を迎える原田会長が全国を駆け回り衆院選必勝の檄を飛ばしている。7月11日の小選挙区北海道10区に現職候補が立つ北海道の岩見沢を皮切りに、小選挙区6候補が立つ大阪・兵庫、そして河井案里・克行夫妻の悪質な選挙違反事件(買収)で、河井克行元法相が辞職して空いた広島3区に、中国比例選出だった公明党の斉藤鉄夫副代表が強引に割り込み立候補した広島と、わずか1週間の間に、衆院選の勝利を左右する小選挙区の重点組織に足を運び、「立正安国の大闘争」への挺身を呼び掛けている。
7月7日に本部幹部会で原田会長は、選挙闘争は「仏」と「魔」との陣取り合戦だとも話しているが、80歳の会長が陣頭指揮する異常な政教一致の選挙闘争が、衆院選にどのような影響を及ぼすか。目が離せない。