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2025年2月号混迷・混乱で通底する創価と世相

2月号目次

 

閻魔帳

「楽しい日本」が起こした「中居正広問題」/段 勲

 

特集/混迷・混乱で通底する創価と世相

 

「都議&参院の時間差ダブル選」を控えコウモリ飛行にも磨きがかかる「公明党=創価学会」/古川利明

フジと中居と松本人志/佐高 信

「トランプ2.0」への政治姿勢に投影された創価学会の欺瞞性/乙骨正生

 

トピックス

2025年の展望、統一教会の解散命令、山上徹也公判、スラップ訴訟、選挙/鈴木エイト

トピックス

呪いと祝福の預言 パレスチナ人問題の最終的解決案!?/橋本征雄

 

  • 連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

「日本の議会政治」を考える(10)

「カルト政治」の淵源──住専国会と「密会ビデオ」(2)/平野貞夫

ナニワの虫眼鏡(第68回)

ファシズムは過去のものか 大阪で痛感する危険な政治状況 /吉富有治

ヨーロッパ・カルト事情(317)

平和、楽しいサークル、そして仏教 欧州「池田教」の勧誘戦略/広岡裕児

執筆者紹介&バックナンバー一覧  編集後記

 

編集後記から

1月20日にアメリカ合衆国の第47代大統領に返り咲いたトランプ氏。大統領に就任するや次々と大統領選当時から鼓吹していた「MAGA(メークアメリカ・グレートアゲイン)」や「トランピニズム(トランプ主義)」に基づく大統領令を濫発。アメリカ国内のみならず国際社会に混乱と混迷を招いています。

また日本国内では元タレントの中居正広の性加害疑惑に関連して、フジテレビやメディアの構造的な問題が露顕。さらには通常国会が始まりマスコミ界や政界の暗部が国民・大衆の前に明らかになりつつあることから、そうした問題について創価学会・公明党を座標軸にしつつ特集記事を組みました。

ところで与党が少数となった国会の衆院予算委員会では、自民党の裏金問題を解明するために旧安倍派の会計責任者(当時)の参考人招致が問題となり、51年ぶりに多数決で参考人招致が決まりました。この参考人招致について公明党は当初、多数決になれば賛成するとしていたにもかかわらず、1月30日の予算委員会では、反対する自民党に阿(おもね)り「民間人を多数決で招致することには反対」などの理由をつけて退席しました。

昨年の衆院選では裏金候補を推薦し、自民党と「同じ穴のムジナ」と見られたことが敗因と分析したことから、当初は参考人招致に賛成の意向を示し、自民党との距離感を演出していたにもかかわらず、結局は馬脚を現した公明党。

斎藤鉄夫新代表が選出された直後の昨年11月の創価学会総県長会議で原田稔会長は、「(斎藤新代表には)『清潔な政治を貫く』という結党の原点に立ち返っての新たな船出を、私たちは大いに期待し、応援してまいりたい」(24・11・19付聖教)と発言していましたが、期待は早々に裏切られたようです。

1月29日付『朝日新聞』掲載のインタビューで斎藤代表は、宗教的信念を大事にする公明党が、自民党と対立し譲れない場面がきた時は、「『何があっても自公連立は崩しません』ということはない。わが党が譲れないもので意見が対立し、合意が得られなかった場合に連立離脱というのはあり得る」と発言していますが、「結党の原点」である「清潔な政治」はどうやら譲れないものではないようです。

今夏の東京都議選・参院選を「日本の未来を決する政治決戦」と位置づけ必勝を期す創価学会・公明党。小誌はその動向を今年も監視し、追及を続けます。

特集/混迷・混乱で通底する創価と世相

「トランプ2.0」への政治姿勢に投影された創価学会の欺瞞性

乙骨正生

ジャーナリスト

 

歯の浮くような「お世辞」呈した原田会長

「米次期大統領トランプ氏に祝電」と題する次のような記事が、昨年11月8日付『聖教新聞』に掲載されていた。

「原田会長は2024年11月7日、創価学会を代表して、アメリカの第47代大統領に決まったドナルド・トランプ氏に祝電を送った。氏のリーダーシップを通じて、人類が直面する困難を乗り越え、平和で豊かな共存の世界が実現されることを期待した」

11月5日の一般投票の結果、大多数の選挙人を獲得し次期大統領に決定したトランプ氏に対して、創価学会が原田稔会長名義で早々と祝電を送ったことを得々と報じているのだが、アメリカ国内にSGIアメリカを組織し会員や施設を有するとともに、傘下にアメリカ創価大学を抱える創価学会だけに、新たな最高権力者に媚びを売っておこうという魂胆なのだろう。

それにしても単なる外交辞令とはいえ、デマやヘイトスピーチで批判者や反対者を攻撃し侮蔑するなど、政治的指導者としての徳性や品格を欠くことが明らかなトランプ氏に対して、「氏のリーダーシップを通じて、人類が直面する困難を乗り越え、平和で豊かな共存の世界が実現されることを期待」などと、さながら魚屋で野菜を求めるかのごとき的外れで歯の浮くような世辞を呈するとは、その卑屈さには呆れるしかない。

というのもすでに45代大統領としての1期目の“実績”と、大統領選挙期間中の発言から、「MAGA(メーク・アメリカ・グレート・アゲイン=アメリカを再び偉大に)」を常套句とするトランプ氏が当選した場合、「極右ポピュリズム、反知性主義、米国第一主義と軍事・外交的孤立主義、多国間主義の秩序を無視する保護貿易主義、極端な反移民感情、政治的反対者などに対する軽蔑と嫌悪、『フェイクニュース(注・デマ情報や虚偽情報)』や『オルタナティブ・ファクト(注・もう一つの真実)』を前面に出した妄想と偽りの扇動など」(1月18日付『ハンギョレ新聞』)を要素とする「トランピズム(トランプ主義)」が再来するとして、世界の政界やマスコミ界では早い段階から「トランプ2.0(注・進化した2期目のトランプ政権)」の危険性が指摘されていたからだ。

実際、1月20日に47代大統領に就任するや否や、トランプ大統領は矢継ぎ早に大統領令や公文書に署名し、地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの離脱や「WHO(世界保健機関)」からの脱退、そして不法移民の入国阻止に向けた各種施策、さらには2021年1月6日にトランプ氏の大統領選敗北を認めず、連邦議会議事堂襲撃事件で有罪となった1000人余の襲撃犯たちに対する恩赦や減刑、そして政府が認める性別は男性と女性のみとし、「多様性」や「公平性」などを意味する政府のDEIプログラムの廃止などに踏み切った。

こうしたトランプ大統領の政治姿勢について『日本経済新聞』は、1月22日付「大機小機」で、「トランプ独裁政治に揺らぐ世界」と題して、「極右ポピュリズムのネットワークが形成される」「民主主義が後退し核の危機が深刻化する」「資本主義が歪み、地球環境危機が『不都合な真実』になる」との3点を指摘し、「トランプ氏が席巻する世界は戦後最大の危機に直面している」と警鐘を鳴らした。

アメリカの『Newsweek』1月23日号も、トランプ大統領が行った連邦議会議事堂襲撃犯に対する大量恩赦について、「トランプは、議事堂襲撃と大量恩赦でアメリカを2度殺した」との見出しで、「トランプの大量恩赦は、アメリカの民主主義を汚物まみれにした大統領と暴徒たちを法で裁こうとした司法界や法執行機関、そして市民を愚弄する行為」であると、民主主義や法の支配の破壊を促進する独裁的なトランプ政治に厳しい筆誅を加えている。

だが、こうした事態の到来が十分予測できたにもかかわらず、「立正安国」ならぬ「立正安世界」を鼓吹する創価学会そして原田会長は、歯の浮くような「祝電」を送るのみで、批判はおろか諫言も忠告もしていない。

昨年5月10日にイタリア・ローマのバチカンで原田会長と会見したローマ教皇も、トランプ大統領の再登板に祝意を表している。しかし、そのメッセージの内容を見ると、祝意を表したという点では同じであっても、両者の政治姿勢には天と地ほどの開きがあることが分かる。

 

トランプ政治を厳しく批判するローマ教皇

ローマ教皇の祝意を報じた1月20日付『ロイター』記事には次のようにある。

「ローマ教皇フランシスコは20日、首都ワシントンでの米大統領就任式を前に送った恒例のメッセージで、トランプ大統領に祝意を伝えた。

教皇はこれまでトランプ氏の反移民的発言に強い反対を表明しており、再び大統領に就任するトランプ氏に、神が『英知と強さと加護』を与えられるよう祈るとした上で『あなたのリーダーシップの下、米国民が繁栄し、憎悪、差別、排除のない、より公正な社会の構築に常に努めるよう願っている』と述べた。

教皇は近年、異例の強い調子でトランプ氏を批判しており、前日には同氏による全米規模の移民規制大幅強化計画は『恥ずべきもの』と発言した」

そしてこれに先立つ1月6日には、「ローマ教皇フランシスコは、トランプ次期米大統領の就任を控え、同氏の政策を批判してきたロバート・マケロイ枢機卿(70)を首都ワシントンの大司教に任命」(1月6日付『ロイター』)してもいる。

トランプ大統領の政策を批判してきた枢機卿を、わざわざ首都ワシントンの大司教に任命したローマ教皇の意思について、1月6日付『ロイター』は次のような識者のコメントを紹介している。

「教皇の動向を注視してきたビラノバ大学のマッシモ・ファッジオーリ教授は『この任命は大胆な動き』と指摘。発表が21年の米議会襲撃事件と同じ6日に行われたことに注目し、『ワシントンの権力の座と米国の役員会への声明』との見方を示した」

昨年5月10日のローマ教皇と原田会長の会見について『聖教新聞』(5月12日付)は、「平和の未来へ協働する精神にあふれた友好の語らいは、約30分に及んだ」とし、原田会長は会見の席上、ローマ教皇に対して「人類の幸福と世界平和のために、今後も歩みを共にしたい」と述べたと報じている。

この会見について元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、5月23日付『毎日新聞』で、「会見の内容も宗教間対話にとどまらず、現実の国際政治にも及んでいる。創価学会もカトリック教会も信仰は、政治分野を含む人間のすべての行動の規範になると考える世界観型の宗教」であるから、「今回の原田・フランシスコ会談は、現実の国際政治にも重要な影響を与える出来事だと筆者は見ている」と評価。会見は「世界史的カイロス(画期・転換点)」(『第三文明channel』5月24日付)だと礼賛している。

 

「トランプ2.0」に沈黙する原田創価学会

だが「平和の未来へ協働する精神」を共有したはずの両者の「トランプ2.0」に対する姿勢は対照的である。

大統領就任式直前の1月15日に、原田会長の指揮下にある創価学会インタナショナル(SGI)は、創立50周年を記念して「世界平和の創出へ核使用の防止を」と題する「声明」を発表。その「声明」においてSGIは、「世界では今、ウクライナを巡る危機が長期化し、核兵器に関わる緊張も急激に高まるとともに、ガザ地区をはじめ中東地域における紛争も続いている。(中略)こうした各地での紛争に加えて、気候変動問題をはじめ、貧困や環境破壊といったグローバルな課題が山積しており、人類の未来に暗い影を落としている」との現状認識を示している。そうであるならば当然、「パリ協定」や「WHO」からの離脱・脱退は、地球環境や人類社会に悪影響を及ぼす可能性が高いのだから、少なくともこの点に関する「トランプ2.0」に対する危機意識くらいは表明すべきだったのではないか。だが「SGI声明」に「トランプ2.0」への言及はまったくない。

同様に原田会長も、1月10日開催の全国総県長会議において、「本年は学会創立95周年、今月26日はSGI発足50周年。いよいよ95周年から100周年の2030年へ、さらには第2の『七つの鐘』の折り返しから2050年へ、世界広布の新展開を期す大事な時を迎えます。分断と不安に覆われた混迷する世界情勢だからこそ、人類の宿命転換を目指す私たちの挑戦は日々、重要度を増しています」と、創価学会の活動こそが「分断と不安に覆われた混迷する世界情勢」を転換し、「人類の宿命転換」を促す重要な活動である旨強調するが、「分断と不安」そして「混迷」の要因として危険視される「トランプ2.0」には一言も触れていない。

その一方で、「本年は都議選と参院選が重なる、12年に一度の年。近年の“巳年のダブル選挙”の結果は、大きく日本政治を動かしてきました。日本の未来を決する政治決戦です。私たちが支援する公明党にとっては、その真価が問われる重要な戦いでもあります。私たちは強き祈りを根本に、全ての活動を信心の利剣で戦っていきたい」と、東京都議選・参院選が「日本の未来を決する政治決戦」であるとして、公明党の勝利を檄している。

混乱・混迷する国際情勢の中で、重大な不安要素として現出した「トランプ2.0」。その「トランプ2.0」に対する政治姿勢で大きな違いを見せたローマ教皇と原田会長。その対応の懸隔に、創価学会が主張する「立正安国」や「立正安世界」の欺瞞性が透けて見える。

 

 

乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。

 

信濃町探偵団──創価学会最新動向

  • 財務から選挙―金集めの次は票集めの創価学会の実態

・1月11日付『聖教新聞』「総県長会議での原田会長の指導」

「昨年末の財務につきましては、皆さまの強き祈りと温かな励ましで、一切無事故で終了することができました。広布部員の皆さまの赤誠に、心からの御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。物価高が長引き、大変な経済状況が続くなかで、創価学会を守り、支える真心の財務に取り組んでくださった広布部員の皆さまへの大きな福徳は、御聖訓に照らして間違いありません。(中略)本年は都議選と参院選が重なる、12年に一度の年。近年の“巳年のダブル選挙”の結果は、大きく日本の政治を動かしてきました。日本の未来を決する政治決戦です。私たちが支援する公明党にとっては、その真価が問われる重要な戦いでもあります。

私たちは強き祈りを根本に、全ての活動を信心の利剣で戦っていきたい。(中略)私たちは、常に心に師を抱きながら、率先の祈りと行動で、皆を勇気づけ、連続勝利の歴史を断固、切り開いていこうではありませんか!」

 

※創価学会員を含む多くの庶民が物価高に伴う生活苦に困窮する中で、「財務」という金集めを行った創価学会。原田稔会長は1月の全国総県長会議や本部幹部会の席上、感謝の言葉を口にしたが、アベノミクスという円安政策の悪影響による物価高で困窮する事態を招いた責任は、安倍政治・自民党政治に加担した公明党と、これを支え続けた創価学会執行部の政治判断にもある。にもかかわらずいけシャーシャーと、「物価高が長引き、大変な経済状況が続くなかで」財務に応じた「財務部員」の「福徳」は「間違いありません」とは、その厚顔ぶりには呆れるしかない。

そのうえで集金の次は集票とばかりに、来たる東京都議選と参院選を、「日本の未来を決する政治決戦」だと位置づけ、「連続勝利の歴史を、断固、切り開こう」と選挙闘争への挺身を煽りに煽っている。

だいたい「連続勝利の歴史」などというが、昨年10月の衆院総選挙は8議席減の惨敗。その前の国政選挙である22年7月の参院選も1議席減の敗北であり、実際は「連勝」どころか「連敗の歴史」である。しかもそれらの選挙を陣頭指揮したのは原田会長。まともな感覚なら学会員を熾烈な選挙に駆り立てて負けた責任を取るべきが筋だが、自己の責任を等閑視するどころか「連続勝利の歴史」などと、それこそアメリカのトランプ大統領さながらの「オルタナティブファクト(もう一つの真実)」を強調して、選挙闘争に突き進もうというのだから、その不誠実さ、無責任体質には驚き呆れる。

その「政治決戦」に向けて創価学会は、衆院選後初の政令市議選となる1月26日投開票の北九州市議選を都議選・参院選の前哨戦として重要視。また同じく岡山・倉敷市議選や大阪・茨城市議選、埼玉・戸田市議選などを重要視して力を入れたので、その動静と結果を紹介しよう。

 

・1月13日付『聖教新聞』「青年の手で勝利の扉を 北九州で九州男子部が大会」

「『先駆』こそ九州の永遠の使命!――1967年(昭和42年)7月、池田先生は九州の幹部大会に出席。『常に先駆の九州たれ』との指針を発表した」

・1月14日付『聖教新聞』「限りなき前進を」「岡山倉敷が幹部会 原田会長と」

「原田会長は、池田先生の若き日の闘争を通して広布拡大の要諦を確認」

・1月24日付『聖教新聞』「関東 埼玉・戸田が勇戦」

「“飛翔の年”を正義の拡大で勢いよく先駆!――戸田圏の集いが17日、戸田文化会館で開催された」

 

※都議選・参院選という「政治決戦」の前哨戦となる北九州市議選を戦うことから、「先駆」と位置づけられる九州の創価学会。現有13名の候補を擁立して臨んだ結果、13名全員当選を果たしたが、得票数は前回の69067票から今回は59020票と、10047票減のマイナス15%だった。

同様に原田会長が現地入りした倉敷市議選は、7人全員が当選したものの得票は11%減小。前回、現職一人を落としたが、創価学会を批判して当選したスーパークレイジー君が当選無効となったため、繰り上げ当選し現有5名だった戸田市議選は、候補を4人としたため全員当選したが議席は1減。得票率もマイナス15%だった。

そして「常勝関西」の大阪・茨城市議選は、現有6名が立候補したが1名が落選。関西の「常勝」神話は完全に崩壊したことを印象付けた。

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