12月号目次
閻魔帳
退潮の歯止めが物価対策はまず消費税の減税/浦野広明
特集/池田大作一周忌を迎え揺らぐ創価・公明
「池田学会」から「原田・谷川学会」への変貌の節目となった池田一周忌/乙骨正生
カリスマ死後の教義確立に揺れる創価学会/山本栄美子
「池田大作一周忌」をテコに埋没回避へ躍起となる「公明党=創価学会」/古川利明
トピックス
神社本庁の内紛は、来年の次期役員改選まで継続する見込み/橋本征雄
トピックス
創価学会「広布文化賞」――その実態の一断面/本誌編集部
- 連載
信濃町探偵団──創価学会最新動向
「日本の議会政治」を考える(番外)
原敬首相の暗殺104周年に思う──カルト政治と闘った政治家/平野貞夫
ナニワの虫眼鏡(第66回)
再選を果たした斎藤知事 それでも消えぬ得体のしれない違和感/吉富有治
ヨーロッパ・カルト事情(315)
トランプ大統領のもと、セクト(破壊的カルト)は我が世の春/広岡裕児
執筆者紹介&バックナンバー紹介 編集後記
編集後記から
早くも師走となりましたが、今年は日本の政治にとっては大きな転機の年になりました。というのも10月27日投開票で行われた衆院総選挙の結果、自民・公明が敗北し、少数与党に転落したからです。国会の首班指名で野党共闘が成立しなかったため、自公政権は維持されたものの少数与党となったことで、安倍一強に象徴される自公による国会軽視と行政の蹂躙・壟断に終止符が打たれ、与野党による熟議が必要となったことは歓迎すべき政治状況と言えるでしょう。
昨年11月15日に死去した池田大作創価学会3代会長の一周忌を前にした衆院選で惨敗した公明党そして創価学会は、「(敗北にも)意味はある」「(選挙闘争には)功徳がある」などと敗北を糊塗するとともに、来年の池田三回忌に向けて「次に勝つ因を弟子が創る」などと強調し、来夏の参院選・東京都議選の勝利に向けた準備に余念がありません。
そうした布石と軌を一にして創価学会は、創立記念日である11月18日前後に、最高規範とする「会憲」を改変し、池田氏を「永遠にSGI会長と仰ぐ」ことを発表。今後は「(SGI会長の指導および精神を根本に)創価学会会長を中心として、SGI理事長と共に、異体同心の団結で世界広布を推進する」との方針を明確にしました。
会長は周知のように原田稔6代会長、そして池田3代会長を「永遠にSGI会長」に祀り上げたことでSGIの最高位になったSGI理事長には谷川佳樹創価学会主任副会長が就任しました。
その一方で池田3代会長の長男・博正SGI副会長は、SGI副会長の廃止に伴い15人いる副理事長の1人へと降格されました。
世界宗教に向けた「世界広布に前進」しているという創価学会は、原田・谷川氏を2トップとして来年の池田三回忌や創立95周年。そして2030年の創立100周年を目指すのだそうです。しかし今回の衆院選の結果が示すように創価学会の勢力後退は明らかであり、参院選・都議選の結果も厳しいものとなることが予想されます
自公政権の黄昏、そして創価学会の衰退が明らかになりましたが、小誌は、まだまだ宗教と政治・宗教と社会の事実と真実を追及し続けます。
特集/池田大作一周忌を迎え揺らぐ創価・公明
「池田学会」から「原田・谷川学会」への変貌の節目となった池田一周忌
乙骨正生
ジャーナリスト
しょぼい「実証」と衰退する組織
2023(令和5)年11月15日に死去した創価学会の池田大作三代会長の一周忌にあたって、創価学会は祥月命日にあたる11月15日に「追善勤行法要」を開催した。創価学会総本部大誓堂での法要後に挨拶した原田稔会長(6代)は、「池田門下が団結し、厳然たる世界広布の実証をもって一周忌を迎えられたことに感謝」(『聖教新聞』11月16日号)と述べるとともに、「戸田城聖先生の五十回忌にさらなる勝利への闘争を誓った池田先生の真情に触れつつ、我らは明年の三回忌、そして2030年までの6年を断固と勝ち抜き、師恩に報いよう」(同)と語った。
ここで原田会長は、池田氏の死去から1年間の創価学会の活動について、「厳然たる世界広布の実証」を示したとしている。ではその「実証」とはなにか。祥月命日にあたる11月15日付『聖教新聞』は、「きょう池田大作先生の一周忌」との大見出しのもと、かつて池田氏が示したという「広宣流布という大偉業は、一代で成し遂げることはできない。師から弟子へ、そのまた弟子へと続く継承があってこそ成就される」との指針を胸に、「池田門下はこの一年、“広布の松明”を掲げ、不断の前進を続けた」として、その「実証」を以下のように羅列している。
1、「『世界青年学会 開幕の年』の本年には、南アジア青年部総会(2月)、アメリカ青年部の1万人の集い(3月)、17カ国・地域の同志が集まった関西ワールド総会(4月)、フランスとイタリアの総会(5月)、ブラジルの青年の連帯14万人達成(同月)など、後継の友を先頭に、世界広布が伸展した」
2、「5月には、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇と原田会長の会見がバチカン市国で実現。宗教・文明の枠を超え、平和の未来への協働を約し合った。また、約100人からなる学会代表訪中団(5月、6月)などの交流を積極的に推進した」
3、「先生が“最後の事業”と定めた教育の分野では、創価インターナショナルスクール・マレーシアが2月に開校式を挙行。7カ国に広がる創価教育のキャンパスで、社会貢献の英才が育ちゆく」
「世界宗教」として発展しているというのが創価学会の建前だからか、海外での実績ばかりが掲げられているが、「厳然たる世界広布の実証」というにはあまりに“しょぼい”としかいいようがない。なぜなら1は、各地で会合が開かれたというに過ぎないし、創価学会の公称世帯数が827万であることからして、ブラジルの「青年の連帯14万人」なる数字の信憑性は薄い。そもそも14万人という数字が累計数である可能性が高い。
2のローマ教皇と原田会長の会見も、本誌の341号(今年6月号)で報じたように、「ヴァチカンニュース」ですら報道しない程度の評価でしかない。だいたいローマ教皇は創価学会よりはるかに規模の小さい日本の宗教団体のトップともしばしば会見しており、会見したこと自体は自慢にもならない。同様に中国でも原田会長は政府・党の首脳クラスには相手にされず、池田時代と違う扱いの軽さが際立っただけだった。そして3は、マレーシアに創価系の学校が一校できたというだけのこと。
こうした海外での動静を「世界広布の実証」だと誇示する創価学会だが、その一方で国内に目を転じれば、勢力の衰退は隠しようがない。
創価学会は、公明党の国政選挙の比例区票を「広宣流布のバロメーター」(秋谷栄之助5代会長)と位置づけているが、10月27日投開票の衆院選の結果、公明党の比例区票は前回比115万票減の596万票と、600万票の大台を割り、1970年代の水準にまで落ち込んでいる。もっとも当時は自民党との選挙協力がなかったので、現在の組織力は当時よりも低い可能性すらある。
宗教社会学で創価学会は“都市型宗教”と分析されている。そこで創価学会の二大拠点である「本陣・東京」と、「常勝関西・大阪」の前回と今回の比例区票を比較すると、東京は前回2021年衆院選での得票数が71万5450票だったが、今回は57万3191票と14万2259票の減少。大阪も前回の53万9724票から、今回は6万1048票マイナスの47万8676票へと減少しており、減少率は東京が20%、大阪も12%に及んでいることが分かる。
今回の衆院選を創価学会は「師恩に応える法戦」「一周忌を勝利で飾る法戦」と位置づけ、眦を決して選挙戦に挑んでいた。それでも東京・大阪という2大拠点ですら大幅に得票数が落ち込んでいるのが創価学会の組織実態。
そして池田氏が「最後の事業」と定め注力していたという教育事業でも、今年4月には、創価女子短大が学生募集を停止し創価大学へと吸収合併、すなわち廃校となることが発表された。
一連の事実は、池田死去後の1年の間に、創価学会は「厳然たる世界広布の実証」を示すどころか、衰退・衰微の「実証」を示しているといえよう。
敗北を糊塗し更なる闘争を指示
しかし敗北を認めず、反省することを知らない創価学会は、こうした「厳然たる」事実を糊塗するために詭弁を弄している。その代表的発言として10月31日付『聖教新聞』座談会記事の衆院選の結果に言及した永石女性部長と原田会長の発言を紹介しよう。
「永石 かつて池田先生は、『一生のすべての体験が生きてくるのだ。何ひとつ、塵も残さず、無駄はなかったことが分かるのです。これが妙法の大功徳です』との恩師の言葉を引いて、こう励まされました。“信心の眼で見れば、必ず全部、意味がある。人のために歩き、心を砕く、尊き修行を、悔いなく戦い抜いた人は強い。その人には感傷も愚痴もない”と。
原田 題目をあげ抜き、自身の壁を破り、善縁を広げた挑戦そのものが大勝利です」
創立記念日である11月18日開催の全国総県長会議でも原田会長は次のように発言している。
「ともあれ、広宣流布のため、立正安国のため、大きく仏縁を広げた行動に、功徳は計り知れません。その上で池田先生は『創価のリーダーの誉れ高き誓願は、いついかなる時も、今から未来へ、広宣流布の勝利勝利の「本因」を刻んでいくことだ。次に勝つ因を、弟子が創ることだ』とご指導くださいました。(中略)『広布の大願を果たすために、断固と、新たな戦いを起こすのです。その勇者の胸中にこそ、「創立」の精神は生き生きと脈動していく』との指針を生命に刻み、池田先生の三回忌である明年の『11・15』へ、そして明・創立95周年の『11・18』へ、池田門下の勇者として、新たな戦いを起こしていきたい」(11月19日付『聖教』)
衆院選における公明党の惨敗を「信心の眼で見れば、必ず全部、意味がある」として、敗北という現実から目をそらさせるとともに思考を停止させる。その上で「広宣流布のため、立正安国のため、大きく仏縁を広げた行動に、功徳は計り知れません」と、選挙活動には功徳があるとして敗北を糊塗しつつ、「広宣流布の勝利勝利の本因」「次に勝つ因を、弟子が創る」ことを強調。来年の池田三回忌と創立95周年を勝利で飾るべく、来たる参院選・東京都議選に向けた戦いを督励しているのである。
しかし創価学会の組織は足元から崩れ続けている。そのことは、衆院選後の全国各地の地方選挙の結果からも明らかと言えよう。池田一周忌と創立記念日の間、公明党の創立60年の結党記念日である11月17日実施の地方議会選挙のうち、公明党が複数の候補者を立てた地方議会の選挙結果は、山口県防府市議選で6598票から5395票へと1206票の減少=減少率19%。愛媛県四国中央市議選では3481票から2947票へと534票の減少=減少率16%。そして山梨県南アルプス市議選でも5092票から4705票と387票の減少=減少率8%。同北杜市議選でも2676票から207票減の2469票=減少率8%となっている。
もっとも同日実施の兵庫県丹波市議選では、4232票から4695票と463票増=増加率10%となっており、公明党はこの結果を過去最高得票と喧伝するが、得票増1に対して得票減は4。ちなみに同日行われた市議選に候補を1人だけ立てた3市議選でも公明党はすべて得票を減らしており、国政選挙での比例区票については悲観的要素しかない。およそ「次に勝つ因を、弟子が創る」状況ではないのだ。
棚上げと格下げで脱池田を企図
そうした厳しい現実をよそに、一周忌に際して「厳然たる世界広布の実証」として、海外の動静のみを羅列した創価学会は、11月17日開催の本部幹部会ならびにSGI総会で、牧口常三郎初代会長を「学会創立の先師」、戸田城聖二代会長を「地涌75万の恩師」、そして池田三代会長を「世界広布の大師匠」とするとともに「永遠に『SGI』会長と仰ぐ」ことを発表。併せて原田会長が「創価学会が世界宗教として飛翔するため」のSGIの指導体制の明確化として、「三代会長、なかんずくSGI会長であられる池田先生の指導および精神を根本に、創価学会会長を中心として、SGI理事長と共に、異体同心の団結で世界広布を推進する」ことを発表した。
この改変に伴いSGIの新理事長に谷川佳樹主任副会長が就任。池田三代会長の長男である池田博正氏が就いていたSGI副会長は廃止され、池田博正氏は15人の副理事長の一人へと降格された。
池田氏が「永遠にSGI会長」と位置づけられた以上、SGIのトップは理事長となる。これで原田・谷川両氏が創価学会ならびにSGIを、名実ともに牛耳っていくことが明らかとなった。その原田・谷川学会にとって最初の試金石は参院選と都議選。結果が注目される。
乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。
信濃町探偵団──創価学会最新動向
池田大作3代会長一周忌並びに創立記念日関連の動静
・11月15日付『聖教新聞』「きょう池田大作先生の一周忌」「世界広宣流布を誓い全同志が追善」
「きょう15日、池田大作先生の一周忌を迎えた。師弟不二の大闘争を貫き、妙法の世界広宣流布の道を開いた永遠の師への感謝を胸に、全国・全世界の同志が各家庭等で追善の勤行を行い、新たな飛翔を誓う」
・11月16日付『聖教新聞』「池田先生の一周忌追善勤行法要全世界の友が報恩と誓願の祈り』「広宣流布大誓堂で原田会長、永石女性部長が代表と」「方面・県、各家庭でも厳粛に」
「第3代会長・池田大作先生の一周忌追善勤行法要が祥月命日の15日、東京・信濃町の広宣流布大誓堂で厳粛に行われた。(中略)あいさつに立った会長は、池田門下が団結し、厳然たる世界広布の実証をもって一周年を迎えられたことに感謝を述べた。また、戸田城聖先生の五十回忌にさらなる勝利への闘争を誓った池田先生の真情に触れつつ、我らは明年の三回忌、そして2030年までの6年を断固と勝ち抜き、師恩に報いようと語った」
※2023年11月15日の池田大作3代会長の死去から満1年を迎え、祥月命日にあたる11月15日に創価学会が「一周忌追善勤行法要」を行った。
11月16日付『聖教新聞』は、原田稔会長らによる総本部・広宣流布大誓堂での法要の模様を大々的に報道し、各方面・県などの中心会館の恩師記念室でも法要を行ったというが、これらにはキャパの関係もあって、当然のことだが一般の会員は参加できない。聖教記事には「各家庭」でもなどとあるが、「永遠の師匠」である池田三代会長の「追善法要」を全国各地の会館で行わず、あたかも「それぞれが勝手にやってね」というが如く、各自に家庭で行わせる創価学会・現執行部の姿勢には、一般会員から不満の声があがっており、学会員同士の交流サイトにはこんな声がアップされていた。
「驚くことに11月15日の師匠の一周忌法要は全国的に『各ご家庭で』だそうだ。選挙の時はあんなに結集かけてたのに会館での法要もないのか?ならばせめてお墓の場所くらい教えてくれ」
かねてから創価学会は物故者には冷たい教団であると言われている。それは創価学会の体質が「現世主義」的であることに起因する。すなわち「死者」は「金」にも「票」にもならないから、もはやケアする必要のない存在であるからに他ならない。
もっとも池田氏の場合は「永遠の師匠」という宗教的尊崇の対象。その追善法要を、衆院選挙に際しては会館に一般の幹部・活動家そして会員を集めたにもかかわらず、各地の会館で行わず「各家庭」で行わせたのは、一般の幹部・活動家・会員を、池田氏を偲ぶ法要に集めたくなかったからとしか考えられない。
多くの会員が集まり、池田氏を偲べば、現執行部の教義改変や政治姿勢に対して、池田氏の意向と違うのではと、疑念や不信を醸成する可能性は低くない。かくして「追善法要」は「各家庭」で行うこととされたものか。
ちなみに「創価学会葬」「お別れの会」に続いて「一周忌追善勤行法要」についての聖教記事にも、池田未亡人が出席したとの記述はない。
・11月18日付『聖教新聞』「『創立の日』から世界宗教へ新たなる飛翔」「第5回本部幹部会 SGI総会」「牧口先生は『学会創立の先師』 戸田先生は『地涌75万の恩師』 池田先生は『世界広布の大師匠』永遠に『SGI会長』と仰ぐ」
「席上、原田会長から、創価学会が世界宗教として飛翔するためにSGIの指導体制を明確にし、『SGIは、池田大作先生を永遠にSGI会長と仰ぐ』『三代会長、なかんずくSGI会長であられる池田先生の指導および精神を根本に、創価学会会長を中心として、SGI理事長と共に、異体同心の団結で世界広布を推進する』ことが発表された。この方針に基づき、本部幹部会に先立つ同日の第85回総務会、会憲改正会議において、『創価学会会憲』の改正が議決された。(中略)
原田会長は、明年の学会創立95周年から2030年の創立100周年へ、弟子が勝利の実証を示してこそ世界青年学会の飛翔はあると強調。池田先生の未来永遠にわたる指揮のもと、世界広布の大空へ、悠然と羽ばたこうと訴えた」
※池田一周忌を終えた創価学会が、創立記念日を前に「会憲」を改変し、牧口常三郎初代会長を「学会創立の先師」、戸田城聖二代会長を「地涌75万の恩師」、そして池田三代会長を「世界広布の大師匠 永遠にSGI会長と仰ぐ」と規定した。
牧口・戸田の両会長はあくまで「師」だが、池田三代会長には「大師匠」と「大」をつける“大”サービス。先の教義改変にともなう昨年の『教学要綱』の出版と併せて、創価学会は今後2030年の創立100周年に向けて池田氏を「本仏」的存在とする「大師匠」として、世界宗教である「日蓮世界宗」への道を歩くという意思表示なのだろう。
それと軌を一にして創価学会は、創価学会インタナショナル(SGI)の指導体制を明確化するとして、「会憲」に「SGI会長であられる池田先生の指導および精神を根本に、創価学会会長を中心として、SGI理事長と共に、異体同心の団結で世界広布を推進する」との一文を加え、「永遠」の「SGI会長」である池田氏の「指導および精神」のもと「創価学会会長」と「SGI理事長」が世界広布の指揮を執ることを明確化。そしてその「SGI理事長」に谷川佳樹主任副会長が就任した。
池田氏が「永遠」の「SGI会長」となった以上、SGIの最高位は「SGI理事長」となることは明らか。そしてこの変更にあわせて従来は池田氏の長男である池田博正氏が就いていたSGI副会長は廃止され、池田博正氏は15人の副理事長の一人へと格下げとなった。
SGIに関する一連の改変の意図は、今後の創価学会ならびにSGIは、原田・谷川両氏が統理・統率していくことを明確化したものということができる。すでに齢80を超えた原田会長は衆院選惨敗の責任をとって退任しなかったが、来年行われる参院選そして東京都議選でも惨敗した場合、退任する可能性は否定できない。その場合、会長と比肩する立場に位置づけられたSGI理事長に昇格した谷川氏がその後任となる可能性は高い。池田神格化と脱池田の混在する創価学会の混乱は必至だ。