10月号目次
閻魔帳
麻生に「がん」と腐されて怯む創価・公明の無慙な怯懦体質/乙骨正生
特集/ジャニーズより深刻な創価学会のマスコミ汚染
金・票・人手で構築した支配構造/溝口 敦
創価学会の守護神の“言論封殺魔”/佐高 信
ジャニーズ事件の比ではない 創価学会のメディア・タブー/段 勲
ジャニーズ事務所どころではない「池田大作=創価学会・公明党」に対するメディアの弱腰ぶり/古川利明
トピックス
岸田内閣改造、統一教会との関わりを未だ精算できず/藤倉善郎
- 連載
信濃町探偵団──創価学会最新動向
「公明党と創価学会」を考える(第48回)
「平成の政治改革」を考える(5)/平野貞夫
ナニワの虫眼鏡(第52回)
消えた大阪の“地方紙” 新聞の衰退はポピュリズム政党の拡大要因に/吉富有治
ヨーロッパ・カルト事情(302)
公立高校でアバヤ・カミス禁止/広岡裕児
執筆者紹介 編集後記
編集後記から
ジャニーズ問題を契機に、日本のマス・メディアの迎合・忖度体質が大きくクローズアップされています。政治力・経済力(金)を持ついわば「権力者」に媚び諂うのは、日本のマス・メディアの「宿痾」とも言うべき体質ですが、そもそもジェンダー問題やLGBTQに見られる個の尊厳、さらには言論・表現の自由をはじめとする人権を蔑ろにし、「同調圧力」や「空気」に支配されることを容認してきたのが日本人の「国民性」。その意味では、マスコミの迎合・忖度体質は、そうした「国民性」が発現した一形態と見ることが可能なのかもしれません。
それにしてもジャニーズ事務所創業者の性加害には呆れるばかりですが、アメとムチを使ってのマスコミ支配という点で、ジャニーズよりもはるかに悪質で深刻なのは創価学会であることは小誌が繰り返し報じてきた通りです。しかし、ジャニーズ事務所がBBCの放送と被害者の実名告発を契機に厳しい社会的批判に晒され、また世界平和統一家庭連合(以下・統一教会)が、安倍銃撃事件以来、その反社会的かつ反人権的体質を厳しく糾弾され、宗教法人の解散が取り沙汰されているにもかかわらず、創価学会はいまだに安閑として集票活動・集金活動に勤しんでいます。小誌今号ではその異常性と問題点を特集しました。
また9月13日に発足した第二次岸田第二次改造内閣の統一教会汚染の実態についても検証しています。その岸田自民党の麻生太郎副総裁が、公明党首脳と創価学会を、軍拡を基調とする安保政策を推し進める上での「がん」だと誹謗しました。平和の党・平和団体を自称する公明党そして創価学会としては無視できないはずの暴言であり、『東京新聞』9月29日付「社説」が「公明党に限らず、憲法を守り、専守防衛の堅持を求める政治勢力全体への挑戦だ。防衛という基本政策の根本が異なるなら、連立政権を解消するのが筋ではないか」と書いているとおり、連立離脱を検討すべき重大事案ですが、なんと創価学会は沈黙、公明党首脳も麻生発言に迎合する姿勢を見せています。驚くべき怯惰というほかありません。
小誌は今月号で創刊333号となりました。今後も宗教と政治・宗教と社会の事実と真実を追究し続けます。
特集/ジャニーズより深刻な創価学会のマスコミ汚染
金・票・人手で構築した支配構造
溝口 敦
ノンフィクション作家
叩かれるジャニーズと健在な創価
故ジャニー喜多川氏による所属男性タレントに対する性加害問題が事務所当事者に公式に是認されたことで始まるジャニーズ問題が相変わらず世間を騒がせている。
ジャニーズ事務所の現役役員や元所属タレント、多くの識者や芸能関係者などがSNSを含むメディアでそれぞれ発言。テレビ局や雑誌社、新聞社などのマスメディアが芸能界に強大な力を持つジャニーズ事務所に忖度、長年の間、性加害を黙認し、沈黙を続けたことで、問題をここまで大きく、長引かせたことが明らかになりつつある。
他方、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に対しては、政府が10月12日にも宗教法人審議会を開き、盛山正仁文部科学相が解散命令請求に関し意見を聞くことになった。旧統一教会もついに解散となる事態を迎えそうだが、同問題も自民党を中心にする政治家やマスコミ、宗教学者、記者などの迎合や黙認で、ここまで旧統一教会をのさばらせてきたといえよう。
しかし、創価学会・公明党はジャニーズや旧統一教会と同じように自民党議員や新聞、テレビメディア、ジャーナリストなどを利益誘導や票で誘い、会員を動員して嫌がらせや訴訟の乱発などで脱会者や批判者を恐喝、その多くを沈黙させて、今もってわが世の春を謳歌している。なぜ創価学会だけ健在なのか、創価学会・公明党のやり口を検証してみよう。
ジャニーズ問題でキーになったのは「ジャニ担」(ジャニーズ担当の記者やスタッフ)だったという。ジャニーズや所属タレントに対してインタビューや報道ができるのはジャニ担に限られていた。ジャニ担はジャニーズ事務所に取材や編集などの企画を事前に持ち込み、事務所の了承のもとに取材や企画を実施できた。事務所の承諾なく企画を強行すれば、以後、その者は出禁になった。もちろん企画した番組などもジャニーズ系タレントの出演なしとされ、結果的につぶされていった。
萎縮招いた強烈なアメとムチ
創価学会の場合はより直接的、かつ原始的である。脱会し、他宗の信者や批判者に転じる者に対しては庭先によその家のゴミ袋を投じるとか、尾行して当事者が撮られたくない写真を撮って自宅に送りつけ、強迫・強要するなどの手口を繰り返した。また名誉毀損名目で訴訟を起こすとか、過去、さまざまな手法を繰り出して批判者を抑圧してきた。
有名なところでは1970年前後の出版妨害問題、1980年前後の教学部長・原島嵩、顧問弁護士・山崎正友両氏による脱会、組織的な批判活動に対する妨害、抑圧、嫌がらせがある。また同じころ信者会員による投票用紙の盗み、それによる別人の替え玉投票、選挙で公明党を有利にするため信者会員の住民票移動なども明らかにされた。共産党委員長・宮本顕治氏に対しては自宅の電話盗聴を行ったし、まさしく「仏法は世法に勝る」という無法者の心理をストレートに実行に移したのが当時の創価学会・公明党だった。
性の問題ということでは、名誉会長・池田大作氏による性加害が広く知られている。公明党国会議員・渡部一郎への「拝領妻」とされた渡部通子議員との色情関係、同様に多田時子議員などとの性関係も取り沙汰された。その多くは真偽不明だが、月刊ペン事件に典型的なように創価学会は裁判工作で批判者を圧殺してきた。
池田氏も今は植物人間化しながら、100歳に迫る超高齢者になり、さすがに性がらみの話は聞かないが、ジャニーズ事務所と同様、性スキャンダルに対しても、メディアへの手なずけと強圧作戦が多用された。
創価学会本部の広報職員や第一庶務、副会長などがそれぞれ担当し、見知り越しのメディア関係者と接触、彼らを供応し、たとえば取材や記事の差し止め、他教団の悪口の吹き込み、友誼協調関係の確認などに当たってきた。もちろん場合によって彼らに逆ねじを食わせ、記事などの差し止めを狙ってやんわり強迫・強要することも行った。
池田名誉会長は組織内にあってはジャニー喜多川氏以上に神格化された存在であり、本部職員ばかりか会員信者が絶対護持しなければならない「ご本尊」に等しかった。彼らにとって池田護持は絶対の使命だったから、常識も社会倫理も法令も、必要とあれば蹴飛ばしていい存在にすぎなかった。
また芸能関係でいえば、芸能界で俳優、タレントとして活躍する創価学会員は久本雅美、柴田理恵、山本リンダ、岸本加世子、石原さとみ、上戸彩、井上真央、滝沢秀明、氷川きよし、加藤茶、仲本工事、研ナオコなど多数に上るが、かといって現在、創価学会が彼らを使ってどこかに圧力をかけたとか、会員芸能人を集めて特別な催しをしたとか、そういう話は聞かない。おそらく学会員としては2世、3世信者が多く、それほど創価学会活動に自覚的でないことが理由として挙げられよう。
だが、創価学会は1963年に民音(民主音楽協会)を創立して以来、音楽、芸能畑に意欲的で、会内に芸術部を持つほどである。今ではミラノスカラ座を招聘、日本公演を実現したほどの力を持つ。創価学会が芸能界にジャニーズ事務所など問題にしないほど多数メンバーを抱えて、「芸能界支配」といっていいほどの潜在力を持つことは銘記されていい。
ジャニーズ問題で浮き彫りにされたのは「財」の力である。ジャニーズ事務所と所属するタレント、それとNHKを含む多くのテレビ局、雑誌社、新聞社などのマスメディア――この三者の中心に広義の「財」が置かれている。
たとえばタレントないしその卵は喜多川氏に性加害を受けたことで出演機会が増える、これでオレもスターになれると考えたかも知れない。スターになれば、ストレートに財に恵まれる可能性が増す。だから性加害問題は長い間、業界の秘密とされ、社会的な糾弾を受けないできたともいえる。つまりジャニー氏の性欲の満足と、世に出ようとする若者の加害の受用、痛苦の我慢は財という幻想を真ん中におかれて見合いの関係にあった可能性がある。
翳りを見せ始めた創価の支配構造
同様にメディアにとって売れ筋のジャニーズ関係の芸能人が番組やグラビアページに出るか出ないかは視聴率や売れ行きに密接に関係してきた。事務所を説得して、企画をなにがなんでも物にするのは担当と会社の死活問題なのだ。
メディアのジャニ担にとっても同じことである。ジャニーズに良好なパイプを持つことはすなわちその者の力であり、昇進やそれに伴う給料のアップを約束する。ここでも財の力、それに魅了される人間が問題の背景にある。
日本に限らないことだが、マスメディアは経済に弱い。自由や平和を理念としながらも、自国が戦争となれば、容易に「戦争賛成」に転じて戦争を煽り立てる。その方が新聞が売れるからであり、視聴率がアップするからだ。記者や自立するジャーナリストも戦争に乗り、戦争を鼓吹する。その方が自分の書いた記事が大きく扱われ、自分がメディアに起用される率が高くなるからだ。
要するにメディアは損得で動く。メディアに幻想は持てない。売れるタレントを多数抱えるジャニーズ事務所がメディアを抑え込めたのは当然だった。同様に創価学会はカネを持ち、多くの動かせる人員を持ち、その上、選挙での票を持つ。
自民党を籠絡するためにはカネだけでは足りない。自民党はすでにカネを十分持っている。票を持つことで創価学会・公明党は自民党と結び、政権与党の一角に食い込めた。そして政権与党にあることは「なんでも出来る」ことを意味する。ジャニーズ事務所など足元にも及ばない。
だから創価学会・公明党はメディアを抑えつけることができた。出版妨害問題のときには自民党幹事長・田中角栄まで動員した。
現在でも多くのメディアにとって創価学会批判、中でも池田大作批判はタブーである。批判すれば、まず聖教新聞社などの出版広告をストップする。貧窮化したメディアにとってこれだけでも手痛い打撃になる。また毎日新聞などは聖教新聞はじめ学会系の新聞や出版物の印刷を取り上げられないよう、学会の提灯記事を生真面目に掲載している。NHKの社会部記者の中には、創価学会批判のライターなどと交わり、その動向を逐一創価学会に報告する者もいる。NHK予算を審議する国会の場で、公明党にNHKが意地悪されないための日ごろからのサービスなのだ。
旧統一教会も自民党と密接に結びついている。選挙の際、選挙事務所に信者を派遣し、選挙ポスターを貼る、有権者に電話するなど便利に使われることで、自民党議員に必須の人材、組織と思ってもらうためだし、ときには自民党に右翼的な理念や策を授けることもあった。
だが、その関係も解散命令が必至で終末を迎えようとしている。対して創価学会・公明党はカネも人手も票も握り、無敵なはずだが、近年は往時の勢いがない。肝心の公明票が減り始め、自民党にさえときどきバカにされている。
溝口 敦(みぞぐち・あつし)ノンフィクション作家。1942年生まれ。早稲田大学政経学部卒。出版社勤務などを経てフリーに。宗教関係をはじめ幅広く社会問題を扱う。『食肉の帝王』(講談社プラスα文庫)で第25回講談社ノンフィクション賞、日本ジャーナリスト会議賞、編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞の3賞同時受賞。『堕ちた庶民の神』(三一書房)『歌舞伎町・ヤバさの真相』(文春新書)『パチンコ「30兆円の闇」』『生贄の祀り』『あぶない食品』(小学館文庫)『武富士 サラ金の帝王』『池田大作「権力者」の構造』『中国「黒社会」の掟』『細木数子 魔女の履歴書』(講談社プラスα文庫)『暴力団』『続・暴力団』(新潮新書)『抗争』(小学館新書)『喰うか喰われるか 私の山口組体験』(講談社)など著書多数。
信濃町探偵団──創価学会最新動向
- 統一教会解散請求が取り沙汰される中で集金活動
・9月2日付『聖教新聞』「総県長会議での長谷川理事長の指導(要旨)」
「大福徳の財務に
一、いよいよ財務の申し込みが始まりました。丁寧な推進を何とぞ、よろしくお願いいたします。御書新編に新たに収録された御聖訓に『昔の徳勝童子は、土のもちいを仏にまいらせて一閻浮提の主となる。今の檀那等は、二十枚の金のもちいを法華経の御前にささげたり。後生の仏は疑いなし。なんぞ今生にそのしるしなからん』と仰せの通り。日蓮大聖人は真心の供養に対して“来世のみならず、今世においても成仏の功徳が必ず現れる”と最大に讃嘆されています。
大聖人直結の信心を貫き、世界広布を進める創価学会を守り支える真心の財務に、大福徳が積まれることは間違いありません。この下半期の財務推進については、あらためて御書を拝して御供養の精神をともどもに学び合いながら、最後まで真剣に祈り、絶対無事故で進めてまいりたいと思います」
・同9月10日付『聖教新聞』「第15回本部幹部会 SGI青年部研修会から(要旨)長谷川理事長」
「一、8月から9月にかけては、広布部員の申し込みも進めていただいております。これまでコロナ下の暫定対応としてきた継続確認および新規申し込みが、今年度から正式な申し込み方法となりました。推進に当たり、とりわけ地区部長・地区女性部長、支部長・支部女性部長の皆さまには大変にお世話になりますが、どうか、すがすがしい財務となりますよう、お一人お一人への丁寧な、真心こもるお声がけと、絶対無事故の推進を、何とぞよろしくお願い申し上げます」
※政府が世界平和統一家庭連合(以下・統一教会)の解散請求を行う方針を固めた。本誌10月号発行直後の10月12日に宗教法人審議会を開催し、宗教法人法に基づいた解散命令の請求を年内にも裁判所に提出するものとみられる。
昨年7月に起きた安倍晋三元首相銃撃死亡事件を契機に、統一教会の反社会性や人権侵害が大きくクローズアップされ、その過程で高額献金問題についても関心が高まり、厳しい社会的非難に晒された統一教会。しかし統一教会が厳しい非難に晒され、高額献金についても批判を浴びる中で、創価学会は「日蓮遺文」を援用して、「大聖人直結の信心を貫き、世界広布を進める創価学会を守り支える真心の財務に、大福徳が積まれることは間違いありません」などと財務という献金を煽りに煽っている。
しかもコロナ下では暫定措置としてきた「継続確認」と「新規申し込み」を、コロナが5種認定となり、いわばコロナ明けとなった今年からは正式のものとするとして、末端組織の幹部に推進を督励している。
本誌今号の特集では、「ジャニーズより悪質な創価学会のマスコミ汚染」と題して、性加害が露顕したジャニーズ事務所や統一教会は厳しい批判や非難に晒され、司法的責任を追及される局面に立たされているが、創価学会のみは一人蚊帳の外状態にあることの問題点と異常性を取り上げているが、こうした日本の政界・マスコミ界の実態を背景に、創価学会は大手を振って金集めを実施しているのである。
ちなみに総県長会議や本部幹部会で、本来は原田会長が行うであろう指導を長谷川理事長が代行しているのは、「原田会長が新型コロナウイルスの検査で陽性となりました」(総県長会議・長谷川発言)から。
- 創価の政治活動の正当性をアピール
・9月10日付『聖教新聞』「第15回本部幹部会 SGI青年研修会から(要旨)西方青年部長」
「日蓮仏法は、『立正安国論に始まり、立正安国論に終わる』と言われている通り、民衆の幸福のため、社会に積極的に関わられた日蓮大聖人を範とするならば、現代の民主主義社会の根幹である政治に関心を持ち、民衆の側から良き影響を与えることは当然の使命であります。
『社会の前進』に寄与しうる、高潔な政治家を輩出することは、私たちの信仰の発露であるとともに、これ以上ない、健全な民主主義への不断の努力と言えます。一方、『利己』にむしばまれ、衆望を失った政治家は、厳しく糾弾していく。今後も私たち青年部は、『社会の前進』のために、積極的に政治を監視していきます」
※9月13日に内閣を改造するとともに、10月中には物価高に苦しむ国民に「税収増を国民還元」するとした経済政策を発表、さらには統一教会の宗教法人解散請求の実施を決めるなど、岸田首相が衆院の解散総選挙を視野に入れた各種の施策を次々に打ち出している。
これを受けて政界・マスコミ界では、10月20日召集の臨時国会で岸田首相が解散総選挙に踏み切るとの見方が強まっている。
もっとも総選挙対策と見られる内閣改造については、政権与党・公明党の山口代表でさえもが、『夕刊フジ』の連載コラム「山口那津男『本音でズバッと』」(9月27日付)で、〈注目された内閣支持率は、報道各社の世論調査によると、微増もあったが、微減や横ばいの方が多く、「政権浮揚効果」はゼロに近いといってよい〉と酷評する有様。
だが「創立100周年」に向け、「大誓堂完成10周年」の今年を勝利で飾らねばならない創価学会としては、ジリ貧の中での総選挙だけに非常に厳しい選挙戦が予想される。しかも「常勝関西」で大阪維新とガチンコの選挙戦となることが確定し、「常勝」ならぬ「全敗」が予想されるだけに、選挙闘争を「立正安国論」を旗印とする宗教闘争と位置づけ、遮二無二会員の尻を叩くことで議席と比例区票の目減りを防ぐしかない。
それにしても遠山清彦元衆院議員をはじめ数多くの不祥事議員や、自民党の問題議員を支援してきていながら、「『社会の前進』に寄与しうる、高潔な政治家を輩出することは、私たちの信仰の発露」とは、聞いて呆れる。厚顔無恥を地で行く図々しさだ。
- 反核平和団体を猛アピール――当事者意識欠く核兵器禁止条約への言及
・9月4日付『聖教新聞』「座談会 広宣流布大誓堂完成10周年 創価の凱歌を轟かせ」 「不屈の挑戦で平和への潮流を広げる 今こそ核軍縮への転換を」
「相島(平和委員会議長)核禁条約の実効性と普遍性を高めるため、署名国・批准国の着実な増加とともに、条約を支持する市民社会の連帯の拡大が、今ほど求められている時はありません。
長谷川(理事長)唯一の戦争被爆国である日本も、同条約への署名・批准が可能な環境へ前進することが望まれます。そのためにも、核禁条約の締約国会議に日本をはじめ核依存国と核保有国もオブザーバー参加することが期待されます」
※創価学会は、1957年9月8日に行われた戸田城聖会長の「原水爆禁止宣言」を、「創価学会の平和運動の原点」(9月4日付聖教)とする。また「会憲」で「永遠の師匠」と位置づける池田大作名誉会長も戸田会長の「原水爆禁止宣言」を「恩師の遺訓」として、自らの反核運動の原点だと主張している。
その池田名誉会長を創立者と仰ぐ公明党が政権与党に参画しているのだから、創価学会は、核兵器を「絶対悪」として禁止する核兵器禁止条約に日本政府が賛成し、署名・批准するよう推進すべきは当然。だが、公明党は戸田・池田の二代にわたる会長の悲願を達成すべく汗をかこうとはしない。そして創価学会も、9月4日付聖教座談会の長谷川理事長発言、「同条約への署名・批准が可能な環境へ前進することが望まれます」「締約国会議に……オブザーバー参加することが期待されます」に明らかなように、全くの及び腰。
本来であれば政権離脱をかけて強硬に申し入れるべき一丁目一番地の課題に及び腰の創価学会・公明党が掲げる平和主義の内実が透けて見える発言と言える。