9月号目次
閻魔帳
統一教会元広報部長の「懴悔録」から見えるもの/乙骨正生
特集/総選挙を視野に「平和」をアピールする創価・公明の欺瞞的体質
「衆・参・都議のトリプル選」を控え“反核平和”の厚化粧を塗りたくる「公明党=創価学会」/古川利明
公明党が主張の平和路線の危うさと原水禁/段 勲
トピックス
なぜ「靖国神社」をめぐる「国民感情」の傷つけ合いが繰り返されるのか/山本栄美子
トピックス
自民党総裁選、統一教会の思惑は?/鈴木エイト
トピックス
三浦春馬陰謀論と、それに媚びる月刊誌『創』/藤倉善郎
- 連載
信濃町探偵団──創価学会最新動向
「日本の議会政治」を考える(8)
「議会開設運動」の始まり(8)平野貞夫
ナニワの虫眼鏡(第63回)
兵庫県知事を襲ったパワハラ疑惑 維新議員に目立つ不祥事との関連性とは/吉富有治
ヨーロッパ・カルト事情(312)
統一教会を擁護するイタリア宗教社会学者の背景と言説/広岡裕児
執筆者紹介 編集後記
編集後記から
迷走した台風10号は各地に大きな被害をもたらしました。それにしてもこれまでの常識では、亜熱帯では迷走していた台風でも、日本列島に近づいてからは、偏西風に乗って西から東ないしは南から北へと列島を足早に駆け抜けていくものでした。
それが台風10号は日本列島周辺で停滞。最終的には本州上で熱帯低気圧に変わるというこれまでにないパターンを示しました。その原因と理由を識者は地球温暖化に伴って蛇行している偏西風や黒潮の流れが影響していると指摘しています。
今夏の異常な猛暑に迷走する台風、それも温暖化の影響で温められた海水からの水蒸気を受けて勢力を強大化させた台風の襲来と、地震・火山に苛まれる災害列島のリスクは高まるばかりです。
そんな日本列島で台風以上に迷走している政治の世界。9月には自民党の総裁選に立憲民主党の代表選、そして形ばかりでいつも無投票で決まる公明党の代表選が相次いで行われ、その後、架け替えられた看板を押し立てての衆院解散総選挙という流れが強まっています。
強まる災害の危機に、物価高と難問山積ですが、自民党総裁選では、庶民の暮らしの苦しみなどどこ吹く風と、“改憲”が声高に叫ばれています。
退陣間近の岸田政権において、防衛省は来年度予算の概算要求で過去最大の防衛費8兆5389億円を要求しましたが、国土を防衛するというなら災害復旧と災害に備えるインフラの整備や対策に応分の予算を回すべきであり、軍拡のための軍事費に8兆円もの予算を回すなど暴論の極みです。
しかし衆院選挙を睨んで平和路線のアピールに余念のない創価学会・公明党が、この予算に反対するとは思えず、衆院選では新総裁を担ぐ自民党と共に、あるいは公明党も山口那津男代表に代わる新代表を担ぐかもしれませんが、自公連立政権の維持を目指した組織挙げての“法戦”を繰り広げることは間違いありません。
その自民党を半世紀にわたって支援してきた統一教会の元広報部長が「懴悔録」を出版し、さんざん世話になっていながら、都合が悪くなると手のひら返しの自民党は見下げ果てた政党、統一教会を解散させるなら自民党も解党しろと主張しています。むべなるかなという感じですが、いまや統一教会に代わって自民党を扶翼しているのは創価学会・公明党。それが偽らざる日本の政治の現実です。
特集/総選挙を視野に「平和」をアピールする創価・公明の欺瞞的体質
「衆・参・都議のトリプル選」を控え“反核平和”の厚化粧を塗りたくる「公明党=創価学会」
古川利明
ジャーナリスト
心がポキリと折れた岸田首相が突然の退陣表明
首相の岸田文雄は、終戦の日を翌日に控えた8月14日午前11時半、そのわずか1時間前に開催を官邸の記者クラブに突如通告した臨時の会見で、「私が身を引くことでケジメをつける」と用意していた原稿を読み上げ、9月の自民党総裁選には出馬せず、同月末の総裁任期満了をもって退陣することを明かした。昨秋以降、東京地検特捜部が、自民党各派閥のパーティー券を巡る裏金捻出事件の本格捜査に乗り出し、安倍派を始めとする会計責任者らを立件したことで逆風に晒され、ここのところ、各社の世論調査において、内閣支持率が軒並み20%台で低迷してはいたものの、本人は至ってやる気満々で、この通常国会の閉幕を受けて行った6月21日の会見でも、「再選に向けて出馬する」と明言こそしなかったが、続投に向けて並々ならぬ意欲を見せていた。
事実、今回、退陣表明の会見を行う5日前までは、原爆投下から79年目となった長崎での平和祈念式典を終えて、本来であれば、即、ここから政府専用機で3泊4日の日程で、まさに「総裁再選」に向けてのカンフル剤ということで、約50社の企業トップを同行させて商談成立を目指し、地下資源が豊富なカザフスタン、ウズベキスタン、モンゴルの3カ国の外遊を予定していた。ところが、前日の8月8日夕方に、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生したことを受け、南海トラフ地震臨時情報で気象庁から「巨大地震注意」が発表され、警戒体制に入ったことで、「一国の最高指揮官である首相の外遊中に、もし、何かあったら、どうするのか」との野党からの追及を恐れて、ドタキャンしていたのだが、いずれにしても、この時点においては、まだ、岸田の脈はあったわけである。朝日と日経の両紙(8月15日付朝刊)の記事を突き合わせると、会見前日の8月13日夜、パレスホテルの日本料理店で幹事長代理の木原誠二らと会った際、岸田は「誰でもいいから、顔を替えろということなんだろう」と漏らし、翌日の会見原稿について練ったといい、恐らく、お盆の最中に、岸田の心がポキリと折れてしまう何かがあったということになる。
で、この岸田の退陣表明を受け、永田町の政局の中心は、自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)へと移るが、同時並行で野党第一党である立憲民主党の代表選(9月7日告示、23日投票)があり、さらには、今は亡き創価学会は第3代会長の池田大作を創立者とする公明党も、自民党新総裁選出の翌日に党大会を開くが、8期約15年の任期(1期2年)満了を迎える代表の山口那津男は、ここのところ、その去就を巡ってコウモリ飛行を見せている。6月27日に発表した来夏の参院選での公明党1次公認には、東京選挙区で改選を迎える山口の名前がなかったうえ、この7月13日に外遊先のバンコクで山口は同行記者団に、解散総選挙を念頭に「事態が急変するようなことがない限り、任期を終えることを基本に考えたい」と述べ、9月中の開催を見込む党大会での代表退任を示唆していた。もっとも、公明党の人事については、党委員長を23年にわたって務めた竹入義勝が98年に朝日新聞で公表していた手記『秘話・55年体制のはざまで』で、「創価学会の世界には独特の論理がある。『辞めるか辞めないかは、自分で決めることができない。任免は池田大作会長の意思であり、勝手に辞めるのは不遜の極みだ』というものだ」と明かしていたように、山口も自らの意思で代表を辞めることはできず、「これ」を決めるのは、現在では会長の原田稔である。
信濃町が必死で演じる「反核平和のフリ」
そこで、毎年8月というのは、日本人にとっては、いやがうえにも戦争を想起させるが、ましてや、ウクライナとガザでは、今なお、戦火は収まらず、ハマスによる越境攻撃に対する報復として、昨年10月に始まったイスラエル軍による空爆では、死者は4万人を超え、常識的には、最早、虐殺と言ってよい。こうした事情を勘案し、長崎市が主催する平和祈念式典では、今年はロシアに加えて、イスラエルの駐日大使を招かなかったことで、これに抗議して米国などG7の駐日大使がボイコットするという、ひと悶着もあった。こうした状況を横目に、来夏の参院と東京都議のダブル選に加えて、来年10月に任期満了を迎える衆院についても「自民党が新総裁となった暁には、クビのすげ替えによる御祝儀で、内閣支持率は上がる」と見込まれることから、「今や、解散総選挙はいつあっても、おかしくない」と、本誌前号の拙稿でも指摘したように、公明党(=創価学会)は、既に臨戦態勢の「トリプル選モード」に突入している。というわけで、彼らは例年にも増して、「核廃絶と平和創出」という“反核平和”の訴えにボルテージを上げ、さらに厚化粧を塗りたくることで、今後のF(フレンド)票獲得に向けての地ならしに余念がない。
具体的には、8月6日の広島での平和記念式典に出席した後の会見で、山口は「戦後80年の節目となる来年に向け、党として『平和創出ビジョン』を策定する」とブチ上げたものの、しかし、相変わらず中身はスカスカで、とりあえず、核兵器禁止条約について「ただちに同条約に参加できなくても、オブザーバーとしてウオッチし、対話しながら、実質的な橋渡しの役割を果たしていくことは、十分成り立ち得る」と言及しているだけである。そもそも「世界で唯一の被爆国でありながら、この期に及んでもなお、日本は批准はおろか、なぜ、署名すらしないのか」と、国際社会では物笑いのタネですらあり、逆に言えば、公明党(=創価学会)は政権与党入りしているわけだから、その気になれば、こんな核兵器禁止条約の署名、批准など、すぐにできるのに、わざと放置しているわけである。要するに、来年は「選挙イヤー」と「戦後80年」が重なるため、有権者向けに、いかに「反核平和のフリ」を演じるかで、実は彼らも必死なのである。
この「日本が、なぜ、核兵器禁止条約に署名、批准しないのか」については、拙著『核と原発 ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、そしてフクシマを繋ぐ悲劇の誕生』(アメージング出版)で詳述しているが、そもそも、核も原発も「核分裂によるエネルギー」を利用するという点においては、仕組みは全く同じで、あとは軍用か民用かの違いでしかなく、言うなれば「核の平和利用が原発」なのである。いみじくも、米大統領のバイデンが副大統領時代に「日本は一晩もあれば核武装は可能」と口を滑らせていたように、ウラン濃縮や原発の使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する再処理を始めとして、こうした「機微核技術」と呼ばれている「核兵器を製造する能力」を日本は既に完全に持っている。さらに言えば、あのH3のロケットも、通常であれば、その先端に人工衛星を装着するのだが、代わりに「ここ」に核弾頭を付ければ、即、敵基地攻撃能力を持つ核ミサイルとなるわけである。このように、日本が「潜在的核武装」を済ませている以上、「これ」を否定する核兵器禁止条約など、国策の根幹として間違っても参加できないわけである。
岸田自民を支えた公明党=創価学会は諸悪の根源
自公による岸田政権が発足して3年になるが、首相就任直後は「新しい資本主義」なるものを掲げ、「分厚い中間層を作り出す」と大見得を切って、恩恵が大企業や富裕層に偏っていたアベノミクスを修正するような言動を岸田は見せていたが、いつの間にかウヤムヤになってしまい、現在の日本社会が抱えている最大の課題である「格差是正」については、手付かずどころか、さらに深刻化しており、とりわけ、22年2月のウクライナ戦争勃発を機に、原油価格の上昇と円安の進行によって、凄まじいまでの物価高騰に直面している。読売新聞(7月20日付夕刊)の記事では、昨今、全国各地で増えている「フードバンク」と呼ばれる、企業や個人から寄付してもらった食料品を困窮する家庭に配るサービスを行うNPO(非営利法人)によると、長引く物価高の影響で「個人からの寄付」が減ってきているのはもとより、新たにこのフードバンクによる支援を必要する家庭も増え、「そもそも十分な食事を取れるのが学校給食だけという家庭もあり、この夏休みに入る時期こそ、こうした家庭に対する集中的な配布が非常に重要なので、寄付をお願いしたい」との現場担当者の声を紹介している。
ところが、こうした状況をせせら笑うが如く、岸田政権は安保政策を大転換させ、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を決めるとともに、23年度から5年間で総額43兆円を計上する防衛費の大増額に踏み切っており、折しも、防衛省は、8月30日にまとめた25年度予算の概算要求で、初の8兆円台を突破する過去最大額の8兆5389億円を計上するという膨張ぶりとなっている。ここで最大のキモは、「平和の党」とともに「福祉の党」「大衆の党」を謳う公明党(=創価学会)が「血より濃い自公の絆」ということで、がっちりとこの岸田自民党を支えてきたからこそ、実現し得たという点である。
本来であれば、新聞やテレビといったメディアは、自民党総裁選の報道にあたって、「この岸田政権の3年間」を批判的な視点から検証、総括し、そこから争点を提示するのがスジだが、見ての通りで、岸田の退陣表明を機に、連日、垂れ流されるニュースの切り口は「誰が20人の推薦人を確保したか」といった類の現実追随に堕し、お祭り騒ぎそのものである。特に19年10月の消費税10%引き上げの際、公明党(=創価学会)のゴリ押しで、飲食料品以外では唯一、軽減税率が適用されている新聞は、こうやって飴玉をシャブらされているため、その格差拡大の元凶である消費税の問題を、最近はほとんど全くと言っていいほど取り上げなくなっている。ゆえに、我々心あるジャーナリズムは「昨日に賢明であり続ける」ためにも、その諸悪の根源である公明党と、そしてここを完全にコントロールする創価学会が抱え持つ爛れきった膿を、敢然と抉り出す必要がある。(文中・敬称略)
古川利明(ふるかわ・としあき)1965年生まれ。慶応義塾大学文学部卒。毎日新聞、東京新聞(中日新聞東京本社)記者を経て、フリージャーナリスト。『システムとしての創価学会=公明党』『シンジケートとしての創価学会=公明党』『カルトとしての創価学会=池田大作』『デジタル・ヘル サイバー化監視社会の闇』『日本の裏金(上、下)』『ウラ金 権力の味』『「自民党“公明派”」10年の功罪』『「自民党“公明派”」15年目の大罪』最新刊『「自民党“公明派”」20年目の大失敗』(いずれも第三書館刊)『核と原発 ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、そしてフクシマを繋ぐ悲劇の誕生』(アメージング出版)など著書多数。
信濃町探偵団──創価学会最新動向
- 創価学会による長井秀和氏への名誉棄損訴訟で本人尋問
2022年12月25日投開票で行われた西東京市議会議員選挙でトップ当選した長井秀和氏が、選挙期間中の12月19日に西武新宿線田無駅前で行った街頭演説で、創価学会の名誉を毀損したとして、創価学会が提訴している損害賠償請求訴訟で、被告・長井氏に対する本人尋問が8月30日午後2時から東京地裁で行われた。
訴訟の争点は、選挙演説の中で長井氏が触れた朝木明代東村山市議転落死事件に関する発言が、創価学会が朝木氏の殺害に関与していると受け取れるか否か。原告の創価学会は、長井発言を創価学会が殺害に関与していると断定する悪質な名誉毀損だと主張。一方、被告の長井氏は、問題となっている発言は、朝木市議転落死事件や創価学会・公明党と行政との癒着などに言及した約1時間にわたる7人の応援弁士の発言を受けた総括的発言であり、その意図は、朝木市議転落死事件の背景にある警察や検察と創価学会との癒着に象徴される特定宗教と行政との癒着や、宗教二世問題などに精力的に取り組むことの表明であり、創価学会が朝木市議殺害に関与したとの意味を含むものではないと反論している。
この日の尋問でも長井氏は、創価学会の主張を否定し、その根拠として、当該発言直後に「このようなことも議会で取り上げ議事録に載せていきたい」と発言している事実を主張。市政や市当局が市議会に提出した議案への質疑を行う市議会において、西東京市とは無関係な朝木市議転落死事件を取り上げることなどあり得ず、その意図はあくまでも行政と創価学会の癒着や宗教二世問題に取り組む行政の姿勢などを追及するものである旨、陳述した。
訴訟は、次回に原告・被告双方が最終準備書面を提出し結審する見込み。
- 池田大作氏の自宅を夫人が相続
昨年11月15日に死去した池田大作創価学会名誉会長の東京都新宿区信濃町の自宅土地・建物が、今年7月17日付で夫人の池田かねさんに相続されていることが分かった。
相続税の期限は10カ月と規定されていることから、池田大作氏の財産がどう相続されるのかに関心が集まっているが、自宅の土地・建物は、子息二人が健在であるにもかかわらず夫人一人に相続されたようだ。
もっとも1932(昭和7)年生まれのかね夫人は齢(よわい)すでに92。池田氏の死去後は、「創価学会葬」や外部向けの「お別れの会」にもいっさい姿を見せていないことから、体調面の不安も取り沙汰されている。
仮にかね夫人が死去した場合、再び相続が発生することになるが、子息らが相続せずに夫人一人が相続したのは、夫人の自宅への愛着を忖度したものか。あるいは信濃町の自宅は、「永遠の師匠」である池田大作氏が多年にわたって住んでいたことになっている創価学会にとっての“聖地”であるだけに、夫人の死去後は創価学会が買い取って記念館的施設として保存されることになる可能性もある。
というのも池田氏が結婚当初に居住していた東京都大田区小林町(現・東矢口)の自宅は、箱根研修所(現・神奈川研修道場)の敷地内に移転保存されていたことから、信濃町の自宅も同様に保存される可能性が高いからだ。直系卑属への相続ではなく、配偶者だけへの相続はそのための布石であるのかも。
いずれにせよ自宅不動産以外の金融資産も莫大と推察される池田氏の相続問題。公共性と公益性を理由に税制上の優遇措置を受けている宗教法人の最高指導者であるとともに、最高裁判決でも「公人」と認定された池田氏の相続税がどうなったのか、創価学会は社会に公表する義務があることを指摘しておきたい。
- 衆院総選挙を睨み関西に注力
・8月8日付『聖教新聞』「座談会 創立100周年へ新時代の暁鐘」「常勝関西の本陣大阪」「金剛の団結で“今再び”の大前進」
「原田(会長)常勝関西の本陣・大阪は、不可能を可能にし“まさかが実現”した『1956年(昭和31年)の戦い』、『大阪事件』での“権力の魔性”との激闘と勝利など、池田先生との民衆革命の歴史が、幾重にも刻まれた天地です。(中略)
原田 『福運錦州城』たる関西池田記念大講堂の建設に呼応し、自身が、わが地域が、そして大阪・関西が、いついかなる時も、勝利の結果で師にお応えする――この不滅の伝統を胸に、大阪から新たな民衆凱歌の歴史を断固と開いていきましょう」
・8月12日付『聖教新聞』「座談会 創立100周年へ新時代の暁鐘」「兵庫から世界へ『関西魂』を発信 猛然と祈り、不可能を可能に!」
「原田 『“常勝”とは、逆境に打ち勝ち続ける者に与えられる栄冠だ』と、先生は語られました。兵庫には、関西には、この常勝不敗の魂が脈打っています。(中略)
原田 先生は62年1月24日、大阪事件の無罪判決を勝ち取られる前夜、尼崎の地で関西の同志に『善良な市民を苦しめている権力とは、断固、一生涯戦う』と宣言されました。『湿れる木より火を出だし、乾ける土より水を儲けんがごとく、強盛に申すなり』とは、先生が『大阪の戦い』『関西の戦い』で何度も拝された御文です。私たちは今こそ、猛然と祈り、大きく動き、歴史的勝利をつかんでいきましょう」
・8月20日付『聖教新聞』「師弟の殿堂 関西池田記念大講堂」「喜びの起工式 原田会長らが鍬入れ」
・同「大阪 世界が仰ぐ錦州城を 兵庫」「原田会長、永石女性部長と団結と前進の幹部会」
「『関西池田記念大講堂』の建設とともに、希望の大行進を!―総大阪と総兵庫代表幹部会が18日、それぞれ行われ、原田会長、永石女性部長らが出席した。(中略)
熊谷総大阪長が、異体同心の団結固く、青年と共に新たな常勝の金字塔をと強調。松原同女性部長は、強き祈りを根本に、“負けたらあかん!”の関西魂で大前進しようと呼びかけた」
※岸田文雄首相の自民党総裁選不出馬表明を受けて9月末実施の自民党総裁選では新総裁が選出される。衆院総選挙に勝つために内閣の看板を掛け替えることは自民党お得意の「目眩まし」戦術。この結果、今秋に衆院総選挙が行われることはほぼ確実といえよう。そして衆院選を今秋に実施することは、来年夏に参院選と東京議選を控える創価学会・公明党にとっても望むところ。その公明党も9月に代表選挙を実施し、山口那津男代表の続投ないしは自民党同様の看板の架け替えで新代表を誕生させ、党創立者である池田大作創価学会3代会長の1周忌を勝利で飾ろうと眦を決して選挙戦に挑むであろうことは想像に難くない。
その公明党の組織母体である創価学会は、公明党が小選挙区に候補を擁立する全国各地の組織に「必勝」を檄しているが、ここにきて特に力を入れているのが大阪・兵庫の関西である。
その理由と背景は、これまで大阪都構想の住民投票を実施するための政治駆け引きから、公明党候補のいる大阪・兵庫の衆院小選挙区に候補を立てなかった日本維新が、次期衆院選に候補を立てることを表明したことから、大阪・兵庫の6小選挙区で公明党は全敗する可能性が高まっていた。ところが自民党の裏金問題をめぐる日本維新のお粗末な対応や、不評の関西万博、そしてパワハラ兵庫県知事問題などで、日本維新とその母体の大阪維新の人気は急落。これまで絶対的な強さを誇っていた大阪でも、大東市長選、箕面市長選で維新の公認候補(箕面は現職市長)が相次いで落選する事態に立ち至っている。
こうした政治状況を受けて創価学会・公明党は、維新候補に勝つ一筋の光明・可能性が生まれたとして大阪・兵庫の組織に、「不可能を可能にした大阪の戦い」の再現を檄しているのだ。