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2021年9月

9月号目次

 

閻魔帳

政権と組織の延命を賭けた衆院選 500万票台転落危機に顔色失う創価学会/乙骨正生

 

特集/衆院選目前─公明党不祥事に慄く創価学会

合言葉は「自民党に天罰を、公明党に仏罰を」/佐高 信

「横浜市長選敗北&特捜部ガサ入れ」で衆院選に向け暗雲漂う「公明党=創価学会」/古川利明

「クリーンの党」が泣く公明党・遠山元議員の不始末/段 勲

 

  • 連載

「公明党と創価学会」を考える(第23回)

公明党の自立路線時代(9)/平野貞夫

ナニワの虫眼鏡(第27回)

サウナ問題で揺れた大阪・池田市長選  “公認責任”を果たさなかった維新の罪/吉富有治

新・現代の眼(第60回)

喪に臨みては笑はず/菅野 完4

ヨーロッパ・カルト事情(280)

コロナ対応でも露顕した日・仏の自由・民主についての懸隔/広岡裕児

信濃町探偵団──創価学会最新動向

 

執筆者紹介 バックナンバー 編集後記

 

編集後記から

オリンピック・パラリンピックが終わりましたが、今回のオリンピックについて東京工業大学の中島岳志教授は、8月12日付『毎日新聞』掲載の「五輪が示した、衰退しファシズム化する日本」と題するインタビュー記事で、「1964年の東京大会が戦後復興と高度成長の象徴ならば、今回は日本の衰退を可視化したイベントとして語り継がれるだろう」と語っています。

東京オリンピックがなぜ失敗だったのか。その理由と原因は、さまざまな角度から分析されていますが、例えばいまベストセラーの『人新世の「資本論」』の著者で、経済思想家の斎藤幸平大阪市立大学大学院准教授は、「巨額の血税を注いで開催される五輪のようなメガイベントの本質」は、アメリカの政治学者ジュールズ・ボイコフ氏が「祝賀資本主義」と呼び、批判するものであり、それは「人々がお祭り騒ぎで浮かれているスキを狙って、政府や開催都市の大型支出によって潤う企業が利権をむさぼり、その大きなツケを国民に背負わせるのが、『祝賀資本主義』である」(『AERA dot.』8月18日付)と分析しています。

政権の浮揚と維持、そして為政者に連なる一部の企業や人物らが利益を分配することを目的に、虚言を積み上げて開催を強行した東京オリンピックは、まさにその典型だったといえるでしょう。

同様に『毎日新聞』8月21日掲載の「今に重なる?東京オリンピックで注目集まった名著『失敗の本質』」で、相模女子大の木本玲一准教授は、太平洋戦争を惹起し日本を亡国に導いた日本軍という組織の本質を分析した名著『失敗の本質』を引用しつつ、東京オリンピック失敗の要因として、「成功体験への固執」と「人命軽視」を挙げています。

ここに長々と東京オリンピックについての分析を引用したのは、オリンピック批判に向けられた様々な視点を、オリンピックを推進した政府や組織委員会のように、過去の成功体験に固執するとともに、人命を軽視、そして「祝賀資本主義」よろしく、「広宣流布」や「立正安世界」などの壮大な大義名分を掲げて会員を集票活動や金集め、新聞拡販、会員獲得などに使役する特異な宗教政治組織に当てはめてみようと思ったからです。

残念ながら分析をする前に紙数が尽きましたが、いずれも創価学会を分析する視点としては有効なようです。

いよいよ衆院選が指呼の間に入ってき、政局が流動化し始めました。小紙は今後とも宗教と社会・政治に関する事実と真実を追究し続けます。

特集/衆院選目前─公明党不祥事に慄く創価学会

 

合言葉は「自民党に天罰を、公明党に仏罰を」

佐高 信

評論家

 

「生活者の現実」等閑する政治

7月10日に大阪で講演した時、ふと思いついて、「オリンピックを止められないなら、戦争も止められないのではないか」と言った。

後で聴いていた人から、「ドキッとした」と言われたが、実際、そうなのではないか。

「いのちの安全保障確立に向けて──非正規社会からの脱却宣言」を起草し、共同テーブルを設立(注・7月28日)して新しい運動を起こそうと思ったのは、オリンピック中止を最初から本気で主張する野党が見当たらなかったからである。

開催したらコロナの感染は拡大すると専門家は強調していた。ならば、はっきりと中止を打ち出すべきだろう。しかし、そうすると票が離れると考えたのか、ほとんどが中止を明確にすることに及び腰だった。「いのちの安全保障」をまともに考えていないということである。

1964年の東京オリンピックの時に、「朝日歌壇」の選者だった近藤芳美は、それについての歌を選ばなかった。

松下竜一は『豆腐屋の四季』(講談社文芸文庫)でそう指摘して、こう続ける。

「いまさらに気づいたのだが、近藤先生のみ一首も大会の歌を選んでいない。聖火が野を来る歌はありながらオリンピックの歌は一首も選ばなかった。そのことに私は近藤先生の姿勢を感じる。先生がいつも凝視しているのは、私たちの日々の現実生活そのもののようだ。たとえ首都に華やかに大会が展開されていようとも、私たちが繰り返すのは生きるための労働の日々なのだ。たぶん、近藤先生は頑ななまでにそこに凝視をしぼって、無数に寄せられたオリンピックの歌(その大部分はテレビを観て作られた歌だろう)を、全首裁断したのであろう」

○離農して何に生きゆくすべあらん 甘藷安けれど今日も甘藷掘る

○ようやくに魚売りかえる峡の道 蕎麦畑光る月夜となりぬ

作者名は省かせてもらうが、オリンピックの歌が登場した週に近藤が1位に推した歌である。

「ここには、そうしなければ生きてゆけぬ生活者の現実がある。オリンピックの感興が薄れた今、私の胸にひそやかに沁みて拡がるのは、月に白々と光るそば畑の景だ。時流のおりおりのできごとの陰にいとなまれる平凡な生活の歌は、一見つつましやかに、しかも時流とかかわらぬ命長い叙情を細く絶えることなく保ち続けるのであろうか」

松下はこう述懐しているが、野党は「生活者の現実」を、それこそ凝視していないから、オリンピックに断固反対という姿勢を貫けなかったのではないか。

 

「潰された蜜柑」生み出す非正規社会

生活を凝視していないのはオリンピックに関してばかりではない。

存命だったら、近藤も高く評価しただろう萩原慎一郎の歌集『滑走路』(角川文庫)にこんな歌がある。

○非正規という受け入れがたき現状を 受け入れながら生きているのだ

○箱詰めの社会の底で潰された 蜜柑のごとき若者がいる

非正規雇用とは文字通り「正規」雇用ではない。とりわけ若者にそれが集中しているが、これほどはびこってしまった社会は「非正規社会」と呼ぶべきなのではないか。そこで若者たちは「潰された蜜柑」のようになっている。

私は、会社は富むけれども社員は貧しいという意味で「社冨員貧」というコトバをつくった。非正規雇用も会社を富ませる都合で生み出されたものである。経済再建もたいてい会社を富ますことだけが考えられるが、その結果、内部留保が475兆円にもなった。

コロナ禍でもこれは増えたのである。非正規雇用を拡大させ、社員にも払うべきものを払わなかった結果だろう。残念ながら、この国の労働組合はそれに加担してきた。連合がその象徴だが、労働者のためにもっと闘っていたら、内部留保がこんなにも膨れ上がることはなかったのである。私はこの数字は、連合が為すべきことを為さなかった敗北の証拠だと思っている。怠慢の証拠だと言ってもいい。

竹中平蔵に代表される新自由主義者たちは「社冨」の増大をのみ推進してきたが、1人1人の民が豊かになって個人消費が拡大しなければ経済はまわらない。そのためには、非正規雇用をやめさせなければならない。野党が連合の尻を叩いて、まじめに廃止のための闘いをやれとハッパをかけなければならないのである。ところが逆に、連合はそれをやらずに、野党に余計な口出しばかりしている。それに引き回される野党のリーダーも哀れだが、非正規雇用の廃止に取り組む野党が現れれば、とくに若者の共感を呼ぶだろう。

野党の中にも「保守コンプレックス」の強い政党があり、そうした政党が前面に立つと野党の顔がのっぺらぼうになる。私は野党に「非正規雇用の廃止」や「憲法理念の実現」そして「脱原発」といった、はっきりした目鼻立ちをつける必要があると思う。

その際に、自民党はもちろん、公明党や維新とは対決やむなしという姿勢で臨むべきである。

 

利権で野合する自公政権

私はいま、創価学会(公明党)の代理人、佐藤優から名誉棄損で訴えられている。拙著『佐藤優というタブー』(旬報社)での批判がそれに当たるというのだが、佐藤の『池田大作研究』(朝日新聞出版)が初版10万部ということでもわかるように、佐藤は完全に学会や公明党の代弁者となった。

言論には言論でなどと言っていたのに、それをひるがえして訴えたのは、私の批判がよほど痛かったのだろう。

訴えられて、改めて弁護士と共に佐藤の書いたものを読み、驚いたのは、佐藤が買収代議士、河井克行の選挙の応援に行っていたことである。

佐藤は学会系の雑誌の『潮』5月号で、こう語っている。

「広島三区の河井克行議員が金権汚職で逮捕されたことには、私にも責任の一端があります。外務省時代から面識があった縁もあり、私は河井氏の選挙で推薦人を引き受け、応援演説に行ったことがあるのです。私は軽々には推薦人を引き受けないことにしているのですが、河井氏が権力の魔性に取りこまれつつあることを見抜けませんでした。

その責任を痛感しているからこそ、政治腐敗には絶対手を染めない斎藤鉄夫さんをいま私は応援しているのです」

しかし、自分の不明を反省しているなら、しばらく「応援」は控えるのではないか。ところが、公明党熱烈応援団の佐藤は、公明党というだけで斎藤を応援する。これでは「責任を痛感している」とは言えないだろう。

コロナ禍での銀座のクラブ通いがバレて辞職した遠山清彦の例もあるし、公明党の議員が「政治腐敗には絶対手を染めない」と思うのは、佐藤と学会信者だけかもしれない。

先ごろ亡くなった公明党の最高顧問・藤井富雄は山口組傘下の後藤組組長・後藤忠政と密会していて、そのビデオがあると噂されたこともあった。当の後藤が『憚りながら』(宝島社文庫)という回顧録で、その経緯を明かしている。この回顧録に「創価学会との攻防」という章があり、後藤がなぜ、「じゃあ、池田先生に直接、ものを言いに行くしかないわな」と思ったかなどが興味深く描かれている。

“密会”については私も『自民党と創価学会』(集英社新書)で詳述したが、公明党は政権から離れない限り、汚れた体質をきれいにすることはできないだろう。

そもそも、自民党は創価学会を徹底的に攻撃していた。

現首相の菅儀偉も、最初の衆議院議員選挙で相手が学会員だったこともあり、池田大作は「人間の仮面をかぶった狼だ」とまで罵った。それなのに、次の選挙では、公明党の支援を受けることになり、神奈川の学会本部に呼び出されて「前回の選挙で、池田先生のことを何て言ったんだっけ」と詰問されたのである。

それこそ、自民党と公明党の連立は仇敵同士の、利権にあずかるためだけの野合だった。その化けの皮が剝がれたのが横浜市長選挙だったとも言える。IR推進だったはずの菅が反対にまわった小此木八郎を強烈推薦し、その小此木を自主投票とは言いながら公明党(学会)が支援した。こんな見え見えの三文ドラマに横浜市民が怒ったのである。横浜の怒りを全国へ。合言葉はやはり、「自民党に天罰を、公明党に仏罰を」だ。(文中・敬称略)

 

佐高 信(さたか・まこと)評論家。1945年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。高校教師、経済誌編集長を経て執筆活動に入る。著書に『逆命利君』(講談社文庫)『安倍政権10の大罪』(毎日新聞出版)『総理大臣菅儀偉の大罪』(河出書房新社)『自民党と創価学会』(集英社新書)『池田大作と宮本顕治 「創共協定」誕生の舞台裏』(平凡社新書)『佐藤優というタブー』(旬報社)。共著に『世代を超えて語り継ぎたい戦争文学』(澤地久枝・岩波現代文庫)『お笑い創価学会 信じる者は救われない』(テリー伊藤・光文社知恵の森文庫)など多数。

 

 

信濃町探偵団──創価学会最新動向

 

  • 貸金業法違反事件で東京地検特捜部―公明党代議士事務所を捜索

・8月6日付『聖教新聞』「議員事務所に家宅捜索」「公明2議員被疑者ではない」「山口代表『心配かけ、心からおわび』」

「公明党の山口那津男代表は5日午後、東京・新宿区の公明党本部で開かれた中央幹事会であいさつし、4日に東京地検特捜部が公明党2議員の議員会館事務所を家宅捜索したことについて、大要、次のような見解を述べた。

一、わが党の太田昌孝、吉田宣弘両衆院議員の議員会館事務所に東京地検による捜索・差し押さえが行われた。このようなこと自体、誠に由々しきであり、国民の皆さまに心配をおかけしていることに心からおわび申し上げたい。

一、貸金業法違反容疑で捜索・差し押さえが行われたが、その結果、被疑者は公明党の両議員ではなく、その下の秘書でもないことが現段階で判明した。そのことを明確に申し上げたい。

一、被疑者と両議員には全く面識がないことがはっきりしている。(以下略)」

・9月1日付『聖教新聞』「太田(昌)氏の衆院選公認辞退で 公明・山口代表が会見」

「公明党の山口那津男代表は31日午前、衆院第2議員会館で記者会見し、太田昌孝衆院議員が次期衆院選比例区の公認を辞退したことなどについて、次のような見解を述べた。

一、先週末、わが党の太田昌孝衆院議員が公認辞退を申し出たことを受け、党として30日に公認を取り下げる決定をした。

太田氏は、真面目な仕事ぶり、誠実な人柄が評価されてきた立派な議員だ。(議員会館事務務所への)強制捜査を受ける一因となった人と関係を持っていたとされる秘書への監督責任を厳しく自らに問いかけて決断した。本人の意思は極めて固く、『信頼回復の転機になれば』との思いも込めた決断を党としても重く受け止めた。残念ではあるが、やむをえない判断だった」

 

※今年1月に緊急事態宣言が発出される中、銀座の高級クラブで飲酒していたことが発覚し、議員辞職した公明党の遠山清彦元衆院議員が財務副大臣在任中に、遠山氏の秘書らが貸金業の届け出をしないまま、政府系金融機関に融資の仲介を行っていたとして、遠山氏の議員辞職後に元秘書らが秘書に就いていた太田議員と吉田議員の事務所、そして遠山氏の自宅や議員辞職後に設立したコンサルタント会社の事務所に、東京地検特捜部が貸金業法違反で強制捜査に入ったこの事件。

太陽光発電をめぐる融資詐欺事件で今年5月に摘発された「テクノシステム」の余罪捜査の過程で浮上したといわれるが、「テクノシステム」の生田尚之社長は、遠山氏と昵懇の間柄で、2017年には遠山氏が代表を務めていた公明党支部にテクノ社は、100万円を献金。また『週刊現代』(8月21・28日号)の報道によれば、遠山氏と生田氏をつないだのは「テクノシステム」の元顧問で、今年7月に死去した公明党のドンとも呼ばれた藤井富雄元都議の側近とされる牧厚氏で、『朝日新聞』(8月13日付)は、元顧問が「総額で数百万円に上る現金を遠山側に渡した疑いがある」と、事件は財務副大臣時代の職権を使った汚職の疑惑を示唆している。

これに対して公明党の山口代表は、公明党の中央幹事会で、今年1月まで同党代議士だった遠山氏の責任には一切触れないまま、太田・吉田の両議員とその秘書は、「被疑者ではない」として、事件との関連を否定する見解を発表。創価学会の機関紙『聖教新聞』は、その山口代表の見解を、『公明新聞』報道と同一のまま報じた。

ところが、事件とは無関係で「被疑者ではない」とした太田議員が、突然、秘書への監督責任をとって公認辞退を申し出ると、8月30日に公明党は辞退をあっさりと了承。すぐに後任の公認候補を発表した。

太田氏の公認辞退に関する見解を発表した31日の山口代表の記者会見を報じる『公明新聞』と同一の記事内容を『聖教新聞』も掲載したが、「被疑者ではない」として事件との関係性を否定していたにもかかわらず、突然、公認辞退した不自然さへの説明は十分ではない。ましてすでに議員辞職しているとはいえ、事件は公明党のホープと言われ、次の代表・幹事長候補と言われた遠山氏に関するものである以上、「清潔な政治」「金権政治の打破」を標榜してきた公明党そして創価学会は、積極的に事実解明を図るべきだが、そうした動きはいっさい見られない。

 

  • 衆院選―選挙闘争に狂奔する創価学会

◎重点選挙区行脚

・8月17日付『聖教新聞』「広布の電源地の誇りで立つ 原田会長が出席 大阪・堺の集い」

「『8・14』記念の大阪・堺総県代表幹部会が16日、堺国際文化会館で開催された。(中略)原田会長は“乱世の時ほど原則が大事になる”との学会指導に触れ、どんな試練にあっても師弟の信心に立ち返る人は右往左往せず、無限の力を発揮できると強調。今こそ今生人界の思い出を築く時との確信で立正安国の大前進をと訴えた」

・8月18日付『聖教新聞』「常勝のバトンを団結固く 原田会長と共に関西総県長会議」

「原田会長は、『須らく凶を捨てて善に帰し源を塞ぎ根を断つべし』を拝しつつ、誤った思想を破折し、善の連帯を広げることこそ、人類の宿命転換を成し遂げる直道であると力説。池田大作先生の入信記念日である『8・24』から栄光の『11・18』へ、“立正安世界”の大道を開きゆこうと呼びかけた」

・同「中部・静岡をオンラインで結び 原田会長が激励 支部長・女性部長会を朗らかに」

・8月21日付『聖教新聞』「天下第一の勇戦を共に!原田会長が出席 北海道留萌の集い」

「天下第一の勇戦で、愛する北海道天地に民衆の凱歌を!(中略)原田会長は、広宣流布の途上に困難があるのは、日蓮大聖人が『本より存知の旨なり』と仰せの通りであると強調。『広宣流布の前進を阻む三類の強敵、三障四魔を鋭く見破るとともに、勝利への一歩を着実に進めていきたい』と語り、どこまでも『師弟』を根幹に、勇気の対話に挑み、社会の安穏、幸福な世界を築こうと訴えた」

・8月30日付『聖教新聞』「広島代表幹部会 原田会長、永石女性部長が出席」「平和の大城に勝利の光を」

「総広島の代表幹部会が28日、広島市の広島池田平和祈念会館で意気高く行われた。(中略)塩出総広島長が拡大の一途を燃やして団結固く前進をと力説し、西方男子部長が、青年から正義の連帯を広げようと訴えた。永石女性部長は、奮闘する同志を心からたたえた。

原田会長は、『いかなる事ありとも・すこしもたゆむ事なかれ、いよいよ・はりあげてせむべし』を拝し、何があろうと一歩も退かず、徹底して攻め抜くのが学会魂であると強調。『勇気』『智慧』『執念』の対話で逆境を跳ね返し、必ずや立正安国の勝利の大道を開きゆこうと呼びかけた」

 

※今年11月に80歳を迎える原田稔会長が、コロナ禍の夏、公明党が衆院選で小選挙区候補を立てている各地の組織に入り、選挙に向けた檄を飛ばしている。このうち買収選挙を展開し有罪判決を受け、議員辞職した河井克之元法相の選挙区だった広島3区に公明党・斎藤鉄夫副代表を擁立する広島では、「何があろうとも一歩も退かず、徹底して攻め抜くのが学会魂」と主張。「必ずや立正安国の勝利の大道を」開こうなどと強調している。

買収という不正選挙で当選した河井杏里候補を全面支援したにもかかわらず、なんら反省することもなく、むしろ火事場泥棒よろしく空いた選挙区に公明党候補を擁立し、当選させることを「立正安国の勝利の大道」などと嘯く創価学会。呆れたものだ。

 

◎衆院選に向けた扇動座談会

・8月19日付『聖教新聞』「創立100周年へ 希望の橋を架ける 座談会」「民衆の幸福と世界の平和実現へ」「立正安国こそ仏法者の使命」「攻めの姿勢が広布の勝利開く」「執念のある方が勝つ」

「原田(会長)いざというときに、いかなる『一念』で戦いに臨むのか。これが決定的に重要です。私たちの戦いは、広宣流布という、人類の平和と民衆の幸福のための大闘争です。ゆえに絶対に勝たねばなりません。さあ、創立100周年までの勝負の10年を開く、大事な1年の総仕上げです。私たちは、強盛な祈りを根本に、立正安国の信念を貫き、固き団結で偉大なる凱歌の歴史をつづっていこうではありませんか」

・8月26日付『聖教新聞』「創立100周年へ 希望の橋を架ける 座談会」「兵庫が勝てば関西、全国が勝つ!」「一人が10人の本当の友人を」

「宮口(総兵庫男子部長)兵庫の同志は今、10・15『兵庫の日』を目指して、立正安国の祈りと行動を貫き、勇気の対話拡大に走りぬいています。(中略)

大野木(総兵庫女性部長)向こう三軒両隣と言いますが、兵庫は“向こう十軒両十軒”の勢いで、あらゆる垣根を越えて地域の絆を強めています。

永石(女性部長)先生は『一人が、十人の本当の友人をつくっていこう!そこに実質的な広宣流布がある』とご指導されたことがあります。この指針を胸に、友好拡大に先駆ける兵庫の皆さんの姿に勇気を頂きます。(中略)

原田 まさに、私たち池田門下の根本の魂です。どうか、使命深き兵庫の皆さんは、『兵庫が勝てば、関西が勝つ。関西が勝てば、全国が完勝する』との先生のご期待を胸に、“常勝兵庫の歴史は私が開く“との思いで、仲良く朗らかな大前進をお願いします」

・8月30日付『聖教新聞』「座談会 創立100周年へ――希望の橋を架ける」「社会の安穏、自他共の幸福を強盛に祈念 立正安国の大理想を掲げ前進」

「原田 いかなる困難があろうと立正安国の大理想を掲げ、勇敢に対話に励む同志、なかんずく女性部、そして部としての総仕上げに挑む女子部の皆さんを、大聖人は必ずや御照覧であり、たたえられないはずがないと確信いたします」

 

※衆院総選挙で、公明党候補の当選を勝ち取るために、コロナ禍の中、「向こう三軒両隣」どころか、「向こう十軒両十軒」などと、熾烈な票集めを指示する創価学会の異常性がよくわかるのが、機関紙『聖教新聞』掲載の首脳幹部座談会だ。無理に無理を重ねる創価学会の選挙闘争は、すでに組織の高齢化や活動会員の減少などで限界を迎えており、公明党の比例区票は、2005年の小泉郵政選挙で獲得した898万票を頂点に頭打ちとなり、以降、減少を続けている。

その傾向は今年に入っても変わらず、創価学会が眦を決して臨んだ東京都議選は前回比マイナス15%の10万3687票減。同様に7月11日投開票の奈良市議選も1559票減のマイナス7%。沖縄の那覇市議選では2181票減のマイナス11%となっている。いくら宗教的呪縛で扇動しても衆院選の結果は、創価学会にとって厳しいものとなることが予想される。

 

  • 池田大作氏近況

・8月15日付『聖教新聞』「戸田先生との出会いから74年池田先生ご夫妻恩師記念会館で勤行」

「池田先生ご夫妻は、戸田城聖先生と池田先生の師弟の出会いから74年となる14日、総本部の創価学会恩師記念会館を訪れ、厳粛に勤行・唱題。敗戦の荒野に一人立ち、世界に立正安国の道を開いた不世出の民衆指導者の遺徳を偲ぶとともに、師弟不二の大道を一筋に進みゆく報恩感謝の祈りをささげた」

※池田大作名誉会長夫妻が、創価学会総本部の恩師記念会館を訪れ、戸田城聖会長を偲んで勤行したとの記事。むろん写真はなく活字のみ。記事中では、戸田会長が「立正安国の道を開いた」として、創価学会を政界進出させ、選挙闘争を始めたことを顕揚。来る衆院選に向けての学会員の士気の高揚を図った。8月24日は池田氏の入信記念日だが、この日は15日に動静記事を掲載したからか、動静記事すらなかった。

 

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