11月号目次
閻魔帳
茶番で空しすぎた衆議院選挙/段 勲
特集/衆院選総括──宗教と政治の現場から
「700万票割れ」で失速を極めた「公明党=創価学会」の10・22総選挙/古川利明
小池・前原の第二自民党計画は沈没 公明は議員数、比例得票ともに減/川﨑泰資
野党共闘と政界再編の落差 生長の家と創価学会の明暗/柿田睦夫
衆院選「幸福の科学」と「オカルト候補」/藤倉善郎
2017衆院選、有権者に届かない問題候補者の情報/鈴木エイト
「御仏智」「深い意味」──衆院選敗北を糊塗する創価学会の姑息/乙骨正生
- 連載
信濃町探偵団──創価学会最新動向
新・現代の眼(第15回)
どこまでもついてゆきます下駄の雪/菅野 完
ヨーロッパ・カルト事情(236)
国会報告「健康の分野におけるセクト的性格の運動の影響」(3)広岡裕児
執筆者紹介 編集後記
編集後記から
小誌創刊の目的は、創価学会を組織母体とする公明党が自民党との連立政権に参画することで、憲法の「政教分離規定」が危殆に瀕することへの危機意識と、多くのマスメディアが機関紙誌の印刷や大量の広告を発注する創価学会の膝下に屈することで、創価学会に関する正確な情報が発信されなくなることへの危機感をベースにしています。
以来、15星霜。小誌は創価学会・公明党に関する情報発信を続けてきました。途中、平成21年総選挙では、自民・公明が惨敗し、民主党が政権を獲得しましたが、この総選挙でも公明党は、自公選挙協力の効果もあり、比例区で805万票を獲得しています。しかし今回の総選挙では、台風の影響もあって投票率が戦後2番目の低いものであったにもかかわらず、公明党は小選挙区で1議席を失い、比例区でも衆院選に比例制度が導入されてから初めて、700万票台を割り込み697万票へと転落しました。この数字は平成17年の小泉郵政選挙の際に獲得した898万票と比べると201万票のマイナスです。
公明党が比例区票を大きく減らした要因としては、公明党の唱える平和や福祉に期待していたF(フレンド)票が、集団的自衛権の行使容認や安保法制・共謀罪への賛成などで激減したこと。さらには今夏の都議選で、都議会公明党が都議会自民党と手を切り、小池都知事に擦り寄ったことのしこりなどが影響して、自民党側の公明党比例区への投票が伸びなかったことなどが指摘されています。
もちろんそうした要因も大きかったものと思われますが、それ以上に注目されるのは、公明党の変節とこれを推し進めている創価学会執行部に対する少なからぬ学会員の怒りと反発にあります。
まだまだ大半の学会員は、宗教的呪縛に囚われ、政党支持の自由や投票の自由を阻害されていますが、集団的自衛権の行使容認や安保法制・共謀罪に反対の声をあげた学会員の声は、執行部による処分にもかかわらず、深くまた静かに創価学会組織内に浸透しつつあります。
その結果、少なからぬ学会員が、公明党への集票活動を停止し、中には立憲民主党や共産党に投票した学会員もいたようです。
こうした動きがさらに広がるよう、また社会に創価学会の実態を伝えるために、小誌は今後とも宗教と社会・宗教と政治に関する事実と真実を報道し続ける所存です。
特集/衆院選総括──宗教と政治の現場から
「御仏智」「深い意味」──衆院選敗北を糊塗する創価学会の姑息
乙骨正生
ジャーナリスト
低投票率でも沈んだ棒杭
10月22日投開票で実施された衆議院総選挙の投票率は、台風21号の日本列島への接近・上陸や、有権者の投票意欲を削ぐマス・メディアの与党圧勝のアナウンス効果などの影響で、残念ながら53・68%と戦後最低となった前回に次ぐ戦後2番目の低さとなった。
創価学会票を基盤とする公明党は、投票率が高ければ苦戦し、投票率が低ければ善戦することから、潮位の上げ下げで水面に顔を出したり沈んだりする棒杭に例えられるが、台風等の影響で有権者の足が投票所に向かわなかった今回の総選挙は、創価学会・公明党にとっては願ってもない好条件だったといえよう。
だが選挙結果は、創価学会・公明党にとって厳しいものとなった。というのも公明党は、全員当選を至上命題とする小選挙区で前職1人を落選させるとともに、比例区でも697万票と700万票台を割り込むなど、解散時を5議席下回る29議席の獲得にとどまる敗北を喫したからだ。
しかも小選挙区候補が落選した神奈川6区(横浜市保土ケ谷区・旭区)のある横浜市には、9月21日、池田大作名誉会長夫妻がわざわざ足を運び、「立正安国の大闘争」を呼びかけたにもかかわらずの落選。神奈川6区の総支援長は原田稔会長だったとも伝えられるだけに、創価学会や原田会長にとって神奈川6区の敗北は重大かつ深刻だ。
「公明党の小選挙区候補全員が落選するなど自公が惨敗し、民主党政権が誕生した平成21年衆院選後に開かれた本部幹部会で、池田名誉会長は荒れ狂った。『東京も大阪も全敗じゃないか』と、原田会長や西口総関西長を槍玉にあげ、二人は土下座して敗北を詫びた。もし池田氏が本当に元気なら、今回、自分が足を運んだ小選挙区で負けたことに加え、比例区票が700万票を切ったことに荒れ狂うだろう。そうなれば原田会長は敗北の責任をとって交代、谷川主任副会長が会長に昇格となる可能性もある。もっとも“死に体”状態の池田氏にそんな元気はないから心配ないだろうが、9月に会憲を制定し、会長権限を強化したばかりの原田会長にとって、求心力の低下は否定できない。現執行部にとっては実に幸先の悪い敗北となった」(創価学会関係者)
小選挙区北海道10区も当選したものの、立憲民主党候補にわずか513票差の辛勝。そもそも公明党が候補を立てた小選挙区には、創価学会との関係を慮(おもんぱか)って自民党・希望の党・日本維新の会は候補を擁立せず、自民党は推薦まで出している。楽勝して当然の選挙区情勢であるにもかかわらず、苦戦を強いられているのは、安倍政権に唯々諾々と臣従する公明党と、これを支持する創価学会に対する有権者ならびに学会員の批判と反発にあるは明白。特に、今回の総選挙では、多くの学会員が集団的自衛権の行使容認や、安保法制と共謀罪への賛成など、従来の創価学会・公明党の主張と齟齬する公明党に反発し、立憲民主党に票を投じたと共同通信(10月26日)は報道。こんな現役の学会員の声を紹介している。
「今回の選挙では、立憲民主に投票した学会員もいました。理由は、公明党の変節です。安保法賛成だけでなく、共謀罪、モリ・カケ問題など、今の公明党には平和や公正を求めたかつての姿はない。少なくない学会員が、不満をくすぶらせていました。そんな中、選挙で立憲民主が訴えた『平和』や『草の根』はまさに学会員が政治に求めるものだった。それに犬猿の仲である共産ではなく、立憲民主なら抵抗なく投票できる。今回は急な解散だったので、今まで通り公明に入れた学会員がほとんどでしょうが、今後の公明の対応次第では、次期選挙で立憲に流れる票がさらに増えるはずです」
そうした実態をまざまざと示すのが、創価学会が自らの勢力を占う「広宣流布のバロメーター」と位置づけている国政選挙の公明党比例区票の推移である。
最多得票マイナス200万票
今回の総選挙において公明党は、衆院選では初めて比例区票で700万票を割った。衆院選に小選挙区比例代表並立制が導入されたのは平成8年総選挙から。平成8年選挙時、公明党は新進党に合流していたため公明党単独の比例区票は集計できないが、自公連立政権発足後初の総選挙となった平成12年総選挙では776万票を獲得している。これ以後、衆参両院選挙では、強力な自公の選挙協力が展開され、公明党=創価学会の支援を受ける自民党候補の大半が、「比例は公明」と連呼することが常態化。その結果、平成15年総選挙では873万票と800万票台を大きく上回り、小泉郵政選挙と呼ばれる平成17年総選挙では、過去最高となる898万票を獲得した。
この時期、創価学会は「目指せ広布の一千万」を掲げて選挙闘争を展開。1000万票にあと102万票と迫ったことから池田大作名誉会長は、“実質一千万だ”と欣喜雀躍し、創価学会は「日本の柱」となったと豪語するなど得意絶頂だった。
だが平成21年総選挙で自公は惨敗し、民主党政権が誕生。比例区得票数も805万票と激減した。平成24年総選挙で自公は政権を奪還したものの、公明党比例区票は711万票と低迷。平成26年総選挙も731万票と700万票台前半にとどまり、今回ついに697万票と700万票を切ったのである。
一連の得票数を見れば一目瞭然のことだが、今回の697万票は、最多得票だった平成17年の郵政選挙時の898万票と比較すると実に201万票もの減少となる。
ちなみに参議院選挙の全国区ならびに比例区の公明党票を俯瞰すると、直近で得票数が600万票台だったのは平成4年参院選の641万票。それ以前では平成元年が609万票、昭和55年が669万票となっている。逆に400万票台、500万票台と得票数を伸ばしてきた創価学会政治部が、公明党となって初めて600万票台を獲得したのは49年前の昭和43年参院選での665万票となる。
この事実は、創価学会の勢力が半世紀前に回帰していることを示唆している。
もっとも今回の総選挙では、18歳選挙権が実施されており、18歳・19歳の票が上積みされていることから、実数としては昭和40年代を下回っていると見ることが可能だ。さらには自公選挙協力によるバーター分や、いわゆるF(フレンド)票を除けば、マル内と呼ばれる純粋な創価学会票は500万票台あるいは400万票台の可能性すらある。というのも一部メディアの推計によれば、昨夏の参院選では自民党支持者の7%~8%が公明党に投票したと言われており、仮に今回の総選挙で自民党支持者の7%が公明党に投票したと仮定し、自民党比例区票1855万票に7%をかけた129万票を引くと568万票となるからである。
公明党が500万票台を獲得した参院選は、言論出版妨害事件の影響で惨敗した昭和46年参院選の562万票と昭和40年参院選の509万票。500万票を切るとなると昭和37年参院選の412万票まで遡ることとなる。
今年7月実施の東京都議会議員選挙で公明党は、候補23人を全員当選させたが、都議会で公明党が初めて23議席を獲得したのは昭和40年選挙だった。昭和60年選挙で公明党は29議席にまで伸長したが、その後26議席、25議席と議席数を減らし続け、平成13年以降は現状の23議席で推移している。この事実も、創価学会の勢力は昭和40年代に回帰しているとの見方を補強してくれる。
しかも今夏の都議選で公明党は、全選挙区に候補を立てていないにもかかわらず73万票を獲得したが、今回の総選挙における東京の公明党比例区票は64万票と、都議選の得票数を9万票も下回っている。具体的には創価学会本部のある新宿区では、19713票から14041票と5672票のマイナス。都議選最多得票の足立区も69934票から42926票と27008票減。そして東京で唯一の公明党候補が小選挙区に立った北区でも、34501票からら20523票と13978票のマイナスとなっている。組織力の低下は顕著といえよう。
敗北を認めない独善体質
「広宣流布のバロメーター」は明確に勢力の低下を示している。だが創価学会は敗北を認めようとはしない。投開票翌日の10月23日付「聖教新聞」1面の池田氏のメッセージとされるコラム「今週のことば」には、「『日本の柱』は勝ちたり。皆の尊き大奮闘、万歳!『冥の照覧』は厳然だ。福運も仏縁も満々と さあ胸張り前進を!」と、むしろ勝利宣言する始末。
昨年11月、創価学会は会則を変更し、自らを「創価学会仏」に祀り上げたが、「仏」の組織が指示・命令して展開した「法戦」で敗北したのでは、「仏」の権威・カリスマが失墜する。口が裂けても敗北したとはいえないのだろう。そのかわりに強調されているのが、「御仏智」「深い意味がある」などの言い訳。投開票直後、全国の創価学会組織には、池田「先生」からとする慰労のメッセージが伝達されたという。そこには次のようにある(例文は九州へのメッセージ)。
「不屈の執念の大闘争、本当にご苦労さま!災害を乗り越え、嵐の大激戦をよくぞ勝ち切ってくれた。大九州、本当にご苦労さま!
真剣に祈り、戦い抜いた結果は、すべて『梵天・帝釈の御計』である。御仏智であり、深い意味がある。信心の眼で悠然と見つめていけばよい。
御本仏が、尊き全同志を労い讃えて下さっている。御聖訓には、『悦ばしきかなや・楽かなや不肖の身として今度心田に仏種をうえたる』と仰せである。大事なことは、わが宝の同志が自身の心の大地に無限の幸の仏縁を広げゆくことだ。これが一番の大勝利だ。
日本の安定のため、世界の平和のため、人類の未来のため、我らの誓願の大行進は止むことがない。苦も楽も私と共に、同志と共に分かち合い、次の勝利の種を植えながら、『いまだこりず候』『一度もしりぞく心なし』と、いよいよ朗らかに進みゆこう!
わが愛する九州家族が、いやまして『陰徳陽報の大果報』に包まれゆくことを祈っています。世界の大九州の人材城・大九州、本当にご苦労さま」
10月26日付「聖教新聞」掲載の首脳幹部らによる座談会記事のトーンもメッセージと瓜二つ。そこには、「真剣に祈り、戦い切った結果は、全て御仏意であり、深い意味があります」と、公明党敗北の責任を宗教用語で糊塗するとともに、「広宣流布は永遠の長征です。私たちの世界平和への誓願の大行進はこれからも続きます」と、学会員に今後も政教一体の選挙闘争の継続を指示する傲岸不遜な文言が並んでいた。
政治権力との癒着を保身・延命の切り札とする創価学会に、「反省」の二文字はない。
乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。
信濃町探偵団──創価学会最新動向
①繰り返された宗教的扇動
・10月5日付「聖教新聞」「わが友に贈る」「『なにの兵法よりも 法華経の兵法』だ。 題目を唱え抜く人は 絶対に行き詰まらない。 全てに信心で挑もう!」
・10月11日付「聖教新聞」「池田先生ご夫妻──東京牧口記念会館で勤行」
「池田大作先生は10日午前、香峯子夫人とともに、八王子市の東京牧口記念会館を訪問。館内の『牧口講堂』で厳粛に勤行・唱題を行った。(中略)池田先生ご夫妻は先師の遺徳を偲ぶとともに、創価の『立正安国』の魂を胸に奮闘する全国・全世界の同志の勝利・健康・安穏を深く祈念した」
・10月21日付「聖教新聞」「御書と歩む 池田先生が贈る指針」「『一念に億劫の辛労』を!」
「同志への指針 いかなる壁も、題目を唱え抜いて突破する。一念を定めた今の勇猛精進が、億劫にも通ずる地涌の大闘争だ。妙法のために尽くす辛労に一切の無駄はない。広宣流布の最前線で、負けじと勇んで戦い進む中でこそ、仏の智慧は躍動する。諸天も動き、必ず活路は開けるのだ。信頼するわが同志よ、悪戦苦闘を突き抜けて、歓喜の大功力を漲らせてくれ給え!」
・10月23日付「聖教新聞」「今週のことば」
「『日本の柱』は勝ちたり。 皆の尊き大奮闘、万歳! 『冥の照覧』は厳然だ。 福運も仏縁も満々と さあ胸張り前進を!」
※「法華経の兵法」をはじめ、日蓮遺文を恣意的に解釈し、学会員を選挙闘争に駆り立てる創価学会の首脳。その結果は、5議席減と比例区700万票割れの敗北。しかし10月23日付「聖教新聞」で池田大作氏は、「『日本の柱』は勝ちたり」と勝利宣言し、選挙闘争をした学会員には「福運は満々」などと功徳・利益があるかのようにアピールする。いつものことだが、学会員の政党支持や投票の自由を、宗教的に呪縛する行為は許されるものではない。
②公明党礼賛の欺瞞性
・10月19日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」「『大衆とともに』を貫く公明党」
「竹岡(青年部長)自公政権による政治の『安定』か。野党による政治の『混乱』か。そして、少子高齢化や北朝鮮の驚異など、課題山積の中、国民に『安心』をもたらすのは、どの政党か。この点が問われる『安心選択選挙』といえます。
伊藤(女子部長)中でも、公明党は『三つの安心』を掲げていますね。
永石(婦人部長)①将来の子育てや社会保障の安心②緊迫化する北朝鮮問題に対し、各国と手を携えて解決できる安心③連立政権に公明党がいることで庶民目線の政治が進む安心、です。日本にとって不可欠な『安心と安定』の要こそ、公明党です。(中略)
長谷川 政治評論家の森田実氏も語っていました。『見えざるところに手を伸ばし、現場主義で隅々まで光を当てる。「大衆とともに」という立党精神に根ざし、苦しんでいる大衆と一緒に歩んでいく。「共生」「共苦」「共栄」の思想を根本に置く議員集団・公明党は日本の宝なのです』
※公明党は「安心と安定の要」であり、政治評論家が「公明党は日本の宝」と評しているとアピールする創価学会首脳。こうした公明党礼賛を創価学会は機関紙誌で繰り返して学会員に公明党への投票を強要している。もとより公明党が安保・福祉などで変節したことにはいっさい言及しない。臭い物には蓋、目先を誤魔化せればそれでいいのだ。
③熾烈な立憲民主・共産攻撃
・10月19日付「聖教新聞」「座談会 栄光の峰をめざして」
「竹岡 一方で、野党の多くは、旧・民主党出身者。2009年から3年間、民主党政権は失政を続け、日本の経済・外交を悲惨な結果に導きました。『不安と混乱』を生み、多くの国民に政治への不信をもたらしました。
志賀(男子部長)特に立憲民主党はあの“悪夢”と呼ばれた時代に政権の中枢を担った閣僚たちが顔を並べています。
竹岡 東日本大震災当時の首相と官房長官が、最高顧問と代表に就いているのが、今の立憲民主党です。当時の政権の震災対応は『遅い、鈍い、心がない』と被災地で大ひんしゅくを買いました。特に原発事故は『人災』とも言われました。
志賀 東北の方が心底怒っていました。『立憲民主党は“東日本大震災が原点”“まっとうな暮らしを取り戻す”と言っているが被災地から“まっとうな暮らし”を奪ったのが、当時の民主党政権ではないか』と。(中略)
竹岡 立憲民主党は、“違憲の自衛隊は解散”“日米同盟の破棄”と訴える共産党と選挙協力も進めている。北朝鮮の脅威から日本の安全をどうやって守るのか。極めて無責任といえます」
※自公体制最大の敵であるとともに、当面の敵でもある立憲民主と共産への攻撃も際立っている。そもそも「聖教新聞」「創価新報」は宗教団体の機関紙であり、政治団体の機関紙ではない。記事中、民主党政権の東日本大震災や原発事故への対応の遅れを非難しているが、それでは自公政権だったら迅速な対応ができたとでもいうのだろうか。今年6月、公明党の浜田昌良復興副大臣は、子ども被災者支援法の改定にあたり、支援対象地域の縮小・廃止に資する見解を出すよう原子力規制委員会の田中委員長に対し申し入れているが、際立っているのは自主避難者への支援打ち切りの強い意思である。そこにはやむにやまれず避難している被災者への思いやりはまったくない。公明党は庶民や被災者ではなく、原発を推進する安倍首相や経産省にこそ寄り添い、その組織母体は政権の敵に激しい悪罵を投げつけるのである。