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7月号

7月号目次

 

閻魔帳

自公政権の継続で保守独裁からファッショ政権の危機へ/川﨑泰資

 

特集/保身・延命に足掻く創価・公明の姑息と欺瞞

 

誰が「意図的隠蔽」を? 意味不明な『秘史』批判/柿田睦夫

またもや暴走国会を後押しする「公明党=創価学会」の欺瞞の極み/古川利明

国民愚弄の安倍政権に伴走する創価学会・公明党/段 勲

新潟県知事選挙に見られる創価の保身工作の悪らつ/乙骨正生

 

トピックス

麻原彰晃三女・アーチャリーと森達也氏の「歴史修正」/藤倉善郎

トピックス

恥知らずな国会議員とカルト教団の宣伝に加担する日刊SPA!/鈴木エイト

 

  • 連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

新・現代の眼(第23回)

棺を鬻ぐ者は歳の疫ならんことを欲す/菅野 完

ヨーロッパ・カルト事情244

日仏の「道徳教育」(2)/広岡裕児

執筆者紹介  編集後記

編集後記から

「可決の時、心の中で娘に語りました。まつり、これが日本の姿だ。あなたを追い詰めた日本の姿だよ」

6月29日の参議院本会議で、安倍首相が今国会での最重要法案と位置づけていた「働き方改革関連法案」が、自民・公明・維新・希望の賛成多数で可決成立した際、傍聴していた高橋幸美さんは、心の中で娘のまつりさんに、そう話しかけたのだそうです。娘のまつりさんとは、平成27年12月25日に過酷な時間外労働を強いられ過労自殺した電通社員の高橋まつりさんです。

平和と福祉を旗印としてきた創価学会を組織母体とする公明党は、過労死を助長する可能性の高い一部の専門職を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度を含むこの法案の成立に手を貸しました。

その6日前の6月23日、沖縄は慰霊の日を迎えました。最後の激戦地となった摩文仁の丘にある平和祈念公園で開催された「沖縄全戦没者追悼式」で沖縄県浦添市立港川中学3年の相良倫子さんは、戦争を許さないとの強い想いを込めた平和の詩「生きる」を朗読しました。

「私は手を強く握り、誓う。奪われた命に想いを馳せて、心から、誓う。

私が生きている限り、こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、絶対に許さないことを。もう二度と過去を未来にしないこと」

人権と平和を守ろうとする二人の女性の声は多くの人々の胸を打ちましたが、この沖縄慰霊の日を遡ること2週間前の6月10日に、沖縄県恩納村にある創価学会の研修道場で、原田稔会長は、沖縄の創価学会幹部・活動家に「立正安国」の闘争を呼びかけました。

今年2月の名護市長選挙を前にした1月にも原田会長は沖縄入りし、自公が推薦した候補の支援を呼びかけました。今回の訪沖そして「立正安国」の闘争の呼びかけは、今秋に予定されている沖縄県知事選挙や那覇市長選挙で、辺野古新基地建設に反対し、米軍基地の撤去を主張する翁長雄志知事を中心とする「オール沖縄」から、自公を中心とする「チーム沖縄」への県政奪還のための布石と見られています。

それにしても慰霊の日に沖縄を訪れ、平和を祈るのならともかく、直前に沖縄入りし、政治闘争を呼びかけるとは……。しかしこれが偽らざるいまの「日本の姿」の1シーンでもあります。

特集/保身・延命に足掻く創価・公明の姑息と欺瞞

 

新潟県知事選挙に見られる創価の保身工作の悪らつ

乙骨正生

ジャーナリスト

 

 

勝敗を左右した創価学会票

今年の株主総会の集中日は6月28日だったが、その前日の27日、原子力発電所を保有する大手電力9社は全国各地でいっせいに株主総会を開いた。9社の株主総会では、いずれも脱原発を求める株主提案が出されたがすべて否決され、原発に固執する経営陣の姿勢が目立ったという。例えば東京電力ホールディングスの株主総会の模様を、6月28日付『東京新聞』は次のように報じている。

「株主から出た脱原発などを求める八議案を、すべて否決する一方、新潟県の東電柏崎刈羽原発の再稼働への意気込みを強調するなど原発に傾倒する姿勢が際立った」

それも当然だろう。なぜなら株主総会に先立つこと2週間前の6月10日投開票で行われた新潟県知事選挙で、原発再稼働を推進する自民党と、これを容認する公明党が支持する候補が、脱原発を主張する野党5党共闘候補に辛勝し、当選したからだ。

米山隆一前知事の不祥事による辞任を受けて実施された新潟県知事選挙は、自民・公明両党が支持する花角英世元海上保安庁次長と、立憲民主・国民民主・共産・自由・社民の野党5党と1会派が推薦した池田千賀子元県議の事実上の一騎打ちとなった。

選挙結果は、花角候補が54万6670票(得票率49・6%)、池田候補が50万9568票(得票率46・2%)と3万7102票差の僅差ながらも、自公が支持した花角候補が当選した。

モリカケ問題をはじめとする安倍晋三首相と自公政権の、主権者・国民や国会を軽視・愚弄する傲岸不遜な政治姿勢や施策に、多くの国民が批判の声を上げる中で実施された新潟県知事選で、野党共闘候補が勝利すれば、国政に大きな影響を及ぼすのは必至であり、与党にとっては、延長国会や安倍首相の総裁三選、さらには来年の統一地方選や参院選にまで悪影響を及ぼすことが予想されたことから、自公は全力で花角候補の当選をめざした。

また柏崎刈羽原発の再稼働を目指す東電にとっても、泉田裕彦・米山と二代にわたる新潟県知事が原発再稼働に反対し、慎重な姿勢を示していたことから、再稼働はきわめて厳しい状況に追い込まれていた。それだけに米山前知事のスキャンダルによる辞職は、局面を打開する絶好の機会にほかならなかった。

原発再稼働をめざす自公や東電は、業界団体や組織をフル稼働させての熾烈な選挙戦を展開し、辛うじて野党共闘候補を振り切ったのだが、得票差が3万7千票という僅差だった事実は、花角候補当落の鍵を握ったのが新潟県で8~10万票(第24回参院選比例区・9万2千余票)と見なされる公明党すなわち創価学会の集票力だったと見ることが可能だ。

 

自主投票から全国支援に豹変

実は今回の新潟県知事選では、本誌前号の「信濃町探偵団」でも報じているように、公明党は当初、自主投票の構えを見せていた。報道によれば公明党が自主投票に傾いたのは、「自民県連幹部が12日、公明の支持団体幹部と知事選対応について協議した際、自民県連側から『不和と捉えられても仕方のない』物言いがあったという。公明県幹部は自公連立の枠組みを崩す考えはないとしたうえで、『自民とは選挙戦への考え方が異なる』と述べた」(5月18日付『デジタル毎日』)とあるように、自民党新潟県連側の創価学会・公明党に対する嫌悪感にその端緒があったようだ。地元新潟の自民党関係者がその背景を次のように解説する。

「過去の県議選で、自民党候補のいる選挙区に公明党が候補を擁立するなどしたため、自民党の県連幹部は、公明党そして創価学会に不信感や嫌悪感をもっていた。自民党の中には、もともと自民党における反創価学会のリーダー的存在だった白川勝彦代議士を、創価学会や公明党が徹底的に攻撃して潰したことについて嫌悪感や違和感をもっている人もいるからね。そうしたところに県知事選を約1カ月後にしたゴールデンウィーク明けに、公明党が党本部から選挙担当者を派遣して、選挙活動の主導権を握ろうとしたことから、不協和が拡大。結局、二階自民党幹事長が、県連側と公明党・創価学会を調整し、告示直前に自公両党で花角英世候補を支持するということでようやく落ち着いた経緯がある」

新潟では、前回の知事選や参院選選挙区で、自公が推した候補は、いずれも野党統一候補の前に敗北している。その新潟の知事選で、野党共闘候補を破りモリカケ問題などで窮地に立つ安倍首相をサポートすれば、公明党そして創価学会の存在感はさらに高まる。そんな思惑から公明党中央=創価学会が、新潟県知事選に前のめりになったであろうことは想像に難くない。

だが野党統一で当選した米山前知事のスキャンダルによる自滅によってもたらされた選挙だけに、自民党の中には今度は大丈夫だろうとの楽観論があった。また、「デジタル毎日」が報じたような、創価学会・公明党に対する根強い嫌悪感や不信感も存在した。その結果が、両者の不許和音を生んだのだが、公明党が自主投票を打ち出したのは、値段の釣り上げだった可能性は否定できない。

なぜなら公明党は、告示前日の23日というギリギリのタイミングで自民党とともに花角氏の支持を決定。これに合わせて創価学会は、以後、非学会員の候補を支援する首長選挙であるにもかかわらず、新潟県の組織だけではなく全国の組織あげての支援闘争を展開したからだ。本当に「自主投票」でいい程度の軽い選挙であれば、全国の組織に支援を“徹底”する必要などない。換言するならば、創価学会・公明党は、辺野古新基地建設の是非がかかっていた今年2月の沖縄県名護市長選挙と同様に、原発再稼働の是非がかかるこの新潟県知事選を、保身と延命を図るために自民党に恩を売る重要な選挙と位置づけ、全国の組織に選挙闘争を指示したのだ。

 

アナクロニズムな官僚礼賛と反共主義

では、創価学会がいかに新潟県知事選に力を傾注したか。その事実を示す資料を紹介しよう。全国の創価学会組織で配布された「内部討議資料」などの一連の資料だ。まずは、冒頭に「地区部長・地区婦人部長の皆様へ〈総東京・東北・関東・東海道・北陸・長野〉」と表記された「新潟県知事選 はなずみ英世」「猛追するも いまだ届かず」と題する文書。そこには次のようにある。

「以下のとおり、各地区の協議会・活動者会で徹底をお願いいたします。

今回の新潟県知事選は“来年の参院選・統一地方選の前哨戦”となり、その結果は、新潟県のみならず、今後の国政や全国各地の選挙情勢にも大きく影響を及ぼします。

連日、新潟の皆さんも必死にがんばってくださっていますが、地元だけではどうしても届かない情勢です。ぜひとも、皆様のお力添えをよろしくお願い申し上げます」

まずは新潟県知事選を統一地方選・参院選の前哨戦と位置づけて、全国の支援を要請。地区の協議会や活動者会で支援を「徹底」するよう指示した上で、花角候補は劣勢だとこう厳しい情勢をアピールする。

「先週押し上げをお願いさせて頂きましたが、『はなずみ』は、新潟市・長岡市・上越市など多くの都市部で劣勢。現時点で野党候補と3万~5万票近く差がついており、このままでは勝利がおぼつかない状況です」

その上で「取り組みのポイント」を次のように強調している。

「①今は野党候補に入れるつもりの人も、しっかり語れば『はなずみ』にひっくり返せます。すでに配布した内部討議資料『対話のポイント』をフル活用し、固めて頂きますようお願いいたします。

②その際、『聖教の啓蒙先』『支持者カードの起票先』『親戚や友人・知人』はもれなく当たり尽くして頂きますようお願いいたします。

③その上で、6月7日(木)、8日(金)、9日(土)の最後の3日間に、今まで当たった方も含めて、もう一度『最後のお願いです』と念押しの電話を入れて頂きますようお願いいたします」

聖教新聞の拡販先や、公明党支持者カードに名前を記載した人、さらには親戚や友人・知人にもれなく当たれと指示する創価学会だが、ここで指示対象となっているのは新潟県民ではない。本来、新潟知事選とは関係のない東京をはじめとする全国の学会員である。その際にフル活用しろというのが「対話のポイント」。そこには「5月28日以降、新潟人脈への電話での総当りをお願いします」との指示とともにこんなことが書かれている。以下、その一部を紹介しよう。

「今回、敗北すれば再び『共産支配の新潟県』となり、全国の共産が勢いづき、明年の統一地方選・参院選にも多大な影響が出ることは必至。共産党をはじめとした野党勢力に自公が勝利していくことがきわめて重要です。

したがって、今回の知事選は、まさに“統一地方選・参院選の前哨戦”となります」

共産党を「仏敵」「天敵」として、宗教的敵愾心(てきがいしん)を煽って選挙闘争に会員を駆り立てるのが、創価学会の常套手段だが、新潟県知事選でも手口は同じ。その上で、原発問題については争点隠しを図り、野党共闘の池田候補を次のように個人攻撃している。

「■そもそも野党は原発問題の前に、前知事の前代未聞の不祥事を謝罪すべきだ」

「■原発争点というが『原発再稼働』については両者の政策に違いはない」

「■経験不足・経済オンチの社民党の知事で新潟の経済は大丈夫か

県議を1期も務めていない人が、230万人を擁する新潟県の知事として立派に行政手腕を発揮することはどう見ても無理。経験不足と実力不足は明らか。しかも今どき国会に4議席しかない社民党が国を動かし、政策を実現することは不可能だよ。実際、全国どこを見渡しても社民党の知事なんかいないよ。

また社民党は『原発ゼロ』を叫ぶばかりで、具体策はゼロ。まともな経済や外交政策を聞いたことがないよ。そういえば『北朝鮮の拉致問題など存在しない』と言っていた過去もあったよね。

こんな人が新潟県知事になったら、新潟県は笑い者になるよ。

一方、花角さんは国交省、観光庁で要職を務めてきた『仕事のできる人』『観光政策のプロ』。さらに新潟県佐渡の生まれで、新潟県副知事も歴任しているから、誰よりも新潟を愛し、新潟がかかえる課題を一番わかっている。だから花角さんが知事にもっともふさわしい人なんだよ」

昨年の東京都議選で安倍首相が、秋葉原における街頭演説で、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と公言し、都民の顰蹙(ひんしゅく)を買ったが、池田候補を「こんな人」と呼び、池田候補が新潟県知事に当選すれば「新潟県は笑い者になるよ」と侮蔑する創価学会。両者の親和性はこんなところにも表れている。

その一方で、「対話のポイント」で創価学会は、公明党の石井啓一代議士が大臣を務める国交省の官僚出身者である花角氏を礼賛しているが、モリカケ問題に象徴的に見られる官僚の主権者・国民を愚弄するご都合主義的な保身体質が露呈する中で、こんなアナクロニズムな官僚礼賛と反共主義を会員に刷り込み、宗教活動に名を借りた選挙闘争を展開する創価学会に、公益法人としての適格性があるとはとうてい思えない。

国会ではバクチ解禁、それもバクチ場で客に金を貸すことまで許すという異常としかいいようがないIR法案や、過労死を助長する恐れの高い働き方改革法案を、自民党とともに数の力で押し切る公明党。

地方自治・住民自治を冒瀆された新潟県民のみならず、国民にとって創価学会・公明党の存在は百害あって一利もない。

 

乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』『司法に断罪された創価学会』(かもがわ出版)など。

 

信濃町探偵団──創価学会最新動向

●江戸川・浦安を視察―あいかわらずの姑息な“健在”誇示
・6月7日付『聖教新聞』「池田先生ご夫妻――江戸川東京国際池田記念講堂を初訪問」
「池田先生ご夫妻は6日午前、江戸川区の東京国際池田記念講堂を初訪問。6月6日の初代会長・牧口常三郎先生生誕147周年に当たり、厳粛に勤行・唱題し、広布の大願を貫かれた先師の尊き生涯をしのぶとともに、地元・江戸川をはじめ全国、全世界の同志の幸福・健康・勝利を祈念した。
本年は、1953年(昭和28年)1月2日、池田先生が、江戸川などの東京・下町を活動の主舞台とする男子部第1部隊長に就任して65周年。4月25日、同講堂にほど近い同区葛西にあった映画『人間革命』のロケ地を訪問して45周年の佳節を刻む。先生ご夫妻は講堂の記念展示室で、こうした江戸川の広布史を紹介する展示パネルを鑑賞した。
また池田先生ご夫妻は同日、千葉の浦安平和会館を車で視察。関東総会の大成功を心から祝福するとともに、『千葉の皆さんにくれぐれもよろしく』との伝言を贈った」
・6月10日付『聖教新聞』「随筆 永遠なれ創価の大城」
「梅雨の晴れ間となった昨日(九日)の午前、新宿の紀伊國屋書店の前を車で通った。そこで目に飛び込んできたのは、近日発刊となる小説『新・人間革命』第三十巻(上巻)の懸垂幕であった。ご支援くださる皆様方への感謝は尽きない。最終章の連載に、さらに全力を尽くそうと決意した。(中略)
牧口先生のお誕生日の六月六日、私は、この偉大な先師の闘魂を胸に、青春の広宣拡大の大地・江戸川区へと走った。初訪問となった“国際講堂”は、同志の真心で美しく光り、館内の記念展示には、“江戸川は“『信心の横綱』なり”との誇りが漲っており、本当に嬉しかった」
・6月26日付『聖教新聞』「正義の威光勢力を満々と」
「池田先生はメッセージを贈り、(中略)6日に初訪問した東京国際池田記念講堂(江戸川区)でも、館内外がきれいに荘厳され、誠実で粘り強い友好の積み重ねで地域の信頼を勝ち開いていたと述べ、全国各地で、広布の宝城を守り支える全ての同志の『隠徳』を称賛し、無量無辺の『陽報』が薫りゆくことを念願した」

※本誌前号の特集記事で詳報したように、今年5月で、池田大作創価学会名誉会長が、大衆の前から姿を消して満8年が経過した。その直後の6月6日、『聖教新聞』が、池田氏が牧口常三郎創価教育学会会長の生誕日に、江戸川・浦安などを視察。また9日にも新宿の紀伊國屋本店前を通ったとして、『聖教新聞』に連載中の「新・人間革命」最終章の執筆に全力をあげると、健在ぶりを誇示する池田氏の「随筆」を掲載した。
戸田会長の会長在任期間を超える8年もの「長き不在」を糊塗するための工作だが、あざとい。『聖教』報道によれば、東京国際池田講堂(「随筆」では池田記念を省き「国際講堂」としていることもいやらしいが)では、勤行・唱題し、展示を鑑賞したとあり、紀伊國屋書店の前を「車で通った」、あるいは浦安平和会館を「車で視察」とも報じている。一連の報道からは、創価学会がお好きな「三国志」の「死せる孔明生ける仲達を走らす」を想起させる。仲達ならぬ学会員を欺くためには姿は見せなくとも、車での外出や、勤行・唱題のフリが大切なのだろう。

●慰霊の日を目前に基地残置に加担する政治闘争を煽る創価学会
・6月9日付『聖教新聞』「原田会長が沖縄で激励」
・6月12日付『聖教新聞』「沖縄が勇躍の前進」「原田会長が出席 総県支部長会」
「わが『人間革命』の勝利の舞を舞いゆけ!――沖縄総県支部長会が10日、原田会長が出席し、恩納村の沖縄研修道場で行われた。(中略)
原田会長は、(中略)今こそ、私たち一人一人が立正安国の主体者の自覚に立ち、師弟誓願の大情熱を燃やして不可能の壁を破ろうと訴えた。そして、『確信の声』『真剣の声』『勇気の声』を高らかに、沖縄から全国へ、晴れ晴れと模範の大勝利の証を示そうと呼びかけた」

※創価学会の原田稔会長が、今年二度目の沖縄入り。10日には沖縄研修道場で開催の支部長会で、不可能の壁を破る立正安国の闘争を呼びかけた。
本誌既報のとおり、今年2月の名護市長選を前にした1月にも原田会長は沖縄入り。辺野古新基地建設問題が最大の争点だった名護市長選挙で、辺野古新基地建設を推進する自公が推薦する候補への支援を要請した。今回の沖縄訪問でも、立正安国の闘争、それも不可能を可能にする大闘争を呼びかけていることから、その狙いは、今年秋に予定されている沖縄県知事選や那覇市長選で、辺野古新基地建設に反対し、米軍基地の撤去を主張する翁長雄志知事を中心とするオール沖縄から、自公を中心とするチーム沖縄に、県政・市政を奪還するための布石をうったものとみることが可能だ。
来年は統一地方選挙が予定されているが、沖縄では今年51の首長選挙・市町村会議員選挙が実施され、プレ統一地方選といわれている。原田会長が「沖縄から全国へ」「模範の大勝利を」と呼びかけているのは、辺野古新基地建設・米軍基地残置政策を推し進める安倍自民党に恩を売り、あわせて来年の統一地方選・参院選に向けて沖縄のプレ統一地方選の勝利で、会内の選挙にむけた士気を鼓舞しようとの狙いにほかならない。
それにしても、沖縄県民の平和意識=反基地意識が高まる6月23日の沖縄慰霊の日を目前した6月10日に、米軍基地残置に加担する選挙闘争を臆面もなく煽る原田会長の姿には、絶対平和主義を掲げる創価学会の欺瞞といやらしさが滲み出ている。

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