11月号目次
閻魔帳
政治と宗教の関係見直しを統一教会だけに終わらせてはならない/乙骨正生
特集/正念場迎えたカルト対策─抵抗勢力の動静と実態
「カルトとしての統一教会」と同一視されまいとスリ替えに余念がない「公明党=創価学会」/古川利明
楽観視できない統一教会の宗教法人解散論の行方/藤倉善郎
「政治と宗教」の問題を論議したくない宗教政党が抱え続ける矛盾/山本栄美子
デマゴギーと実態隠し──詐術的手法を駆使する創価学会/広岡裕児
トピックス
内紛中の神社本庁と旧統一教会の関係/橋本征雄
- 連載
信濃町探偵団──創価学会最新動向
「公明党と創価学会」を考える(第37回)
「平成の政治改革」と公明党・創価学会(6)/平野貞夫
ナニワの虫眼鏡(第41回)
統一教会に巣食う宗教2世問題 私もあの巨大教団の2世だった!/吉富有治
執筆者紹介&バックナンバー一覧 編集後記
編集後記から
宗教法人の解散を請求するための要件に、「民法の不法行為」は入らないとしていた岸田文雄首相が、一転して「民法の不法行為も入り得る」と答弁を変更したことに、創価学会が動揺しています。
というのも創価学会には、言論出版妨害事件や宮本盗聴事件などの反社会的行為・違法行為に加え、小誌も詳述した会長・理事長・副理事長(現会長)、そして青年部長や男子部長などが、名誉棄損という不法行為を犯し、裁判所から損害賠償を命じられた事実があるからです。他者の人権を侵害する名誉棄損という不法行為を多くの最高幹部が犯し、裁判所から「厳しく断罪(創価学会お得意の用語)」された創価学会を、公益法人として認め、優遇税制の恩恵に与らせることは大いに疑問です。
また世界平和統一家庭連合(統一教会)の高額献金による被害者を救済するための法制度の整備を検討する与野党協議会で、立憲民主や維新が、「マインドコントロールによる高額献金を法律で明確に禁止」することを求めていることに、公明党が「マインドコントロールを法律で定義するのは困難」と難色を示しています。
しかし小誌の前号特集記事で、在フランスジャーナリストの広岡裕児氏が詳述しているように、2001年にフランスで制定された「人権と基本的自由を侵害するセクト的運動に対する予防と抑圧強化のための法」(通称アブー・ピカール法)を参考に議論を深め、マインドコントロールによる人権侵害や高額献金収奪などに歯止めをかけることは十分可能だといえるでしょう。
ところが公明党はこれに反対します。それは公明党の組織母体である創価学会の主要活動、すなわち財務(献金)・選挙支援(票)・啓蒙(新聞拡販)・折伏(会員獲得)への会員の動員が、宗教的マインドコントロールに基づいているからと言えるのではないでしょうか。もしそうでないというなら、宗教に対する偏見の根拠ともなり得るマインドコントロール的手法を駆使しての献金強要禁止に、宗教政党である公明党こそまっさきに賛成すべきなのでは。
統一教会問題に端を発した宗教と政治の関係の見直し、そしてマインドコントロールに基づく高額献金問題など、カルト対策の議論はまだ始まったばかりですが、これに抵抗する勢力は、問題を矮小化するとともに議論を先延ばしし、世論の関心が薄れていくことを期待しています。
小誌はこうした風化を防ぐために、また問題を統一教会問題だけではなく、創価学会問題にまで波及・拡大させるために、今後も、宗教と政治・宗教と社会の諸問題について、追及を続ける所存です。
特集/正念場迎えたカルト対策─抵抗勢力の動静と実態
「カルトとしての統一教会」と同一視されまいとスリ替えに余念がない「公明党=創価学会」
古川利明
ジャーナリスト
「統一教会の火の粉」恐れる創価学会
元首相・安倍晋三に対する射殺事件を端に炸裂した統一教会問題に加え、その安倍の国葬騒動と、さらに止まるところがない物価高の三点セットが政権を直撃し、山際大志郎が10月24日、大臣辞任に追い込まれた。時事通信が10月7日から4日間、2千人の有権者を対象に個別面接方式で行った世論調査(有効回収率63・3%)によれば、岸田内閣の支持率は27・4%(前月比4・9ポイント減)と、政権発足以降では最低となった。通常、内閣支持率が3割を切ると「危険水域」と言われるが、今回は菅内閣で最低だった昨年8月の29・0%をも下回っている。ほとんど指摘されていないが、じつは、この盆明けに東京地検特捜部が五輪組織委を舞台にした汚職の摘発に乗り出し、その安倍や菅と超ズブズブだった同理事の高橋治之(電通専務などを歴任)を逮捕したことが、政権には合わせ一本の形でボディブローとなって効いている。ただ、自民党の支持率自体は23・5%(前月比1・1ポイント増)と引き続き高く、「支持政党なし」が58・9%に達する一方で、維新4・0%(同0・6ポイント増)、立民3・6%(同0・4ポイント減)と、野党が政権批判の受け皿に全くなり得てない。
そこで、この統一教会問題がヒートアップしたことで、「カルト」の問題が改めてクローズアップされている。例えば、産経新聞(9月11日付)は「フランス 厳しい宗教規制」「反カルト法 『逸脱』団体には解散命令」の見出しで、フランスのカルト対策について詳報しており、その1995年12月にフランス下院が採択した報告書『フランスにおけるセクト』(「セクト」はフランス語で「カルト」の意)の中で、あの統一教会などと一緒に創価学会を含む170超の団体が「カルト」として名指しされていたことが、今後、蒸し返されて、「統一教会から噴き上がった火の粉が信濃町に飛び移って、炎上でもしたら、堪ったものではない」と、彼らもいたく苛立ったであろうことは想像に難くない。
だから、「これ」に対する防戦ラインとして引っ張り出してきたのが創価新報(9月21日付)に掲載されたフランスSGIの弁護団に所属する弁護士のグザヴィエ・デルソルのインタビューなのである。この内容に対する徹底批判は、本誌前号の広岡裕児「フランスのカルト対策を歪曲して自己正当化を図る創価学会」に詳しいが、補足すると、まずはそもそも、このデルソルはその『フランスにおけるセクト』を提出した議員(正確には「下院調査委員会の委員長を務めた議員」だが)を「ジャック・ギヤール」としているが、これは99年6月に同じく下院で採択された報告書『セクトと金』の方であって、正しくは「アラン・ジュスト」である。それはともかく、このデルソルの言い分は当該記事の見出しで掲げている「虚偽の中傷を乗り越えて――純然たる典礼(キュルト)法人として、社会に根差すフランスSGI」に集約されていると言っていいだろう。
セクトの「新たな定義」無視してスリ替えに腐心
「セクト(secte)」の語源は中世の13~14世紀に遡り、フランス語の動詞「suivre(追う)」と「couper(切る)」に派生した二つのラテン語の語根がくっついたものだという。そこから出てきたのが「同じ教義を持つ人たちの集まり」で、これは現在でも使われている「派、宗派、学派」の意味である一方で、その後の宗教戦争を通じて、「分派、異端」の意味も加わった。20世紀後半以降、ベトナム反戦運動を機に、米国では「ニューエイジ」と呼ばれた、ヒンズー教や禅などをベースに新たな教義なり、心理療法を追求するグループが、それこそ雨後の筍の如く出現したのだが、そうした指導者の中には、その絶対的なカリスマ性で組織を統括する人間が出て、「ここ」から78年11月、南米ガイアナで教祖を含む900人超の信者の集団自殺を図った「人民寺院事件」が発生すると、そこに「熱狂的崇拝」の意味合いも帯びるようになった。
さらに90年代に入り、ブランチ・ダヴィディアンや太陽寺院による猟奇かつ反社会的な同様の事件が起こると、従来の「セクト」の範疇ではとても収まりがつかなくなっていたところに、降って湧いたように、あのオウム真理教による地下鉄サリン事件がトドメとなって、フランスでは本腰を入れて対策に乗り出した。その結実が『フランスにおけるセクト』と題する報告書なのである。
この『フランスにおけるセクト』では、まず、「セクト」について、これまで使われてきた意味とは別に新たに定義づけており、それを突き詰めて言うと「宗教の仮面を被った全体主義結社」なのである。ところが、デルソルのインタビューでは「これ」を完全に無視したうえで、セクトの構成要件である「法外な金銭要求」「裁判沙汰の多さ」「公権力へ浸透しようとする企て」などの10項目についても、「せいぜい、『セクトと推定する為の参考』に過ぎず、創価学会はそのいずれにもあてはまらない」と強弁し、カトリックとの絡みで従来の「セクト」の意味である「宗教の分派、異端」の話にスリ替えているのである。そこから、フランスSGIが2007年以降、現地で「典礼法人」(※日本の「宗教法人」の感覚に近い)の資格を得たことで、要するに「我々は純粋に宗教活動を行っている団体であって、報告書で名指しされたようなセクトではない」と胸を張っているのである。
さらに、前出の産経新聞の記事では、その『フランスにおけるセクト』で「創価学会」(正確には「フランスSGI」)がリストアップされた際、下院調査委に抗議文を出していたことに触れ、学会広報室による「報告書は、それ以前の1983年に、1人の脱会者が出した1通の手紙を何の調査もせずに採用した古い別の報告書をもとにしていたからだ」とのコメントを載せているが、これも嘘八百もいいところである。なぜなら、リストアップに当たって、報告書が依拠しているのは「内務省からの情報」であり、つまり、「フランスの警察組織が総力を挙げて調べ上げた結果」に他ならないからである。
非課税特権の死守へ信濃町の強烈な意志
折しも、この統一教会問題を受けて、8月下旬から議論を重ねていた消費者庁の有識者検討会は、提言を取りまとめて10月17日に公表した。それによると、メインは飽くまで統一教会による、「悪霊を消すために必要」と不安を煽って壺や印鑑などの高額商品を買わせる「霊感商法」に対する規制で、従来は18年の消費者契約法の改正で、契約を取り消せる対象を拡大した際に、既に「これ」も加えていたが、今回の提言では、適用範囲をさらに拡大し、「霊感商法に伴う『寄付や献金』も、同法の契約取り消しの対象となり得る」との判断を示した。とはいえ、そこからさらに踏み込む格好で、この提言では、オウム真理教による地下鉄サリン事件を受けて、96年に施行された改正宗教法人法に盛り込まれた、宗教法人に解散命令の請求などに該当する疑いがある場合は、所管庁(文化庁または都道府県)が当該法人の業務や管理運営について調査できる「質問権」を行使するよう求めている。これには、長年、統一教会問題に取り組んでいた弁護士の紀藤正樹が検討会のメンバーに入っていたことが大きいだろう。
ちなみに、これまで問題行為を理由にした宗教法人への解散命令は、オウム真理教と霊視商法による詐欺事件で摘発された明覚寺(和歌山県)の2例だけで、その前段に相当するこの質問権が行使されたことはない。首相の岸田文雄は同日、この提言を受けて、文部科学大臣の永岡桂子に、統一教会に対して質問権を行使するよう指示したため、展開次第では、所管庁からの請求を受けて裁判所から解散命令が出される可能性もある。ただ、問題の根幹は、元首相の安倍晋三を射殺した山上徹也の母親が、統一教会に計1億円超もの御布施を貢がされていたことに象徴されるように、「教団の金満化を増長させている『宗教法人の非課税特権』の存在」に他ならない。事実、事件発生後、ネット上では「不公平だ」「なぜ非課税なのか分からない」「非課税特権を剝奪して課税すべきだ」との投稿が殺到し、炎上していたが、本来であれば、95年3月に発生したオウム真理教による地下鉄サリン事件を機に、当時の自社さ政権が「池田大作の国会証人喚問」を突きつけて、まずは「宗教法人の経理の透明化」に向け、宗教法人法の改正に向けて動いたように、「これ」に手をつけなければならない。
その消費者庁の有識者検討会の立ち上げを前に、8月19日に記者会見を行った公明党(=創価学会)幹事長の石井啓一が「旧・統一教会の問題は『政治と宗教の問題』というより『社会的な問題、トラブルを抱えている団体と政治との関係』と捉えた方が正確だ」と述べていることからも分かる通り、「件の霊感商法で世間をお騒がせしている統一教会への対応は、悪徳商法全般の規制を担当する消費者庁の話に過ぎない」とスリ替えており、そもそも、この防戦ラインで事を進めることで、「『宗教法人の非課税特権の問題』には、指一本触れさせない」との信濃町の強烈極まる意思が読み取れる。「カルト」、すなわち、「宗教の仮面を被った全体主義結社」の正体とは、「宗教」をダシに信者からカネを吸い上げるだけであって、間違っても「救済」 などではない。その成れの果てが、あの安倍射殺事件だったことを踏まえて、我々心あるジャーナリズムは、引き続き粘り強く、このカルトの問題を提起していく必要がある。(文中・敬称略)
古川利明(ふるかわ・としあき)1965年生まれ。慶応義塾大学文学部卒。毎日新聞、東京新聞(中日新聞東京本社)記者を経て、フリージャーナリスト。『システムとしての創価学会=公明党』『シンジケートとしての創価学会=公明党』『カルトとしての創価学会=池田大作』『デジタル・ヘル サイバー化監視社会の闇』『日本の裏金(上、下)』『ウラ金 権力の味』『「自民党“公明派”」10年の功罪』『「自民党“公明派”」15年目の大罪』最新刊『「自民党“公明派”」20年目の大失敗』(いずれも第三書館刊)『核と原発 ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、そしてフクシマを繋ぐ悲劇の誕生』(アメージング出版)など著書多数。
信濃町探偵団──創価学会最新動向
●習近平再選に祝電
・10月25日付『聖教新聞』「中国 習近平氏が再選 名誉会長、会長が祝電」
「中国の新たな党指導部が23日に発足し、習近平氏が総書記に再選されたことを受けて、池田名誉会長と原田会長は祝電を送った。名誉会長は、先月で日本と中国の国交正常化から50周年を迎えたことに言及し、両国の友好拡大がアジアの安定と世界の平和への道を開くと強調。気候危機の打開に向けても、習総書記のもと日中の協力関係がさらに発展していくことに期待を述べた」
※中国共産党の党大会が開催され習近平氏が3期目の総書記に再任されたことを受け、創価学会の池田大作名誉会長と原田稔会長が「祝電」を送ったことを10月25日付『聖教新聞』が報じている。
従来、2期10年とされていた国家主席の任期を撤廃し、今回の再選で3期目となった党総書記に加え、来春には3期目の国家主席に就任すると見られる習近平氏。独裁化と権威化を強める習体制を見る世界の目は厳しく、日本のマスコミ各社の論調も、3期目に入る習体制に対する警戒心を露わにしている。
例えば「習氏1強の中国 独善の大国路線を憂える」と題する『西日本新聞』の社説。そこにはこうある。
「権力の一極集中は個人崇拝への回帰や集団指導体制の形骸化をうかがわせる。それが内政では人権の抑圧、外交では力による一方的現状変更など独善的な国家運営に拍車をかける懸念も拭えない」(10月25日付)
同様に『朝日新聞』社説にはこうある。
「任期の制約を廃して権力を自らに集め、周囲をイエスマンで固める。まさしく個人支配は極まった観がある。世界は、暴走の危うさをはらむ中国と向き合わねばならない」(10月24日付)
当然、こうした懸念を認識した上で、日中関係の深化に寄与してきたと自負する創価学会の池田・原田両氏は、「祝電」を送ったのだろうが、迎合するだけが能ではないことだけはあらためて忠告しておこう。
ところで今回の中国共産党大会の閉幕式では、習総書記の前任者である胡錦濤前国家主席が、半ば連行されるかのような形で途中退席するという異例の映像が世界中に流れた。その背景には、側近・イエスマンで周囲を固め、胡前主席の出身母体である共産主義青年団に連なる李克強首相などの党指導部を排除した習体制の闇がある。胡前主席の退席は、党内外の敵対者排除に向けた見せしめとも、抗議の退席とも取り沙汰されるが、一党独裁の中国共産党内部の権力闘争の実態を垣間見せるシーンだった。
その胡前主席と池田氏は通算3度も会談し、肝胆相照らす中だと創価学会は自慢してきた。その証拠に2008年5月に胡主席が日本を訪問し、迎賓館で会談した際に池田氏は、胡主席にこんな漢詩を贈っている。
〈國富邦和日日新 家家充裕感恩深 主施仁政行王道 席不暇暖為人民 古来文化漢土求 月氏睿智福共籌 錦繡中華迎舊友 濤聲友好萬代流〉
文頭の一文字をつなげて読むと「國家主席胡錦濤」となるというサービスぶり。その胡前主席が連れ出されるように退席する姿を池田氏はどう見たのだろうか。もっとも池田氏は09年12月14日に来日した習近平副主席に友誼の漢詩を贈ったと16日付『聖教新聞』は報じており、その漢詩の二行目には「美徳成習近平民」とあり、胡主席同様、習副主席の名前が歌い込まれていた。抜け目はないようだ。
●健全な宗教観・民主主義の定着を図る??
・10月27日付『聖教新聞』「原信濃町探偵団──創価学会最新動向
●習近平再選に祝電
・10月25日付『聖教新聞』「中国 習近平氏が再選 名誉会長、会長が祝電」
「中国の新たな党指導部が23日に発足し、習近平氏が総書記に再選されたことを受けて、池田名誉会長と原田会長は祝電を送った。名誉会長は、先月で日本と中国の国交正常化から50周年を迎えたことに言及し、両国の友好拡大がアジアの安定と世界の平和への道を開くと強調。気候危機の打開に向けても、習総書記のもと日中の協力関係がさらに発展していくことに期待を述べた」
※中国共産党の党大会が開催され習近平氏が3期目の総書記に再任されたことを受け、創価学会の池田大作名誉会長と原田稔会長が「祝電」を送ったことを10月25日付『聖教新聞』が報じている。
従来、2期10年とされていた国家主席の任期を撤廃し、今回の再選で3期目となった党総書記に加え、来春には3期目の国家主席に就任すると見られる習近平氏。独裁化と権威化を強める習体制を見る世界の目は厳しく、日本のマスコミ各社の論調も、3期目に入る習体制に対する警戒心を露わにしている。
例えば「習氏1強の中国 独善の大国路線を憂える」と題する『西日本新聞』の社説。そこにはこうある。
「権力の一極集中は個人崇拝への回帰や集団指導体制の形骸化をうかがわせる。それが内政では人権の抑圧、外交では力による一方的現状変更など独善的な国家運営に拍車をかける懸念も拭えない」(10月25日付)
同様に『朝日新聞』社説にはこうある。
「任期の制約を廃して権力を自らに集め、周囲をイエスマンで固める。まさしく個人支配は極まった観がある。世界は、暴走の危うさをはらむ中国と向き合わねばならない」(10月24日付)
当然、こうした懸念を認識した上で、日中関係の深化に寄与してきたと自負する創価学会の池田・原田両氏は、「祝電」を送ったのだろうが、迎合するだけが能ではないことだけはあらためて忠告しておこう。
ところで今回の中国共産党大会の閉幕式では、習総書記の前任者である胡錦濤前国家主席が、半ば連行されるかのような形で途中退席するという異例の映像が世界中に流れた。その背景には、側近・イエスマンで周囲を固め、胡前主席の出身母体である共産主義青年団に連なる李克強首相などの党指導部を排除した習体制の闇がある。胡前主席の退席は、党内外の敵対者排除に向けた見せしめとも、抗議の退席とも取り沙汰されるが、一党独裁の中国共産党内部の権力闘争の実態を垣間見せるシーンだった。
その胡前主席と池田氏は通算3度も会談し、肝胆相照らす中だと創価学会は自慢してきた。その証拠に2008年5月に胡主席が日本を訪問し、迎賓館で会談した際に池田氏は、胡主席にこんな漢詩を贈っている。
〈國富邦和日日新 家家充裕感恩深 主施仁政行王道 席不暇暖為人民 古来文化漢土求 月氏睿智福共籌 錦繡中華迎舊友 濤聲友好萬代流〉
文頭の一文字をつなげて読むと「國家主席胡錦濤」となるというサービスぶり。その胡前主席が連れ出されるように退席する姿を池田氏はどう見たのだろうか。もっとも池田氏は09年12月14日に来日した習近平副主席に友誼の漢詩を贈ったと16日付『聖教新聞』は報じており、その漢詩の二行目には「美徳成習近平民」とあり、胡主席同様、習副主席の名前が歌い込まれていた。抜け目はないようだ。
●健全な宗教観・民主主義の定着を図る??
・10月27日付『聖教新聞』「原田会長を中心に各部代表者会議」
「原田会長は、『愚人にほめられたるは第一のはじなり』こそ、三代会長が体現された創価の誇りであると強調。日本に健全な宗教観、民主主義を定着させ、混沌とした世界を平和と幸福へリードしゆくために、堂々と人間主義の哲学を語り広げたいと述べた」
※統一教会の反社会性がクローズアップされ、政治と宗教の関係や、反社会的カルトに対する対策の必要性が議論される中、創価学会の原田会長は各部代表者会議の席上、創価学会が「日本に健全な宗教観、民主主義を定着させ、混沌とした世界を平和と幸福へリード」すると主張したのだという。
本誌今号の特集で詳述するように、宗教と政治の関係の見直しやカルト対策に抵抗しているのは、創価学会と公明党。悪い冗談としかいいようがない。田会長を中心に各部代表者会議」
「原田会長は、『愚人にほめられたるは第一のはじなり』こそ、三代会長が体現された創価の誇りであると強調。日本に健全な宗教観、民主主義を定着させ、混沌とした世界を平和と幸福へリードしゆくために、堂々と人間主義の哲学を語り広げたいと述べた」
※統一教会の反社会性がクローズアップされ、政治と宗教の関係や、反社会的カルトに対する対策の必要性が議論される中、創価学会の原田会長は各部代表者会議の席上、創価学会が「日本に健全な宗教観、民主主義を定着させ、混沌とした世界を平和と幸福へリード」すると主張したのだという。
本誌今号の特集で詳述するように、宗教と政治の関係の見直しやカルト対策に抵抗しているのは、創価学会と公明党。悪い冗談としかいいようがない。