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2023年2月号

2月号目次

 

閻魔帳

大軍拡増税に突き進む自公政権/浦野広明 2

 

特集/消えた「SGI提言」と「緊急提言」の落差と欺瞞

“平和”を謳いながら「軍拡=防衛増税」を後押しする「公明党=創価学会」の欺瞞/古川利明

SGI会長「提言」の影響力とその疑わしき実効性/山本栄美子

軍拡政権に忖度・追従──ご都合主義的な池田提言/乙骨正生

 

トピックス

カルト問題・2世問題を陰謀論・レイシズムがひっかきまわす/藤倉善郎

トピックス

神社本庁のパラドックス/橋本征雄

  • 連載

信濃町探偵団──創価学会最新動向

「公明党と創価学会」を考える(第40回)

「平成の政治改革」と公明党・創価学会(9)/平野貞夫

ナニワの虫眼鏡(第44回)

注目の大阪府知事選 元共産党参院議員に勝機はあるのか/吉富有治

ヨーロッパ・カルト事情(294)

創価学会がリストから外れた⁉/広岡裕児

執筆者紹介 編集後記

 

 

編集後記から

 例年、創価学会は「創価学会インタナショナル(SGI)の日」と決めている1月26日に、池田大作SGI会長名義で重厚長大な記念提言を発表することを常としてきました。

ところが今年の1月26日に記念提言の発表はなく、1983年から続いていた記念提言は40回目の昨年で途切れることになりました。もっとも1月26日に先立つ1月11日に創価学会は、池田SGI会長名義で「ウクライナ危機と核問題に関する緊急提言」を唐突に発表しており、この緊急提言をもって、記念提言に代わるものと位置づけているようです。

それにしても「緊急」と「記念」の違いはあるものの、国際情勢に関する同じような提言を出すのであれば、通常どおり1月26日に出せばいいものを、2週間早めて出したのは、1月23日に通常国会の召集が予定されていたからに他なりません。

ご承知のように池田氏が創立者である公明党は、「平和の党」「福祉の党」を掲げていながら、岸田自公政権の軍拡・軍事費増大路線に加担し、軍事費増税を容認するとともに、社会保障費=福祉の切り捨てに加担し続けています。もし、通常国会開会後の1月26日に公明党創立者で、いまや自民党最大の支持団体とも言える創価学会の「永遠の師匠」である池田SGI会長が、停戦=戦争反対=軍拡反対ともとれる提言、また核兵器禁止条約に背を向ける日本政府に対して核禁条約への参加を促すような提言を行うとなれば、自公政権にとって好ましからざるところ。そうした思惑が、ロシアのウクライナ侵攻が1年にもなる段階での“緊急”提言となったのでしょう。浅ましいとしかいいようがありません。

その創価学会は4月の統一地方選に向けて、これを「地域の広宣流布」「御本仏から任された天地」での法戦であるとして、「信心で勝つ!」と檄を飛ばしています。

安倍元首相銃撃事件以来、政治と宗教の歪んだ関係の是正が大きな問題となっているにもかかわらず、独善的な宗教イデオロギーを掲げて会員を選挙闘争に駆り立てようと腐心している創価学会。日本の民主主義と地方自治を守る上でも、こうした異常な政治闘争に血道を上げる創価学会を厳しく監視し、糾弾する必要があると痛感します。

特集/消えた「SGI提言」と「緊急提言」の落差と欺瞞

“平和”を謳いながら「軍拡=防衛増税」を後押しする「公明党=創価学会」の欺瞞

古川利明

ジャーナリスト

「SGI提言」ボツにして焼き直しの緊急提言

毎年、1月26日は「SGI(創価学会インタナショナル)の日」ということで、創価学会名誉会長でSGI会長でもある池田大作による「『SGIの日』記念提言」が、翌日付の2回にわたって聖教新聞に公表されるところ、今年は掲載がなかった。これは信濃町にとって、今や年中行事の一つでもあり、学会員にしてみれば、これを楽しみにし、そして、この池田大作の教えを胸に“広宣流布”という名の選挙活動に邁進するわけである。また、我々学会ウオッチャーとしても、往々にして政治的なメッセージをまぶすことがあるため、注視せざるを得ず、余計、来たる統一地方選という“法戦”を前に「一軍の将の敵前逃亡」とも受け止められかねない今回の「SGI提言ボツ」には、訝るものがある。

その理由については、詮索するより他はないが、そもそも、池田は2010年5月を最後に、不特定多数の創価学会員の前で自らの肉声によるスピーチを行っていない。要するに、老化による衰えから「表に出てこれない」というより、「表に出せない」ということだが、ただ、それでも、信濃町には池田の文章を書く“代作局”があるので、池田が生きている限り、それこそ、死ぬ直前までこうしたものを発表することは、いくらでもできる。もちろん、今度の「SGI提言ボツ」は、創価学会会長である原田稔による組織内では最高レベルの決裁案件なので、だから、「何があったのか、何を考えているのか」だが、可能性の一つとして、池田の容態が相当悪くなっているということは、ないだろうか。ここのところ、聖教新聞をめくっても、特に写真付きの動静記事は皆無で、例えば、この1月2日で満95歳となった池田だが、せめて文字だけでも「この日は、第2別館で厳粛に勤行・唱題した」と載せてもよさそうなものだが、ウントモスントモなのある。

そこで、その代わりともいうべきか、2週間ほど前の同紙(1月11日付)が、この期に及んでもなお、池田大作が書いたということになっている「平和の回復へ歴史創造力の結集を」と題する、ウクライナ危機と核問題に関する緊急提言をSGI会長の肩書で載せている。こうした緊急提言は、昨年8月にニューヨークの国連本部でNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議が開かれる直前に、ロシアが核使用を仄めかしていたことを念頭に「核兵器の先制不使用の誓約など」を求めたもの(昨年7月26日付同紙掲載)に続くが、今回も内容としてはこの焼き直しで、「国連が仲介して、ウクライナ戦争の停戦に向けた関係国による外相会合を早急に開催せよ」としたうえで、改めて「それ」を求めているに過ぎない。ちなみに、この1月22日で、核兵器の開発から威嚇、使用までの一切を禁じた核兵器禁止条約の発効から、まる2年を迎えたが、世界で唯一の被爆国でありながら、日本はこれまでに批准はおろか、その前段である署名すら行っていない。同条約とNPTは互いに補完し合い、その相乗効果で「核兵器のない世界」を実現しようというのであれば、まさしく「隗より始めよ」で、池田は自らが創立した公明党に対して「日本は核兵器禁止条約を5月の広島サミットまでに批准せよ」と命じなければならないはずだが、やはりと言うべきか、今回の緊急提言でもネグっている。

 

「底が抜けた」防衛費大増額の背景にあるもの

そこで、本誌前号の拙稿でも触れたが、23年度当初予算案では、じつに前年比26・3%増の6兆8219億円となった防衛費(22年度同5兆4005億円)だが、自公の岸田政権は、新年度からの5年間でこの防衛費に計43兆円を注ぎ込むことを既に表明しており、単純に5で割っても年間8・6兆円に上り、要するに再来年度以降はさらにもっと増やすということである。確かに、12年12月の総選挙で自公に政権が戻り、安倍晋三が首相として再登板して以降、毎年増え続けていた防衛費は、16年度の当初予算で初めて5兆円を突破し、さらには年度途中の補正予算で追加分を潜り込ませるという裏技を使い始めたものの、それでもまだ今年度の防衛費は計6兆1774億円だったことを考えると、今回の防衛費大増額は、まさに「底が抜けた」としか形容できないものである。

で、この防衛費大増額の動きを初めて報じた朝日新聞(昨年8月21日付朝刊)によれば、毎年8月末の概算要求の時点で要求金額を示さない「事項要求」という方法を使い、これに100項目以上を盛り込むことで「年末の予算編成では巨額化する可能性」と打っていた。そもそも、予算は、それこそボールペン1本から積み上げる「積算根拠」が要るが、この事項要求とは、例えばコロナ対策など、想定外である緊急時の予算編成で「これ」を端折ることで要求金額を出さないことで、分かりやすく例えるなら、財務省に対し「摑み金で出せ」をフッかけることである。もちろん、例外扱いだが、そうやって、財政規律を歪めることから、実際、コロナ対策予算では無駄使いが噴出しており、防衛費において「これ」を使ったのは、過去においては、年間2千億円前後で推移していた米軍再編関連経費ぐらいのものだった。防衛省は例年、ホームページで公開する概算要求の資料で事業ごとに「○機・○億円」と金額を明示していたが、驚くべきことに、今回は概算要求時点での総額だった「5兆5947億円」を出すだけで、各装備品の調達数や物件費などの内訳、さらには自衛隊員の定数までも「事項要求」として、非公開にしていたのである。

なぜ、このように降って湧いたように防衛費大増額の動きが出てきたかだが、確かに安倍が首相の時代に一気に進んだ、金額交渉の余地はなく相手の一方的な言い値でF35戦闘機などの兵器を買わされる米国のFMS(対外有償軍事援助)のツケが溜まり、後年度負担と呼ばれる軍事ローンの総額が23年度は10兆7174億円にも達するほか、例の反撃(敵基地攻撃)能力の容認によって、射程1千キロ超のスタンド・オフ・ミサイル(「スタンド・オフ」とは離れているの意)の予算に新年度からの5年間で総額5兆円も計上していることが、まず、挙げられるが、しかし、これらだけでは「向こう5年間で43兆円の防衛費」の説明はつかない。推測だが、首相の岸田文雄が「防衛費増額の対米公約」を表明する、来日したバイデンとの首脳会談の9日前の産経新聞(昨年5月14日付)が、昨年5月5日にあった日英首脳会談で「F2戦闘機の後継を日英共同開発で合意 米ロッキード社から転換」とスクープしており、「これ」がペンタゴンにいたく疑念を抱かせて、「日本に対する防衛費増額への圧力」に向けてスイッチが入った可能性がある。

 

軍拡・増税にも「付いて行きます」の創価・公明

折しも、その反撃(敵基地攻撃)能力に関して、読売新聞(1月23日付朝刊)が「地上発射型中距離ミサイルの在日米軍基地への配備を見送り」と、何やらキナ臭い記事を載せている。要するに、米露間のINF(中距離核戦力)全廃条約の失効(19年)に伴い、「対中国」を想定した台湾有事にかこつける形で、射程500~5500キロの地上発射型ミサイルの配備を米軍は検討していたが、これを見送る代わりに現在、南西諸島で計画が進む自衛隊基地で「これ」を配備しろということで、まさしく、その中国まで到達するスタンド・オフ・ミサイル予算の計上と符合する。タネを明かすと、地を這うようにマッハ5以上で飛ぶため、レーダーでは捕捉不能な極超音速ミサイルの配備で中国に後れを取っている米軍の焦りからで、これで名実とともに自衛隊の役割というのは、「盾」から「矛」となり、専守防衛など完全に吹っ飛んでしまう。

大事な点は、「これ」が自衛隊独自で運用することはあり得ず、「敵基地」、すなわち、「中国が発射するミサイルの配備基地」の所在は、米軍のスパイ衛星以外に摑みようがないのだから、早い話が「日米共同による軍事作戦」なのである。もちろん、実際には「自衛隊は米軍の指示に従うだけ」だが、ましてや、米軍にとって核は通常兵器である以上、そうした有事の際に核を持ち込むなど当たり前のことであって、あの「三矢研究」でも出てくるように、少なくとも、日米の制服組同士では「核使用の共同作戦」を想定していることは間違いない。だから、日本があの核兵器禁止条約の批准を渋っていることの最奥の機微は、恐らく「ここ」ではないだろうか。

問題は、その膨れ上がった防衛費の財源で、当面は余った予算の国庫返納や特別会計からの繰り入れなどで賄う方針だが、岸田が既に「防衛増税」に言及している通り、「いつから、そして、どの税を充てるか」は不透明なものの、「これ」が今後の政局における最大のキモとなるのは、疑いの余地はない。そこで、飽きもせずに“平和”を謳う公明党と、それを完全にコントロールする創価学会だが、そこは「踏まれてもどこまでも付いて行きます下駄の雪」ゆえ、この「軍拡」、すなわち、「防衛増税」に追従するのは目に見えている。そもそも、オキナワを含む南西諸島にミサイルを配備すること自体、中国に向かって「ここを攻撃して下さい」と言っているようなもので、例の緊急提言でも相変わらず池田大作が「戦争ほど残酷で悲惨なものはない」とヌケヌケと言い切っていること自体、最早、マンガでしかなく、こうした彼らの欺瞞の極みを我々心あるジャーナリズムは、引き続き剔抉する必要がある。(文中・敬称略)

 

古川利明(ふるかわ・としあき)1965年生まれ。慶応義塾大学文学部卒。毎日新聞、東京新聞(中日新聞東京本社)記者を経て、フリージャーナリスト。『システムとしての創価学会=公明党』『シンジケートとしての創価学会=公明党』『カルトとしての創価学会=池田大作』『デジタル・ヘル サイバー化監視社会の闇』『日本の裏金(上、下)』『ウラ金 権力の味』『「自民党“公明派”」10年の功罪』『「自民党“公明派”」15年目の大罪』最新刊『「自民党“公明派”」20年目の大失敗』(いずれも第三書館刊)『核と原発 ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、そしてフクシマを繋ぐ悲劇の誕生』(アメージング出版)など著書多数。

 

信濃町探偵団──創価学会最新動向

  • 統一地方選の宗教的意義を強調

──統一選に向けて会員を煽り立てる創価学会

・1月7日付『聖教新聞』「県長・県女性部長会での原田会長の指導」「『信心の団結』で『立正凱歌を』」

「本年4月には、統一地方選が行われます。ご存知の通り、学会の支援活動の原点は1955年(昭和30年)の統一地方選です。27歳の池田先生が、大田と鶴見で指揮を執られ、見事、どちらもトップ当選。その初陣こそ、まさに民衆の幸福と平和を目指す運動のスタートでありました。

当時、保守陣営は財界・大企業を擁護し、革新政党は労働組合の利益を優先。多くの庶民が政治から取り残され、金権政治や買収が横行していた。その中で『民衆不在の政治を変え、民衆の手に政治を取り戻す』戦いに挑んだのが、昭和30年の統一地方選でした。この時の思いを、先生はこう記されています。

『私の心は熱く燃えた。仏法は勝負だ。戦う以上は断じて勝つ!妙法を胸に、全人類の宿命転換へ立ち上がった民衆が、いかに崇高で、いかに偉大な力をもっているか、日本中に示してみせる!』。そして、どちらも最高当選という壮挙を『それまでの日本になかった「新しい民衆運動」の、堂々たる第一歩であった』とつづられたのです。

以来、私たちは、民衆の力をもって、民衆のために働く政治家を輩出し、育てることに尽力し続けてきました。今後も、この堂々たる民衆運動を、誇り高く進めていきたい。

そして、党の出発点が地方選・地方議会にある意義を、公明党の全議員には今一重、かみ締めてもらいたい。『現場第一主義』『大衆とともに』の真骨頂は、地方政治にこそあります」

 

※今年4月に行われる統一地方選挙の必勝に向けて、原田稔会長が、創価学会の全国の県幹部を集めた会合で檄を飛ばした。それによれば創価会の統一地方選の戦いとは、「民衆不在の政治を変え、民衆の手に政治を取り戻す戦い」であり、昭和30年の統一地方選に臨んだ池田大作氏は、「私の心は熱く燃えた。仏法は勝負だ。戦う以上は断じて勝つ」との気概で、「妙法を胸に、全人類の宿命転換」を果たすための戦いである統一地方選に臨み、最高当選を勝ち取った。その例に倣って来る4月の統一地方選も必ず勝てということのようだ。

その上で原田会長は、「小説『人間革命』」を引用して、統一地方選の意義をこう強調している。

「その昭和30年の戦いが描かれた小説『人間革命』第9巻『展開』の章には、初めての支援活動に不安を抱く同志に、“何をもって勝つか。それは信心の団結である”と力説する山本伸一青年(注・池田大作氏のこと)の姿が描かれています。

『今こそ、信心で奮い立ち、広宣流布というものへの広い視野と、深い自覚に立って、自主的に総立ちすることです』『妙法の使命を胸に秘めて立候補した同志を応援する――この使命を同じくする人の団結ほど強く、また尊いものはありません。この実践活動が、立正安国を一歩一歩、進めているんです。やろうじゃないですか!』

この真剣な訴えがあったればこそ、『信心根本に戦い抜く』という息吹が大田と鶴見の全同志にみなぎり、勝利への道が開かれたのであります」

創価学会が「広宣流布のバロメーター」とする昨年7月の参院選での公明党の比例区票は618万票で、公明党比例区の最多得票である2005年衆院選での898万票からは280万票も減少しており、その減少率は32%にも達する。こうした傾向は国政選挙のみならず地方議会選挙にも顕著に表れており、全国各地の県議選・市議選でも公明党候補は軒並み得票を減らしている。

しかも岸田自公政権は軍事費をGNP比2%まで引き上げることを明らかにしており、防衛費を激増させるためには増税も厭わない姿勢を顕著にしている。安倍政権・菅政権と続いたアベノミクスに基づく経済政策の結果もたらされた円安・物価高は、いま庶民の生活を直撃しており、「平和・福祉」を掲げていた公明党の欺瞞性を、多くの国民・有権者が認識し反発を強めている。また安倍元首相の銃撃事件を契機に、国民・有権者のカルトや政治と宗教の関係に対する姿勢は一段と厳しいものとなりつつあり、創価学会・公明党にとって統一地方選はかつてない厳しい選挙となることだろう。

それだけに原田会長は、政教分離どころか政教一致そのものの宗教選挙で難局を乗り切ろうと檄を飛ばし、指導の末尾では「末法の御本仏」と仰ぐ「日蓮大聖人」の遺文と、池田語録を引用して鞭を入れるが、相次ぐ得票減が示すようにもはやアナクロニズムだ。

「『大白蓮華』1月号の巻頭言には『「今ここが御本仏より任された天地なり」と一念を定めて妙法に生き抜く時、その場所が人間革命の大舞台と変わる』とありました。『必ずこの地域を広宣流布する』――この強き一念と行動がなければ、長年、そこに住んでいても、広布は進みません。そして拡大に挑戦する中で、人間革命は成し遂げられます。大変な戦いに挑むからこそ、宿命を使命に変え、仏になることができます。広布が進めば、障魔が競い起こることも必定です。これまでも学会の前進をねたみ、恐れる勢力が、根も葉もない非難・中傷で騒ぎ立てたことがありました。しかし学会は、あらゆる苦難を乗り越え、広宣流布を厳然と進めてきました。

『必ず三障四魔と申す障りいできたれば、賢者はよろこび愚者は退く』との御金言を胸に、私たちは決して退くことなく、宿命を乗り越え、障魔を乗り越え、威風も堂々と広布拡大を進めていきたい。(中略)さあ、私たちは『強き信心』で勝つ!『強き団結』で勝つ」

住民自治を実現するための地方選挙に、独善的な宗教的イデオロギーを持ち込んで議席を獲得しようとする創価学会。政治と宗教の歪んだ関係を是正することが求められている中で、「この地域を広宣流布する」などと、地方議会選挙を自らの勢力拡大のツールと位置づける創価学会・公明党には、来る統一地方選挙で、厳しい審判を下す必要があるだろう。

 

  • 発表されなかった「『SGIの日』記念提言」

・1月21日付『聖教新聞』「原田会長ら訪問団がグアム ゲレロ知事と会見」

「原田会長、谷川主任副会長ら訪問団が19日夕、アメリカ・グアムに到着した。原田会長は20日午前、ハガニア市にあるグアム準州知事公邸を表敬訪問し、ローデス・A・レオン・ゲレロ知事と会見した」

・1月22日付『聖教新聞』「グアム池田平和文化会館が誕生」「大歓喜の開館式 原田会長ら訪問団、全米リーダーがグアムの友と SGIの平和貢献たたえゲレロ州知事、準州議会が顕彰」

「アメリカSGIのグアム池田平和文化会館の開館式が21日、タムニン市の同会館で晴れやかに行われた」

・1月26日付『聖教新聞』「きょう1・26『SGIの日』幸福の花を世界に万朶と」

「きょう1月26日は『SGIの日』。1975年の同日、グアムの国際貿易センタービルに世界51カ国・地域の代表158人が集まってSGIが発足し、48周年となる。池田大作先生は記念の随筆を寄せた。今月21日には、発足の地に、待望のグアム池田平和文化会館が誕生。同会館の開館を喜ぶ友の様子を紹介する」

 

※1月26日を「SGIの日」とする創価学会は、1983年以来毎年1月26・27の両日、『聖教新聞』紙上に、池田大作SGI会長名義の「『SGIの日』記念提言」を発表することを常としてきた。しかし今年の1月26日には「記念提言」の発表はなく、そこには1月21日にオープンしたSGI発足の地であるグアムに建てられた池田平和文化会館の写真が大きく載っていた。

グアム池田平和文化会館の開館式には日本から原田会長・谷川主任副会長が出席、関連記事として『聖教新聞』は、原田会長がグアムの州知事らと会見したことも報じている。

1983年から2022年まで39年間、40回にわたって続けられていた「『SGIの日』記念提言」が途切れた理由と背景には、2010年に大衆の前から姿を消してから13年目を迎え、今年1月2日に95歳となった池田氏の名前で提言を続けることには、もはや無理があること。また1月23日に召集された通常国会では、岸田自公政権が推し進める軍拡路線や原発再稼働・新増設路線が争点となることから、会期中の1月26・27日に、平和や反核を訴える「記念提言」を出すことは不都合との判断があったのだろう。

いずれにせよ18年の『新・人間革命』の終了に続き、「『SGIの日』記念提言」が途切れたことは、池田時代の終焉が間近に迫っていることを痛感させる。

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