特集/東京都議選「公明完勝」の意味するもの

「創価学会流」をフル回転 全国の組織を動員する非常識戦術

2005-7-15

野田峯雄 ジャーナリスト

 「選挙こそが神髄」の特異構造

 この世は勝ってなんぼ、口を巧く使いなさいね、選挙の獲得票数が信仰のバロメーター! などと池田大作さんたちはひどく強調する。つまり、「選挙」こそが神髄。彼らは古今東西皆無の選挙カルトである。
 そんな彼らが、「今年最大の政治決戦」と大騒ぎしてきた7月3日投票の東京都議会議員選挙を終え、「また、勝った!」などとはしゃいでいる。20選挙区で23人の候補者全員を当選させ(全127議席)、都議選4回連続の「完全勝利をはたした」と胸を張る。それにしても、自称幸福王者&オクサマの虚飾コンビはちゃんと投票しているのか。
 勝て、勝ての口先ばかりで、じつはご本人は創価学会名義のヒノキ造り豪邸の一室にコロリンと横になって極上メロンを頬張りながら、「私は宇宙的偉人」なんてたわけたことを「獅子吼」なさっているだけ、とは思いたくない。いや、邪悪な庶民をびっくりさせたくないとの深き思いゆえ、もしかしたら、たとえばバスタオルでむっくり顔をスポッと包んで東京都新宿区信濃町20番の投票所(児童館)へ、ご光臨あそばされたのかもしれない。
 彼らの選挙戦のいわば現場係長は神崎武法さんである。彼は池田大作さんの食べちらかしたウドンやカレーライスをすすらせてもらえるほど偉くない。しかし、けっして愚かではない。逆に、なかなか他人のマネのできない特技の持ち主なのだ。たとえば、ウラ国対委員長の異名をとっていた元参議院議員・平野貞夫氏によれば(著書『公明党・創価学会の真実』)、芸者やコンパニオンの襟元にべとついた手をなすりつけるのが非常に上手だという。その神崎さんが7月3日深夜、たったいま選挙結果が出たばかりなのに、はや、こんな言い回しでハッパをかけていた。
 「今回の選挙は次期国政選挙の前哨戦」
 彼の視線はすでに次の選挙に激しく突き刺さっている。そういえば、彼は昨年7月の参院選“直後”にもこう語っていた。「大きな戦いは来年6月の東京都議選だ」。で、あれから約1年間もずっと彼らは、選挙そのものがレーゾン・デートルという特異カルトの真骨頂と言うべきだろう、まなじりを決して「大きな戦い」、すなわち今回の都議選を戦い続けてきたのだった。ちなみに、投票結果が出た7月3日の深夜、神崎さんのべとつく手がだれかの襟元をさすったのかどうか、いまのところ定かではない。

 大阪府議が「都議選支援に感謝」の不思議

 公職選挙法によると、「公示または告示が出て、選挙長が立候補届を受理したときが選挙運動の始まり」であり、「それより前の運動は事前運動として禁止する」。しかし、あの選挙・この選挙と、選挙を渡り歩くことを緊縛ドグマにしている選挙専業カルトにとって同法は幼稚園児のおならより軽い。実際、今回の都議選でも前述したように約1年前から、口の巧さを誇る池田大作さんの「勝利者だけが幸せで偉い」とのムチを背に受けつつ“全力疾走”し、あまつさえこんなサル芝居を平然と演じていた。
 「全国から厚いご支援をお寄せくださった党員・支持者・創価学会員の皆さまに心から感謝と御礼を申し上げます」
 「血のにじむような激闘で公明候補の押し上げを訴え続けてくださった全国の党員・支持者、創価学会員の皆さま、……厚く御礼を申し上げます」(7月4日の公明新聞)
 奇妙なあいさつではないか。公明党は池田大作さんのもの。また、党員は100%創価学会員と考えられる、つまりこれも池田大作さんのもの。支持者は、フレンドなど(阿諛追従者など)を除くとみんな創価学会員。つまりそれもまた池田大作さんのものとみなしてさしつかえない。としたら、この連中は何をしているのか。真顔で「池田大作さん」が「池田大作さん」にお辞儀をしているのだ。
 とともに、気になるのはしきりに「全国」と叫んでいる点である。都議選は東京のこと。たとえば山形県民には関係がない。にもかかわらず、なぜ「全国」なのか。公明関係の個人ホームページにこんなのがあり、ついクビをひねりたくなる。
 「ご支援に感謝! ひとえに、党員・支持者、創価学会員の皆様の献身的なご支援の賜物であり、心から感謝と御礼を申し上げます」
 東京都内の議員もしくは候補者の感謝と思いきや、なんと“大阪府議会議員”の西村はるたか創価学会員さんが深々とお辞儀をしているではないか。滑稽だ。おいおい、何を勘違いしているんだよ。そう声をかけたくなるが、このカルトは選挙そのものを目的にしているので、世間常識的な「全国」と「地方」の区分がまったく通用しない。

 全国総動員令の異常

 どんな規模であれ、どこの選挙であれ、いわゆる外部応援をしてはいけないという法はまったくない。だが、池田大作さんたちは「センセ信仰」をかざして全国総動員令をかけ、同選挙実態をフォローすると、ただちに公選法関係事犯がぞろぞろと浮かぶ。しかも、外部部隊による対立候補の選挙ポスター破りや怪文書のバラ撒き、激しく執拗ないやがらせなどを連綿と発生させてもいる。
 きっとそうした作業のひとつなのだ。都議選のさなか、創価学会の本部がある、それゆえ必ず“本部死守の命を担う候補者”を立てている新宿区に、「子どもや女性が安心して歩ける新宿を作ろう! 明るい新宿をつくる会」と記したビラが夜陰にまぎれて撒かれた。
 この中身が興味深い。「代表的ハレンチ事件」と題し6件を載せている。うち5件は池田大作さんたちに対立する政党の関係。それに元早稲田大学大学院教授事件がちょこっと添えられている。とにかく「明るい」と呟きながら夜陰にまぎれてこそこそしたのはだれか。一目瞭然である。それにしても、「ハレンチ」なら、なんといっても全国筆頭は池田大作さん自身ではないかという感想が湧く。
 池田大作さんは口を開けば「師弟不二」とか「異体同心」と騒ぎ創価学会員たちの洗脳に明け暮れている。やはりこの効き目は絶大だ。まるで師の池田大作さんに負けじとばかり、たとえば東京永田町の議員会館の一室にカギをかけて女性秘書に襲いかかったK参院議員事件など、創価学会員たち、ようするに池田大作さんの異体同心による陵辱・傷害・殺人事件は枚挙にいとまがない。

 1年がかりの選挙活動

 池田大作さんたちの選挙関係法を踏みにじる作業は「匠」の域に達している。そのなかに組織的かつ集団的な期日前投票戦術がある。朝日新聞が03年総選挙の総括記事に、学会幹部のこんな打ち明け話を載せていた。
 「Z票の力で逆風をしのいだ」
 Zは期日前投票(不在者投票)のこと。それをまさに“有効”に使ったというのである。言い換えると、池田大作さんたちの投票日は1日だけではないのだ。衆院選なら投票当日前の11日間、参院選と都知事選なら同16日間、都議選なら同8日間の投票チャンスを確保できる。彼らはこの期間、怠け者学会員やフレンドや老人や身障者たちを脅かしたり、すかしたり、さらに手足を引っ張ったりして足繁く投票所通いを続けるのである。先の衆院選ではその戦術を主軸にフル回転、とうとう約873万票を手にしたわけだが、創価学会が最大の決戦と位置づける今回の都議選でも異様な光景を呈している。
 東京都選挙管理委員会によると、期日前投票者数は47万7904人にのぼり、これは前回選挙時の1・21倍だという。区市町村別の増加1位は世田谷区(3万3492人)、2位は大田区(3万3478人)、3位は八王子市(3万2591人)である。さて、その3区市の上位当選者を見てみよう。世田谷区と大田区では池田チームがトップと第2位を占め(それぞれ3万票前後)、八王子市でもトップだ(約5万3600票)。この期日前投票者数の増加と池田チームの勝利は“偶然の一致”なのか。とてもそう思えない。なぜなら、まず彼らの過去の悪質なふるまいが、さらに前述した全国総動員令などが「偶然」を否定する。
 ところで、池田大作邸の御庭掃除係のようにしか思えない神崎武法さんのほうへ戻ろう。彼は都議選結果を手にこう語ってもいた。
 「公明党にとって新旧世代交代の選挙だった」
 池田大作さんたちはほぼ連日、ツバを吐きつけるように「だれのおかげで議員になれたんだ! バカ!」と罵っている。議員はちょっとしたお飾り、私こそ真に力のある王者、高貴なる御方であるぞよと大声をあげている。また、客観的に見ても候補者は創価学会員、票を入れ