特集

特集共謀罪を強行した公明党&創価学会の無間地獄

地獄への“釜の蓋”開く創価・公明の罪深き所業

溝口 敦

ノンフィクション作家

ゾンビ的政治に奉仕する我利集団

 戦後72年経った今なお日本を戦前の軍国主義時代に戻し、再び海外で戦争できる国にしようというのは、まるでゾンビの発想である。歪んだ秘教的な妄想さえ感じさせる。

 今年53日の憲法記念日に安倍首相は2020年と期限を区切った上、「憲法91項、2項を維持しつつ、3項に自衛隊の存在を明記する」という加憲案を示したが、これは歴史修正主義的な極右団体「日本会議」のシナリオに乗った発言である。

「日本会議」系のシンクタンク「日本政策研究センター」はこの5月、「これがわれらの憲法改正提案だ」を刊行した。同書には9条加憲案について、おおよそ次のような理由づけが記されている。

〈憲法92項を削除し、自衛隊を世界の国々が保持している「普通の軍隊」として位置づけることが最もストレートな解決方法だが、70年間にわたって浸透してきた国民の「9条平和主義」は根強いから、2項はそのままにして、9条に新たに第3項を設け、第2項が保持しないと定める「戦力」は別のものであるとして、国際法に基づく自衛隊の存在を明記する〉

 安倍はこうしたシナリオに基づき、日本会議の改憲集会で右記のようなことを声明、提案した。安倍がゾンビ集団、日本会議の忠実なメンバーだからだ。現在、閣僚の4分の3が日本会議に所属しているというから、いかに日本会議が国政を動かしているか、恐ろしいほどである。

 対して公明党は創価学会・池田教に属している。使命とするところは政権与党に付着し、創価学会公明党のために利益をより多く確保することである。公明党の扱い商品は学会員票であり、選挙の度に自民党に売り捌いて来た。自民党は公明党を与党の一角として遇し、公明党にとっては上得意、もしくは大旦那といって過言ではない。

 公明党は大旦那の機嫌を損ねたくないから、安倍内閣が日本会議の教えを信奉していても、とやかくは言わない。戦前、創価教育学会の初代牧口常三郎、その幹部だった戸田城聖が治安維持法で獄につながれ、牧口は獄中死している。

 その現代版である共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)でも、自民党が委員会での強行採決時に混乱がテレビニュースに報じられないよう「中間報告」で行くことを提案すると、渡りに船とばかりに賛成した。創価学会のご先祖が戦前、法のため悲惨な目に遭おうと、今現在には関係ないとあえて目をつぶった。

 また池田先生そのものがいわばゾンビだから、共謀罪が成立しても、ご迷惑はお掛けしないと信じ切っている。それに目の前に都議選が迫っているから、共謀罪の強行採決で自民党の片棒を担いだことが学会員の前に目立たないことが何よりである。

 その都議選では豊洲市場への移転などで評判が悪すぎる自民党と一時的に別れ、小池百合子都知事の都民ファーストの会と手を結んだ。創価学会のお膝元、東京都の都議選で手痛い敗北を喫すると、公明党の衰弱した実勢が白日下に晒されてしまう。つまり公明党は都議選では、臨時的に学会員票の大旦那への専売を断り、都民ファーストの会に小売することにしたわけだ。

 が、公明党の一時凌ぎが成功するかは保証の限りではない。小池都知事も豊洲移転を打ち出す一方、築地市場の活用を図ると言い出すなど、政策が迷走し、しょせん本籍が自民党であることを語っている。都民の小池知事への信頼が長く続くとは考えられない。

 公明党が何より敵視しているのは共産党に対してである。公明党広報は620日付のツイッターで「3つのKでわかる共産党」と題する悪質なデマを飛ばした。私立高校授業料の実質無償化について、共産党は実績取りのハイエナ政党だ、共産党は「汚い!」「危険!」「北朝鮮!」とネトウヨまがいの悪罵を投げつけている。

 これに対し、共産党の小池晃書記局長は22日の記者会見で「事実無根なだけでなく、極めて下品で低レベルだ」と次のように反論した。

「事実と言うなら、私立高校授業料無償化、負担軽減の問題では、共産党都議団は4年間で17回都議会で質問している。一方、公明党は、父母の皆さんが一生懸命集めてこの4年間で4回提出した『授業料や入学金の支援と私立学校への助成の充実を求める請願』に3回反対し、否決した。今年2月になって、初めて賛成した。まずは、自分の胸によく手を当てて反省した方がいい」

 公明党は私立高校の授業料無償化などに真剣に取り組んでいないから、こうした早とちりや勇み足、挙げ句の果ては真逆の悪罵を投げつけて、自ら恥をかくことになる。日本在住の韓国人にヘイトスピーチをがなり立てる連中と気分は一緒である。

マフィア化した自公政権

 朝日新聞619日付は「身内かばい合い・外には恫喝的……安倍政権『マフィア化』」という記事を掲載した。長谷部恭男早大教授と杉田敦法政大教授の対談であり、対談中、二人は次のように語っている。

杉田 「1強」なのに余裕がない。これが現政権の特徴です。軽々に強硬手段に訴える。圧倒的な議席数を有しているのだから、国会会期を延長して、見かけだけでも整えればいいし、都合の悪い文書が出てきても「怪文書」などとせず、調査中と言えばいいのに、恫喝的な態度をとる。森友学園や加計学園をめぐる疑惑と重ね合わせて考えると、政治のあり方が、一種マフィア的になっているのでは。身内や仲間内でかばい合い、外部には恫喝的に対応する。……

 長谷部 公が私によって占領されている。濃密な人間関係で強く結ばれた集団が、官僚機構や一部マスコミも縄張りにおさめ、社会一般に対して説明責任を果たそうともしないで権力を行使するとき、公権力は私物化され、個人間の私的な絆をテコに政治が行われる。社会全体に何が利益かを丁寧に説明し、納得を得ることで権力は民主的な正当性を獲得しますが、現政権はそんなものは必要ない、反対するやつは切り捨てればいいと。まさにむき出しのマフィア政治です〉

 自公政権そのものがマフィア化している。つまり自公は共謀罪の対象である組織犯罪集団そのものである。たとえば奴を殺せと親分は命令、指示できないから、子分が敵のタマ取りを「忖度」し、ヒットマングループを組織した上、つけ狙い、その生命を奪う行為である。忖度は親分を殺人の教唆からガードするマフィアの手法でもあるのだ。

 公明党議員は若いころ創価学会の教学を履修しているはずだが、そんなものはマフィア化に対して何の抵抗にもならない。逆に池田教学によりマフィア化には早くから習熟している。

 早い話、公明党が説得したい相手は自ら票を投じ、また他人に票を投じさせる学会員たちだけに限られるから、話す言葉の一般的な真実性は問題にならない。学会員たちが一時的にでも信じてくれる限り、デマもウソも大いに結構、その場かぎりで有用ということだ。

 彼らはハナから社会正義の実現や公平性の確保などを目的にしない。議会制民主主義などもゴミ箱に捨てて顧みない。単に我利、つまり己の利益だけが大事なすれっからしだから、善導することなど、できるわけがない。

 よって学会員大衆の覚醒に期待せざるを得ないわけだが、その学会員大衆は実質的な教組である池田大作がゾンビであることにさえ気づこうとしない。先生からのお手紙である聖教新聞に注意深く目をさらせば、「池田先生がおかしい。ことによったら、私たちはゾンビをご本尊にして拝む邪宗になってるのかも」と気づくはずだが、気づきたくないから気づかない。気づけば自分の行動を見直し、改めなければならない。それが面倒だから、これまでの習慣を続ける。

 よって牧口、戸田先生の仇である共謀罪の強行採決で、公明党が自民党の片棒を担いでも何も思わない。学会員大衆は観察力も思考力も失い、半ばゾンビ化している。さらに本格的なゾンビに仕立てるべく安倍首相や日本会議が戦前型の強烈な軍国主義や警察社会化の型に押し込めようとしても、唯々諾々と、その行列に並ぶだけである。

 まことにこの世で自分なりに考えないことの罪は重く、深い。自分ばかりか他人まで地獄の道連れにするからだ。(文中・一部敬称略)

溝口 敦(みぞぐち・あつし)ノンフィクション作家。1942年生まれ。早稲田大学政経学部卒。出版社勤務などを経てフリーに。宗教関係をはじめ幅広く社会問題を扱う。『食肉の帝王』(講談社プラスα文庫)で第25回講談社ノンフィクション賞、日本ジャーナリスト会議賞、編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞の3賞同時受賞。『堕ちた庶民の神』(三一書房)『歌舞伎町・ヤバさの真相』(文春新書)『パチンコ「30兆円の闇」』『生贄の祀り』『あぶない食品』(小学館文庫)『武富士 サラ金の帝王』『池田大作「権力者」の構造』『中国「黒社会」の掟』『細木数子 魔女の履歴書』(講談社プラスα文庫)『暴力団』『続・暴力団』(新潮新書)『抗争』(小学館新書)『やくざの経営戦略』(文春新書)など著書多数。

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